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ちくわブログ

ちくわの夜明け

映画『断食芸人』メイキング・『夢を往く人』

2016-05-29 22:18:25 | 映画制作
現在も各地で上映中の『断食芸人』。
担当したメイキングをYoutubeにアップしましたのでよかったらご覧下さいませ。



現場で「メイキング」とか言いながら作られるのか必要とされるのかどうかも分からず、主に自分のためにカメラを回していました。
のですが、
ある日足立監督から「撮った素材でメイキング作ってくれ」と言われ、正直「どうしよう…」と思いました。


というのも仕事の都合で、実は10日間の撮影中、わたしがいたのは頭とケツの2日間づつ、計4日間なのです。
そんなんでまともなメイキングなんか作れるのかなーと思ったのですが、そこは足立正生。こう言いました。

「お前の『断食芸人』評でやれ」と。

その時思い出したのは足立監督が制作した大島渚監督による『絞死刑』予告編でした。

映画 「絞死刑」 予告編

大島渚監督によるナレーションというかアジテーションで埋め尽くされたこの予告編は、予告編というよりそのものがひとつの作品と思わせるものです。
そういう「領域」を超えるものを作ることに普段の自分であればしり込みするのですが、前述の言葉にケツを蹴飛ばされ、ここはひとつやってみよう、と思いました。


テーマは現場で見た足立監督の様子。まるで夢遊病者のように隙あらばふわふわと何事か企んでいるような。
自分の見る夢と、現実にある製作現場の間を行ったり来たりするような人。
そして、そもそも足立正生とは何なのか?どういう人間なのか?というものです。


同時代に生きた人々や、その後を生きる人々によって紡がれる膨大な量の足立正生に関するテキスト。
それらを映像にまとめ、夢遊する監督を表現できないか、と思い編集にとりかかりました。


案の定難航しましたが、一応の完成を見ました。
一応、というのは冒頭「ver.0.5」とあるようにこの後ロングバージョンを作るかもしれないから、です。
でも今はもうこれでいいかな、と思います。


完成後も上映やトークショーの様子等撮影したのですが、それらを組み込むのも蛇足かもしれません。


もう少し時間ができて、何か追加する要素やテーマが出てきたら再度取り組んでみようと思っています。



まだまだ上映運動は展開中ですので、これを観て少しでも本編に興味を持っていただけたら幸いです。
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【Free Palestine Youth Meeting 映画「オマールの壁」主演俳優アダム・バクリを迎えて】

2016-04-13 15:04:15 | 映画制作
というイベントがあるので若い方に来ていただきたいという。


以下、公式サイトより

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『オマールの壁』(2013年/パレスチナ/97分/アラビア語・ヘブライ語/カラー/原題:OMAR)
監督・脚本・製作:ハニ・アブ・アサド(『パラダイス・ナウ』) 
出演:アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、リーム・リューバニ ほか
配給・宣伝:アップリンク
公式サイト http://www.uplink.co.jp/omar/

思慮深く真面目なパン職人のオマールは、監視塔からの銃弾を避けながら分離壁をよじのぼっては、壁の向こう側に住む恋人ナディアのもとに通っていた。長く占領状態が続くパレスチナでは、人権も自由もない。オマールはこんな毎日を変えようと仲間と共に立ち上がったが、イスラエル兵殺害容疑で捕えられてしまう。イスラエルの秘密警察より拷問を受け、一生囚われの身になるか仲間を裏切ってスパイになるかの選択を迫られるが…。



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映画『パラダイス・ナウ』で自爆攻撃に向おうとするパレスチナの若者の葛藤と現実を、鮮烈に描ききったハニ・アブ・アサド監督による新作。
邦題が『オマール、最後の決断』と名付けられていた頃、試写で観せて頂く機会がありました。

映画もマンガもアニメもゲームも、表現や芸術的なものに政治的な要素を取り入れた場合、それが「良く」作用する場合と、ただ単に物語の後ろ盾として終わる場合があります。
「良く」とは、表現そのものに作用し、また現実のこちら側になんらかの問いかけや決意を投げつけてくるものだと思います。
わたしは映画マニアではないので、いわゆるシネフィルのようにぽんぽん作品を挙げられないのですが、知っている限りだと『炎628』やスピルバーグの『ミュンヘン』、ドイツ赤軍を描いた『バーダー・マインホフ』、若松孝二監督の『実録・連合赤軍』、最も分かりにくく極端で、なおかつ芸術にシフトしたものだと足立正生監督の『赤軍―PFLP・世界戦争宣言』でしょうか。
ベトナム戦争がアメリカにもたらした悪夢を描いた『タクシードライバー』や1作目の『ランボー』も。
あとこれは笑われそうだからあまり言いませんが、『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』は民主主義が全体主義に変わる階調を描いた寓話だと思っています。
つい最近映画館で観た『サウルの息子』は、このパレスチナ問題に深く関係するホロコーストを描いた作品。
ああ、なんかごちゃごちゃし出した。

そういった系譜みたいなのが自分の中にあって、前述の『パラダイス・ナウ』は大好きな作品のひとつでした。

『オマールの壁』は『パラダイス・ナウ』同様、パレスチナ問題という非常に今日的なテーマを扱いながら、映画として単純に優れているという稀な作品です。
試写時、駐日パレスチナ常駐総代表部の方が「パレスチナ人をテロリストと思わないでほしい。みなさんと同じ人間です」と語っており、今の日本でこんなことを言わなくちゃならないのか、と衝撃を受けました。

翻って考えると、わたしは赤軍派を取材することでレバノンのパレスチナ自治区に行くことがあり、そういうことに自然と興味を持ってはいました。でも興味を持ってなかった場合はどうなってたんだろう?全く知らなかったか、知ろうとしなかったか。
パレスチナ問題というものは、世界規模の不平や矛盾をはらんだものだと思います。こういう、知っている側からすれば常識と捉えがちなことも、知らない人は知らなくて当然です。日本とパレスチナは遠い。

だったら、是非映画でその問題に触れてほしいと思います。
今回のイベントはそういったわずかな萌芽でも芽生えさせることができれば、と思い「若い方へ」と思っています。

思っています、というのは縁あって運営に参加させていただいているからです。
なのでこの記事はいわば宣伝です。


どうか知らなかった、興味を持ち始めた、という若い方の参加を。
以下、運営から。

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Free Palestine Youth Meeting
映画「オマールの壁」主演俳優アダム・バクリを迎えて


2016年4月17日(日)
新宿 カフェ ラバンデリア
16時スタート
入場無料(但しワンドリンクオーダー)

今に生きるパレスチナの若者を描いた映画に出演されているアダム・バクリ(1988年生まれ)さんと同世代の方々との交流会。
バクリさんにパレスチナの壁のお話とかしてもらえるかと思います。
(当日、通訳もあります)

フライヤータイトルにもある通りYouth Meetingということと、ラバンデリアにはあまり大勢入れないため、若者優先になります。
ぜひ若い方々に配布、拡散よろしくお願いします。
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当日は撮影に入りますので、映りたくないという方は後ろの方のお席でお願いいたします。
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伝説のやさぐれ・百津美玲

2015-08-18 22:51:59 | 映画制作
先日、女優・百津美玲さんの写真を撮りました。



なんでこういうことになったかというと、そもそもの話が酒を飲んでいたためあまり覚えていません。
なるべくしてなったのだ。物事とはすべからくそのようなものなのだ。


百津さんとはある撮影がきっかけで知り合いました。
役に入った時の豹変っぷりがすごくて「うわっ こんな人いたっけ」と思いました。
すごく忙しい撮影だったのであんまり演者さんのことを見れてなくて、次々にカットこなしてったらファインダーの先に上写真のような目つきの百津さんがいたのです。

しみじみびっくりした。
お分かりいただけるだろうか。

それで百津さんが出演されてる舞台(主に月蝕歌劇団)なんかを観に行って「やっぱすごいなあ」と思った次第です。
こんな半分うそみたいなブログで書いてもあれなのでスゴイスゴイ言うのもやめておきますが、まあスゴイ。
若さや美しさってそれだけで武器だと思うけど、そういうんじゃないんです。彼女の演技や表情に、何かを欲求する禍々しさや雄々しさ、気高さを感じるんです。

カッコイイ~

という文章をわたしが書いてみたところでやっぱりうそっぽいので、あの時、ファインダーを覗いた時に思い出した『金閣寺』からの一文を引用します。


「不具者も、美貌の女も、見られることに疲れて、見られる存在であることに飽き果てて、追いつめられて、存在そのもので見返している。見たほうが勝なのだ。」
三島由紀夫『金閣寺』




そろそろお前うるさい、いいから写真見せろとの声が聞こえてきそうなので見せます。
すいませんでした。


ガンくれ百津


はしごと百津


アル中百津




みそ汁百津


居酒屋百津


撮影百津


のぞき見百津


ドラゴン百津




ペロペロ百津



ポートレートとか撮ったことないのですごい緊張した。
衣装も小道具も全部ご自身もちです。
ペロペロキャンディー舐めてる時に「もっと舌を出して!」と言ったときは嫌われるのを覚悟しました。

新宿を歩きながら撮ったのですが、途中迷って東新宿あたりのラブホ街に出てしまい「突っ切るしかねえ」とデリカシーのかけらもないことをしました。
この人がもうちょっと若かったら俺は連行されてるかもしれない、とか頭をよぎった。

こんな可愛くておへそを出して不思議なカバンを持った女性と15以上歳の離れているオッサンがいっしょに歩いてるのを外からはどう見えるんだろう。


まじめな話、彼女の表現する熱だとかそういったものに俺の写真技術は追いつけてるんだろうか、ということは思いました。
今でも思ってますが…

ちなみに「やさぐれ百津」とか適当なこと言ってますが、あくまで設定であってご本人は普段ニコニコしてる笑顔の可愛いものすごーいい子です。



応援しよう!!!



以上。
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巻き寿司

2015-06-03 21:47:48 | 映画制作

「Mさん、俺、死体発見者になっちまったよ。まいったよ。久しぶりに会いに行った人が死んでてさ…」



数年前のある日の夜、知り合いのフリージャーナリスト・Kさんからこんな電話がかかってきた。
Mとは俺のこと。
そんな電話をかけられてきても困ってしまうが、とりあえず話を聞いた。話せば落ち着くだろう。

Kさんは戦後まもなく起こった殺人事件を追いかけていた。
犯人とされる人物は証拠不十分なまま死刑が確定し、昭和の終わり頃に獄中で病死した。

そんな犯人(とされる人物)を、養子入りしてまで救援を続け、再審請求をしていたのがR氏だ。
Kさんは長年にわたる取材の過程でR氏と懇意になった。

死後も続くような長い裁判において、取材者が救援側に入っていくのはよくあることだと思う。
実際に自分がそうだ。
「救援する」というよりは、真実を求める側として入っていくことになる。

そんなR氏だが、我が強く、孤立しやすい人物だったという。
Kさんは粘り強く、R氏と付き合い続けた。

「Mさんも分かるでしょう?損得じゃないんですよ」

よく分かるつもりだ。
ずっとひとつの事柄を追い続けていると、損得勘定や下心が薄くなってくる。
身体ごと、その事象にぶつけてみたくなる。対立してケンカになることもあれば、自分が持っている何かを差し出して協力することもある。
研ぎ澄まされて、人間と人間の付き合いになっていく。

その頃Kさんは、R氏に何度か電話をかけたが出なかった。
どうしているのだろうか、久々ということもあり会いに行ってみたら、部屋から妙な臭いがした。
すぐに警察に電話した。

案の定、部屋からは死後ずいぶんと経過したドロドロの死体が見つかった。
孤独死だった。



先日までこんな電話があったことも忘れていた。

その日、久々にKさんと会って酒を飲み、けっこうな深酒をした。
酔っ払ったKさんが唐突に「信じてなかったけど…霊っているもんなんですねぇ」と言った。
「はぁ…」
わけが分からないまま生返事をした。飲みすぎて眠たかったし、すでに一度吐いていた。

そこからKさんは、R氏死体発見からの後日譚を話し始めた。


あの夜、ベッドの中で目を閉じて眠れずにいると、どこからともなくいろいろな声が聞こえてきた。
もの凄い量の声、声。流されそうになる声に必死に抗った。

しばらく経ち、R氏の墓参りに行った。
「Rさん、来たよ」
香炉には、誰かが線香の代わりに刺した煙草があった。
花と線香をたむけ、一通り話して帰ろうとした。
「じゃあね。Rさんまた来るから。またね」

すると卒塔婆がガタガタと揺れ始めた。
R氏の卒塔婆だけ、強く激しく揺れていたという。
「分かった分かった。また、来るから」

そう言って帰った。


と、そんな話だった。

「俺は何も怖くないよ。呪われるようなことなんてしてないし。俺は全力で彼と付き合ったよ。誠心誠意ぶつかったから。誰よりも」

取材を通して長く付き合い、ぶつかることは、普通の友情や人間関係では育まれないような、何か独特の愛憎を醸成する。
時には酒を酌み交わし、時にはうとまれ、猜疑の目を向けられ。
それでも引かない。最後まで付き合い続ける。

そういうものが彼らの中にもあったのだろうと思う。


R氏の家はいわば貧困のどん底にあったという。
年老いたR氏の母がまだ健在の頃、Kさんは家に呼ばれた。
「Kさん、今日は俺の誕生日なんです。誕生日はいつも巻き寿司を食べるんですよ。おふくろが作ってくれるんです。Kさんも食べに来て下さい」

断るわけにもいかない。
KさんはR氏宅を訪れた。年老いた母との二人暮らし。誰も手入れをしないその家は、ゴミ屋敷のようだったという。

R氏の母は「Kさんもたいへんなんでしょう。今日は遠慮せず、どんどん食べて下さいね」と手作りの巻き寿司をすすめた。

思い出しながらKさんはポツリと言った。
「そんなもん、食いたくないですよ」

「汚い…不衛生な……汚い巻き寿司なんか…」

想像してみれば、確かにそうかもしれない。汚い家で出された手作りの巻き寿司を「食いたい」という人はいないだろう。

「誕生日だけ食べるって。巻き寿司ですよ…こんな……巻き寿司…こんなの……巻き寿司…」

酔って壊れたのかと思った。
Kさんは続けて巻き寿司…巻き寿司が……と繰り返していた。

「きったない……あんなとこで作った巻き寿司なんか…誕生日だけ食べるって…こんな、巻き寿司を……」
次第に涙声になり、大粒の涙を流した。

「あんなの…ねえ、巻き寿司…巻き寿司だけ……」



貧しさっていうのは、妙なところで身に沁みることがある。
わたしは子供の頃、友達の家で「食べていきなさい」とおばさんに出されたご飯を思い出していた。その子の家も貧しく、汚かった。
正直食べたくなかった。

いま思い返してみると、そう感じた自分は残酷で、なんて嫌な奴なんだろうと思う。そしてそれが今の自分と地続きであることに胸がチクリと痛む。

人生経験の乏しい自分には、そんな思い出が精一杯だった。
Kさんの肩に手を置いて「分かりますよ」と言った。



分かるはずがない。
KさんとR氏の間に流れた長い年月と濃密な時間。


友情とも、同情とも、哀れみともつかない思いがKさんの中にはあったのだろう。
そしてこれからも在りつづけ、背負っていくのだと思う。
コメント (1)
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男・塩見孝也の選挙大作戦 ・頂上作戦

2015-05-02 20:42:03 | 映画制作

塩見孝也さんの選挙活動を撮ろうと思ったのは、あの塩見議長が朝の駅前で清瀬市民に向かって「おはようございます」と言う画をおさえたかったから。



若き日に暴力革命を謳い、テロリズムという「行動」の極地に走ろうとした、いや走ろうとして逮捕されて本人は何もしないまま獄中20年を過ごした男が、通勤通学でごった返す駅前にて、人々に「おはようございます!いってらっしゃい!」と言うのだ。
変節と捉える人もいるかもしれない。
でもわたしはこの姿に、ぶっちゃけすでに老いてしまった男の、覚悟や挑戦、そして無軌道さ。美しさもへったくれもないボロボロの男の、一種のかっこよさを感じます。

選挙カー内の議長

秋津駅前にて。富士そばのよく似合う男・塩見孝也








事務所で一休み。



なぜかテレビから若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』が流れていました。

「これは後世に残る傑作や」とのことです。わたしもそう思いますが、議長が気に入っている理由は恐らく議長がかっこよく描かれているからでしょう。

坂口拓氏演じる塩見議長。これは卑怯だ。



そして。


4月26日
運命の開票日


「塩見さん、2ちゃんのまとめサイトにまとめられてますよ!」と教えて読んでもらう。

【極左速報】元赤軍派議長・塩見孝也(73)が「世界同時革命」を唱え清瀬市市議選に挑戦中 http://alfalfalfa.com/articles/115895.html
ボロクソに言われてるのでどんな反応するかな、と思っていたら笑いながら「ツーチャンネルか?ふーん… こんな程度かよ!気にしないよ!」とのことでした。


開票速報に釘付けになるが、なかなか結果が出てこない。


23時半頃、やっと確定。
清瀬市議選・全20議席、候補者23名。

塩見孝也319票
平成27年4月26日執行 清瀬市議会議員・市長選挙の開票速報

落選。




総括会議

さすがにへこんでいるようでした。
そりゃへこまなかったらウソだろう。


外で一緒に煙草を吸いながら「でも塩見さん、かっこよかったですよ」と言うと
「ヘヘ、そうか?」と。

笑顔もありました。



帰り、記念に選挙ポスターと、事務所に貼ってあった革命的ゲバルトな子さんとコットウ屋さんによる合作・塩見孝子ポスターをもらってきました。

サイン入れてもらったが、いつもよりなんか字がちっちゃかった。



以上。


コメント (4)
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男・塩見孝也の選挙大作戦

2015-04-23 21:40:16 | 映画制作
前回に引き続き、塩見議長が繰り広げる未曾有の大作戦、選挙戦初日を取材してきました。


当日朝。
事務所に到着すると入口に選挙カーが停まっていました。

議長とはいえ、こういう普通の戦略もするんだなあ。てっきり、ミイラ化するまで辻に立ち続けてアジテーションを繰り返すのだと思っていました。

事務所内。

真ん中にチェ・ゲバラのポスターが。
「これがあると一気に締まるんや」とのことでした。

清瀬市役所へ突入。





殴りこみかと思ったら、普通に立候補受付を済ます。

清瀬市議員候補・塩見孝也の爆誕である。

おまけにポスターの貼り付け位置番号が1番という運のよさ。



幕が剥がされ、非武装選挙カー・しおみ号の全貌があきらかに!!







事務所へ帰る道々、コンビニに3箇所ほど寄って演説をかます議長。



「いつもお世話になってるんや。最初はここで演説するって決めてたんや」
義理と人情の男・塩見孝也。
当のコンビニがどう思ってるかは定かではない。

記念すべき第一声は
「アー、アーー。ご通行中の皆さん。えー、皆さん、おはようございます。えー、私は塩見孝也と申します」
でした。

事務所へ帰還。諸々の準備。





支援者の方々と記念撮影。

西東京市市議会議員にして、かつての赤軍派同志・森輝夫さんも応援に駆けつける。


午後からは清瀬駅駅前にて演説。












続いて秋津駅前。
期せずして、議長vs交番という構図。



もうお世話にはなりません。リッパな市議会議員候補であります!とは別に言ってなかった。

夜の事務所。

色々な方々が集まって議論したり笑ったり議長とケンカしたり、楽しく和気あいあいとした雰囲気で選挙戦初日を締めくくりました。
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元赤軍派議長・塩見孝也氏がツイッターを始めたようです。

2015-04-12 14:53:46 | 映画制作
今、塩見孝也がアツい。



なぜかと言えば獄中20年を経て清瀬の駐車場で初めての労働、とここまではいいのですが、今回なんと清瀬市議会選に立候補するからです。

最初聞いたときは「嘘だ」と思った。
しかし本当だった。

そういうわけで、数回取材した。


清瀬駅前にて年季のこもったアジ演説をかます議長。

誰も聞いてないがかまうことはない。それが議長だ。

ちなみにとある集会の2次会で、選挙戦に関するアプローチ方法で支援者とモメた時、途中からブチ切れて「俺は俺のやり方でやる!落選したっていい!!」とおっしゃっておりました。支援者の前で一番言ってはいけない事を…


しかしそれが男・塩見孝也だ!!


現・西東京市議会議員・森輝雄さんも応援。

かつての同志であり、いわゆる「大菩薩組」、つまり大菩薩峠事件で逮捕された赤軍メンバーの一人だった森さんは、そのことを隠さずに3期連続トップ当選を果たしています。

当時の「赤軍派大菩薩部隊編成表」を見ると、確かに森さんの名前が。

()内の「金久」とは偽名のことです。


さて。
そんな塩見議長がツイッターを始めたようです。


塩見孝也 @rsr80930

ウソみたいな笑顔していんのでそれが原因かどうかは分かりませんが、わたくしがツイートしたところ数人が「ニセモノでは」と疑っておりました。
しかし冷静になってほしい。

今、塩見孝也の偽アカウントを作って誰が得するんだ。

たまたま今日、デンワする用事があったので聞いておきました。
「あれホンモノですよね。議長ですよね」
「ホンモノだよ。返信とかしてないし、打つのは代行してもらってるけど」

ということでした。








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革命バカ一代
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赤軍派始末記―元議長が語る40年
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監獄記―厳正独房から日本を変えようとした、獄中20年。
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『「よど号」グループに直撃生電話 ~なぜハイジャック犯は帰国を望むのか~』 明日ニコ生にて放送

2015-03-01 17:01:35 | 映画制作
一応yobo_yodoの運営スタッフですが俺は何もやりません。
毎回会議に行って寝てます。

明日は以下の取材に行きます。


以下転載
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3月2日(月)20:50開場 21:00開演【孫崎享チャンネル拡大版】
「よど号」グループに直撃生電話 ~なぜハイジャック犯は帰国を望むのか~

http://live.nicovideo.jp/watch/lv211939816

スタジオ出演は、孫崎享氏、一水会最高顧問の鈴木邦男氏、椎野礼仁氏。

> Twitter
> https://twitter.com/yobo_yodo
> 何でもアリ!?よど号のyobo-yodo
> @yobo_yodo

--------------------------------------------------------------------
転載以上


そもそもは、よど号ツイッター開局に関連して、何らかの生中継イベントをやろうというものだったと思います。
結果、ニコ生に落ち着いたみたいです。

わたし自身はこのツイッターアカウントを否定的に見ています。
なぜなら彼らが容疑をかけられている「日本人拉致疑惑」を晴らそうというのなら、もっとその拉致(されたと言われている)被害者によりそった行動をとってほしいからです。
でも、やると決めたのなら一定の応援はしています。

そういう人間もyobo_yodo運営スタッフの中にいるということです。


写真は現よど号グループリーダー・小西隆裕さん


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「拉致疑惑」と帰国 ---ハイジャックから祖国へ
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テレビに映る北朝鮮の98%は嘘である よど号ハイジャック犯と見た真実の裏側 (講談社+α新書)
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宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作 (新潮文庫)
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沖縄取材・2

2014-12-14 00:47:55 | 映画制作
前回の続き。


(前回まで)
取材を終えたわれわれは、基地を見学することになったのであった!


この「沖縄取材」というタイトルは詐欺だなと思った。
だってぜんぜん取材のこと書いてない。終ってからのことを書いているただの観光記事というかオッサン珍道中になっている。

というわけで、辺野古を後にした一行はめしを食うことに。
しかし道々目にした街の風景の素晴らしさよ。













めしは普通に焼肉定食食った。
こっちより甘辛いのは土地柄なのかお店の特徴なのか。

その後なぜか海に行ってました。
なんで海なんだろう。ここらへん寝てたので覚えてない。









「なんで海なんですか」と聞いても
「ワッハッハ」と笑うだけで答えになってない。オッサン三人が海で何を。


続いて普天間基地を目指します。

途中、沖国大米軍ヘリ墜落事件の現場へ。





嘉数高台公園に到着。

このまるい何かの上から普天間基地が見えるそうです。
それが記事トップの写真になります。

おーおーすごいな、オスプレイがよく見える!
と急にワクワクしながらカメラ回してたらつんつんと誰かが。

つんつん
「あの」
つんつん
「あっちあっち」

「はい?」
声がする方を見たら、女性が反対側を指さしてしきりに何事か訴えていました。

なんだ!!
恋か!!!
旅先のロマンスか!!!

「もうすぐあっちからオスプレイが飛んできます」


あ、そうすか。

でかいカメラ持ってたので、わたしをマスコミと勘違いしたのか、それともそういう機材持ってる人に撮っておいて欲しかったのか。
彼女はどうも、オスプレイの飛行状況を事細かにチェックしているようで、ノートに何事か記録をとっていました。
たぶん運動関係の方かと。


「あっち、あそこです、ほら見えますか」
「まったく見えません!!」
「あの建物の上…この指先のあそこです」
「見えません!!!!」

という応酬を何度かした後、やっと見えました。
その頃にはオスプレイから放たれる轟音も。










すごい!!!どうしよう、かっこいいとか思ってしまった。
本当に垂直に着陸してて、ああスゲーなこれは、と。

これはいいもん見た。きてよかった!
女性にお礼を言って展望台を後にしました。


空港へ向かう途中。

空を見上げるとオスプレイが。


ここではこういう光景が日常なんだな、と思うとちょっと考えさせられます。

しかしかっこいいよなぁ……



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1/72 MV-22B オスプレイ (E41)
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ハセガワ

V-22オスプレイ 増補版 (世界の名機シリーズ)
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イカロス出版

オスプレイ配備の危険性
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七つ森書館
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アンダーグラウンドとの接点 ― 『足立正生』と『渚ようこ』と『月蝕歌劇団』

2014-12-08 23:18:55 | 映画制作
先日、ご縁があって月蝕歌劇団『英雄伝説 馬賊・矢吹丈 ―決闘白夜オーロラ篇―』という演劇を観にいきました。
お芝居とか昔は付き合いでよく行ってたのですが、そういうの行かなくなって久しかったので数年ぶりでありました。


内容はこんな感じ。以下、HPから転載。

矢吹丈は、リングで死なず満州に行き馬賊になったという噂は本当か?
英雄が死んだあとには伝説が噂となって生まれる
噂の真実を求め、少年とヒロインが中国をさまよう
メフィストもどきの詩人の目的は?
馬賊・片目のハイエナの実体は?

高取英が学生時代に書いた戯曲第2作
月蝕歌劇団の源流
芝居砦・満天星にて 上演!



月蝕歌劇団って知ってはいたんですよね。
むかーーーしアックスというガロの後継のような漫画誌を読んでたのですが、コラムに載ってた。

『ウテナ』ってのが時代を感じさせます。
ちなみになんでこの号のアックスを後生大事に持っているかというと、東陽片岡大センセーの特集だったからであります。

豪華付録として山下さん(独身中年男性)の電動フグ使用ピンナップという誰も得しない絵がはさみ込まれておりました。


さて。
「ご縁があって」のご縁とは、さる12月4日新宿ロフトにて行われた『渚ようこリサイタル2014<新宿アウトロウショー~五悪人色不異空篇>』内で公開された足立正生監督による渚ようこさん新曲『ガセネタの荒野』PVの撮影(ドキュメント映画カメラマンの山内大堂さんも参加)と編集を担当させていただき……


そのPVに月蝕歌劇団の方々が出演されていたのでした。
特に出演と制作進行を兼任した友利栄太郎さんのお誘いによるところが大きく、この機会に1回は観に行くべきだと思ったのであります。



当日。
入口が非常に分かり辛くどこから入れば良いのか分からない。というか、普通のボロいマンションの地下が劇場なのでなお分からない。
すると、入口付近と思われる階段に黒猫が。

「ニャーーーン!」

あ、すごい。誘っている。ここだこの建物に間違いない。さすが謎めいたアングラな感じのする月蝕歌劇団だぜすごい!と思って入ってみたらぜんぜん違って隣の建物が正解でした。
黒猫は普通の野良猫でした。ナデナデ。

劇場はとても雰囲気のある地下の一室で、特殊なバーかスナックのようでした。
あとなんか尿くさかった。

内容は……てっきり、ものすごく前衛的で高尚な、もしかしたら暗黒舞踏的なあれだったらどうしようと恐れつつ観たのですが、
普通に分かりやすいお話でした。
面白かったです。
劇団員に美人が多いのもたいへん良かった。



話を戻しますが、今回のPV撮影で新宿のアングラ界隈の方々とご一緒できたのは自分にとってとても刺激になりました。
新宿を中心としたアングラ文化の歴史は、足立監督の『映画/革命』という本で知りました。いわゆる現代の『サブカル』の源流のひとつとでも言うのか。

もはやアングラとサブカルは別で、アングラはアングラでたくましく別のものとして生きているし、進化しているんだな、と思いました。
そう言えば今回の演劇に「永山則夫」というキーワードが出てきた。
永山則夫とわたしの接点はほぼ無いのですが、風景論としての永山則夫はおおいに影響があるので、そういう意味でも今回のPV制作は自分の中の点と点、そのまた源流の点と点を探り、繋いでいくような作業でもありました。

新宿の街中、カメラの前でバンバンと鉄砲を撃つ渚ようこは、まるで目玉のおまわりさんで、編集をして繋いでいくうちにやっと「ああ、監督は赤塚不二夫の世界がやりたいのか」と分かってきました。
わたしが子供の頃アニメで観てた『平成天才バカボン』は分かりやすい子供向けのギャグアニメでした。コミックボンボン(コロコロ派ではなくボンボン派だった)で連載していた原作の方も、そういうスラップスティックな分かりやすいものだったように思います。
ところがある日、古本で買った昔のバカボンを読んだら、ものすごいブラックユーモアな内容でついていけなかった。

そんな話も編集の途中で監督としていました。

自分がある作品から感じたこういう感情の元はこれだったのか、こういういきさつがあってこんな表現が生まれたのか……
そんな体験が何度かありました。

唐十郎も、寺山修司も、ATGもよく分かってない自分が、と不思議に思います。


そもそもの話をすると、自分は足立映画信者でも風景論信者でもなんでもなく、かつての押井守監督作品、特に『ケルベロス-地獄の番犬』『機動警察パトレイバー 2 the Movie』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のファンでした。
観れば分かる通り、これらの作品は風景で埋め尽くされています。それが作品の核であるとさえ思わせます。

ところが数年前「元日本赤軍の映画監督、足立正生さんの取材をしよう!」と思ってからいくつかの作品を観た中のひとつ『略称・連続射殺魔』には衝撃を受けました。ああ、こういうの風景論っていうのか!ていうかそういうのわざわざ論理立てて撮ってた人がいるんだ……と。

ちなみに『略称・連続射殺魔』はググれば観れるので観てください。
監督自身は「映画なんてどんどんネットに上げちまえばいいんだ。俺はそう言ってんだ」とのことなのでうしろめたさを感じずに観るがよいでしょう。



ちょっと散漫な文章になりましたが、PV撮影後今でも引きずっている感情のあらわれと思って勘弁して下さい。

足立監督をはじめ、渚ようこさん他、今回関われた方々にはたいへん感謝しております。
という話。



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沖縄取材・1

2014-11-30 01:35:29 | 映画制作
取材で沖縄に行ってきました。


初沖縄です。
しかしおどろくべきことに取材の都合上、3日いて2日半はずっと同じところにいました。
そういうわけでなんていうかあまり感動がなかった。
べつにめしもうまくなかった。

アグー豚の焼肉定食!どんな味だろうワクワク → 普通や。
みたいな。

ずっと曇りか雨だったのも残念っちゃ残念でした。

飛行機では窓際でした。







空ってまじで綺麗ですよね。
前日にちょっと、死ぬような心の傷を負ったので少々あらわれました。神よ。


到着してすぐ目的地へ。
朝から何も食っていないが。
少しでも楽しもうとすごく綺麗な空を拝む。



街に入る。
いいなーいい雰囲気だな。ここ2時間くらい歩きたい。




目的地についてほぼ動かずに夜を迎える。
適当なところでめしを食って

ホテルへ。

格安チケットについてた宿なので、ぜんぜん期待してなかったのですが、すごく豪華な雰囲気だ!!

しかし部屋が

ビジネスホテルみたいであった。
でもベランダに出て(沖縄は暖かくて夜は涼しい程度でした)夜風にふかれながら飲む泡盛はちょっとよかった。



次の日も同じことやった。

その次の日も同じことやった。

この日が最終日だったので、取材は午前で終らせてちょっとだけ観光することに。


海が緑でなんかスゲー。

で、観光でどこ行くんだろうと思ったら「俺ァ、基地行きたい」と3日間運転手をしてくれた左翼おじさんがそう言ったので行くことに。
もうこのあたりからちょっとどうでもよくなってきてました。

辺野古のテント村。
一応基地反対なので行ったら行ったで興味深かったです。現地の方々がんばれ。








皆さんに可愛がられてた猫。人懐こい。

金網から先に見える、基地移設予定地。



その金網にはさまざまな旗がくくりつけられていました。





以上。




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渡辺文樹監督・上映会に行ってきた 2014

2014-11-08 02:38:27 | 映画制作
このブログでここ最近毎日のように検索ワード1位なのは「赤軍」でも「おっぱい」でもなく、「渡辺文樹」というワードです。


そのような折も折、近所に例のポスターがぽつんと貼られていたので、約3年ぶりに上映会に行ってみる事にしました。
ポスター発見時のツイート↓


渡辺監督は神出鬼没なため、いつどこに現れるのか分かりません。
以前もこのブログをきっかけに聞かれたりメールで訪ねられたり海外から謎メールが届いたりしたのですが俺は知らん。

以前の記事はこちら。


渡辺文樹監督・上映会に行ってきた
http://blog.goo.ne.jp/akame_2005/e/3516d8674a329be39dcc6e522a8479e4



上記のように、一水会の鈴木邦男さんに紹介していただいてお話もできました。
そういう関係で何度かお手紙のやりとりもさせていただき。

今年の夏にはすごい呪いみたいな文字のハガキが届いて何事かと思ったら渡辺監督からで、助監督のお誘いでした。
ありがたかったのですが今年の夏は珍しく忙しくて、とても何かを手伝えるような状況じゃなかった。
いろいろあって身体も精神もクタクタだったのだ。


さて。
今回の上映会では、未見だった『罵詈雑言』を鑑賞しました。
会場は府中のひばりホール。

モギリは今回もお子さんがやってらっしゃいました。えらいね。





会場の様子。
監督が忙しそうに機材をセットしている。



恒例?の上映前ハプニングもあり。



フィルム上映にこだわるこの情念も含めて全て作品なのだなあ、と思う。

感想は観た直後のツイートから。



これにつきる。
でもほんと、原子力ムラを扱った作品ということで、一貫した反権力の精神はヒシヒシ感じます。
渡辺監督の中で醸成された「大義」のために、一般人でも権力でもなんでもかんでも敵にまわす!その恐れない精神というか、やっぱり他の誰かもおっしゃってましたが、ただ単に色モノ扱いするのはどうかと思います。
監督のマジさに釣られてちゃんと観ないといけない、そういうある種の覚悟のような。
「これどうやってとらえたらいいんだ?」という自問、エネルギーを観る側にも強要する作品だと思います。


上映後、挨拶させていただきました。

「アノ、覚えてないでしょうけど……」
「覚えてるよ!ハガキ出したんだぞ」
あ、すいません……

「僕のほうは、まだ例の映画(赤軍ドキュメント)作ってまして」
「ユダヤに支配されてんだ。自分がやんなきゃ駄目だよ!イスラム国に行くくらいでないと」

え?

「俺?俺が行くんですか?」
「そうだよ!!!」

それは無茶だなあ……

「最近、鈴木邦男さんとは会いましたか」
「会ってないねえ。ダメだよ一水会もあんなことやってちゃ!鈴木邦男に伝えといてくれよ!いつ腹切るんだ!!って」

俺も会ってないしこれは伝えたくはないな……

「じゃあ、失礼します」
「うん。米軍に爆弾投げるくらいの映画やんなきゃ!」


えっ!


うーーむ。
かっこいい……

かっこいいけど無茶だ。

真似できねえ。
渡辺文樹とはつまりそういう映画監督だと思います。真似できねえ。



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ある、元・赤軍兵士のお葬式

2014-10-14 21:19:14 | 映画制作
ここ最近、大阪に行くとNさんのお見舞いに行っていました。
つい1ヵ月ほど前にも。


先日、あるイベントの帰り、元赤軍メンバーの方々と会いNさんの病状について話していました。
その翌日、ショートメールにて死去の報を受け取る。ガクッ となるが、お仕事で撮影中、いっときふり払う。

Hさんから電話にて通夜とお葬式の日どりが。
Hさんもだが、Nさんとは共にレバノンへ行き、リッダ戦士たちのお墓参りをさせていただいた仲。
日本で特別にひんぱんなやりとりをしている仲ではなかったけど、あの時一緒にレバノンに行ったメンバーは、思い出深く、わたしにとっては今でも特別な存在です。


急遽、Nさんが映っている映像素材を簡単に編集し、DVDに焼く。
夕方から新幹線で大阪へ向かう。




何とかギリギリで献花に間に合った。

会場には元赤軍の方々や運動関係者も多くつめかけていた。
そんな中、「九重さん」と「岩木」の数年ぶりの再会という超貴重な場面に遭遇して「あっ すげえ!!」とかいって本人たちの前で笑ってしまった。


献花し、Nさんの顔を見る。
先月会った時、ちょっとしんどそうだった。でも表情は寝てるように穏やかでホッとした。

供花の、そうそうたる面々。







翌日、お葬式。
関西は台風を逃れ、雲間からたまに青空が望めることも。



同志によって、赤軍旗がかけられる。

そしてインターナショナルの合唱。

お別れかー、と思ってシンミリしてしまう。
わたし「いやーこういう場でインターナショナルって、泣けてきますね」


植垣さん「そうかあ?」



火葬場へ。

庭がなんか、すごいのどかな風景の火葬場でした。


お葬式の帰り、Nさんの奥さんと少し話す。

お見舞いやDVD、写真のお礼。あと、遠いところ来てくれてありがとう、と。
そして最後に

「火葬場で『撮影禁止』って言ってたやろ?わたしなんでかなー?思って。で、お骨になってるの見たとき『そういえばこういう写真見たことないなあ』と思って納得したわー」


思わず笑ってしまった。

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よど号グループのTwitterアカウント

2014-09-28 22:49:13 | 映画制作
よど号グループの皆さんがツイッター始めるそうです。
その名も『なんでもあり yobo-yodo Twitter ネット』。


「よぼ」よど…?なんだそれ。


かりの会機関紙『かりはゆく』による、よど号グループの寄稿いわく

「還暦過ぎで身体はyoboyobo、政治的にもたたかれ続けでyoboyobo、でもyodo号はyodo号なのだ!そんな意味を込めた。同時に、なんでも言ってください、訪ねてください、どんな質問、批判、ひいては中傷も聞きます、受けます、答えます、という『なんでもあり』を『yobo-yodo』のモットーとした。
これも『固定観念、古い枠を離れて』、私たちの『よど号問題』に耳を傾けてください、ということと同時に、私たちは日本の若い世代の声を虚心坦懐に聞いていこうということ、私たち自身も『古い固定観念』を打破して現実から学ぶ目と耳を養うことをめざす。まさに双方向で互いを理解しあい、高めあい、学び合おうというネット発信にしようということだ。」



という意味が込められているそうです。
もちろん北朝鮮から直接投稿することはできないので、こちらで支援者の方々かなんかが代理で投稿するとのこと。

10月3日には阿佐ヶ谷ロフトで開局イベントがあります。



「よど号メンバーの『yobo-yodo Twitter』開局記念スペシャル!」

OPEN 18:00 / START 19:00

前売¥1,800 / 当日¥2,000(共に飲食代別)
前売は9/9(火)よりローソンチケット、および阿佐ヶ谷ロフトAウェブ予約にて発売!
・ローソンチケットLコード:32286
・阿佐ヶ谷ロフトAウェブ予約ページ
※当日のご入場は、ローソンチケットお持ちの方、ウェブ予約の方、の順番となります。

【トークゲスト(敬称略)】
蓮池透(拉致被害者蓮池薫さん兄君)
足立正生(映画監督)
小沢遼子(評論家)
2014年9月上旬 訪朝メンバー
ほか

よど号グループが航空機をハイジャックして、かの国へ去って44年。
日朝国交回復も叫ばれる今日この頃。
「日本人村」開村に続いて送る、よど号メンバーの情報発信第2弾!
それが、yobo-yodo Twitterです。

北朝鮮はインターネットがつながらないため、本当のTwitterはできませんが、日本でいったん中継して、彼らとのQ&Aなどができるような仕組みを作ります。
今夜は、その栄えある(?)第1夜。ビックリゲストが、どんな話題を振ってくるやら。
ピョンヤン現地から、よど号メンバーも電話で参戦します!

※内容・出演者は予告なく変更となる場合がございます。ご了承ください。


http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/27139



撮影に行かせて!と言ったら公式カメラマンとして来てくれと言われたので行きます。

「開局」ってのは大仰ですが、アカウント公開のことでしょう。
と思って検索してみたら


何でもアリ!?よど号のyobo-yodo
@yobo_yodo


なんだもうあるじゃないか!



さて。
先日『連合赤軍事件の全体像を残す会』に参加したら編集者の椎野礼仁さんが上梓したばかりの『テレビに映る北朝鮮の98%は嘘である』が置いてありました。


著者写真は先月の残す会に参加した時、頼まれて私が撮ったものだったので「撮ったので下さいよ!」と言ったら本当にくれました。

1ページだけ私も登場してました。
一応は撮影禁止の、北朝鮮の地下鉄をしれっと撮影した時のこと。椎野さんも知ってたし、ガイドのMさんも知ってたけど特に何も言わなかったという衝撃の事実が。

あの中で、俺だけが隠し撮りしたつもりでいたのであった。



― 完 ―


写真はよど号グループ・若林さんから送ってもらった日本人村からのぞむ大同江(テドンガン)。
村の写真と普段の食事の写真を送ってもらったので、近日公開します。



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テレビに映る北朝鮮の98%は嘘である よど号ハイジャック犯と見た真実の裏側 (講談社+α新書)
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渡船場にて

2014-09-24 04:34:23 | 映画制作
私的なことや世の中に対する怒りとか不満とかを、率直に表現できなくなった。
そういった禍々しいものを味方につけることもできなくなり。

先日用事があってとある渡船場を訪れた時、暮れて真っ黒になっていく川とあたりの風景を見て、なんつうかものすごく久しぶりに自分のこういう部分と向き合ってみようと思うようになったのでした。

























それでも宿命性や詩的背景のないなんとなくむなしい怒りも不満も、ただたんに自分のいたらなさからくるのでは…という思いが断ち切れず、結局暗澹たる気持ちになっただけで帰ることにした。

道路に出る前に、小さなトンネルのような高架下をくぐった。
あたりは不法投棄のゴミにまみれ、どこか近くに糞尿が累積されたような強烈な臭いがただよってきた。

なぜか立ち止まり、街灯がわずかに照らす不法投棄の電子レンジ2台にカメラを向けていると、CFカードの容量が無くなった。

「ウーーーム。人間とは!!」

とか思いながら駅に戻って近くのお好み焼き屋でビール飲みました。



  
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