雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 28(古代3) 森浩一『倭人伝を読みなおす』ちくま新書、2010年

2017年03月19日 08時48分23秒 | 本と映像の森

 新・本と映像の森 28(古代3) 森浩一『倭人伝を読みなおす』ちくま新書、2010年

 筑摩書房、217ページ、定価本体740円。

 魏志倭人伝は、全文2013字、51行、これを古代史のドンが「読みなおす」という原文に即した解説をしていく。

 ひじょうに興味深いし、地理的考察や考古学的目配りもしっかりしている。

 魏志倭人伝の解説書としては、第1級のものと思う。

 後半、中国権力の役割と卑弥呼の行く末も、おもしろい。森さんは倭国乱において、卑弥呼の比重が低下し、「卑弥呼以て死」で、卑弥呼が中国の命令で死に至った、とする。

 考慮すべき学説であろう。

 邪馬台国のその後も、どう考えるべきか、おもしろい。森さんは、邪馬台国のヤマトへの「首都移転」説を採用しているが、ボクの考えでは「首都移転」は無理だと思う。

 「首都移転」ではなくクニそのものの移転、というより移住だったのではないか。このことは別項で叙述する。

< 目次 >

 第1章 倭人伝を読むにさいして
 第2章 東アジアのなかでの倭人伝
 第3章 対馬国と一支国
 第4章 玄界灘に臨んだ国々
 第5章 狗奴国・投馬寉・邪馬台国
 第6章 張政の役割と卑弥呼の死
 第7章 北部九州からヤマトヘ
 付載 『魏志』東夷伝抜粋



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