赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

人道回廊と平和憲法の類似点 コラム(395)

2022-03-08 14:11:05 | 政治見解



コラム(395):人道回廊と平和憲法の類似点


人道回廊(Humanitarian corridor)が設置されたので、少なくとも民間人の命は救われるみたいな報道をよく見かけるようになりました。「人道」という言葉が好きなメディアや日本共産党のような政党がすぐ飛びつきましたが、冷酷非情のプーチン氏には違う使用目的がありました。


「人道回廊」の真実

人道回廊を設置した表向きの理由は「避難のチャンスを与えた」ことにより、国際社会からの厳しい視線を逸らすためです。ロシアは、首都キエフなど4つの都市で民間人のための避難ルートを設置、これらの地域で一時的に停戦すると発表しました。仮にウクライナがこれに応じなければ「ウクライナに非がある」とのプロパガンダに利用することも考慮していたはずです。

しかし、この人道回廊、よく見れば、ゴメリからは航空機でロシアに、東部要衝のマリウポリからはウクライナのザポリージャとロシア南部のロストフ・ナ・ドヌーに、第2の都市ハリコフからはロシア西部のベルゴロドへ、そして、北東部のスムイからは、ロシアのベルゴロドとウクライナ中部のポルタワに、それぞれ移送するというもので、ロシア以外の選択肢はありません。

これでは、民間人をごっそりロシアの人質にしようという考え方にしか見えません。大量の民間人をロシアの人質にして、人間の盾にでもされたら、ウクライナ軍の抵抗はできなくなります。

その上に、人道回廊を利用して民間人を大量虐殺することは可能で、しかも、虐殺をしてもそれはウクライナがやったこととして言い逃れをしそうです。

実際、赤十字国際委員会によれば、ロシア軍が包囲したウクライナの都市マリウポリで人道回廊とされた道路に地雷が埋設されていたため人びとが避難できなかったことが明らかにされました。また、マリウポリ市長によると、「ロシア軍から人道回廊の設置により午前9時から砲撃を止めるので住民を避難させるためバスを用意せよと通告されたので、バスを集めたところ、そこが砲撃され半分吹き飛んだ」との証言があります。

ロシアが提案する人道回廊は、シリア内戦で頻繁に用いられたものです。ロシアは、戦線が膠着状態になると人道回廊を設定する交渉を行ないます。そしてその交渉中、誰が街の中に誰がいるかを探り出し、出てきたら殺害する一方、出てこない人たちはテロリスト戦闘員と断定して包囲網から出られないようにして兵糧攻めや化学兵器を用いて殲滅させようとします。まさに人道回廊は大量虐殺の手段と使われていると言わざるを得ません。

ウクライナはロシアのやり口をよく知っているから、これを受け入れるはずがないのです。


平和憲法は日本人の大量虐殺を招く

日本国憲法の論理と人道回廊の考え方な実によく似ています。ともに「平和主義」とか「人道」などのきれいな言葉で飾られていますが、その本質は「大量虐殺」を引き起こす危険性を内包しているのです。いくら言葉に理想主義を掲げても所詮は他国の良心の有無で決定づけられるため、プーチン氏のような冷酷非道な人物にかかれば、人道回廊も平和憲法も大量虐殺に至る体のいい口実に使われるだけです。

実際、ウクライナの悲劇を見れば、平和は瞬時にして奪われ、人道回廊を使って戦時国際法で禁止されている非戦闘員の命までも奪おうとしています。それを見れば、憲法9条論者がよくいう「平和は対話で守られる」、「腹をわって話し合えばわかる」といった理屈は、心が鬼になっている侵略者には全く通用しないことがわかります。

侵略とは国土と国民を蹂躙して支配することであり、被侵略国民は略奪されたうえ抹殺されるのが常で、それを誘導してくれる日本国憲法のあなた任せの平和主義ほど好都合なものはありません。

したがって、日本共産党のように「憲法は日本が戦争を起こさないように為政者を縛るもの」だから「憲法を守れ」と言う行為は、単に外国勢力の侵略を助長するだけでなく、奴隷としての平和を望む日本人は除いて、数多くの日本人に大虐殺をもたらすことになりかねません。

心優しい日本人にとって、ロシアや中国が日本に対してそこまではしないだろうと思っているのですが、そう思うのは日本人の感性ゆえで、それは間違いです。歴史的に中国人やロシア人がやってきたことをよく見てみれば、かれらの残虐さがわかるはずです。もうそろそろ、日本人は甘い考えは捨てねばなりません。

結局、日本国憲法の論理と人道回廊の論理はまさに同じで、非戦闘員である民間人を殲滅する、大量虐殺するためにあると言っても過言ではないのです。


振り返れば、ウクライナの悲劇は核を含めた抑止力を失ったこと、他国と協力して侵略を防ぐ集団的自衛権がなかったことが主な原因です。この機を逃さず、日本人が未来に向かって生き残るため、いまこそ憲法を改正して、侵略と大量虐殺の憂き目から身を守るようにしなければならないと思います。



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