知人と新大阪駅で待ち合わせることになりました。知人は所要で大阪に出てきますが、仕事の段取りで「お昼過ぎ頃」と言う大まかな予定しか連絡してきませんので、昼食を駅構内の食堂で取りながら待っていました。
「3時過ぎになる」との連絡が入り、2時間ほどの空白ができてしまいました。仕方なく新大阪駅近辺を散策して時間を潰すことになってしまいました。
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新大阪駅は北口への連絡通路が無く不便だったのが、新大阪阪急ビルが完成して直接北口に抜けれるようになりました。ただ北口には特別な施設などはなく、単なる通路ですから人通りお疎らです。
新大阪駅のある所は「宮原」といいます。国鉄の「宮原操車場」があったところですが、大阪市の最北端にあり、昔から行政の光が届かない開発の遅れたところでした。そこに夢の超特急の駅ができると噂が立ち、いろいろ揣摩臆測されました。その胡散臭い噂は、梶山季之の「夢の超特急」で小説となり映画化されました。主に「新横浜駅」の用地買収に絡む政財界の汚職が描かれていますが、それと同じ図式で「宮原地区」の用地買占めが行われました。
当時、土木技師であった父親が「(新大阪駅近辺が)街になるのは50年、100年後」と言っていたのを思い出します。
現在、周辺にはビルが立ち並び企業や銀行などが拠点を置いていて表面は街らしくはなってきました。しかし、この町は映画のオープンセットのような厚みのない、旅行客やビジネスマンが流れているだけの街です。ターミナル駅で大勢の乗降客が利用する新大阪駅ですが、1軒のデパートもありません。大阪や京阪神の人たちが、例えば「ショッピングに新大阪にイコか」とか「何か旨いものクイに新大阪にココか」或いは「デートで新大阪に・・」とは思わないのです。
この近辺に有名ブランドのホテルはありません。映画館もありません。人が集まるショッピングモールもありません。噂を聞いて列をなすような飲食店もありません。新幹線利用者とオフィスビルのビジネスマンだけの街です。
街角に佇んで「街の様子」を観察していると死んだ父親の言った「50年、100年後の街」の意味が分かります。
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敷地の中に「水道記念館」がありますが、橋本徹市長の方針で現在は「休館中」となっていました。
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ぶらぶらと線路沿いに歩いていると、巨大なビルが建てられています。「淀川キリスト教病院」が増築しているようです。この辺りは地図でも分かるように路地のような狭い道が入り組んだ、失礼な言い方ですがスラムに近い住宅密集でした。嫁さんがどうしても「淀ギリ(淀川キリスト教病院)で出産したい」と2人の息子をこの病院で出産しましたが、見舞いに行くのに、道が入り組んでいてしかも対向車とすれ違いができない住宅地で、また駐車場も無く、随分苛立ったことを覚えています。
町全体が都市改造で、大きな道路が縦横に区画され、無数にあった住宅はすっかり姿を消して、跡地に巨大な淀川キリスト教病院」が建てられていました。
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淀ギリのすぐ傍に「崇禅寺」があります。真夏の真昼と言うことなのか、境内に人の子一人どころか猫の子一匹すらいません。
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崇禅寺には「細川ガラシャの墓」と言われる五輪石があります。現在、墓地の一角に祠が建てられ「足利義教の首塚」と並んで祀られています。
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