馬糞風リターンズ

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秋茄子は嫁に食わすな。・・・・・お天気お姉さん

2015年08月21日 | 雑学
NHK夕方の天気予報を見ていると季節の話題で「秋茄子は嫁に食わすな」を取り上げていました。
天気や気象は生活のあらゆるところで関われガありますから、気象予報士の方は大層博学の人が多いようです。観天望気の時代から身の回りを観察、過去の経験など知識の累積した知識が必要なことがあるからなのでしょう。花鳥風月の風流から折々の季節の生活習慣は勿論、歴史の大事件の舞台となった、そのときの気象など・・・。赤穂浪士の討ち入り、2・26事件、桜田門外の変などの東京(江戸)の大雪・・・。天気・気象は人間生活のあらゆる分野と関わりがあるため、結果として気象関係の方々は雑学博学になるようです。そして個性的なキャラクターの方が多いようです。最近はお天気お姉さんと言われる女性のキャスターがアイドルとして持て囃されています。

 「秋茄子は嫁に食わすな」の出典は「あきなすび わささの粕につきまぜて 嫁にはくれじ 棚におくとも」
なのだそうです。
 早速、「故事・俗信 ことわざ大辞典」(小学館)を引っ張り出してその真偽を調べてみました。先程の「秋なすび・・・・」は鎌倉時代の「夫木和歌抄」という和歌集に出てくるらしい。「わささ」とは「若酒」即ち「わささの粕」は「酒粕」のことです。「酒粕に漬けた秋茄子が美味しくなり食べごろになるまで嫁にも食わさずに棚においておけ」と云う意味合いになります。ここで問題になるのが「嫁」と云う言葉です。大辞典の解釈では「嫁」⇒「ヨメ」⇒「夜目」の掛詞とします。「夜目」とは「ネズミ」のことと。そうすると「酒粕に漬けた秋茄子が美味しくなり食べごろになるまでネズミに食われないように棚においておけ」と云うことになります。
 所で「ヨメ・夜目」を「ネズミ」とする解釈はほかに例があるのか無いのかが疑問です。そこでいろいろ調べてみると「ネズミ」を「ヨメ」とすることがあるようです。「隠語、忌み言葉」の部類になるようで正月の三が日だけ「ネズミ」のことを「嫁が君」と使うところがあるそうです。
しかし、正月だけの忌み言葉であり「秋茄子」に結びつけるのは多少無理がありそうです。

 要は「秋茄子はヨメに食わすな」はやはり「嫁」とするのが妥当のようです。そこで「嫁いびり」か「よめの身体を心配した」かが問題です。
そこで「故事・俗信 ことわざ大辞典」をざっと眺めてみると「秋蕗は嫁に食わすな」「秋魳(カマス)は嫁に・・」「秋鯖は・・」「五月ワラビは・・」「夏蛸は・・・」「秋タナゴは・・・」など多くの類例があります。これらは「秋茄子」の「体が冷える」「子種を心配し」など嫁を思い食べることのリスクを説明する材料がありません。と云う事はやはり「秋茄子は嫁に食わすな」は言葉通り「嫁いびり」としか理解できないのであります。

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