alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

女性と肝血虚

2012-03-29 | 女性と中医学
 「女性の病は肝から治せ」という言葉があるように、女性の治療は、を中心に考えます。肝は血を蔵しますが、女性は「肝血虚」が多いです。成熟していない青年期には、「貧血女子高生」のような「肝血虚」の女性がいらっしゃいます。弱く、「わたし低血圧で起きれないのー」と言い、朝礼でめまい(脳貧血)を起こして倒れます。肝は気の昇発を主りますが、アタマに気血が昇らないです。貧血を疑って、を見ると血管は白く、顔色も青白く、の色も青白いです。実際に貧血でスプーン爪のように爪の変形も見られます。肝血は目や爪を営養していますが、肉も栄養しています。肝血虚の方は、肉も痩せて、「こむらがえり(肉の痙攣)」も起こします。肝血は子宮も栄養していますが、肝血虚となると、生理不順となり、はなはだしければ閉経となります。また、肝血は五神のも栄養しています。夜になると血は肝に貯蔵されますが、肝血虚では魂が浮いて、夢が多くなったり、眠りが浅く、フワフワした感じとなります。血が脈を栄養できないために、細脈となり、舌も淡白舌となります。

 「肝虚(肝血虚)」の反対である肝実証(肝臓が強い体質)の典型は中小企業の社長さんです。朝に早起きで高血圧で目が血走っています。筋骨隆々で、がっちりしています。社員に対して、怒りっぽいです。気がアタマにあがっています。肝は将軍の官なので、将軍は決断力や判断力があります。「肝は将軍の官、謀慮(ぼうりょ)出る」です。中小企業の社長さんは、決断力があります。一方で、「貧血女子高生」は決断力がありません。「ハンサムなA君」と「スポーツ万能のB君」とどちらと付き合うか、いつまでも迷っていますし、非現実的な夢を見がちです。中小企業の社長さんは現実しか見ていないのと対照的です。

 「肝血虚」の典型は、「朝礼で倒れるダイエットしている貧血女子高生」、「女子マラソンのランナー」です。女子マラソンのランナーは、よく「こむらがえり(筋肉の痙攣)」を起こします。激しい運動で筋肉は激痩せしています。よく、めまいを起こして倒れるし、生理が止まることもあります。

 「肝血虚」の治療の場合は、脾胃をよくすることが一番良いです。脾経の三陰交血海、胃経の足三里などは脾胃を強くできます。「膈兪ー肝兪」の四華穴(しかけつ)という組み合わせや「膈兪ー肝兪ー脾兪」の「胃の六つ灸」も良いです。神闕の塩灸も脾胃を調整して良いです。脾胃が強くなれば、食べ物から気血をつくれます。
 西洋医学で、貧血の治療の場合は鉄剤を処方されますが、鉄剤を飲むとおなかを壊して下痢をして、余計に貧血がすすむ場合もあります。足三里で胃酸が分泌されたら、食物から鉄分を吸収しやすくなります。また、ダイエットしすぎの女性や胃腸が弱い女性に、「肝血虚」の方は多いように思います。

女性と温陽利水

2012-03-29 | 女性と中医学
 陰陽に分けると、男性は陽で、女性は陰です。女性は陰なので、冷え症が多いです。女性の治療は、男性の10倍難しいし、中国伝統医学で男性と女性は全くの別物と考えます。

 『黄帝内経素問・上古天真諭篇第一』では、男性は8の倍数、女性は7の倍数のライフサイクルを持っていると論じています。「女性は7歳になると腎気が盛んになって歯がはえかわり、髪の毛が長くなる。14歳となると任脈が通じ、衝脈が盛んになり、月経が下り、子供を妊娠できるようになる。21歳となると腎気が充満し、身長が伸びきる。28歳となると、筋骨がしっかりとして、身体は壮健となる。35歳となると、陽明胃経が衰えて、顔面の色がくすみはじめ、髪の毛が抜け始める。42歳となると、太陽経・少陽経・陽明経の3つの陽経が上で衰えるので、顔のつやがなくなり、髪の毛が落ち始める。49歳となると任脈が虚して、衝脈が衰えるので月経が止まり、子供ができなくなる」と論じられています。

 ここでポイントは2つあります。女性は任脈・衝脈が重要です。任脈と衝脈が盛んとなると、月経が始まり、子供ができます。任脈と衝脈が弱ると、月経が止まり、子供ができなくなります。

 もう1つは、男性は陽で女性は陰なので、35歳になると陽気が衰え始めます。陰陽のバランスで言うと、男性は陽が余って陰が足りないです。女性は陰が余って陽が足りないです。だから、女性は一般的には体を温めるほうが良いです。ビールは体を冷やし、お酒やワインは相対的に体を温めます。女性はワインや日本酒のほうが良いです。コーヒーは涼性で体を冷やし、紅茶は温性でからだを温めます。だから女性は紅茶のほうが好きです。お灸はからだを温めますが、女性のほうがお灸ファンは多いです。女性は陽気が弱く、陰液(水)が余っているので、冷え症で足が浮腫む場合も多いです。温陽して利水(利尿)する治療が良いです。

2012年3月29日木曜日

2012-03-29 | 頭皮鍼
 YNSA(山元式新頭鍼)の山元敏勝先生の1982-1986年の論文を精査する。

1982年5月
ハリ麻酔
『日本良導絡自律神経学会雑誌』VOL27.NO4.97-100, 1982
・1973年以来ハリ麻酔を下腹部の手術に400例経験した。
1)三陰交、陵下、梁丘
2)三陰交、足三里、中都
各人、各症例によって経穴にズレがあるため、ノイロメーター(電気探索器)
により、経穴を求める。10Hz30分通電する。

1982年10月
頭針と深部体温
『日本良導絡自律神経学会雑誌』VOL27.NO10.: 224-224, 1982.
・以前、腰痛の頭針を行いサーモカメラで腰部の皮膚温の変化を観察したが、深部体温計で観察した。

1984年6月
レーザー光線に依る治療
『日本良導絡自律神経学会雑誌』VOL29.NO6.: 136-137, 1984
・a)急性上気道炎で咽痛がある場合、合谷や耳穴に20秒の照射で鎮痛。
b)頭鍼を用いた症例
【48歳女性】主婦で2日前より右肩甲関節周囲炎があり、上腕挙上運動制限があった。C点を20秒、距離2cmで照射し、右手が治療前挙上できなかったのが、挙上180度出来るようになった。
【56歳男性】農業で5日前より右肩甲関節周囲炎があり、上腕挙上運動制限があった。C点を20秒、距離2cmで照射し、右手が治療前挙上150度程度が、挙上180度出来るようになった。
【77歳男性】3日前より急性腰痛のため来院し、前屈10度程度。D点に照射2秒後、前屈90度できるようになった。
鍼に恐怖心をもっている患者にレーザー鍼は良い。

1986年10月
新しい頭針療法の其の後(その2)」
『日本良導絡自律神経学会雑誌』VOL 31.NO10.: 242-248, 1986.
・最近では、側頭部にあるD点を中心とした領域に、それぞれの臓器ならびに身体の各部分が規則正しく配列されているのを発見できました。肺点や心包点、心点、小腸点など。