コラム(231): 重い最高裁判決
訴訟の経緯と吉見氏側の正体
2013年5月27日、当時日本維新の会共同代表だった橋下徹大阪市長が慰安婦問題をめぐって記者会見した際、同席した桜内文城衆議院議員(当時)が「吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかである」と発言しました。この発言が名誉毀損に当たるとして、吉見氏は1200万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴しました。
筆者は、何度か裁判を傍聴しましたが、吉見氏側には、共産党の池内沙織議員や在日韓国人の支援グループが座っていました。
吉見義明氏とはいかなる人物か
中央大学商学部教授で日本の戦争責任資料センター共同代表である吉見義明氏は、慰安婦問題において、軍政策としての「強制性」があり、軍が女性を「性奴隷」とする制度を運営していたと主張していた人物です。
この吉見氏の資料に基づいて1992年1月11日付け朝日新聞朝刊1面には「慰安所への軍関与を示す資料 防衛庁図書館に旧日本軍の通達・日誌」という記事を掲載しました。
当時、訪韓を控えていた宮澤喜一首相は、朝日新聞記事の5日後、記事の詳細な意図を知らぬまま、軍の関与を認める謝罪方針を打ち出し、首脳会談中、盧泰愚大統領に8回も謝罪するという事態をもたらしました。
韓国はこれを機に、慰安婦問題を日本に対する外交カードにしましたが、この原因をつくったのが、吉見氏と朝日新聞社です。
地裁判決と高裁判決
東京地裁では、桜内氏側の証人である現代史家の秦郁彦氏が「彼女らの働いた生活条件は性奴隷と言われるほど過酷ではなかった。職業として割り切った女性もいる中、軽々しく比喩的に使うべきではない」と否定しました。これに対し、吉見氏は「慰安婦は居住、外出、接客拒否、廃業の自由がない無権利状態にあり、慰安婦制度は性奴隷制度だったというのが私の研究の中心的命題」と主張していました。
判決は「桜内氏の発言は『慰安婦の置かれた境遇をどう理解すべきか』を論じたもの。桜内氏の発言は吉見氏への不当な攻撃ではなく、公益に関わる問題についての意見・論評であり、違法性はない」とし、吉見氏の請求を棄却しました。
東京高裁でも、慰安婦が「性奴隷」であるとねつ造し世界中に拡散してきた吉見氏側の主張は覆りませんでした。
吉見氏と朝日新聞の罪
吉見氏や朝日新聞、共産党、福島瑞穂氏らは、慰安婦を被害者利権にした集団です。これにより、「20万人の性奴隷」という嘘と捏造が日本国内のみならず世界中に撒き散らされ、日本人の名誉と尊厳を著しく貶めてきました。
とりわけ、朝日新聞は、吉田清治氏の「韓国・済州島で慰安婦狩りをした」という虚偽証言(1983年以降16回もの記事)、「韓国の女子挺身隊を慰安婦として強制連行した」との植村隆記者の捏造記事(1991年8月11日朝刊)や前述の吉見氏の記事を掲載しつづけました。
朝日新聞は現在も慰安婦問題を韓国側の主張に添う形で報道し続けています。
本訴訟勝利の意義
昨日、桜内氏から勝訴の報が寄せられましたので、お電話をしたところ、同氏より以下のコメントを頂きました。
私は日本の国会議員として、日本人の名誉と尊厳を守ることこそが国益に資するための自らの使命だと信じて行動しました。万が一にでも負ければ、彼らは、『慰安婦が「20万人の性奴隷」であると日本の裁判所が認めた』と再び世界中に広めて回るに違いないので、悔いの残らないよう自ら準備書面も筆を執って書きました。
とにかく最高裁で勝訴が確定し、日本の国益を守ることができたとホッとしています。これも応援して頂いた皆様のお陰です。本当にありがとうございました。
吉見氏、朝日新聞、共産党が一体となって「慰安婦=性奴隷」を司法の場で認めさせようという目論みは完全に破砕されました。しかも、吉見氏の誤った学説が法理の上からも否定されたのです。
上記の吉見氏、朝日新聞社、共産党におかれましては、是非とも正式な記者会見をしていただきたいと思います。
桜内氏の4年にわたる日本人の名誉と尊厳を守る戦いに心から敬意を表したいと存じます。
桜内文城氏のブログ『みんなきさいや』を是非ご覧下さい。
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