赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

台湾総統選挙 コラム(120)

2016-01-16 00:00:00 | 政治見解



コラム(120):台湾総統選挙

台湾(中華民国)の総統選挙が今日16日【※1】に実施されます。現総統の馬英九氏(三選禁止で出馬できず)率いる中国国民党は朱立倫氏を、民主進歩党は女性の蔡英文氏を、親民党・民国党は宋楚瑜氏をそれぞれ擁立しています。現在までの情勢は民主進歩党の蔡英文氏が有利と伝えられています。

【※1】総統と副総統の選出と中華民国立法委員選挙も同日実施される。


台湾の地政学

中国は台湾の中国本土への統一を目論んでいます。台湾を併合すると、台湾を拠点にして日本や東南アジア侵略の足がかりになり、中国海軍が太平洋に出るためには都合が良いと考えているのです。しかし現在、台湾には米軍のプレゼンスが及んでおり、中国の思い通りにはなりません。

台湾は日本や東南アジア諸国にとっても要衝の地と位置づけられているのです。


馬氏の本性

馬英九氏政権は従来の国民党の対中政策とは大きく異なり、「台湾は中国の一部である」と発言するほどの親中派です。二期目以降、露骨な中国寄り政策が目立つようになり、国民の批判が高まりました。

2014年3月には、馬総統が中台間で結ぼうとしていたサービス貿易協定に対し、「不平等な協定で中国の間接侵略を許そうとしている」として学生が立ち上がり、立法院と行政院を占拠する事件が起きました。

さらに、本ブログに寄せられた情報では、2015年11月の中台首脳会談で馬総統が「中台統一の実現」「統一後の立場の確保」を要請し、一方、習氏は「総統選挙の際、馬総統支援候補のために軍事的圧力や、要請があれば軍事侵攻も視野に置く」などの密約が交わされたようです。


蔡英文氏の勝利に期待する

蔡英文氏の立場は親日です。蔡氏は昨年の10月に4日間の日程で来日し、非公式ではありますが安倍総理や政府高官と接触し、公表されてはいませんが様々な意見交換がなされたようです。

蔡氏が選挙に勝つことで、台湾が自由と民主義、人権尊重という価値観を持ち続けることができます。また、日本や国際社会の平和や安定の観点からも、蔡氏の勝利は大きな意味を持つと思います。


台湾の人びとの意識は・・・

台湾の有権者はどう考えているのかを、台湾事情に詳しい情報筋に伺いました。

・馬政権は中国の経済成長にあやかろうとしたが、現在の中国の経済の低迷で、台湾にとってはメリットがなくなってしまった。

・台湾の人びとは中国政府の影響を受けることを拒絶している。しかも、台湾人と中国人は違うという台湾人としての誇りを持っている。

・中国と接近すると台湾の民主主義が破壊され、中国はいずれ台湾を支配しようとするので、中国に接近する勢力を排除すべきだと考えている。



日本とは友好的な関係にある台湾の人々の、自由や人権を守るためにも、総統選挙では蔡英文氏が勝利することを願っています。



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