新・本と映像の森 78(マンガ11・SF18) 星野之宣『ヤマタイカ 1』潮出版、1987年
星野之宣さんの傑作古代史SFマンガ。日本列島の火山爆発と沖縄などの古代宗教と社会の大変動ー「踊狂現象」をひとつにした説です。
古代史と火山噴火をセットに考える点では、後の石黒さんの『死都日本』の前をいくとも言える。
しかも「踊狂現象」を石黒さん同様に、マンガのなかにとりこんで全国から東京に向けた「やまたいか」現象を引き起こす。
主人公は伊耶輪神子(いざわ みわこ)とその弟・熱雷岳彦(あたらい たけひこ)。
主人公たちは邪馬台国など「火の民族」の末裔で、それに騎馬民族など「日の民族」が対立して物語が進行していく。
カギを握るのは巨大銅鐸である「おもいかね」。
沖縄に逃れてきたアマミクは卑弥呼たちでがないか、という仮説はきわめて面白い。
全6巻は1987年から1991年に刊行。