赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

人民元の国際通貨化は国家体制の変更が不可欠  コラム(93)

2015-12-13 00:00:00 | 政治見解



コラム(93):
人民元の国際通貨化は国家体制の変更が不可欠



IMFは人民元をSDR(特別引き出し権)に採用することを決定しました。これにより、人民元はドル、ユーロ、円、ポンドと並ぶ国際通貨の地位を得ることになります。人民元を完全変動相場制にすることを条件に2016年10月以降に運用されることが予定されています。


IFMの決定の意味

中国は今回の決定で、自国の覇権戦略に追い風となると考えているのですが、IMFは中国経済を国際基準の枠組に入れ、ルールに従わせることで中国経済の透明性を高めようとしているのです。

中国はGDPの統計数字や実体経済を正確に反映させなければならなくなります。また、人民元の取引に中国政府が介入し制限をかけることが許されなくなります。こうした条件がクリアされなければ実施が延期されるだけでなく、さらなる人民元の信用低下につながりかねません。


中国が生き延びる道

人民元の国際通貨化は中国が考えているほど甘くないのです。

中国人民元が国際通貨の仲間入りをしたいのであれば、欧米や日本に自国の金融制度を合わせる必要があります。

それは現在の中国の国家体制を根本的に変えることを意味します。

中国は、共産党独裁体制を放棄し、国際ルールに従う責任と自覚を持たなければならないのです。


人民元の国際通貨への道は、実は中国にとって大きな課題を背負ったことになったようです。



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