いま、山元敏勝先生の1970年代に発表された文章を調べているのだが、とても面白い。北村智先生の『鍼灸特殊治療法』の207ページにも「湯氏頭皮鍼」「方氏頭皮鍼」「朱氏頭皮鍼」と並んで「山元敏勝頭鍼」が挙げられている。『鍼灸特殊治療法』211ページには和田清吉先生の「頭髪際刺鍼法」が挙げられている。
「この治療法は和田が頭皮鍼法を臨床的追試を行い、頭皮の反応を指頭で探ったり、電気良導点を探索しているうちに、頭髪際縁部において身体症状に対応する反応区があり、一定の刺鍼刺激を与えると症状の緩解が見られることを発見し、従来の体鍼療法のみより速効性(特に疼痛、しびれ、麻痺などに対して)があり、有効率も高いとして1975年に良導絡学会において発表した。その後、多くの治療家によって追試され、特に運動器系の症状に有効であることが確認されている」
北村智著『鍼灸特殊治療法』1998年10月。211ページ
和田清吉先生の『新しい鍼灸臨床入門』にも以下のように書かれている。
「頭髪際刺鍼法とは、私が中国における中西医学総合の結果うまれた頭皮鍼療法を追試する中で、頭髪際縁に沿う一定の部位を切経し、圧痛・硬結・陥凹などの部位を求めたり、また良導点を求めて、一定の方向に横刺し、一定の刺激を与えると、それぞれの刺鍼部が身体の一定部位の疾患(特に痛み・しびれ・麻痺・関節障害・分泌異常・血管痙攣など急性・慢性の疾患)に対して治療効果があがることが多く、また、中枢性・末梢性ともに効果があることを認めた。これによれば、従来の体鍼療法のみより速効性があり、その有効率も高いように思われるので、ここに発表し、先生方の追試を望む次第である」和田清吉著『新しい鍼灸臨床入門』和田臨床研究会 1977年3月。118ページ。
山元敏勝先生は、以下で書かれている。
1975年5月
「頭針について」『日本良導絡自律神経学会誌』VOL20、5、111-111
1)頭部の疼痛:交通事故、打撲、頑固な慢性頚部痛。
2)肩部の疼痛:肩こり、五十肩の疼痛を軽快させる。
3)上腕と前腕の疼痛:腕の疼痛、しびれ、重だるい感じに用いる。
4)腰、下肢部の疼痛:腰痛症、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、打撲。
多発性リウマチ性関節炎の腰痛や抗生物質殿部筋肉注射による大腿部疼痛で歩行不能な症例も著効。
5)胸部:頑固な気管支喘息。
上記は後にA点、B点、C点、D点、E点となる。おもに疼痛の除去に使っていたことが類推できるが、注目すべきは後にE点となる胸腔の点で、頑固な気管支喘息を治療している。上記のA点、B点、C点、D点、E点も同じ頭の前髪際を使いながら、和田清吉先生の区域とは、かなり異なっている。かろうじて、和田清吉先生の「腰腿区」と山元敏勝先生のD点(腰・下肢部)が重なっている。
わたし自身が右の慢性気管支炎があり、右のE点(胸部)を刺激したところ、かなり軽快してきているので、ちょっと驚いています(笑)。
「この治療法は和田が頭皮鍼法を臨床的追試を行い、頭皮の反応を指頭で探ったり、電気良導点を探索しているうちに、頭髪際縁部において身体症状に対応する反応区があり、一定の刺鍼刺激を与えると症状の緩解が見られることを発見し、従来の体鍼療法のみより速効性(特に疼痛、しびれ、麻痺などに対して)があり、有効率も高いとして1975年に良導絡学会において発表した。その後、多くの治療家によって追試され、特に運動器系の症状に有効であることが確認されている」
北村智著『鍼灸特殊治療法』1998年10月。211ページ
和田清吉先生の『新しい鍼灸臨床入門』にも以下のように書かれている。
「頭髪際刺鍼法とは、私が中国における中西医学総合の結果うまれた頭皮鍼療法を追試する中で、頭髪際縁に沿う一定の部位を切経し、圧痛・硬結・陥凹などの部位を求めたり、また良導点を求めて、一定の方向に横刺し、一定の刺激を与えると、それぞれの刺鍼部が身体の一定部位の疾患(特に痛み・しびれ・麻痺・関節障害・分泌異常・血管痙攣など急性・慢性の疾患)に対して治療効果があがることが多く、また、中枢性・末梢性ともに効果があることを認めた。これによれば、従来の体鍼療法のみより速効性があり、その有効率も高いように思われるので、ここに発表し、先生方の追試を望む次第である」和田清吉著『新しい鍼灸臨床入門』和田臨床研究会 1977年3月。118ページ。
山元敏勝先生は、以下で書かれている。
1975年5月
「頭針について」『日本良導絡自律神経学会誌』VOL20、5、111-111
1)頭部の疼痛:交通事故、打撲、頑固な慢性頚部痛。
2)肩部の疼痛:肩こり、五十肩の疼痛を軽快させる。
3)上腕と前腕の疼痛:腕の疼痛、しびれ、重だるい感じに用いる。
4)腰、下肢部の疼痛:腰痛症、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、打撲。
多発性リウマチ性関節炎の腰痛や抗生物質殿部筋肉注射による大腿部疼痛で歩行不能な症例も著効。
5)胸部:頑固な気管支喘息。
上記は後にA点、B点、C点、D点、E点となる。おもに疼痛の除去に使っていたことが類推できるが、注目すべきは後にE点となる胸腔の点で、頑固な気管支喘息を治療している。上記のA点、B点、C点、D点、E点も同じ頭の前髪際を使いながら、和田清吉先生の区域とは、かなり異なっている。かろうじて、和田清吉先生の「腰腿区」と山元敏勝先生のD点(腰・下肢部)が重なっている。
わたし自身が右の慢性気管支炎があり、右のE点(胸部)を刺激したところ、かなり軽快してきているので、ちょっと驚いています(笑)。