赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

国連慰安婦問題、朝日新聞の責任の取り方は? コラム(151)

2016-02-19 00:00:00 | 政治見解



コラム(151):国連慰安婦問題、朝日新聞の責任の取り方は?

慰安婦問題に対する日本政府の正式見解

政府は16日に、ジュネーブで開かれた国連の女子差別撤廃委員会の対日審査で慰安婦問題に関する事実関係を説明しました。外務省杉山晋輔外務審議官の発言の要点は以下の通りです。

・強制連行を裏付ける資料はなかった
・強制連行説は吉田清治氏による捏造である
・朝日新聞が吉田氏の本を報じたことが国際社会に影響を与えた
・慰安婦20万人について朝日新聞が女子挺身隊を混同した
・朝日新聞は事実関係の誤りを認め、正式に謝罪した
・性奴隷との表現は事実に反する
・慰安婦問題は女子差別撤廃条約締約以前のことで、不遡及、条約の報告で取り上げるべきでない


慰安婦は性奴隷でないとする意見が2人の日本人女性によって表明された

この会合に先立ってNGOが参加するワーキング・ミーティングが開催されました。国連の委員が委員会で質問する事項をまとめるために、NGOの意見を参考聴取するための会合です。ここに、今回初めて「慰安婦は性奴隷ではない」とする立場で、前衆議院議員の杉田水脈氏となでしこアクションの山本優美子氏に発言の機会が与えられました。

国連の委員に対し杉田氏は、強制連行がなかったとする日本政府見解とクマラスワミ報告書の矛盾について、また山本氏は日本軍が韓国女性を性奴隷化したか否かを日本政府に質問するよう提案しました。

このミーティングには日本から最多の8団体(杉田・山本両氏以外はすべて反体制・反政府系のNGO)が参加していましたが、杉田氏らの発言でこれら左翼系NGOの意見がことごとく否定されました。さらに、委員会での杉山晋輔外務審議官による日本政府の公式見解発表の際には、左翼系NGOの動揺は隠せなかったとの報告が寄せられています。


朝日新聞はどう報じたか

2月17日付けの産経新聞は1面トップに「慰安婦問題 強制連行説は捏造」「20万人、朝日が混同」と掲載されています。一方、朝日新聞は4面の左上に「不可逆的に解決」との見出しで、杉山外務審議官の「強制連行を確認できる資料はなかった」との説明をだけを取り上げ、記事の捏造に関する記述はありません。

また、この記事の結論部分では、「日韓合意については、人権NGOなどが一定の評価をしつつも被害女性を抜きにした合意だなどと反発する声もある」「韓国側の認識と違う日本政府の見解を国連の場で説明すれば、韓国で合意を批判する一部の市民団体やメディアを刺激しかねない」と締めくくっています。


朝日新聞は何も変わっていない

結局、この日の朝日新聞の記事には、「強制連行の証拠はない、20万人という数字の根拠はない」との記述はどこにも見当たらず、伝えるべき最も重要な事実が書かれていなかったのです。

2014年8月5日、朝日新聞は慰安婦報道を検証するとして吉田証言に基づく記事と植村記者の記事を取り消しました。次いで12月23日の第三者委員会による調査報告書を受けて、26日には「朝日新聞社の見解と取り組み」を発表しています。

その中で「慰安婦と挺身隊の混同があり、主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行したという表現は誤りでした。これまでの知見では、慰安婦の数や朝鮮人女性の比率もはっきりわかっていません」と述べています。

ところが、その後の朝日新聞に対する集団訴訟の際、オーストラリア在住の方が提出した陳述書の中で、「朝日新聞の英語記事には慰安婦は軍隊によって強制連行されていなくても、強制的に売春をさせられたことに変わりはないと書いてあった」と指摘されています。

朝日新聞は、日本国民の目が届かない海外ではいまだに正当性を主張し続けているのです。


今回の問題は、本来であれば、慰安婦問題を海外にまで波及させた責任上、国連会合での説明は朝日新聞が行うのが筋です。そこで新聞社として記事の捏造をきちんと訂正しなければならなかったのです。

朝日新聞社の社長は、今からでも国連の女子差別撤廃委員会と連絡を取り、改めて捏造による記事の訂正発表をするべきです。それがせめてもの責任の取り方というものです。



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