赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

自民・公明の連立解消を コラム(89)

2015-12-01 00:00:00 | 政治見解



コラム(89):自民・公明の連立解消を

来年4月の消費税再増税と同時に導入する軽減税率をめぐり、公明党は生鮮食品だけでは意味がないとし、対象品目の拡大を目指しています。

増長する公明党

公明党が強い姿勢である理由は、「安保法制が成立したのは公明党の助力があったからだ」との思いがあります。

また、身内である創価学会に、学会信者の生活を守っているという姿勢を示すためでもありです。つまり軽減税率の対象品目の拡大は、あくまでも創価学会向けの政治的アピールにすぎません。公明党が本当に庶民の味方であるなら、「消費税増税反対」を強く主張しているはずです。

さらに自民党に対し、連立政権を持続するための唯一の武器である「選挙協力」を振りかざし圧力をかけようとしています。


新聞社は公明党の応援団?

マスコミは公明党の主張する軽減税率の対象品目に「新聞」が含まれているため、大手新聞社も地方紙も好意的に報道しています。対象品目の「新聞」には公明新聞と聖教新聞も含まれ、二紙を印刷しているのは毎日新聞を筆頭に、中日新聞、北海道新聞など18の新聞社にのぼります。マスコミと公明党は密接な利害関係で結ばれているのです。


政治を堕落させた元凶

公明党は結党時から「福祉の政党」を党のスローガンに掲げ、教科書の無償配布、児童手当の増額、地域振興券の配布などの政策で庶民の味方をアピールしています。

日常活動では、住民(おもに創価学会員)の要望を聞き入れ役所で口利きをしています。たとえば、公営住宅への入居、生活保護の斡旋、障害者手帳の交付支援など、受給要件を満たさなくても議員の立場を利用して通しています。このような風潮は福祉の切り売りになり、有権者は欲得で政治家を選ぶようになります。

国家の命運を背負って立つという威厳のある政治家が少なくなったのはここに原因があります。公明党は日本の政治を堕落させている元凶でもあるのです。


公明党は憲法改正に舵を切れるか?

安倍政権にとっての弱点の一つに「公明党との協力体制」があります。連立を組む公明党にとっては、創価学会の信者受けする福祉政策の実現がたやすくなるメリットがあります。

一方、最近では公明党の存在が政治の停滞を生むケースが増えているので、自民党にとっては連立のメリットはありません。

現在の状況をみると、選挙では公明党の協力がなくても自民党は十分に勝てる力があるので、もっと自信を持つべきです。

11月29日、自民党は結党60周年を祝う記念式典を行い、結党の原点である憲法改正に取り組む姿勢を明確にしています。この動きに公明党がついてこられるかどうか疑問が残ります。もし、公明党が憲法改正に消極的であれば、自民党は連立を解消すべきです。

すでに、政府内には公明党の手法に嫌悪感を抱き、無責任に税金をばらまこうする公明党との関係解消を望む声が多く出ています。

また、世論の多くは創価学会を母体とする公明党が政権にいることをよしとしていません。

このような状況から、実はいま、公明党が正念場に差し掛かっていることを、公明党自身が認識しなければならないのです。

公明党が唯一、政権党として残る手立ては、これ以上国会を停滞させず、憲法改正への積極姿勢を示すことだと思います。



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