赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

Ⅰ.やはりあった半導体バブル

2023-06-04 00:00:00 | 政治見解



Ⅰ.やはりあった半導体バブル :230604情報


当ブログでは、4月に『半導体、過剰供給と供給不足が混在』という記事を掲載し、その中で「IT向けは供給過多、自動車・産業機器向けは不足」、「半導体の品種別に、需要の動きの方向は大きく異なる」という状況を紹介しました。

ここにきて、米半導体大手エヌビディアの株価が「一時26%上昇」というニュースが入り、特体の半導体メーカーには特需がきたようです。

――予想大きく上回るエヌビディアの見通し、世界のAI関連株を押し上げ:市場関係者の予想を大きく上回るエヌビディアの売上見通しは株価を大幅に上昇させました。第二四半期のアナリスト予想71億ドルに対して110億ドルの見通しを示し、株価は一時26%の上昇を見せました。

エヌビディアの上昇につられるように各国の関連銘柄を押し上げます。あるアナリストは「新たなゴールドラッシュが到来した」といいます。生成AIをはじめ半導体に関連するテクノロジーが目覚ましく発展を遂げている中で最も注目されているカテゴリと過言ではないでしょう。――


この点について、元経済893の猫組長さんの『猫組長TIMES』が、「半導体という製品がどのようなものなのか、なぜ注目されているのか」について興味深い解説をしていましたので、許可を得て転載させていただきます。



半導体とは何か

半導体は電気を良く通す金属などの「導体」と電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との、中間の性質を持つ物質や材料のことをいいます。現在は資源として豊富さ・加工のしやすさからシリコンをが材料となっています。

半導体は「集積度」によって、いくつかに分類されています。最も集積度が低い半導体はディスクリート半導体と呼ばれており、ダイオードやトランジスタなどが代表的な製品となります。集積度が中程度のものとしてIC(集積回路)があります。ダイオードやトランジスタを組み合わせてつくられています。そして、より集積度を高めた大規模集積回路(LSI)があります。

半導体にはその性質から主に3つの観点で利用されています。はじめに、電気エネルギーを光に変換します。LED・有機EL・レーザーなど、エネルギーの大きさを変えることで異なるタイプの光を放出します。次に、光エネルギーを電気に変換します。これは太陽光発電をイメージするとわかりやすいでしょう。太陽光を用いて電力を生み出す際のパネルに利用されています。最後に、電流の制御です。

半導体はスマホ・パソコン・テレビ・カメラなどの身近な電気製品として私たちの生活に入り込んでいます。また、膨大なデータを処理する際にも半導体は不可欠であり、高速通信・彩度の高い映像・自動運転技術など、さらなる技術発展にも欠かせない材料となっています。

そして、用途別にロジック(データ処理)、メモリ(データ保存)、アナログ(電気信号処理)、パワー(電力の制御や変換)があり、それぞれ市場を形成しています。


需要爆増、なぜ半導体市場が伸びるのか

上述のように、半導体は生活を豊かにする技術の確立に必要不可欠な存在になっています。これまでも高速データ通信(5Gや6G)、自動運転技術などの技術の段階的な発展がありました。これらの時流とともに半導体市場は大きく成長してきています。特に、直近では画像処理の分野で伸びが大きいといえます。人工知能を活用した画像診断や自動運転技術、より高画質なカメラ、スマホ、テレビの登場もこの期間といえます。そして、最近は生成AIのような新たな技術に注目が集まり、さらに半導体の必要性が高まりました。

生成AIは指示(プロンプト)に従ってテキスト、画像、または他のメディアを生成することができる人工知能システムのひとつです。インプット情報を処理して、アウトプットを出力するというプロセスには高いデータ処理能力、データ保存力が必要です。すなはち、多数のサーバーと大規模なデータセンターが必要になります。こうして半導体市場は新たな成長エンジンを得たのです。

また、半導体市場を考える上で忘れてはいけないのが裾野の広さです。自動車業界がメーカー・部品・製造機器と関連会社が広いように、同業界もさまざまな企業がかかわります。複雑な回路の設計を支援する会社、半導体製造装置を製造する会社、素材を開発する会社です。特に、半導体製造装置には複雑な工程ごとに半導体装置が必要となり、ニッチプレイヤーも多く丁寧に理解すべきといえます。(参考:半導体の製造工程)それでは、以下で半導体市場全体のトッププレイヤーを概観してみましょう。


(明日に続く)


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