東京・ウサギSATELLITES

兎についてきた人だけが迷い込む不思議な衛星

再訪ジブリ美術館8

2018-09-22 | 長い散歩

企画展示を見終わった時点で、私、結構ぐったりしておりました。
観察人間なのであれこれ集中して見ないと気がすまないのですよね……

とりあえず疲労回復のためベンチに座って休憩。そこから中央ホールをぼんやり眺めて気づいたのですけど、前回ご縁のあった小さい螺旋階段塔、渡海屋(漢字これだったかな←)のオブジェが外されてすっきりしちゃってました。やっぱり暗くて危ないからかな…少々残念に思いつつ、でもホールを囲むステンドグラスにキャラがいたりと見所はいくらでもあります。あと、余談ですけどまだお客の入っていない館内からオープニングのベルが響いてきたのも良かったです(休みながらすでに思い出にひたる)。


その後少し回復したので前回見た‘動き始めの部屋’に行きました(皆様無理せず体力と相談してくださいね←一番すべきは私ですね)。

こちらも前回と大きな変化は無いように感じたのですけど、やはり発見はあって、入り口(出口?)そばの壁に設けられた沢山の小さな扉の中にジオラマがありました。ユニークな内容になっているのでぜひ覗いてみることをおすすめ。あと蓄音機のようなものに耳を寄せると側のモニターの効果音かな?が聴こえたりも。



(屋外です)


パティオの例の小窓を前回よりじっくり覗き込んだらドライフラワー等があってやっぱり好きな空間だと再確認。というかこの辺りも色んな置物があったりして楽しいですな(そしてなぜかいつもカポーがラブラブではしゃいでいる)。



いよいよヘトヘトとなり、おいとますることに。

前回、美術館のここがもっとこうなら的なことを書きましたけど、今回はわりとそれらが補完されていたように感じました。企画展示の再現のインパクトが大きかったと思います。何よりラピュタに関するものが見られて嬉しかったです。

次はどんな感じになるのか分かりませんけれど、勝手を承知で考えるとやっぱりナウシカの植物再現とかオウムの目の素材とか見たいかも……ハウル関係のものもなんとなく少ないような気がしたのでそちらの何かも(電球に囲まれるとか)。考えは尽きません。愛知万博跡地のジブリパークも楽しみです。

というわけで、ジブリ美術館再訪についての感想でした。





まもり神さまご縁があったら、また。





最後に、高畑勲監督のことを。

宮崎駿監督の信頼する同士で才能深き方という印象があり、表で様々な監督による様々な作品が発表される中でも、奥にいつもでんと構えている主…そんなイメージを抱いていました。

発表される作品もまた、一筋縄ではいかない…アニメの世界に一石もしくは新風を起こすような内容で、ジブリの精神的支柱だったのではないでしょうか。遠目からですらそう感じるので、ジブリの皆様や宮崎駿監督の喪失感はいかばかりだろうと心配にもなるのですが、1人のジブリファンとしてできることはジブリに関わる(もしくは関わった)人々の生み出した世界を知り続けることなんだろうなと。なので企画展示室のもう1つの名のように、これまでもこれからも私は知ることで与えられた感動への恩返しをしていけたらなと思っております。高畑勲監督、ありがとうございました。












再訪ジブリ美術館7―2

2018-09-22 | 長い散歩

さてさて、色使いや塗り分けについて述べてきましたけれどもう少し。

驚愕の連続の中、それらの総集編ともいえたのが「ハウルの動く城」のベーコンエッグでした。

分厚いベーコンがフライパンに敷かれ、その隣に次々と投入されていく卵(玉子)そしてムシャムシャ食べられてゆく殻。もうきっと想像がつくと思いますけど、食材の香ばしげな色や卵のとろんとした動き、白身の透明感の表現etc...作画監督のこだわりは凄いことになっていましたね。「風立ちぬ」の鯖の味噌煮定食の鯖へのこだわりにしてもそうですし、とにかく各作品の食べものへの想いが熱くてそれがそのままこちらに伝わって感情と食欲をダイレクトに刺激してくるのでした。

で、ここまでは主に動きのあるシーンについてでしたが背景美術についての説明もありセル画とはまた違う色味の美しさと緻密さに描く人の本気を見たようでした。常設の方でも幾つか拝見しましたけれどこれらは、もう1つの芸術作品だと思います。。。


さてさて、興味深い制作諸々の話しのほか幾つかの体験型展示(箸使いの確認とか)を経て現れたのがなんと!「となりのトトロ」と「天空の城ラピュタ」の実物大セット!!

(うわーあの世界に入り込めますかぁ…感慨)


最初はまず五月とメイのお家の食卓と台所(土間)があって、かなり映画に近い和の造りにほっこり。

ちゃぶ台の上には食品サンプルの朝食やお弁当がやはり凄いクオリティであってとっても美味しそうでした。さらにこの空間展示は少々体験型なところもあって、色々なものが隠れアイテムのように設置されてるんですよね(茶箪笥の中や鍋の中とか壁とか)それがまた楽しかったです。去り際に置かれた七輪のめざしもいい味を出してました。

ただ1つだけ、、土間に移るために一旦靴を脱いで持って運ぶという仕様が結構面倒くさかったです。畳の感触とか何か狙いがあるかもですが、手荷物とかあるので、ね。


からのタイガーモス号の厨房!!

完璧というわけではなかったのですが、大鍋にシチューが入っていたり大きい給湯器があったり小窓からドーラの息子が覗いている姿を見て歓喜のあまり「(あれ?私夢見てる?)」となりました。だって…私の大切な作品であるラピュタの世界に包まれるなんて……無限歓喜。そしてこちらの扉や引き出しの中にも様々なものがあってチェックしていたら、、スルーしている人を発見、気をきかせて開けたままにしておいたら~危ないのか係の人に全部閉められました←

そんな感じで厨房を出ると、さらに嬉しいことにタイガーモス号の断面図が。よくできてるなーと思いつつパズーとシータが語り合った背面見張り台を見つけてしんみりした気持ちに。タイガーモス、竜の巣も乗り越えていい船でした。。。

それを受けてか近くには宮崎駿監督が描いた「機内食の歴史」(日本航空機内誌ウインズ1994年6月号むけの書き下ろし)なる漫画も。やっぱり監督の説明漫画面白いですね~飛行船とか飛行機とかの描き方がほんとに味があって、時々クスリとしながらとてもためにもなりました。‘よい旅を’の文字にもなんとなく感動。



その他、展示終盤にかけては食に関する諸々について、書籍、DVDの紹介等がありました。地球上を見渡すと様々な生活様式があって食の歴史がある。食べてきたものも調理法も道具も様々で改めて人間と食べものについて考えさせられましたね。実写もいいですけどこれらを教材のような形でジブリアニメで説明してもまたいいかもなと思った次第。