現在の金融危機の根本はアメリカ中央銀行であるFRBの強い独立性にある。
強い独立性というよりも実際はこれは政府機関ではなく、民間資本によって運営されている銀行である。
収支報告もなく、実態は闇の中だ。
いま中国経済の不安が喧伝されているが、中国金融がアメリカと違うところは、中国の中央銀行である中国人民銀行は、ちゃんとした中国政府の管理下にあるということだ。
歴史的にも通貨発行権は本来国家のもとにある。
国家管理を離れ、民間銀行によって恣意的に通貨を発行しているのが、アメリカの中央銀行であるFRBである。
中国経済を不安視するマスコミは多いが、アメリカ経済の金融不安、特に通貨発行権を疑問視するマスコミは少ない。
田中宇の国際ニュース解説
http://tanakanews.com/index.html
◆金暴落はドル崩壊の前兆
【2015年7月25日】 米国の雇用統計の粉飾も、中産階級の崩壊も、シェール産業の債券破綻の危険も、米国の地方財政の危険性も、すべて以前から指摘されていた。
しかし、これらのすべてが悪化の傾向だ。
大きな崩壊は、まだ発生していないだけで、発生の可能性自体は増している。
崩壊の懸念が増しているので、ドルや米国債から他のところに資金が逃避しないよう、まず究極の逃避先である金地金の相場を先物で潰す努力が、ドルの番人である米金融界によって続けられている。
金相場の暴落が大きいほど、ドルに対する懸念が強まっていることを意味している。
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【私のコメント】
金の最近の値動きは変だ。
イスラム社会は混迷の度を深めているのに、株価だけが上がっている。
ビットコインは今月のフランステロの時に跳ね上がったが、金価格は低迷したままだ。
有事に強い金がそうなっていない。
上の記事にあるように、
『ドルや米国債から他のところに資金が逃避しないよう、まず究極の逃避先である金地金の相場を先物で潰す努力が、ドルの番人である米金融界によって続けられている』のだろう。
アメリカ経済が堅調だという報道も素直に信用できないし、アベノミクスは成果を上げているというアベシンゾーの強弁も嘘だ。
上の記事は7月のものだが、4か月経って実際その通りになっている。