赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

③台湾有事は日本の根幹を揺るがす

2023-09-29 00:00:00 | 政治見解



③台湾有事は日本の根幹を揺るがす :230929情報


昨日からの続きです。国際政治学者のレポートを許可を得て引用しています。


もし、中国に台湾を占領されれば、シーレーンを含め、周囲の海を取られたも同然です。

台湾は国土の3分の2が標高の高い山岳地です。もし中国が台湾を占領し、山頂にミサイルを設置すれば、南はフィリピンから北は日本までが射程内に入ります。つまり台湾を手に入れるということは、全アジアをその手に収めることを意味するのです。

そんな台湾の地政学的な重要性を、かつてマッカーサーはこのように表現しました。

「台湾は空母20隻分の戦略的価値がある」

その台湾がもし中国に占領されてしまったら、南西諸島から沖縄はすぐに取られてしまうでしょう。そうなれば、シーレーンだけでなく、日本という国の存立自体を脅かすことは言うまでもありません。

そして、台湾有事によって起こる危機は、もう一つあります。

それが半導体です。世界シェアの56%を占めている台湾は、アジアのシリコンバレーとも呼ばれています。そして世界のコンピューターの処理能力の3分の1以上は、台湾産の半導体がもたらしているので、「台湾有事が起こったら、半導体不足で電子機器が生産できなくなるのでは」と危惧されています。

さらに最先端の“超極小”半導体を安定的に量産できるのは、世界でまだ台湾だけなのです。この半導体は高性能の戦闘機など、軍事的に利用されているので、もし台湾が中国の支配下に入ってしまったら、最先端兵器は中国でしか作れなくなってしまいます。

もしかしたら大袈裟に聞こえるかもしれませんし、そもそも台湾有事は本当に起こるのか?とまだ危機の実感が湧かないかもしれませんが…

実際、米軍高官の機密メモには、こう書かれていたのです…

「間違っていることを願うが、私の直感では我々は2025年に(中国と)戦うことになる」

今年2023年1月。米空軍航空機動司令部のマイク・ミニハン司令官が同僚に送った内部メモがメディアに漏れ、さらにその内容が米中の軍事衝突を示唆するものだったことから、アメリカ国内で大きな話題となりました。

そして、このような発言はマイク・ミニハン氏だけではなく…アメリカでは数々の政府要人が、数年以内に台湾有事が起きることを予測しています。

「北京政府が台湾の奪取を“加速”させようとしている」
 −アントニー・ブリンケン米国務長官(2022年10月)

「中国の台湾侵攻は2023年中に起きる可能性がある」
 −マイケル・ギルディ米海軍作戦部長(2022年10月)

「習主席は2027年までに台湾侵攻の準備をすることを指示している」
 −ウィリアム・ジョセフ・バーンズCIA長官(2023年2月)

もはや「台湾有事は起こるのかどうか?」ではなく、「いつ起こるのか?」の話なのです。

ただ、良いお知らせがあります。

あなたが自分を守るための方法があるのです。ですが、その前に…なぜ、ほとんどの日本人が台湾有事を「目の前に迫る危機」として捉えていないのか、その理由をお話させてください。

多くの日本人は「台湾有事」と聞いても、どこかで「そう簡単に戦争は起こらない」と思ってしまいます。あなたの周りにも、「台湾のことは対岸の火事」と思っている人がいるのではないでしょうか。

心理学的にいうと、彼らは正常性バイアスにとらわれているのです。この正常性バイアスというのは、何か危機に瀕した際に、自然な反応として起こるものです。そして、この正常性バイアスというのは、頭の良い人でさえ、迫り来る危機への結果を見くびってしまいます。

つまり「今まで起こらなかったから、今後も起こらないだろう」と思ってしまうのです。これは人間の性です。そして実際に戦争や大災害が起こった時に、それを受け入れられないという状況にもなります。人間というのは、今までに経験したことのないことに対処するのが非常に苦手なのです。

ウクライナ戦争を考えてみてください。

ウクライナは、ロシアが侵攻してからようやく、国民に武器を渡し、一丸となって抵抗するよう呼びかけました。しかし戦争が始まってから動き出すのでは、もう遅いのです。もし、ウクライナが侵略される前から国民への訓練を始めていれば、ロシアの動きも変わっていたかもしれません。現地の住民が最後まで抵抗できる力を持っているということは、侵略する側からすれば非常に厄介だからです。

結果、ウクライナ軍は7万人以上が亡くなり、民間人でも8,000人以上が犠牲になっています。そしてその悲劇は今もなお続いています。これは世界で起こった、正常性バイアスがもたらした最悪の結果です。目の前に危険が迫っているにも関わらず、「まさか本当に起こるはずがない」と私たちは何も備えることなく、いつも通り生活してしまうのです。

さて、全く同じ危機が今、日本や台湾に迫りつつあります。

このような危機を目の前にして、私たちは、何ができるでしょうか?

忘れないで欲しいのは、こういう時に政府は頼りになりません。たしかに、日本の政治家でよく台湾を訪問している人もいます。そして「正式に国交を結んだ方がいい」「日本版台湾関係法を作るべき」、あるいは「台湾は同盟国だ」と言ったりしますが、彼らが日本に帰ってきてから、何かしたでしょうか?

その場では聞こえの良いことを言うものの、いざ法案を出したり実行するとなれば、途端に中国の顔色を伺い、保身に走ってしまうことばかりです。

ですから、あなた個人でこの危機に備えるという意味でいうと、絶対にお金を失わないこと、そしてこの状況を使って、さらに一歩前に進んでほしいのです。そうすれば、もうすぐ来る嵐に対してしっかり準備ができる事でしょう。

具体的に、あなたが取るべき行動は次です。まずは自分や家族を守るための戦略を立ててください。

明治の初めに、福沢諭吉はこのように言いました。「一身独立して、一国独立す」

しっかり自分の人生や資産を守れる独立した人が増えれば、国家は強くなっていく。 イギリスはまさにそういう形で産業革命を起こして、世界一の覇権国になりました。国がダメになった時には、自分自身がまず独立することです。

まさに、これは今の私達にも言えることではないでしょうか。台湾有事に伴う、シーレーンや半導体の危機。日本としては台湾を守る事が重要ではありますが、その前に自分自身を守る術を持ってください。


(了)


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