雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 261 緑川聖司/作、竹岡美穂/絵『怪談収集家 山岸良介の帰還』<ポプラポケット文庫>、2015年

2019年05月01日 15時39分16秒 | 本と映像の森

新・本と映像の森 261 緑川聖司/作、竹岡美穂/絵『怪談収集家 山岸良介の帰還』<ポプラポケット文庫>、2015年

 ポプラ社、新書版、236ページ、定価本体650円

 ジュブナイルです。主人公は「ぼく」の高浜浩介、多々良小学校5年生。5年前にこの街にいて父の転勤で戻ってきた。

 主な登場人物は、幼馴染みの同級生園田さんと狭間慎之介(はざましんのすけ)くん。

 「ぼく」は霊媒体質があるらしく、幼稚園のころ何か事件があったらしいが「ぼく」はまったく憶えていない。

 高浜家が借りた家の隣が、「怪談収集家」の青年・山岸良介さんで秘書の美女、黒猫といっしょに住んでいる。

 「ぼく」は、事件と霊のほうから寄ってきてしまう「受動的主人公」です。「怪談収集家」の山岸良介さんや「怪談大好き少女」の園田さんに連れられて怪事件に遭遇する。

 山岸良介さんは「怪談話」ではなく「ほんとうの怪談」を集めて『百物語』を「書いている」。それを完成させるのが山岸さんの仕事なのだ。

 それを邪魔している謎の「かげ男」・・・。山岸良介さんはいったい何者なのか。そして高浜浩介くんの役割は・・・?

 かなり長編になりそうなので、また紹介します。

 宮部みゆき『三島屋変調百物語』の主人公の少女も百物語の場に立ち会うだけで、むち
ゃくちゃ受動的主人公すよね。(「新・本と映像の森 215 宮部みゆき『泣き童子(わらし) ー 三島屋変調百物語参之続 ー』角川文庫、2016年」)

 でも、こういう受動的主人公ってボク(雨宮智彦)は好きというか、波動がむちゃくちゃ合う感じがする。

    ☆

 平井和正さんの小説『幻魔大戦』で、主人公の1人・東丈(あずまじょう)さんが赤ん坊の頃にもっていたESP能力が大きくなると消失してしまうのを思い出します。

 あなまり「霊」や「オカルト」を詳しく語ると他の分野の言動が疑われますので(もはや手遅れですか)、これくらいでやめておきます。

 

   ☆

 追加。タイトルは『怪談収集家 山岸良介の帰還』ですが、むしろ『怪談収集家助手 高浜浩介の帰還』という方がいいと思う。

 「帰還」というのは、そこに長くいなかったということですから。山岸良介さんが長くいなかったという文献はないと思う。

 高浜浩介くんは、5年間いませんでしたから。

 


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