赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

朝日新聞とパラダイス文書 コラム(243)

2017-11-07 21:43:43 | 政治見解





コラム(243):朝日新聞とパラダイス文書



各国の主要メディアは6日午前3時(日本時間)、一斉にタックスヘイブン(租税回避地【※1】)に関する『パラダイス文書』をトップニュースで報じました。

【※1】租税回避地は税率が低く、経済活動に関する情報が公開されにくい国や地域。グローバル企業にとっては会社を設立しやすい一方、脱税やマネーロンダリングなど犯罪の温床となっている。


パラダイス文書を政権スキャンダルにしたい各国のメディア

公表したICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合、本部ワシントン)は、パラダイス文書は各国指導者や富裕層らが脱税や資金洗浄を行っている証拠だとしています。大手法律事務所アップルビーの内部文書を含め、合計1340万件にのぼる資料で、昨年4月の『パナマ文書』の続編にあたります。

米紙ニューヨーク・タイムズは「ロス商務長官の出資する海運会社が、ロシアのプーチン大統領の親族企業との取り引きで巨額の収入、トランプ政権に新たなロシア疑惑が発覚」と報じました。また、英紙ガーディアンは、「エリザベス女王が750万ドルをケイマン諸島のファンドに投資し配当を得ていた」と報じました。さらに、カナダのトルドー首相の顧問がケイマン諸島の信託会社に巨額の資金を移して運用していたことなどが報じられています。


朝日新聞の中途半端な報道姿勢


ICIJに参加している日本のメディアはNHK、朝日新聞、共同通信の三社です。

NHKは、「元総理の鳩山由紀夫氏、旧民主党の内藤正光氏、旧みんなの党の山田太郎氏の名前が文書の中に見つかったが、現職の国会議員は確認されなかった」と報じました。さらに、「1000超の日本企業・個人の資料」があると指摘、丸紅、住友商事、ソフトバンクグループ、三井住友海上、日本郵船と大阪ガスの共同出資法人などを挙げ、コメントを取って詳細に報道していました。

これに対し朝日新聞は11月7日の朝刊一面では右下のデジタル版の特集ページを紹介しているにとどまり、三面の解説記事では読み飛ばされても構わないほどの内容になっています。さらに、文書の流出元への取材記事を見ても、おざなりの記事になっているのが特徴的でした。系列のテレビ朝日でも扱いは同様で、「トランプ政権に新たな火種」としている程度で、いつものような騒々しさは感じられません。

自国の政権を倒したいために「世紀のスキャンダル」としたいニューヨークタイムス社と同様のマインドを持つ朝日新聞社なのですが、今回ばかりは歯切れの悪い報道姿勢となっています。


思惑が外れた朝日新聞

朝日新聞がICIJに参加した理由は政権打倒のために利用できる材料を探し出すのが目的です。しかし、パラダイス文書はパナマ文書同様、政府をバッシングする材料が全く見出せていません。逆に、自分たちと深い関わりのある鳩山由紀夫氏の名前が出てきたことに困惑しているようです。

自民党の重鎮の名前でも発見したら、森友・加計以上の大騒ぎをしていたはずですが、鳩山氏の名前が出てきたため口をつぐんだと思われます。

朝日新聞は政権打倒につながるものなら何でも大々的に取り上げ、つながらないと判断すると全世界のメディアが取り上げる記事でも取り扱いません。


報道機関の資格のない朝日新聞社

朝日新聞には公正で中立な報道という観点は最初から存在しません。

思想や信条、独断的な解釈を押し付ける朝日新聞が、今回のパラダイス文書を中途半端に報道したため欺瞞性を際立たせた格好となりました。

朝日新聞は「メディアを超えるメディアに挑戦していきたい」との抱負を語っていますが、それ以前の問題として、朝日新聞はメディアとしての資格を喪失しているようにしか見えません。


朝日新聞は、なぜ大多数の国民から忌避されているのかを自らに問うことが先決です。




  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】

  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トランプ報道から見えるメデ... | トップ | 【速報】トランプ氏のアジア... »
最新の画像もっと見る

政治見解」カテゴリの最新記事