ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

授業でいえない「公共」 32話 景気循環

2024-02-24 16:47:36 | 高校「公共」

2024.10.24

【イスラエルとハマス】
経済のところからですが、今現実に起こっていることは戦争です。エルサレムはどこですか。イスラエルとハマスのこと、そのあらすじを書くと、こうです。ハマスがイスラエルを攻撃した。先に手を出したほうがどうしても悪くなる。これに対して、叩かれたら叩き返すという自衛権があるから、反撃は正当化される。法的には、先制攻撃と自衛権の争いですね。しかし自衛権は自国を守ることですが、イスラエルは明らかにもうめちゃくちゃパレスチナ人を殺している。今もパレスチナ人にガザ地区の北から南に逃げろといって、そこにバンバン爆弾を打ち込んでいる。しかも子供が半分ぐらい死んでいる。ニュースでは。日本はG7のうち、このイスラエルの自衛権を支援するかというと、日本はハズレた。日本はここには入らなかった。

こっちがアラブ側、ロシア側です。その反対に、こっちがアメリカ中心の米英側です。日本はこれにかかわると、もう平和憲法の憲法9条もへったくれもないようになる感じですね。陸戦では、戦車投入が今日か明日か明後日か、1日伸ばしできているけれども、これになったらどうなるか想像がつかないけど、とんでもない戦争になるんじゃないかな。これは核が絡むんです。よく日本は外れたなという感じがする。臨時国会が今週からはじまったし、危ないところですね。

何回も言うけれども、まずはこれです。石油です。あそこのペルシア湾を封鎖されたら、ホルムズ海峡を封鎖されたら、日本にはパイプラインはないし、タンカーから運んでくるしかない。そのタンカーが入らなくなると、日本の備蓄はどのくらいあるかな。2~3か月ぐらい、半年あるかな。そんなところで、ガザ地区が陸戦に行くかどうかという固唾を飲んで見守っているというところですね。ここがどうなるか。どうなるか。

前にも言ったけど、こうなるのが分かっていて、なぜこのハマスがこれをやったのかというのが、これが謎です。イスラエルは弱くない。それを分かっていて、なぜハマスがこういうことをしたのか。イスラエルの自衛権発動を許すようなことを許すようなことを、ハマスはしたのでしょうか。叩かれたら叩き返していい。そこに正当性が発生することを、ハマスはなぜやったのか。ただアラブ人迫害はイスラエルは今に始まったことではなくて、ずっと潜在的にやっていた。



【GDPの限界】

お金のことを隣のクラスでは言いましたけれども、今のお金というのは、前に見せましたよね。これは日本銀行券でしょ。日本銀行券は二つ注意。政府紙幣ではないんですよね。第二次世界大戦前の80年前までは、これを私が日本銀行に、福岡の支店に持って行って、おねがいしますと言ったら、実際の金貨が来たんですよね。この引換券だった。今は、これで私が日本銀行に行ってお願いすると、追い返される、おちょくりに来たのか、おまえはと。これは引き換えできないんですよ、では金貨には1万円の価値がある。これは多分10円ぐらいですよね。印刷代として。10円が1万円になる。なぜされを1万円だと信用しているか。金の価値じゃないよ、政府の価値なんです。政府の信用です。政府が決めている、1万円とすると言って。お前の1万円は1000円の価値しかないと、どっかのコンビニの店員さんが言ったら、その人は犯罪者です。

政府が決めた1万円札を1万円と認めないというのは。政府の信用です。戦争が起こると、国が潰れたりする。石油が来なくなったりすると、経済ガタガタになって、お札の信用が落ちる。何が上がるか。もともとの金貨が上がる。いま金が上がっている。戦争が起こってから。もうセオリーどおりです。でもこれはあまり良くないです。どれだけ危険かというのは、金が上がる時はよくないです。いまその金がボンボン上がっている。逆にいうと、これは政府の信用が失われているということです。

そういうお金の話に絡んでいきますが、前回はGDPのことについて言いました。1年間でどれだけ価値あるものを、これを付加価値というけど、これを生産したか。これを国内総生産という。20年数前までは国民総生産といっていた。GNPです。実はこれは教科書にはふれてないけど、結構大きいことなんです。国民がどれだけ豊かかということと、国内でどれだけ生産したか。うちの県でも珍しくない、外国人は。外国人の分が入るか入らないか。入ります。とにかく国内で生産すればいいんだから、誰が生産したかは関係なくなった。このGDPは、それが変わったんです。欠陥というよりも、GNPとの比較として。君たちはあまり聞かないかもしれないけど、我々は物心ついて、中学校から高校、大学まで、ずっとGNPで来たから、GDPのほうはあまりなじみがない。

他に欠陥というのは前回言ったように、これはあくまでもお金と交換した場合にカウントされるんだから、私が裏の畑で大根をつくって、私は大根を好きだから大根おろしをしてムシャムシャ食っても、それは生産したことにはならない。
1番言われるのは、お母さんたちの家事労働です。こう言うといけないけど、性別がいけないとか、お母さんでもお父さんでもいいけれども、弁当を作ってくれた、洗濯してくれた、掃除してくれた、ものすごく貴重な労働です。でも入らない。なぜか。お母さんが働いたから、弁当作ってくれたからといって、君たちはお金を払ってない。お金を払ってないものはGDPに入らない。だからGDPだけでいうと漏れてくるものが結構出てくるんですよ。ここは。貴重な労働が逆に排斥されていくような、変なことにもなっていく。


このクラスでも前に言ったでしょう。お母さんが家のことをしてくれていた。しかし外に働きに出て、月に10万もらってきた。これはGDPに入ります。では家のことは誰がするか、する者がいないから、お手伝を雇った。雇ったら10万円の給料を払わないといけない。差し引きゼロ、家にとって豊かさは変わらない。これでも国のGDPとしては20万円増えるという変な事になるんですよ。そういうところが欠陥です。

それから、売り買いすれば何でも良いから、例えば、ミサイルを買う。あまり欲しくないですね。しかしそれも1機、何十億とする。それを何十機分と、GDPに加算される、軍事費が。それから公害対策への費用。以前、重油が流出したことがある、あれにも工事代で何千万と払うでしょう。そういうのがGDPに入る。価値としてはマイナスでも、価値という人間が決めるものであって、お金には色がないから、お金が流れた量が増えればいい。その中には黒いお金もある。だからGDPにも欠陥がないわけではない。だからGDP一辺倒ではいけないんじゃないかということは、ずっと言われています。

他の指標としては国民純福祉。一日、24時間働けますか、という昔のコマーシャルがあったけれども、あんなことをして寝る時間を惜しんで、日曜日でも会社に出て、それでGDPだけ上げて、おまえは楽しいのか、と言われれば、おもしろくもおかしくもない。それでも日本は豊かになればいい。でもそれはおかしくないか。お金の量と同時に、遊ぶ時間とか、自分が好きなことをする時間とか、そういうものも反映するような指標が必要になる。これも結構難しいですけれども、それも入れようと。


それから最近は、カーボンニュートラルとか、二酸化炭素、これは地理でも出ている。現代社会でなくなった分、地理に出ている。二酸化炭素をとにかく少なく少なくと言って、二酸化炭素の量で証券市場までできた。今年、先月だったかな。空気にも値段がつき始めたんですよ。そして国同士や企業同士で権利を売り買いするとか。そういうマイナスの価値である廃棄物の分を差し引いて、GDPをだそう。グリーンGDPという。グリーンというのが環境です。木のイメージのグリーンです。そういう経済の指標もある。



【経済成長】
経済というのは成長するにしろ、衰退するにしろ、理想は安定していることです。こうやって、じっくり登っていくのがいい。高級車はそうです。スプリングが効いて、エンジン音も少なくて、おんぼろな私が乗っているクルマになると上下の振動がひどい。この上下の揺れが絶対出てくるんですね。波がある。景気変動しながら上がっていく。これは落ちてもいく。落ちるときもある。しかし今まで100年ぐらいがじわじわ上がってきた。ただここ30年間は衰退傾向ですけど、日本だけは。

それで経済成長するのも、このGDPで表される。ただ去年と比べて、GDPがどれくらい成長したかを見るときに、経済成長するときには、君たちは経済成長を経験してないけれども、物価も上がっていくんです。ここ2~3年、上がりはじめたけど、あれは悪い上がり方です。石油が上がったから、それに連動して上がった。
高度経済成長期、私がハナタレ時分には、子供のころには、土曜日は半ドンだった。土曜日は午前中まで学校があった。昼で終わって、家に帰ってきて、昼飯を食っていた。その時にアンパンを買いに行くのが楽しみだった。小学校1年の時はアンパンが20円だった。1日の小遣いが10円だったです。あまり給料は変わらないようになったけど、これが小学1年です。それが6年生の時には、アンパン1つが確か60円になった。5年間で何倍になったか。300%でしょう。これぐらいのインフレ率です。だから経済成長が3倍になったかというと、給料も上がっていたからいいんだけれども、20円のアンパンが60円になっていたら、同じアンパンが3倍になっていたら、本当の経済成長はしてない。


10万円の給料が30万円になっても、しかし物価は20円から30円になったとする。そしたら、表面上の経済成長が5年で、本当は年間だから、5で割ったら、60%ぐらいになる。5年で300%の経済成長したかというと、そこから物価上昇分を差し引かないといけない。これは難しくないけれども、算数が要ります。君たちがやっているような難しい数学は要りません。これは小学校の算数レベルなんだけれども、意味が大切です。問題の意味が。計算上は単に算数です。

物価が上がることをインフレーションという。俗にインフレでもオーケーです。一般的にもインフレーションとは言わない。インフレ、インフレという。
逆に物価が下がることをデフレーションという。これも、デフレ、デフレという。我々がハナタレ時分に経験したのは、このインフレです。君たちが今まで経験しているのは、このデフレです。そういう物価の変動です。物価の上昇がインフレ。そうすると表面的にはGDPは増大する。お金が動いた量だから。
物価が下落するとき、落ちるとき、これをデフレという。そうするとGDPも下落するとこういうことです。ただ単純にそれだけかというと、ここで困ったことが起こるんです。



【インフレ】
例えば、リンゴ1個がもともと100円であったのが、物価が上昇するんだから、10倍は大きすぎるけど、計算しやすいようにそうすると、リンゴが1000円になった。その分、給料も上がる。では私が地元銀行に預けていた預金の1000円も上がるのか。自動的に増えるのか。これは増えない。給料が上がろうと、私が銀行に預けている預金の1000円は1000円のままでしょう。これは変わらない。1000円は1000円です。預けているのは1000円だから。

そうするとリンゴ1個100円の時には、1000円の貯金でリンゴ10コ買えた。しかしリンコ1個が1000円になると、私の1000円の貯金でリンゴは1個しか買えなくなる。あまりにも当たり前です。しかし私は喜ぶんですか、困るんですか。ここが大切です。ものすごく困るよね。私が汗水たらして働いた1000円の貯金の価値が10分の1に下がったんです。リンゴ10個の価値からリンゴ1個の価値に。

仮に私が1000万円持っていたら、数年間は遊んで暮らせる。それが10分の1の100万円の価値になったとすると、1年も遊んで暮らせない。そんなことが起こる。

これは10倍でも大変だけれども、1923年にドイツで起こったことは、1919年に第一次世界大戦が終わった。ドイツは第一次世界大戦でも負けて、第二次世界大戦でも負けた。そうすると、第一次大戦が終わった4年後に、インフレが起こる。これがどれくらいのインフレかというと、君たちは中学校で見たと、他のクラスで言っていたから、パン1個を買いに行くのに、リアカーいっぱいの1万円札を積んで買いに行かないといけない。リヤカーは分かるかな。こういうの。リアカーとは、リアワイパーのリアは、うしろのことでしょう。カーはクルマです。これちゃんとした英語です。リヤカーです。こうやって引っ張っていく。
ここに1万円札をいっぱい積んで、パン1個です。1兆倍です。1兆倍、これが私みたいに1000円しかもたなかったらいいけど、ドイツの大金持ちで1兆円持っていたら、これ本当に1兆%のインフレになる。1兆円を持っていてウハウハだったのが、一夜明けたら、これは1年ぐらいで起こる。1円になると、まるまる1兆円が盗まれる。

ドイツ人がインフルを嫌いなのは、まだ100年たったかな、ちょうど100年前です。この記憶を親から聞いて、爺ちゃんから聞いているから。インフレは怖い。身ぐるみ剥がされる。私はここまでは分かる。

しかし分からないのは、物には質量保存の法則とか昔習ったけど、これは理系の方が得意だろうと思うけれども、ものというのは完全になくなることはないんです。なくなったら、それはどこかに行かないといけない。富の量も。みんな1兆円が1円になった。富が奪われた。ではその富はどこに行ったのかというのが、よく分からない。どこかに行っているはずなんです。何冊か本を読んだけど、どこに行ったのかよく分からない。損した人間のことだけしか書いてない。では儲けた人間は誰なのか、それがよく分からない。君たち分かったら、いつか教えてください。



【デフレ】
今度はデフレーションです。今のようなリンゴが安くなっていく時です。そういった場合には、逆に何が困るかというと、例えば地元銀行から私が1000円を借金していたとすると、借金していたら、この借金の1000円は、リンゴ1個が100円の時にはリンゴ10個分の価値があったんですね。しかしリンゴが安くなって10円になれば、この借金はリンゴ100個分の価値になる。借金は実質的に増えたんですか、減ったんですか。借金が10倍に増えたんです。100万円の借金だと思っていたら、1000万の借金になった。10万円の借金だと思っていたら、100万円の借金になっていた。これは怖い。

これはみんな、家は住宅ローンを組んでいる。何千万の家を、30代、40代で、キャッシュで、現金でポンと払えたらすごい。みんな定年まで住宅ローンを組んでる。物価が落ちて、キャラメルが100円から10円に落ちて、良かったのか。大変です。こういったときには。だから借金するのは恐くなる。これは家のお父さんも、会社の社長もそうです。企業を大きくしようかな、ちっっと家をつくるのに、1000万円を銀行からお金を借りろうかな。しかしデフレだと恐い。どれくらい借金が膨れるかわからない。ということは生産活動が落ちてくる。こういうふうに単純にものの値段が上がってよかった、下がってよかった、そんな問題ではない。他のところに、いろいろ影響がある。預けた金はどうなるか。借金した金がどうなるか、全然違った効果が出てきます。



【2つの経済成長率】
次のページです。だから経済成長率というときには、表の経済成長率が1つある。お金だけで見る場合です。しかし実際に豊かになったのか、そうでないのかにはもう1つある。
表面上の成長を名目経済成長率という。物価の変化を調整しないまま、ただ表面のお金の量だけを見る。しかしこれでは生活の実体が分からないから、もう一つ実質経済成長率というのがある。これは表の経済成長率から、物価の上昇率を差し引いて調整したものです。差し引かないといけない。ここで小学校5年生の算数が出てきます。
名目経済成長率というのは、これが基本ですけど、実質は下です。読むだけだから理解してください。たぶん小学校5年程度の算数だと思う。本年度のGDP-前年度のGDP、これを前年度のGDP、で割ったら、去年から今年はどんくらい成長したかが分かる。あとはパーセント計算です。100を掛けるだけです。

では実質経済成長率というのはどういうことかというと、100円のアンパンが150円になったとすると、実際には、名目上の計算が150%増えたことになっても、生活の豊かさから見ると、これを物価上昇率で割らないといけない。これGDPデフレーターというのは、教科書にも計算式は書いてない。ものすごく複雑だから、1億2000万人の経済活動をどうするというのは。ただイメージとしては、これが物価上昇が、150%で、50%増えた。そしたらこの分の1.5で割るんです。150%は1.5でしょう。そしたら実質の、物価が上昇した分を差し引いた実質のGDPになる。ここは分からないかな。100分の150、でしょう。物価が100円が150円になったら、物価が100分の150、倍になったでしょう。というのことは、単純に1.5でしょう。この1.5で割ったら、その分が減る。去年の名目GDPは減るんです、、、、、、みんな沈黙してますね。私はこの算数上の説明はできない。これ以上、どういったらいいかな。どう言ったらいいかな。

100円のアンパンが150円になったら、実質的にどれくらい値上がりしたかというのは「100分の150」になる。これは小数に直すと1.5になる。1.5で、表面上の成長率を、けっきょく成長してないでしょう、150%成長したように数字上は表示上はなってるけど、物価が上がっただけなんですね。1個のアンパンであることには変わりはないわけです。ここは100円のアンパンよりも150円のアンパンがうまくなっていたら、また別ですけど、しかし同じ味付けで、同じ大きさのものが、100円で買っていたものが、150円で買っただけ。そしたら、その分を経済成長率から差し引くんです。割り算で。これ以上は説明できない。理解してください。

こういうGDPデフレーターというのが何かというのは、これは教科書にも書いてないけど、ここでほっておくと、必ず誰かがたずねる。GDPデフレータはどうやって出すんですか。誰かが聞くんです。この計算はできない。ただイメージ的にはその分を割り算で差し引けばいい。

もう1回言います。去年のGDPが100万円だったとする。それが今年は150万円に増えたと。そしたら、名目上150万になったとしても、アンパンが100円だったのが150円になっていたら、何も変わらないでしょう。そしたら、150万円を1.5で割ったら、結局100万円になるじゃないですか。これが実質なんです。なんだ成長してないじゃないか。数字が上がっただけで。ここらへんの経済は、名目と実質というのを分けて考えないと、一種の手品です。算数自体は難しくない。手品が難しいだけです。どっちを言っているか、というのを見分けないと。君たち理系が分からなかったら、文系はもっと分からない。実質GDPがメインです。経済成長は、実質で見ないといけない。



【景気循環】
それでこういう景気変動がある。こういうふうに波打っていくんです。波打って上がる。しかしこれは半分は希望的観測です。波打ちながら下っていく場合だってあり得るわけです。この変化を4つに分ける。
景気が良い時は好況期です。でもこれがずっと続いて行くかというと、これもあまりよくない。山高ければ谷深し、になる。あまりに景気が上がりすぎるとガクンと落ちる。これを私は経験した、社会に出てからすぐの20代に、これがバブルです。あの頃、私もまだ若くて経験がなかったから、ほー、世の中はこんなものかと思って、こういう角度で経済成長していくのだなと話していたら、30~40年前ぐらいの、定年前の同じ社会科の先生が、「バカか、お前は」と言われた。なぜバカかというと、当時の高校生は、私は職業高校にいたけれども、勉強しないといいところに就職できないぞというと、先輩たちが、オレは勉強しなかったけど、就職はいっぱいあったという。実際に4~5年間は、どこにでも就職できた。引く手あまたで。1人に対して10社ぐらい求人が来て、もっと生徒をくださいと。生徒は選び放題だった。生徒がそれに味をしめて、そういう。その定年前の先生が、その先生は戦前生まれだから、経験の厚みが違うんです。こんなバカな景気がいつまでも続くわけがないだろう。そんなことがあるわけがない。それで4~5年は続いた。いつまで続くのかな、これがバブル崩壊ですね。

おまけに、山高ければ谷深しで、10年たっても全然回復しない、20年たってもまだ回復しない。30年経ってもまだ回復しないでしょう。そして今もです。この原因がバブルです。みんな不思議がっていた。私は、別の仕事も若いころしていて、あるお金持ちは、ある社長が5000万で土地を買った。社長それは何に使うんですかというと、イヤ何も使わない、売るんだという、5000万で買って5000万で売ったら同じじゃないですかというと、見ていろ、という。そのうち倍になるからと、1年で倍になるからという。それがたった半年で倍になった。これがバブルです。買っただけで5000万もうかる。これがバブルです。


こういう儲け話は、みんな人に言う。人に言うなよといいながら。お前だけに言おうと、自慢話はするんですよね。しかしこのあとバブルが崩壊すると、これと同じ数の人が損したわけです。これは言わないですね。だから、端から見ていると、あの人は儲けた、あの人は儲けたと、そんな話ばかりになる。それで、バブルで踊った男たちとか、バブルで踊った女たちとか、そんな小説がいっぱい出てきた。
だからあまり高くなるのは良くない。ある程度でおさえて、そうすると、本当はなだらかに行くのがいいんですけど、そうはいかない。これが後退期です。恐慌というのは、それが急に落ちる。これが時々起こる。まだゆるやかに波打っているぐらいはオーケーです。これをまったく波打たずに、全くブレずにやろうとすると社会主義経済になる。国家管理の経済になる。しかしこれは失敗したんです。それで落ちる加速度がつくと、ピタッとここで止まらずに、下にもぐる。不況期ですね。不況が深くなると恐慌です。しかしある程度のところで回復する。それで回復期になる。


だから好況期と不況期がある。特徴は。好況期は物がよく売れる。給料も上がる。だから物も売れる。物が売れると、第1工場だけでは追いつかなくて、第2工場をつくる。生産が拡大する。生産が拡大すると、社長はもっと人を雇おうとする。高校生を、高校に求人をいっぱい出す。そると雇用の増加する。でもこれは30年前に終わった話です。そのあとは今まで、こんなことは起こってないです。そして給料も上ってるから、商品が売れる。物価は上昇する。するとインフレになる。これがインフレです。

逆に不況になると、もう売れない。売れない在庫を抱えて、クルマを100台つくったけれども、30台が売れ残った。そしたら工場を稼働するのは、第2工場はやめようとなる。すると生産が縮小する。そして給料も落ちる。会社経営も悪くなる。すると社長は働きの悪い社員はクビです。そこまでいかなくても、新入社員の採用は100人採っていたものを10人におさえる。すると高校に求人が来なくなる。それでも会社が生き残っていけばいいけど、民間企業というのは倒れる。倒産するんです。倒産したら給料もらえません。働いたから給料がもらえるのは、それは会社が儲かっているから初めて給料が出る。それで倒産企業が増加する。そうすると首を切られたお父さんは、給料を持ってこないから、物が買えない。物が売れないと、逆に物価は下落する。デフレになる。こういう循環です。

なぜこんな事が起こるかっていうのは、人間の欲です。一言で分かりやすく言うと。今年クルマが10台売れたとして、ここで来年どうするか。ここが4~5年の幅がある。クルマが10台、20台、30台と売れて、これが山だなと思えばいいけど、こうなれば40台売れるんじゃないか。作るんです。作りすぎたと、すぐに軌道修正すればまだ生き残れる。いやいやまだ50台いけるさ。一気に100台売ろう。一本勝負に出る。それが当たればいいけれど、当たらないことが多い。すると企業ばかり大きくなって、会社ばかり大きくなって、売れなくなる。給料は出なくなる。会社は倒産する。こうやって景気はブレるんです。

景気が落ちて行くときにも、今度はクルマを50台から40台、30台と。さらに20台と。20台作っていたら、本当はもっと売ってくれというお客さんが10人来ていた。その10人の分は作ってないから、みすみす損したことになる。それで慌てて増産しようとなる。こういうところは、経営者の判断次第です。経営者は何も仕事をしなくて、朝から晩までニュースを見て、新聞を見ながら、本を読みながら、時々お茶を飲んでいるだけじゃないか。それが仕事です。来年はどうなるか、当てないといけない。何もしていないように見えても。鉛筆倒しで当たればいいけど、そういうものではない。人に電話して、情報仕入れて、あんたの会社はどうか、情報が命です。情報を仕入れるのは、汗水たらして働くのとちょっと違う。経営者の仕事はそれです。予測を当てないといけない。



【キチンの波】
こういう好況、後退、不況、回復、こういう波がどのくらいの波の長さか。通常は4~5年です。4~5年の波、名称はキチンの波という。これは発見した経済学者の名前です。まる覚えしてください。これはここで言ったような在庫が原因です。作りすぎて残った。前にも言ったけど、スーパーの弁当を午後4時で500円の弁当だった。学生のとき私もよくやっていたけど、6時半過ぎたぐらいから、館内放送で、弁当の値段が落ちていく。だんだんと。聞いたことないですか。「弁当500円のところ、大サービスして450円で、ただいまから販売いたします」と。大サービスではないんです。もし売れ残ったら明日は売れない。特に食品は。売れなくて残るよりも、450円で安くして売ったほうが、まだしも儲かる。だから、いくつ作るか。これが20個しか売れないのに、25個作って売ってやると、欲の皮が突っ張っとるとこうなる。20個しか売れなかったら、5個分は作り損でしょ。会社の損失になる。こういう周期があるんです。弁当が一番わかりやすい、作ったけど度売れない。売れないと損失になる。こういう在庫、在庫の変化です。



【ジュグラーの波】
それから10年の中期波動、ジュグラーという人の名前をとって、ジュグラーの波という。この原因は設備投資です。在庫は分かるでしょう。弁当の作りすぎとか、クルマだって売れ残ったクルマとか、あるでしょう。クルマだって、売れるまで待っておけばいいのか。日本車は良くモデルチェンジする。モデルチェンジで、次のモデルチェンジまでに売れ残ったら、もう売れないですね。または中古車センター行き、新古車として、または値段が落ちる。やっぱり時間との勝負です。
次、設備投資というのは、設備だから機械です。機械が古くなった、または技術革新で、新型の機械を、新型ロボットを入れようとか、これがだいたい10年周期です。もうちょっと言って、建物まで言うと、第2工場をつくったのが、だいぶ老朽化してきたから建て替えようかとか、最新式の工場を作ろうかとか、そういう周期です。



【コンドラチェフの波】
それから50年周期というのがある。コンドラチェフの波といいますけれども、こういうのは私のような凡人では、ちょっと分からないような産業の変化です。私が遭遇したのは、例えば私が高校の時に、今のような高校生でもスマホを持って、ポケットの中で持ち歩いて、滅多に合わない友達とラインができて、どこにいても繋がる。そういう時代が来るなんて、夢にも思ってなかった。それには3段階ぐらいあって、パソコンブームが起こって、Windowsが流行って、今度はネットです。インターネットです。この3段階ぐらいで。それがパソコンに、スマホというのはパソコンでしょう。パソコンに電話機能がついているのと同じです。そういう技術革新です。

これが50年に1度ぐらい起こる。人の一生が80年、だいたい一生のうちに1回ぐらいは遭遇する。君たちはもう1回、何かが来るかもしれない。私はその時いないかも知れないけど。だからここからここまでが、キチンの波が、1番短くて4年だとすると、この倍の10年ぐらいのこういうジュグラーの波がある。それから50年だとすると、この5倍ぐらいのこういう波がある。経済学者の仕事というのは、この短い波の方程式、この中位の波の方程式、この長い波の方程式、3つの連立方程式を解かないといけない、みたいなものです。複雑すぎて、誰も解いたことがない。解ける人は解いてください。これは文系の仕事ではない。文系はこんなことはできない。だからこんなことやっているのは理系です。理系が予測を当てているかというと、ぜんぜん当てていない気がするけど。



【金融の役割】
次のページです。今は工場だった。工場で何を作るか。そして作った物を金に換える。お金の総和が生産量です。ではお金を管理するのはどこか。これが金融機関です。金融機関の意味が分からない人は、銀行です、1言でいうと。
では銀行とは何か。お金を扱うところです。このお金という漢字には二つの意味があります。一般的にはお金です。しかし音読みすると金(キン)ですね。2つの意味がある。では金を扱うところが銀行だったら、金行でいいじゃないか。それでもいいんですよ。ヨーロッパは金中心の経済で金のお金だった。しかし日本は銀中心のお金だった。だからバンクという言葉を、金行では発音も悪いから、だから銀行にした。銀行は、金を扱うところです。お金を扱うところです。
終わります。




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