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ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい

白川総裁、不況への日銀の責任を認めず 衆院予算委で

2010-08-02 19:55:16 | 日銀景気対策

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100802-00000530-san-pol

■白川総裁、不況への日銀の責任を認めず 衆院予算委で

8月2日11時49分配信 産経新聞

拡大写真
衆院予算委員会で民主党の松原仁氏の質問に答える白川方明日銀総裁=2日午前、国会・衆院第一委員室(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
 日本銀行の白川方明(まさあき)総裁は2日午前の衆院予算委員会の基本的質疑で、現在の不況について日銀として責任を感じているか問われたが、責任があるとは認めなかった。

【グラフでチェック】日銀の保有する長期国債と銀行券発行残高

 民主党の松原仁予算委筆頭理事が「日銀としてこの不況に責任の一端を感じているか、イエスかノーで答えてほしい」と質問したところ、白川氏は「一言でお答えするにはあまりにも複雑な、難しい問いだ」と述べた。また、安定的経済成長への復帰に最大限の努力を尽くす考えは示した。

 松原氏は「ちょっと無責任な発言だ。(不況の)責任の一端は日銀の金融政策にある。それを感じなければ、無責任のそしりは免れない」と反発した。

日銀緩和策を批判する毎日新聞経済部の変な社説

2010-03-19 22:11:13 | 日銀景気対策

■社説:日銀また緩和策 世界の流れと逆では

 世界の主要国が着々と出口に近づく中で、日本だけが反対方向に進んでいるようだ。
リーマン・ショック後に導入した異例の景気刺激策を解除していく「出口戦略」で鮮明になってきた日本と他国の違いである。

 日銀が昨年末に続き、追加の金融緩和を決めた。
確かに物価の下落は続いているが、今なぜ追加策なのか、と首をかしげてしまう。

 危機対策が相次ぎ打ち出された2008年末当時と比べ、世界経済も日本経済もはるかに明るい。
日本の景気が「二番底」に沈む心配も薄れ、政府はこのほど景気判断を「着実に持ち直してきている」と上方修正した。
日銀も基本的に同じ立場だ。

 回復してきた景気をさらに後押しする狙いなのかもしれないが、すでに金利は歴史的に低い水準まで下がっており、追加的な効果はほとんど期待しにくい。
逆に、日本の金利が上昇に向かう時期はさらに遠のいたとの見方が強まって、円で資金を借り、より高い利益が見込める国外で運用する動きが再び加速する可能性がある。
世界経済をけん引している新興国などでバブルを膨らませる副作用が心配だ。

 海外の中央銀行に目を転じると、新興国や資源国から金融引き締めの動きが広がってきた。
先進国は遅れているものの、金融危機の震源地で失業率が日本よりはるかに高い米国や、ギリシャ発の信用不安懸念がくすぶる欧州でさえ、政策を危機モードから平時モードに戻す動きが計画に沿って進んでいる。
なぜ日本だけ出口に背を向けているのか。

 政府内には日銀にデフレ克服策を求める声が強い。
亀井静香金融担当相のように、あからさまに国債の直接買い入れを要求する閣僚もいる。

 厳しい財政難にありながら、政府は当面、手厚い財政支出を維持する構えのようだ。
国債の大量発行が続くことになる。
そんな中で長期金利が上昇すれば国債の利払い費が膨張し、財政は立ちゆかなくなる恐れがある。
日銀に金利を低く抑えてほしい政府の思惑が透けて見える。

 米国のバーナンキ連邦準備制度理事会議長は議会に対し、財政赤字の削減計画をしっかり立てることが政治家の仕事だと訴え、出口戦略を求めた。
責任ある中央銀行の主張だ。

 その米国も含め、他の先進国では、いつまでに赤字をどの程度、縮小させるといった数値目標ぐらいは掲げている。
それさえないのが日本だ。
中央銀行に放漫財政のツケを回そうとする国は結局、市場の信認を失い、長期金利が上昇し、財政や経済全般を苦しめることになる。

 日銀に追加策を求め続けるのではなく、政府こそ、財政の出口戦略を早期に示すべきではないか。

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【私のコメント】

変な社説だ。
二番底の心配がないなど、誰がそんなノー天気な事を言っているのか。

日本経済の先行きに明るい兆しはまだ見えない。
日本経済は政府の支援がなければ今にも息絶えてしまいそうだ。

署名はないが、この記事は福本容子の執筆ではなかろうか。
コイズミかぶれの彼女ならこんな社説を書きかねない。

毎日新聞の経済部は、他の部署のまともさに比べれば、かなり病んでいる。

日銀、「量的緩和」を表明=新型オペで10兆円追加供給

2009-12-01 20:25:44 | 日銀景気対策

2009/12/01 時事通信 より
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2009120100652

■日銀、「量的緩和」を表明=新型オペで10兆円追加供給-円高、デフレに対応

 日銀は1日、臨時の金融政策決定会合を開き、
政策金利を0.1%に据え置くとともに、
追加的な金融緩和策の導入を全員一致で決めた。
金融機関が資金をやりとりする短期金融市場向けに、
年0.1%の固定金利で資金を3カ月間供給する新型オペレーション(公開市場操作)を導入し、
10兆円規模を供給する。
白川方明総裁は会合後の記者会見で
「広い意味での量的緩和」
だと表明。
政府と歩調を合わせ、金融面から景気を下支えする姿勢を明確にした。

 日銀が金融緩和の強化に踏み切るのは、
先週来の急速な円高進行や中東ドバイの信用不安など国際金融市場の動揺に加え、
デフレが実体経済に悪影響を及ぼすリスクがあると判断したため。
日銀は潤沢な資金供給を通じ、3カ月物を中心とする長めの短期金利の低下を促すことで、
間接的に外国為替市場の急変動を抑える効果も狙う。

 政府は同日決めた第2次補正予算の編成方針の中で、日銀に金融政策面で協力を求めていた。
日銀の決定を受け、鳩山由紀夫首相が「認識を共有できたのは喜ばしい」と評価するなど、閣僚から歓迎する声が相次いだ。
首相と白川総裁は2日に会談し、政府・日銀の連携姿勢を強調する予定だ。
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【私のコメント】

日銀もやっと重たい腰を上げたか、という感じ。
動きが遅い。

世間は亀井金融相を邪魔者あつかいにしているが、
一番、市場や経済の先行きに敏感なのは亀井金融相である。

彼が予見したとおりになっている。


デフレ考 日本はお金を刷ってもインフレにならない

2009-11-29 15:55:32 | 日銀景気対策

日本は豊かである。物はあふれかえっている。
なのになぜ不況なのか。
物はあるがそれに見合うお金が足りないのである。

発展途上の貧しい国に、お金をばらまいてもインフレを起こすだけで、生活の助けにはならないだろう。
もともとの生活財がないのだから、いくらお金を刷ってそれをばらまいても問題の解決にはならない。

ところが日本はそれとは違う。
物はあふれかえっている。
それに見合うお金が足りないのである。

なぜお金が足りないのか。
日本のお金はアメリカに貸し出されているからである。(日本が米国債を買っているということ)
アメリカ人は日本人からの借金で消費生活を続けてきた。
アメリカ人が使っているお金は本来日本で使われるはずのお金である。

日本のお金はアメリカにもって行かれてしまっているのである。
本来ならそれは早く返してもらわなければならないはずのお金である。

もしアメリカが日本からの借金を早く返済してくれれば、日本のお金不足は解消する。
しかしアメリカはそれを返すどころかさらなる借金をしたがっている。
日本がアメリカに貸したお金は戻ってこないままである。(米国債が塩漬け状態にされているということ)

つまり日本とアメリカの政治的な力関係によって、日本の自然な経済秩序が壊されているのである。
日本の経済の健全性はアメリカによって奪われているのである。

だとすれば、本来日本にあるべきはずのお金を新たに日本でつくるしかない。
つまり国債を発行して、通貨量を増やす必要がある。
もし日銀がこのまま駄々をこねれば、私は日銀券(お金のこと)にこだわらず政府紙幣の発行でも良いと思う。

日銀は二言目にはインフレ懸念を言う。
確かにアメリカのようにじゃぶじゃぶお金を刷っていればインフレになるであろう。
その結果さらにドル安は進むであろう。

しかし日本は、あるはずのお金がない国である
それに対してアメリカは、ないはずのお金がある国である
この違いは大きい。

アメリカではインフレが必ず起こる。
しかし同じようにお金を刷っても日本ではインフレは起こらない。

アメリカの製造業は力を失っている。
自動車産業すら危ない。残っているのはパソコン関連企業ぐらいのものである。

それに対して日本の製造業はまだ強い。
日常生活に必要なものはほとんどすべて日本でつくっている。

テレビ・ビデオ・冷蔵庫・洗濯機・自動車・カメラ・携帯電話・パソコン・薬品・化粧品等々、数え上げればきりがない。
日本にはこれらのものをつくる力があるし、実際これらのものが店頭にはあふれかえっている。

つまり、財とサービスは十分にあるのである。
足りないのはそれを流通させるお金である。

なぜそうなったのかは先程述べた。

財とサービスが不足している国が、お金だけ印刷しても何にもならないが、
日本ではすべてのものがそれっているなかでお金だけが不足しているのである。

日銀はなぜそのことを分かろうとしないのか。


日銀は景気判断を見直すべき

2009-11-29 11:48:42 | 日銀景気対策

2009年11月28日20時27分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091128-OYT1T00845.htm

■首相と日銀総裁、1日にも会談…経済協議か

特集 鳩山首相と白川方明・日本銀行総裁が12月1日にも会談することが28日、明らかになった。
大塚耕平内閣府副大臣(金融担当)が同日のテレビ朝日の番組で「首相は来週(白川総裁と)会う予定だ」と述べた。
 急激な円高や、商品やサービスの価格が下がり続けるデフレなど、最近の経済情勢とその対応策について意見交換するとみられる。

 政府はすでに、日銀との定期協議の場を新たに設け、金融・経済情勢に関する認識を共有する方針を打ち出している。

 今回の会談は、定期協議の初会合という位置付けになる。

政府が20日発表した11月の月例経済報告で日本経済はデフレ状況にあるとの認識を示したのに対し、
日銀は同日の金融政策決定会合で景気判断を上方修正するなど、
両者の景気認識の差が目立っている。
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【私のコメント】

日銀の景気判断は甘すぎる。
何か別の思惑があるのではないかと疑いたくなるほどだ。

景気が上向いているなど、普通の生活者の感覚では考えられないことだ。
政府の判断と歩調を合わせるべきだろう。

新日銀法による日銀の独立性を楯に、勝手なことをやられては国民が苦しむだけだ。


日銀は『デフレ対策』に本腰を

2009-11-26 23:15:11 | 日銀景気対策

J-CASTニュースより
http://www.j-cast.com/2009/11/26054562.html

■「デフレ宣言」巡り 政府と日銀が火花

2009/11/26 12:25  

   政府と日本銀行がデフレ経済下の政策運営で、火花を散らしている。
政府は2009年11月20日、11月の月例経済報告に
「緩やかなデフレ状況にある」
との文言を盛り込み、日本経済が3年5カ月ぶりにデフレに舞い戻ったと認定。
菅直人副総理兼経済財政担当相は20日の閣議後会見で
「金融の果たすべき役割は多い」
と日銀にデフレ対策を要望した。

一方の日銀は同日の金融政策決定会合で、景気判断を上方修正。
物価については
「資源価格の上昇によって、上振れる可能性がある」
との表現を織り交ぜるなど、政府からの金融緩和圧力を避けるのに懸命だ。

   月例経済報告を議論した関係閣僚会議では、亀井静香金融相が日銀の西村清彦副総裁に牙をむく一幕があった。
日銀は、堅調な新興国向けの輸出にけん引されてデフレ下でも景気が緩やかに回復するとのシナリオを描くが、亀井金融相は
「希望的観測だ」と一蹴。
菅副総理も
「(危機対応の金融政策を解除する)出口戦略を取るのは少し早い」
と日銀に注文を付けた。


大型の景気対策補正予算通しやすくするため?

   政府はデフレ認定の理由について、
消費者物価の下落が続いていることや、
名目成長率が2四半期連続で実質成長率を下回る「名実逆転」が起きたことなどを挙げている。
ただ、この時期の認定には
「大型の景気対策補正予算を通しやすくするためでは」(エコノミスト)
との見方もある。
物価下落が消費低迷などを通じて景気をさらに悪化させる「デフレスパイラル」を回避するために、政策を総動員する地ならしという訳だ。

   ただ、安易な財政出動には、藤井裕久財務相が
「お金(予算)をつけたからといって物価が上がるものではない」とけん制。
菅副総理も、補正予算は規模より効率を目指す姿勢を示している。
税収が伸び悩み、2009年度の国債発行が50兆円を上回ることが確実視される中、財政対応には限界がある。

   そこで頼みの綱が日銀だが、政策金利(無担保コール翌日物)は既に年0.1%まで下がり、利下げ余地はほとんど無い。
市場に大量の資金を供給する量的緩和政策を復活させる選択肢もあるが、国内であふれたカネが新興国などに投じられ、バブルを起こす可能性は否定できない。
現実に米国の住宅バブルは、日中の資金が米国債を買い支えし、低金利が続いたことが一因だ。


景気は7~9月期を境に減速に転じるとの見方

   財政出動を迫られた民主党政権が、
日銀に国債の直接買い入れを迫る懸念もあるが、
中央銀行の信頼性に関わる問題だけに日銀は絶対に避けたいところだ。

   このため日銀の白川方明総裁は20日の会見で、さまざまな予防線を張った。
「物価下落が続いている」という認識は政府と共有しつつも、デフレと認定することは避け、
「(足もとの物価下落は)需要の弱さが原因」
と指摘し、市場に資金を流しても抜本的な解決にはならないとの考えを示した。
さらに
「企業の成長機会を確保することが重要」
とし、政府の構造改革こそが優先されるとの見解を披露した。

   いずれにしても、景気は7~9月期を境に減速に転じるとの見方が強く、政府と日銀が責任のなすりつけ合いをしている余裕はない。
まずは政府が中長期的な成長戦略を示して市場に安心感を与え、
日銀も超低金利政策などで景気を下支えする姿勢をより強く見せることが必要のようだ。
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【私のコメント】

日銀はなぜかインフレよりもデフレが好き。
物価が上がることを非常に嫌う。
だから金利を引き上げたがる。通貨量を減らしたがる。

しかしバブル経済以降、日銀の政策が当たったことはない。

今度もそうなりそう。
デフレの時期に通貨量を減らせばますますデフレがひどくなる。
そんなことを大まじめにやろうとしているのが今の日銀。

しかも円高。
円高の時期に通貨量を減らせばますます円高はひどくなる。

一方アメリカはじゃぶじゃぶとドルを刷っている。
このままではますますドル安が進み、円が高くなる。

デフレに対して知らぬ顔の半兵衛の日銀である。
日銀はFRB(アメリカの中央銀行)に対しては協力的だが、
日本政府に対しては対立的である。

いったいどこの国の中央銀行なのかといいたくなる。


日銀は「デフレのリスクに十分な留意を」

2009-11-07 07:21:10 | 日銀景気対策

毎日新聞 2009年11月6日 東京朝刊
http://mainichi.jp/life/money/news/20091106ddm008020018000c.html


■日銀:決定会合要旨 政府・日銀の連携模索 経済政策で意見交換


 日銀は5日、10月13~14日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。
内閣府の津村啓介政務官が
「常に連絡を密にし、十分な意思疎通を図っていきたい」
と述べた上で、連立政権の経済政策に対し日銀の意見を求めるなど、政府・日銀の連携強化を模索する姿勢を示していた。

 津村政務官から意見を求められた日銀の政策委員は
「経済政策の全体像や考え方を早く示すのが望ましい」
「予算の見直しは、短期的には経済にマイナス」
などと述べた。津村政務官は
「個人消費の刺激を通じた内需主導の成長戦略を描いている」
などと説明。日銀に対して
「デフレのリスクに十分な留意を」
と注文を付けた。

 今回は現政権発足後、実質的に初めての決定会合。
従来は政府の経済財政諮問会議で日銀総裁と首相らが月数回、顔を合わせていたが、政権交代で諮問会議は廃止される。
政府・日銀は日銀総裁や関係閣僚が定期協議を開く検討を進めており、
津村政務官は景気回復に向けて政策面でのすり合わせの必要性を訴えたようだ。

 企業の資金繰り支援のため実施している「企業金融支援特別オペ」をめぐり、
複数委員が
「企業は年度末にかけての資金繰り不安をぬぐい切れていない」
と指摘。
日銀は10月30日の決定会合で、同オペの期限を年末から来年3月に延長したが、これらの慎重意見が決定の背景になったとみられる。【清水憲司】
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【私のコメント】


「企業金融支援特別オペ」は、10月30日の決定会合で、同オペの期限を年末から来年3月に延長したが、
社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い取りは期限の年末で打ち切られた。

日銀は景気回復に消極的だ。
「企業金融支援特別オペ」も、嫌々ながらやっているようだ。

政府はもっと日銀を自らの指導下に置いた方がよい。

ここ20年来、日銀の言うとおりにして良くなった試しがない。
自民党が失脚したのだから、日銀幹部も体質を改善すべきだ。

民主党はもっと積極的に日銀を動かすべきだ。

日銀のお先棒かつぐ毎日社説

2009-11-01 14:00:25 | 日銀景気対策

毎日新聞社説 2009年11月1日 より
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20091101k0000m070099000c.html 

■社説:金融の出口戦略 危機の教訓生かす時だ


 日銀が、企業の資金繰り支援のため導入していた臨時措置を段階的に解除していく方針を決めた。
リーマン・ショック後、世界の金融市場を襲ったパニック的動揺に対応する形で始まった異例の措置である。
市場に安定が戻り、日銀に頼らなくても大企業が資金を調達できるようになってきた以上、役目を終えた対策の解除は、ごく当然のことである。

 問題はその先だ。
事実上のゼロ金利を少しずつ平時の水準に戻していく段取り、つまり出口戦略を真剣に考え始めねばならない。
米欧の中央銀行も同じだ。
世界経済は1年前と比べて明らかに改善している。
出口戦略で歩調を合わせる時である。

 「早過ぎる」との声もあろう。
先進国の実体経済はまだ弱いし、特に米欧で企業や家計にのしかかる過剰な借金を処理しきるまでには時間もかかる。
だが、日米欧の主要国がこぞって大規模な金融緩和を続けていることによるゆがみにも十分な注意を払わなければいけない。

 アジアや南米の新興国では、株価や不動産価格の上昇が目立ち始めた。
金や銅、鉛などの金属、原油の値段もそうだ。
新興国の景気が比較的良好なこともあるが、それだけでは説明し難い急騰ぶりだ。
金利が極めて低い先進国で資金を借り、高めのリターンを期待して新興市場の資産などに投資する動きが続いているのである。
バブルを警告する専門家の声も強まってきた。

 今回の金融危機がなぜこれほどまで深刻化したのかをもう一度振り返ってみよう。
住宅や証券化商品への過剰な投資をあおったのは、世界的に長期化した低金利だった。
中央銀行が借り入れコストを低く保つことは、その国の景気を刺激する上で有効だが、「当分金利は上がらない」との見方が定着すると必ず、借り入れの行き過ぎ、そしてその資金で高いもうけを狙う投機が過熱する。
投機対象は超低金利国内にとどまらない。
グローバル化した金融の世界では、海のむこうまでひずみが及ぶ。
今回の金融危機で体験済みだ。

 世界経済の回復をまさにリードしている新興国でバブルを膨らませているとしたらどうだろう。
崩壊した時、その影響は結局、日本など先進国にも跳ね返ってくるのである。

 危機対応で足並みをそろえたのと同じように、出口戦略でも協調は欠かせない。
例えば日本だけが金利の正常化(一定の引き上げ)に踏み出せば、円高・ドル安など、どこかに大きな振幅をもたらし、景気を再び悪化の軌道に戻しかねないからだ。

 世界はつながっている、ということを嫌というほど思い知らされた今回の金融危機である。
主要国の中銀には学習の成果を見せてほしい。
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【私のコメント】

『アジアや南米の新興国では、株価や不動産価格の上昇が目立ち始めた。』

『住宅や証券化商品への過剰な投資をあおったのは、世界的に長期化した低金利だった。』

日銀に金利を引き上げろと言わんばかりの論調。
今のような不況下で金利を引き上げればどうなるか。

国をまたいでマネーゲームをやっているのは、個人投資家ではなく、投資銀行などの機関投資家である。

であるならば、『金融自由化』や『規制緩和』などを見直すことが先決なのではないか。

これは制度の問題であって、金利の問題ではない。

そのことをこの社説は取り違えている。

国内の経済対策と、国際的な金融対策を取り違えると、このような変な論調になる。

この社説には署名がないが、毎日新聞の経済部には福本容子氏などのいわゆる『自由化』論者の勢力が強い。

読売新聞や日経新聞は、今回の日銀の政策(社債やCPの買い取りを打ち切ったこと)にたいして社説で反対の立場を表明しているが、
毎日新聞は逆に日銀のお先棒をかついでいる。

堅実な新聞であるだけに、今回の社説はいただけない。

日銀は国民が苦しむことを平気で行うむごい機関だ

2009-11-01 11:22:40 | 日銀景気対策

2009年10月31日01時27分 読売社説
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091031-OYT1T00116.htm?from=any

■日銀決定会合 金融緩和の出口戦略は尚早だ(10月31日付・読売社説)


 物価が下がるデフレが長期化すると予想しながら、なぜ金融緩和を後退させるような決定をしたのだろうか。

 日銀は30日の金融政策決定会合で、政策金利を年0・1%とする事実上のゼロ金利政策を続ける一方、企業金融の支援策を打ち切る方針を決めた。昨年来の危機対応策で初の解除となる。

 雇用不安は強く、景気回復の足取りは重い。中小企業の資金繰りも厳しい。金融の安全網を外すのは時期尚早であろう。

 日銀は昨秋のリーマン・ショックの後、2回の利下げに加え、日銀による社債の買い取りや、超低利の政策金利で金融機関に貸し出す「特別オペ」で、企業金融を支えてきた。

 決定会合は、金融市場の機能回復で社債の発行環境が改善したとして、買い取りを期限の今年末で打ち切ることにした。特別オペも期限を来年3月末に延長したうえで終えるという。

 確かに社債の買い取りは利用が減り、役割を終えた感もある。しかし、特別オペの方は、残高が約7兆円と多く、まだ十分に活用されている。

 企業金融の支援にとどまらず、「低利で日銀から借りられる」という安心感が、市場金利全体を低位に安定させた緩和効果も大きい。打ち切りは撤回すべきだ。

 心配なのは、デフレ症状の悪化である。30日発表の消費者物価指数は、9月まで3か月連続で2%台のマイナスを記録した。

 日銀も同日、経済や物価の先行きを示す「展望リポート」で、今年度から3年度連続で消費者物価が下落すると予想した。デフレが長期化するとの診断で、金融緩和を維持・拡大すべき状況だと、日銀自身が認めた形だ。

 ところが、決定会合が出した治療方針は、特別オペの打ち切りなど緩和に逆行する内容だった。事実上のゼロ金利策を終える「出口戦略」を意識し始めたと見られても仕方あるまい。

 日銀は「きわめて緩和的な金融環境を維持していく」というが、期間は「当面」とあいまいだ。デフレ払拭(ふっしょく)まで緩和を続けると表明し、市場を安心させるべきだ。

 子ども手当など民主党政権の大盤振る舞いで国債が大増発されるとの観測が強まり、長期金利がじりじり上昇している。

 住宅ローン金利の上昇や円高など、景気に悪影響を与える金利高の防止に向け、金融政策の責任は重い。日銀は政府との政策連携を、一段と密にせねばならない。
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【私のコメント】

日銀は日本の景気を悪くしようとしているのか。

これほど景気が悪いときに、通貨量を増やす努力をしていない。

何度も言うが、今は景気の二番底が心配されている。
失業者は増え、給料は下がっている。
しかも円は上昇している。
輸出もままならない。

こんな時になぜ通貨量を増やす努力を打ち切るのか。
日銀は日本の景気対策以上に最優先すべき何かを抱えているようにしか思えない。

しかしそれは一国の中央銀行としてはあってはならない態度だ。
日銀の独立性を高めた新日銀法は、失敗だった。