ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

授業でいえない「公共」 34話 中央銀行と金本位制度

2024-03-04 15:01:36 | 高校「公共」

2023.10.31

【イスラエル・ハマス戦争】
信用創造というちょっと変なからくりのところを終わったところだったけれども、授業は経済に入ってますが、世界で起こっていることは戦争です。ここ30年間の世界で起こったことは、いわゆるオーソドックスではない、特殊なことが起こっているから、説明するのに時間がかかる。今起こってることも、深刻なことです。日本はいま引き裂かれた状態です。ガザ戦争ですよ。イスラエルハマスです。イスラエルのほうにアメリカがついていて、ハマスのほうにはイラン、そのうしろにはロシア、もっというと中国があって、日本は戦後ずっとアメリカ側です。国連のガザ休戦要請にアメリカが反対したんです。日本は棄権したんです。意思表示をしませんと。あっちを立てればこっちが立たずで、いま日本はどうしょうもないところに追い詰められているんです。

棄権は確かにあまりよくない。和平に対して棄権するというのは、どうとられるか分からない。でも日本はそう決めた。これはニュースで流れていることです。アメリカが反対したんです。和平に対して。本当は日本も反対に回れと言われたんだろうけれども、そうするとハマス側が腹を立てる。攻められて虐殺されてるのはハマス側、アラブ側です。なぜアラブ側に応援できないか。前に言ったように、日本は石油ですね。これが来なくなったら、50年前、私が君たちぐらいの時、スーパーマーケットから何もかもなくなった。最近まで石油輸入の8割はアラブ側からだった。あと2割はロシアから輸入していた。しかし去年ウクライナ戦争が起こって、岸田さんは自分からロシアを切った。今はもうアラブからの輸入がほぼ100%です。この石油がなくなるとどうなるか。

前も書いたけれども、地中海がこうあって、こっちはエジプトです。イスラエルというのは、こうなっている。ここにイランがある。もしイスラエルとこうなったら、ここが前に言ったように、ここです。ここに地雷を埋める、イランが。日本にはパイプラインがない。ヨーロッパとか中国とかは、ちゃんと陸のパイプラインがある。それで石油を運んでいるけれども。日本はパイプラインはないです。以前はその計画あったけれども、ロシアとのパイプを失うまいと鈴木宗男さんがロシアに行ったけど、所属する政党から批判されて離党した。だから実質的にこのロシアとのラインは消えた。


あとは石油はここを通らざるを得ない。ここをホルムズ海峡という。ペルシャ湾の出口です。でもここに地雷を埋められたらパーです。石油がいま値上がりして、3倍ぐらいになっている。今の補助金で少し安くなっているけど、それでもかなり上がった。原油の原価からみると3倍ぐらいに上がっている。上がるどころじゃない。これが来なくなるともう大変ですね。しかしアメリカには逆らえない。だから休戦に賛成とは言えない。かといって反対とも言えない。それで棄権した。とても中途半端です。態度が決められない。

人が殺されているときに、自分の豊かな生活を追求ばかり考えている日本というのは、国際的には認められない。今起こっている世界のレベルと日本は違いすぎる。世の中はガザでの虐殺に対して、反対デモとかいっぱい他の国では起こっている。日本のテレビはあまり報道しないけど、デモとか、何万人の規模になっている。ヘリコプター写真とかで見たら、スゴイ数です。それが、いろんなところで、イギリスとか、あっちこっちで起こっていて、ニューヨークでも起こっているけど、そのレベルから言うと、日本はあまりにも自分の国のことだけということで、ちょっとズレている。
石油がなくなると、日本が大変なことになるというのは確かです。他の国はパイプラインがあるんだから。でも日本はないです。これは日本が自分で切った。ウクライナ戦争の時に。これ自体はやっぱり危険なことだと思う。

今日はハロウィンでしょう。でも警察は5~6日前から何しているか。東京の渋谷のスクランブル交差点、人が一番集まるところで、警官隊が規制している。ハロウィンパーティーで今日の夜とか、どうなるかな。規制ばかりです。あそこはだいたい普通でも混雑するんです。立ち止まったら、動け、動け、立ち止まるなと、何が起こっているのか。そういう騒動が3日も前から起こっている。東京でこんな規制がはじまることが不思議なんだけれども、東京だけのことかと思っていたら福岡の警固公園、あそこもハロウィンパーティーの規制地区になったみたいです。福岡でも警官隊が出動している。一体何を恐れているのかという感じです。国際状況から見て、何か別のことを恐れているようにも取れる。夜中にどこに行こうが、我々には行動の自由があって、通行する権利はある。天下の公道なら、どこ行ったっていい。それを規制するというのは、やっぱり結構大きなことです。それをもう1週間前から日本は始めている。何を恐れているのかな、という感じがします。ちょっとイヤな感じがしますね。

しかし今やっているのは、イスラエルとハマスの戦争がこれから、どうも大きくなるのではないかな、という感じになっている。イランはここです。イランと一文字違いでイラクもある。この二つは仲が悪かったけれども、最近は仲が良くなってきている。それにサウジアラビアとイランも仲が悪かったけど、去年から仲が良くなった。アメリカに対してアラブ世界全体が敵対しつつある。こうなると、イランが出てきたらサウジが出てくる。サウジが出てきたらロシアが出てくる。たぶん中国も出てくる。そんな中で日本はアメリカべったりです。

今ささやかれてることが、WW3、これ何ですか。ワールド、ワー、スリー。第3次世界大戦ですね。私が生きている間に、目の前に、こういう危険が現れるとは思わなかった。ちょっと転べば、どうなるか分からない。日本にとってとても厳しい状況だというのはヒシヒシと感じる。ちょっと目が離せない。日本はハロウィンで浮かれている人たちが、今日どうするかということが焦点になって、問題のレベル的には違うけれど、それに対して警官隊があれだけ出動する。福岡でも出動するということが、例年にはないことです。例年こんなことはなかった。そういう今年2023年10月です。


【信用創造】つづき
それで教科書に行くと、信用創造というのをやりましたね。時間ギリギリで説明は難しいかったけれども、信用創造がいくらかというのは数字を出せる。もともとのお金が100億円しかなくても、もともとは現金100億円だった。それで信用創造額がいくらになったかというのは、最初の現金100億円をある数字で割る。支払準備率というのがあって、この説明は前回しました。この支払準備率で割る。支払準備率が10%なら0.1で割る。そうすると通貨量は1000億円になる。ただ問い方として、信用創造額は、と言ったときには、当初の現金100億円を差し引く。そうすると、1000億-100億=900億円になる。算数自体は難しくない。しかし、銀行によりお金が発生する仕組みの意味を理解するのは難しいです。ここで何が起こっているかというのは難しい。半分手品っぽく感じるのは、お金というのは、昔からみんなが欲しがったと同時に、非常に恐れたものでもあるんですよ。いろいろ化けるからね。お金の話はけっこう難しいです。

ここでは信用創造について言いました。支払率が10%というのは、0.1でしょう。10%は0.1でしょう。パーセントに直すと、0.1は10パーセントになる。それで割る。ということは一番単純にいうと、このお金を10億円だけ預かってるんではなくて、100億をそのままにしていても、このX銀行はこの10倍のお金を貸し出せるということですよ。イヤ金庫に全部保管したら、貸し出せないじゃないかと思うでしょう。しかしこれは紙幣です。紙幣はいくらでも書けばいいんです。印刷すればいいだけなんです。アレっと思うでしょう。何を言っているのかと思うでしょう。

ここで一つ言ってないのは、これ言い出すとキリがないんですけど、例えば私が100万円の金貨を預けたこの銀行が、勝手にその100万円の金貨を貸し出した。そのことだけ言ったけれども、もうちょっと紙幣のことを言うためには、この銀行の人が悪いことをするかもしれないから、私が100万円を預けた時には、確かに預かりましたという証拠書類をもらうんです。その証拠書類を持っていたら、1万円札みたいな紙でそれを持っていたら、いつでも本物のお金、つまり金貨と交換しますという、この人の約束書をもらうんです。実はこれが1万円札です。これが紙幣です。もともとは引換券です。銀行はこの引換券を大量に発行することができる。いろんな銀行がこういう引換券を発行したら、それが紙幣になる。金貨は重たいでしょう。それよりも紙で、この引換券をお金とみなして、多くの人がそれで物を買い出すんです。だから紙がお金のようになっていく。これが紙幣です。これは1000年前に、最初に中国で始まったけれども、それは一度世界史やれば分かるけど、中国はそれ以上発展させなかった。しかし、その約600年後にヨーロッパで始まったこういう紙幣というお金が、21世紀の今まで続いています。それはもともとは金貨との引換券だということです。

ということは、ここでもし100万円預かったら、そして支払準備率が10%だったら、その10倍の引換券を、この人が実際のお金の10倍の引換券を発行したって分からない。10倍のお金を発行できるという考え方だってここでは成り立つんです。ここらへんの実際のところはよく分からない。これは教科書外ですけれども、教科書で書いてあるのは、あくまでもこの流れ、これを信用創造という。しかしこれでよかったら、ここで100万円の金貨を預かって、その10倍の引換券を、この人がこっそり発行しても分からないじゃないか、といういう理屈にもなっていく。ここらへんが恐いところです。


【信用の創造と国債・完全解説シリーズその1】信用の創造とは~銀行はお金を生み出すことができる~

以上で信用創造は終わりです。お金の手品は終わりです。でも本当は終わりじゃない。その続きがあります。




【中央銀行】
その紙幣を発行する大もとが中央銀行です。日本では日本銀行と言います。日本銀行というと、政府の役所みたいにイメージしてるかもしれないけれども、もともとは民間企業です。正式には半官半民ですけど、政府の役所とは別です。
これをもっと分かりやすくいうと、日本の親分格であるアメリカにも中央銀行はあるんです。これは名前がものすごく難しくて、俗にFRBというんです。しかも日本語では連邦準備制度理事会といって銀行という名前がついてないんですね。だから銀行だと分からないけど、新聞では普通にFRBという。これがアメリカの中央銀行で、日本でいえば日本銀行のことです。このFRBはもう100%民間出資の民間銀行です。この地域の地元銀行と変わらないです。ここがドルを発行している。ドルを発行しているのは、アメリカ政府ではない。ドルというと、今のところ世界で最も強い通貨です。これを政府ではなくて、民間銀行が発行している。

日本はそれではあんまりだといって、半分は政府がお金を出してるんだけれども、日本銀行が民間銀行である証拠には、日本銀行の株式は市場で誰でも買えます。お金さえあれば。400万ぐらいして、ちょっと高いけど、買おうと思えば誰でも買えます。政府機関だったら、こんなことはできない。パソコン使ってネットで買える。お金さえあればね。こういう中央銀行が銀行のボスになって、1万円札を刷っているということです。

この機能が3つあって、日本銀行の機能には3つあって、まず1万円札のことを日本銀行券という。試験で答えるときには、1万円札とか、紙幣とか書いてもダメです。日本銀行券と書いてください。そう書いてあるというのは前回見せたでしょう。この機能を発券銀行という。券を発行する銀行、券とは何か。日本銀行券のことです。お金のことです。政府が発行してるんじゃない。政府紙幣ではないということです。

2つ目は、どういう機能か。我々のような一般庶民は、日本銀行に100万円預けようとしても預けられない。では誰が日本銀行にお金を預けるか。地元銀行が預ける。都市銀行が預ける。だから銀行の銀行です。我々は預けられない。だからといって我々に関係ないわけではないけど。

もう一つ、3つ目、我々は日本政府には税金を取られます、イヤオレは取られていない。ウソコケです、消費税は自動的に30年前から君たちも取られてます。そのお金はどこに行くか。やっぱり政府は貯まったお金はプールする。財務省の金庫はない。ぜんぶ日本銀行の口座にある。だから政府の銀行です。この3つ、言葉で覚えてください。日本銀行は、銀行の銀行、政府の銀行、発券銀行です。一番難しいのは発券銀行です。まず政府が1万円札を発行しているのではない。これをよく理解していてください。

通貨発行権というのは、ものすごいです。1万円札の印刷費用はたった10円ぐらいです。差し引き9990円はどこに行ったのかという問題がある。これは発行者の利益になります。この利益はどこに行ってるかと考えると、夜寝られなくなるけど、確かにこれは発生している。1万円を刷るたびに10円の費用しかかかってないのだったら、これが発生している。これを通貨発行益という。これがどこに行くのかという話と関係してくるけど、これがよく分からない。


【金本位制度】
その1万円札というのはもともとは金本位制度という。本当のお金は金貨だった。私もこういう仕事してるから金貨をもってるけど、君たちはそんなもんあるもんかと思っているけど、あるんです。これ本物の金貨です。授業用のサンプルとして買いましたけど、本物です。しかし不思議なことが起こって、十数年前に買った時には10万円ぐらいだった。それが今は30万円ぐらいになっている。これは金貨だから、価値は決まってるんです。ここには何と書いてあるか。100ユーロと書いてある。これは100ユーロ金貨です。

今1ユーロが約160円ぐらいです。100ユーロだったら、160円✕100だから、1万6000円です。それがこのお金の価値です。お金としての価値は1万6000円です。これは31グラムです。1オンスといって31グラムなんです。新聞でニュースにもなっているけど、いま金がものすごく高くなっている。金1グラムが1万円を越えた。ということは、これを1万6000円で使う人がいるでしょうか。これをお金と見れば1万6000円です。しかし金(キン)と見れば、いくらの価値になりますか。1万円✕31グラムだから、31万円になる。お金としては1万6000円です。なにそれ、という話です。31万円の価値があるものを1万6000円、つまり100ユーロと書いてある。それができるんだったら、逆だってできるんです。例えば1グラムの金(キン)、この金の価値は1万円ですが、金1グラムをコインにして、10万として表示すれば10万円にもなるんです。

言ってる意味、分かるかな。ここらへんは半分は手品です。手品に引っかからないようにしてください。これは10円の紙代とインク代で、1万円にするのといっしょです。だから紙幣にかかわらず、金貨にかかわらず、通貨発行益というのは必ずコインを発行する者には発生するんです。言っている意味わかりますか。半分ぐらいの人は分かっているみたいですね。だから2000年前のアレキサンダーの時代から、みんな時の権力者はコインを発行したがったんです。有名になりたいからじゃない。自分の像を掘りたいからじゃない。そこに通貨発行益が発生する。こういう構造がある。今の紙幣というのもその延長線上にあるということです。そういうものが紙幣になる。

ただこういう金貨がある、これ見てください、100ユーロと書いてあるでしょう。100ユーロと一番下に書いてあるでしょう。重たいでしょう。だからこういう理屈です。日本は逆に、10万円金貨というのを何十年か前に発行したんです。金貨だから本当に10万円の金の値打ちがあるかというと、6万円ぐらいの金(キン)を使って10万円の表示をした。こういうことだってできる。そしたらいくらの儲けになるか。通貨発行益は10-6だから、4万円です。これは政府の利益になる。これは政府が発行したからです。

貨幣は前に言ったように、政府に発行権がある。しかし1万円札の発行権は、今は日本銀行にある。日本銀行が儲ける。では日本銀行の儲けはどうなるか。ここから先が謎なんです。日本銀行はふつう株式会社です。厳密に言えば、株式会社と銘打ってないけれども、株を買えるということは株式会社なんですよ。では、この利益は誰のものかというと、株主のものでしょ。日本銀行の株主の半分は政府だけれども、その分は政府の収入になるけど、後の収入、あと半分は株主がいる。それが非公開ですね。誰が持っているか分からない。株主に行ってるのか、それが分からない。こういう話が、教科書に書いてないお金の恐ろしいところです。

それで、この金貨は大事にしまっておきます。そして、いや別に、これは儲けるためじゃなくて、こういう仕事をしていると、こういう小道具が時々必要になる。仕事のついでに買ったら、たまたま上がったんです。ただお金で、さっきの話ではないけど、金が上がるときは、どういうときか。この1万円札というのは法定通貨です。1万円札に1万円の価値を与えてるのは誰か。これはもともとは単に紙でしょう。紙とインクにどう考えたって1万円の価値はないです。しかしみんな1万円と思ってそれを使えるのはなぜか。政府が保証してるからです。政府の信用によって1万円の価値が出てくる。

しかし国というのは、世界史を見たら分かるように潰れることが簡単にある。いっぱい国は潰れてます。大きくもなるし、小さくもなるし。だから政府がもしつぶれたら1万円の価値はパーです。日本が戦争に負けた時の日本円にも、そういうことがありました。パーになった。戦争が起こると、紙幣をみんな欲しがらなくなる。お金より、戦争が起こった時には、みんなが政府への信用を失うと、さっきの金貨のコインは、お金としては見なくなって、金(キン)として見るんです。
去年から今年にかけて、金(キン)がものすごく上がった。去年はウクライナ戦争が起こって、今年はガザ戦争、つまりイスラエル・ハマス戦争が起こった。すると見る見るうちに、金1グラムが1か月で1000円上がった。戦争が起こるときは、金が上がる。金が上がるときは非常に危ない時です。数字がそうなっている。これほど急激に金が上がる。私がもってるから言っているんじゃない。これぐらいの金はチャチなものです。本当の金持ちは、1キロバーといって、何千万円とする金を持ってる。そんなものは私は持ちません。金がこれほど急に上がる時は、非常に世の中が混乱するときです。政府の信用が落ちるときです。金の動きを見ていると、そうだなと思います。理屈はあってます。ちょっとイヤな感じです。

そういったことは別にして、この金本位制度というのは何かというと、紙幣を発行して、それが流通している時に紙幣は仮の姿です。その1万円札を日本銀行に持っていけば、ハイお願いしますというだけで、今見せたのが1万円金貨だとすると、必ずこういう本物の金貨と交換しなければならない。これは絶対交換しなければならない。いやうちは交換できませんというと、銀行は倒産です。それは信用に値しないということです。これが金本位制です。


【管理通貨制度】
だから日本では約90年前の1929年まで実は金本位制です。これは昭和4年で、日本がものすごい不景気であえいで、小学生、中学生がお弁当も食えない、欠食児童というのが発生して、今でも子供食堂とか笑えない状況の悪化がある。貧困家庭がものすごく増えて、もうお父さんたちは失業の嵐ですよ。昭和枯れすすきという状況。そういう中で、とにかくお金がないという人が増えて、お金を、つまり紙の紙幣を発行しすぎたんです。とにかく救済しようということで。
これは全世界的にそうです。1929年は、アメリカで世界大恐慌が起こった年です。大恐慌が起こって、世界中がお金を刷りすぎた。でもお金を刷っても金(キン)は増えないでしょ。1万円札だけどんどん刷れる。印刷代の10円でいいから。そしたら1万円札を持って、金(キン)が欲しい人が交換しに来たら、絶対足りないでしょう。だからオレは交換するの止めたという。日本も、イギリスも、次はアメリカも。交換しますという約束を一方的に破棄したんです。そしてそのあと90年間、ずっとその状態が続いている。それにあとで名前がついた。管理通貨制度という。

だから今の1万円札と、90年前までの1万円札は名前が違う。90年前は兌換紙幣という。兌換の兌は、可能なという意味です。ほとんど使わない漢字ですけど。換は交換するという意味、これは分かる。交換できる紙幣です。何と交換するか。金とです。金が来る。今の1万円札は、私が1万円札もって日本銀行にハイお願いします、と行っても、不審者と間違われて追い出されるぐらいのものです。何しに来たんだと。交換できない。これには1万円金貨の価値はありません。これを不換紙幣といいます。しかし、これでよければ印刷代10円で、いくらでも1万円紙幣を刷れるでしょ。今はそういうことになっています。

もうちょっと正確にいうと、ドルショックというのがあって、別に説明が必要ですけど、基本的には今言ったことです。だからお金の量をいくらでも増やせるから、それによって経済を上げることも、下げることもできるという経済学が30~40年前にアメリカで発生した。これを新自由主義のマネタリズムといって、ミルトン・フリードマンという資料集には載っている経済学者ですが、そこから量的金融緩和という発想が出てくる。量的というのは不換紙幣の量です。10円でできるから、原理的にはいくらでも刷れます。金(キン)だったらできない。紙だったらできる。これはあまり難しくない。難しくないでしょう。この管理通貨制度、名前をよく覚えていてください。

しかし今余計なこと言うと、ここ10年間~20年間で、私がもうちょっと若いころ、40歳ぐらいの時には金1gは1000円だった。それが今は1万円です。20年で10倍です。グッと上がった。この動きは、ちょっと恐い。金が上がるのは、平和な時ではない。政府に信用がない時です。90年前に金本位制が崩壊したときから、そういうふうになった。
そういうなかで金融政策がどういうことをしてきたかというと、お金の量じゃなかった。我々が若い頃は。

100万円貸して100万円返したからといって、これでチャラにはならない。これは子供の世界です。何がつくか。これに加えて金利がつくんです。普通は5~6%ぐらいつくんです。これが大人の世界の常識です。しかしバブル崩壊以降は、金利がほとんどゼロになって、これが通用しなくなった。今はそれほど異常な30年間です。歴史を見ると、だいたい金利が5~6%つきます。その金利というのは上げ下げできるんです。日本銀行が上げようか、下げようかと考える。そうやって金利の調整を行ってきた。そのことは教科書にも書いてあるけど、太文字ではなくなって目立たなくなった。それはなぜかというと、今はもう30年間、ほぼ金利がゼロになったからです。金利はもう金融政策に効かない。ここ30年間は、それくらい異常です。

結果的なことを言うと、私が説明したことは、うまくいってないんですよ。教科書に書いてあるけど。それがうまく行ってない。ではなぜ言っているのかということにもなるけど、そうなったら教科書を教えられなくなる。この30年間のどこがおかしいかというのは、教科書が終わった後、考えてください。結果には必ず、原因があります。日本だけがなぜ不況から抜け出せないか、それには必ず原因があるはずです。しかしそれが分からない。教科書に書いてあること以外に、どこかに原因があるはずです。それはまだ隠されているかもしれません。


【日銀の金融政策】
【金利操作】
金利というのは不況の時と、景気が良い時、つまり好況の時とで違う。不況の時は、このクラスは、みんなお金がないからお金が欲しいですよ。ただお金は黙って天から降ってこない。人から借りざるを得ないですね。借りやすくするためには金利は、上げるか下げるか。私が地元銀行としよう。君たちはお金が欲しい。明日のパンもない。お金を貸してやるぞと言ったときに、私の金利は低いほうがいいか、高いほうがいいか。ここ意外と間違うんです。お金を君たちが欲しい時には、金利を引き下げないといけない。金利引き下げ。

逆に好況、景気がいい時、給料もどんどん上がっている。そういうときには、お金はこれ以上は要らないです。君たちもお金を持っているから、金利を引き上げて借りにくくする。これが基本です。金利操作の基本です。不況の時には金利を引き下げて、君たちが借りやすくする。このクラスが世間だとして。2年〇組経済圏だとして。逆に好況の時には金利を引き上げて借りにくくする。30年間、ずっと不況でしょう。金利を下げて、下げて、下げて、今どうなってる。ほぼゼロ金利です。去年から戦争が起こって今0.1%が0.85%ぐらいに、何日か前になったけど、それは小さなものです。やはり1%以下です。ゼロになると、普通はゼロ以下の金利というのはないです。それでもゼロにしたんです、日本銀行は。それは別の話です。これ以上引き下げられないところまできた。それでも景気が上がらなかった。では次の手をどうするか。難しいでしょう。これが30年間で起こったことです。


不景気だから、日本の景気は、これはいろいろ金利設定があるけれど、私のお勧めは、このグラフです。0.30、グラフのこの緑色の線、これ教科書から名前が変わったけれども、公定歩合といって、それまで、日本がこんな悪い経済になる前までは、これが中心だったんです。公定歩合といって。これは日本銀行の金利です。地元銀行ではなくて日本銀行です。公定歩合と言います。見てください。だいたいどのくらいですか。昔は金利があるでしょう。100万が、105万と。上下するけれどもだいたい5%、6%あるんです。我々の若い時の感覚は、5%、6%、それが複利になるから、100万を銀行に預けて10年間寝かせていたら200万になった。そんな感覚がある。今はもう、ほぼ0パーセントだから、100万円預けて、利息が3円ぐらいついた。月とスッポンです。急激に落ちて上がってないでしょ。どこからですか。ほぼこの1990年からでしょう。この1990年です、この年に何が起こったか。バブル崩壊です。

その前の1985年からの5~6年がバブル経済です。みんなウハウハです。土地と株価がバカみたいに上がった。前に話しをしたでしょう。どこかの社長が5000万円借りて、社長何するんですか、と聞くと、何もしない、寝かしておくだけさ、1年で倍にしてみせるぞ。でも1年もかからなかった。半年で1億になった。たった半年で、5000万、その社長は儲けた。こんなことが、あっちこっちで起こった。バカみたいなことが起こった。それで皆ウハウハです。さらに株で儲けた、儲けたという人間がいっぱい出てきた。しかし1990年から先はストンと落ちて、株で儲けた人間が100人いれば、株で損した人間が100人出てくる。株で損した人間はいるけど、誰も言わない。聞かなかった。そういうことで日本経済はずっと沈んでいる。後で言うけど、他の外国はこんなことにはならなかった。ここ30年間でも上がっています。日本だけが。


【公開市場操作】
だから金利が効かないから、どうするかというと、これが中心になった。これを公開市場操作といますね、漢字でもOKですが、ヨーロッパ経済学で英語がついてます。公開はオープンです。市場はマーケットです。操作はオペレーションです。英語で言っている。オープン・マーケット・オペレーションと言います。でもこれが難しいんですよ。しかもこれは金融の基本ではないです。基本ではない部分の特殊な30年間でやったことを教科書でも説明しているから、とっても特殊で難しい。何が難しいかというと、国債のことはまだ説明してないけど、この国債のことを言わないといけない。国債は国の借金です。日本は変な国で、こんな不況の中で、外国に貸しているお金は、世界一です。今年も、岸田さんは、外国に何兆円貸しているか。日本はこんなに不景気なのに。そんなに外国にお金を貸していながら日本政府は、ものすごく借金まみれなんです。この話はまだ説明してないけど、聞いたことはあるでしょう。この膨大な借金が1000兆円ある。

この1000兆円の国の借金をどうするかというと、普通は、普通はAさん、Bさんがいて、AさんがBさんにお金を借りる時には、、、、、、、、
時間が来ました。なかなか進まなかった。ここはやっぱり時間がかかりますね。
終わります。



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