赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

政党の未来② 自民党編 コラム(222)

2017-05-11 21:13:54 | 政治見解



コラム(222):政党の未来② 自民党編


安倍自民党総裁の憲法改正発言に正直、戸惑っているのが、自民党の国会議員から地方議員を含む議員や古参党員だと思います。彼らは、自民党の党是である憲法改正を成し遂げることよりも、自民党に籍を置き恩恵を受けることに関心がある人たちだからです。

このところ、自民党は相次ぐ不祥事で、「安倍一強の驕り」とか「緩んでいる」などと指摘されていますが、問題を起しているのは彼らのような人です。

自民党はいま深刻な人材不足に陥っているのです。


国家と国民のための政治家が少ない

自民党の国会議員は二通りに大別されます。安倍総理や菅義偉官房長官、若手では小泉進次郎氏のような国家と国民のために政治家になった少数の人たちと、当初の志を忘れ名誉や地位に安住したり、親から引き継いだ地盤で勉強もせずに国会議員になった人たちで、数の上ではこちらが多数を占めています。残念ながら後者の場合は国民の幸福に寄与することはありません。

実は、後者の議員を大臣や副大臣に登用した時に大臣にあるまじき言動が出て更迭されやすいのです。


自民党国会議員の認識の甘さ

安倍内閣に高い支持率があるのは国民が安倍総理の強い政治信念や、彼の精神態度への好感と、現時点で自民党以外に国政を任せられる政党がないためです。

国民の投票行動には大別して三つの類型があります。第一は自民党以外には目もくれない固定層、第二は安倍総理を積極的に評価する層、第三は他に選択肢がないため自民党に投票せざるを得ない層です。第一の層はもともとの支持者です。それに対して、第二、第三の層は安倍総理に親和性を感じて投票している人たちで、安倍総理が総理を辞めた場合、自民党に投票するかどうかは未知数です。ちょうど都知事選挙の際、ふだん自民党支持の人たちが小池百合子氏の支持に回ったケースと同様です。

実は、この事実を認識している自民党国会議員は極めて少数で、当選したのは自分自身が評価されたからだと勘違いしている人たちが圧倒的に多いのです。そのため、威張ったり国民を見下す発言をするのです。


自民党地方議員の現実

国民は自民党の古臭い利権体質の実態を見抜いています。したがって、自民党の議員たちは、これから厳しい現実に直面することになります。

自民党の地方議員の多くは県民や市民のための政治と言うよりも利権活動に精を出し、その一部を特定の有権者に配る事で議員としての地位を保っています。中でも都議会自民党は都民の目を盗み、豊洲市場やオリ・パラで莫大な利権に関与した者が現職都議に数多く存在します。

彼らは既得権益を守るために小池都知事との対決を鮮明にし、さまざまな反小池キャンペーンを張って反撃しようとしていますが、彼らは夏の都議選の結果を待つまでもなく、昨年の都知事選で小池百合子氏が勝利したことで、すでに敗北していることを理解していません。

したがって、党本部や自民党都連が全力をあげて候補者の支援をしてもその効果は限られます。

また、利権都議と結びついた都連の国会議員たちは、次の総選挙で苦戦を強いられることを免れません。


自民党再生の道

安倍総理の改憲への決意は、政治は時代の変化と共に変わらねばならないことと、政治家は社会の変化の先頭に立たなければならないことを熟考した上での発言だと思います。また、国民に対して改憲を堂々と述べたのは、歴代の首相で安倍総理が初めてです。

したがって、自民党の全国会議員は、安倍総理の改憲の決意を重く受け止め、国家と国民の安全と幸福のために奉仕することが政治家としての使命であることを再認識しなければなりません。

そうした自らの意識改革を怠った者は、次の選挙で淘汰されることは必然です。

自民党が今存立しているのは自民党が立派だからではなく、民進党や他の野党の敵失によるものであることを肝に銘じていただきたいと思います。


自民党が本気で党の存続と改憲を願うのであれば、国会議員、地方議員が国家の安全と国民の幸福のための政治に邁進していく真の政治家集団になる以外道はありません。




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