カボスの中古本コーナーはありがたい。全品、常時半額(中古本価格シールの半額)だから、3冊買っても、一冊の新品文庫本の半額で済む。アマゾンの1円本を買い込んだ日々が懐かしいが、もう、配送料が高いので、よほどのことがない限り、買わない。
時代が変わるのだから、自分も変化するしかない。時代についていくのは大変だし、もはや、そんな歳ではないから、これまでのことを思い切って「やめればいい」のだ。止めることに躊躇はいらない。もう十分堪能した、と考えればいい。
元気な間は、ついつい「もっと、もっと、まだ、まだ」そして、もう一度、と追いかけてしまうが、むしろ逆に、元気な間に、スパッと諦めて切り替える。
旅でも遊びでも飲食でも、やめてしまう。すると、また別のことが出てくる。買えなきゃ、自宅の古本が興味深い。全く忘れてしまっているから、何度も読める。絶景の秋の景色だって、テレビで見せてくれるし、去年も一昨年も、この時期は「絶景」だったのだ。
日光の絶景、秋景色は黒部峡谷も奥飛騨も京都も、「絶景」は「絶景」。毎年同じじゃないか? 温泉だって、どこも一緒だ。淡い雪景色の山の中で、露天風呂に入るのは、いいだろうなあ、とは思うけれど、それでも、どこか素朴な雪景色に昔の思いが脳裏をかすめるから、いいと感じる。
今は、近場の日帰り温泉も、自宅の風呂も、さほど違いがない。ワクワクドキドキ楽しめるのは、まだまだ若くて、元気に飛び回れる、人生を力一杯生きている頃。
我々の世代は、もういい。