馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

オスプレーの安全性。判断基準の難しさ・・・・。(1)

2012年08月10日 | 時事問題
「米海兵隊は9日までに、沖縄県の普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの事故発生状況をまとめた。それによると、重大事故に分類されない中程度以下の事故の発生率は、海兵隊が持つ全航空機の平均値を超えることが分かった。」
10日付けの新聞各紙に中程度の扱いでオスプレーの安全性に関する記事を報道しました。
 それによると「海兵隊は航空機事故を重大な方から順にABCの3段階に分類している。今回のデータは2001~12年に起きた事故についてまとめたもので、後遺症が残る重傷者か50万~200万ドルの損害が出た「クラスB」と呼ばれる中程度の事故の発生率は、10万飛行時間当たりオスプレイは2.85件。海兵隊が運用する全9機種の平均2.07件を上回った。」という簡単なものです。

 この記事が出る以前から「オスプレーは危険」として配備に反対する意見が多くありました。そこで不思議に思ったのですが、「オスプレーは危険」とする論拠は何なんだろうということです。
一般にこの様な事柄に関する情報はTV,ラジオ、新聞などのマスコミ報道に頼らざるを得ません。所が、そのマスコミ報道に偏向、俗に言うメディア・バイアスがあれば当然判断に狂いが起こります。
 例えば日本では主に食品などで「天然由来、自然のものは安全」「輸入品は危険。国産品は安全」と言うのが常識のように喧伝されています。「天然、自然」でも「トリカブトや毒キノコ・・・」など危険なものは沢山あります。
最たるものは「原発の安全神話」です。また、阪神淡路大震災の起こるまでは「京阪神は地震災害のない地域」と誰云うとの無くそんな雰囲気がありました。
 この様に確たる論拠もなく事実であるかのような話は沢山あります。また、日常生活をする上でそのようなことは別段大きな支障にならないのです。オスプレーが危険、と言うのはどうもこの類のレベルでの意見のようです。
 
 オスプレーが危険とされるのは、量産決定後の2006年から2011年の間に58件の事故が起こり、最近では2010年4月8日に空軍特殊作戦軍所属のCV-22が、アフガニスタン南部で夜間に着陸に失敗、2012年4月11日に米海兵隊のMV-22、1機がモロッコの南方沖海上で訓練中、離艦後に墜落。全搭乗員4名中、2名死亡、2名重症となった。2012年6月13日に米空軍の垂直離着陸輸送機CV22が、南部フロリダ州で訓練中に墜落事故を起こし、乗員5人が負傷した。この様に立て続けに事故を起こし、報道されたのが安全性に疑問を持つ大きな要因になっているようです。
 確かにオスプレーは試験飛行中には墜落事故が多発して「ウィドウ・メーカー(未亡人製造機)」というありがたくないニックネームを付けられてたことがあったようです。
しかし、もしそんなに危険なものであればアメリカ軍が量産し実戦配備をするとは考え難いのです。

 航空機の安全性を示す指標としては事故率と言うものがあるそうです。それが冒頭の海兵隊が公表したものですが、10万飛行時間当たり1999年から2011年のオスプレイの事故率は3.32。本格運用が始まった2004年以降で見ると1.93です。
因みにこの数字は、戦闘機などを含めた海兵隊全体の平均(2.45)よりもかなり低い水準だそうです。

Plain crash info.comの事故率ランキングと言うサイトがあります。これは世界各国の航空会社の事故率のランキングですが、それと比較してみると大韓航空の事故率は 2.58 でオスプレーの事故率1.93より遥かに危険度は高いことになります。
でも誰も大韓航空が危険だから飛来しないようにと反対運動をする人はいません。

オスプレー配備に反対する人は、オスプレーが危険だから反対するのではなく他の理由、例えば心情的平和論者或いは沖縄基地に反対する人、・・・・などオスプレーの安全性がどうであろうととにかく配備に反対が優先せざるを得ない何らかの理由があるような気がしてなりません。

オスプレー配備の問題点などは次回に書いてみます。