コラム(304):アマゾン大火災の真相
アマゾンの森林で大規模な火災が連続して起きています。その影響は3200キロ以上離れたブラジルの最大都市サンパウロの街を暗闇に包むほどの被害を出しているだけでなく、煙が大西洋岸まで到達しています。
フランスのマクロン大統領は24日から開催の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で議論すべきだと訴えています。
何が起きているのか
アマゾンは、日本の国土の約14倍に上る面積550万平方㎞の熱帯雨林で、ブラジルやペルー、コロンビアなど7カ国にまたがっています。地球の二酸化炭素を吸収し20%もの酸素を生む重要な地域で、300万種もの動植物が生息し100万人の先住民が暮らしています。
人工衛星データでは、今年だけでも8月21日まで前年比83%増の7万5千件の森林火災が発生し、8月15日からわずか1週間に9507カ所で火災が発生しています。
この影響で、今年だけでも1億1700万トン相当の二酸化炭素(CO2)が排出されているとの指摘があります。このまま森林火災が続くと、湿地帯であるアマゾンがサバンナのようになり、先住民や野生動植物の生存を脅かすだけでなく、地球温暖化などの気候変動に重大な影響を及ぼすことになります。
火事の原因は大統領のアマゾン開発政策
ブラジル環境省は森林火災の原因を、アマゾン地帯一帯が広い範囲で乾燥していることを主因に上げ、焼き畑による延焼や乾燥が副因であるとの見方をしています。しかし、真相は人為的な火災であることに間違いはありません。
ブラジルはもともと、遺伝子組み換え砂糖キビや大豆の生産量増大に向けた農地拡大や資源開発などのために大規模な森林伐採を進めていましたが、2019年1月にボルソナーロ氏が大統領に就任してからは、森林開発が一層加速しました。
ボルソナーロ大統領は人種差別、ホモフォビア(同性愛嫌悪)、男性優越主義、軍事政権礼賛といった過激な思想の持ち主として有名です。
ボルソナーロ大統領は就任直後から、アマゾン開発について産業発展に利用すべきとし、先住民への攻撃や土地の蹂躙、同化政策地域の積極的な推進をしました。このため多くの開発業者がアマゾンに入り込み意図的に森林焼却を始めました。
アマゾン火災は地球規模の問題
この深刻な事態に、ブラジル在住の友人は警鐘を鳴らしています。
アマゾンの大火災は複数箇所で発生していますが、最初は開発業者が約20カ所に火をつけたことから始まりました。火をつけた理由は森を焼却して開発することが目的です。それが予想を上回る規模に広がって大火災になっています。
ブラジルのボルソナーロ大統領自身の政策が土地の開発による利益の増大にあるので、一番の責任が大統領にあることは間違いありません。
彼は地球温暖化など考えたことなどありません。考えているのは目先の金儲けばかりです。
森林火災の原因が開発事業にあるのであれば、それによって利益を享受する人や国があるはずです。そこには日本も含まれます。つまり私たち自身が森林火災による温暖化と気象変動に加担していることになるわけです。
ブラジルでは軍が出動して消化にあたっていると言われていますが、到底その規模では消えません。
火災が地球規模の死活問題であれば、世界中の軍隊が駆けつけなければなりません。
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