田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

今年は国民読書年

2010年01月05日 | 読書三昧

今年、2010年は「国民読書年」だそうです。
2008年の国会決議で決まったそうです。2000年の「子ども読書年」から10年を経て、対象を全国民にまで広げて、読むことを通じて豊かな言語力を育てたいとしています。

推進母体は、このブログで「すごい人」とご紹介した福原義春氏が会長を務める「文字・活字文化推進機構」です。具体的には、シンポジウムやワークショップなどを各地で開催して、読書の大切さを広めていくようです。

小生も読書が好きで、町の図書室から隔週3冊を借用。家内の分と合わせ6冊の内から、2週に3~4冊くらいのペースで読んでいます。これでも1年に読めるは、たった100冊程度です。

日々、膨大な書籍が発刊されることを思うと、何とも頼りない数ですが、チリも積もれば山となるので、兎に角、読み続けることが大切だと思っています。

ちなみに、家内は、輪をかけた本の虫で、「本さえあればあとは何もいらない主義」なので、これは大助かりです。本も購入すればかなりの金額になりますが、すべて町の図書室頼りですから家庭経済には影響なしでメデタシメデタシです。

一方、読書後、その感想を文章にまとめると、何を読んだのか、どのように読んだのかがはっきりして良いものです。09年は、約40冊の読後感を書いていますが、良かったもの、そうでもなかったものを上げると下記のようになります。

●良かった本
 ・天道荒太著「悼む人
 ・山崎豊子著「運命の人
 ・宮本輝著「骸骨ビルの庭
 ・乙川優三郎著「生きる
 ・田渕久美子著「女の道は一本道

●期待外れだった本
 ・村上春樹著「1Q84
 ・磯崎憲一郎著「終の住処

今年も、あせらず気長に本を読みたいと思っています。そして、これはという本にめぐり合いたいですね。


新着ドーナツ~ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」

2010年01月04日 | 音楽三昧

何とすばらしいブラームスのヴァイオリン協奏曲でしょうか。

階下のシステムで音を出すと、甘美なヴァイオリンの旋律とスケールの大きなオーケストラの音が部屋一杯に広がりました。

演奏は、ヴァイオリンがニコライ・スナイダー。支えるのは、ゲルギエフ指揮のウイーンフィルハーモニーです。

2006年12月12日ウイーン楽友協会大ホールでのライブ録音ですが、先のウイーン訪問の際、このホールで聴いたヒラリー・ハーンが弾くヴァイオリンの美しい響きを思い出しました。

独奏者のニコライ・スナイダーは、ポーランド人とイスラエル人を父母に持つデンマーク生まれの39歳。24歳でエリザベート王妃国際コンクールに優勝して注目を集めたようですが、小生は、今回初めて(彼の演奏を)聴きました。そのナイーブな感性と伸び伸びした演奏は、とても好感が持てます。

三大ヴァイオリン協奏曲のひとつでもあるこのブラームスの協奏曲は、そのスケールの大きさと重厚な構成から、演奏者にとって完成度が試される難曲とされています。

従って、決定盤は数少ないわけですが、このCDは、曲、演奏と録音の三拍子そろった名盤として長く記録されるのではないかと思いました。一聴をお勧めします。

(注)スタジオ録音のコルンゴルトの協奏曲も収容されています。


雪かき三連発

2010年01月03日 | 田舎暮らし

今朝、周囲が妙に静かだなと思いながら目覚めました。
外を見ると、あのひどかった吹雪がすっかり止んで、晴れ間に月が浮かんでいました。

ただ、ベランダは相変わらず雪が堆積しています。
昨日ほど多くありませんが、それでも30cmくらいあるので、家内と二人、雪かきに精出しました。道路には、除雪車も出ています。

何とこの正月三が日、吹雪が続いて雪かきに明け暮れました。
豪雪の倶知安の面目躍如といったところです。

このやっかいな雪ですが、ひとたび天候が安定すれば、お隣のゲレンデに出てスキーができます。特に、このニセコのスキー場は雪質が良いので、すばらしい滑降を楽しむことができます。

今朝も、このシーズン初めてのスキーを楽しみました。
初滑りということもあり、無理をせず、海抜600m地点からセンター(300m)に向けて3回滑り、帰宅してお茶にするという軽めのメニューでした。


雄山荘の焼失

2010年01月02日 | 読書三昧

ニセコは、今朝もひどい吹雪です。
ベランダには吹き溜まりができていて、50cmくらい雪が堆積しています。早速、ママさんダンプで積もった雪をベランダの外の溝へ落とす作業を始めましたが、その量の多さにうんざりしました。

年末に、太田治子さんの「明るい方へ」を読み、彼女の数奇な運命に驚くとともに、その真摯な生き方に共感を覚えました。

そこで、喰わず嫌いを改め、太宰治の作品も読んでみようと、町の図書室から現代日本文学全集の内、「太宰治・坂口安吾集」を借りて来て、先ずは「斜陽」を読みはじめました。

ところが、読み出してすぐに、この小説の舞台となった小田原の雄山荘が、突然焼失したとのニュースが流れ驚きました。

この雄山荘は、東京の印刷会社社長の別荘として建てられたそうですが、戦後、太宰治と愛人関係にあった太田静子さんがお住まいになり、ここで治子さんを生み、3歳頃まで育てたといいます。

従って、治子さんにとっては、かけがえのない思い出深い建物だったわけですが、ここ10年ほどは無人のまま放置され、今回は、それが突然、焼失してしまったわけで、さぞ残念だったことでしょう。

「斜陽」には、主人公のかず子(太田静子)さんとお母さんが、東京から引っ越してきて、初めてこの山荘に着いたときの情景が次のように記されています。

”三島で駿豆鉄道に乗りかへ、伊豆長岡で下車して、それからバスで十五分くらゐで降りてから山のはうに向つて、ゆるやかな坂道をのぼつて行くと、小さいがあつて、そののはづれに、支那ふうの、ちよつとこつた山荘があつた。

「お母さま、思つたよりもいい所ね。」
と私は息をはずませて言った。
「さうね。」
とお母さまも、山荘の玄関の前に立つて、一瞬うれしさうな眼つきをなさつた。
「だいいち、空気がいい。清浄な空気です。」
と叔父さまはご自慢なさつた。
「本当に、」
とお母さまは微笑まれて、
「おいしい。ここの空気は、おいしい。」
とおつしやつた。
さうして、三人で笑つた。

玄関にはひつてみると、もう東京からのお荷物が着いてゐて、玄関からお部屋からお荷物で一ぱいになつてゐた。

「次には、お座敷からの眺めがよい。」
叔父さまは浮かれて、私たちをお座敷に引つぱつて行つて坐らせた。

午後の三時頃で、冬の日が、お庭の芝生にやはらかく当つてゐて、芝生から石段を降りつくしたあたりに小さいお池があり、梅の木がたくさんあつて、お庭の下には蜜柑畑がひろがり、それから村道があつて、その向ふは水田で、それからずつと向ふに松林があつて、その松林の向ふに海が見える。海は、かうしてお座敷に坐つてゐると、ちやうど私のお乳のさきに水平線がさはるくらゐの高さに見えた。

「やはらかな景色ねえ。」
とお母さまは、もの憂さうにおつしやつた。
「空気のせゐかしら。陽の光が、まるで夷京と違ふぢやないの。
光線が絹ごしされてゐるみたい。」
と私は、はしやいで言った。

十畳間と六畳間と、それから支那式の応接間と、それからお玄関が三畳、お風呂場のところにも三畳がついてゐて、それから食堂とお勝手と、それからお二階に大きいベツドの附いた来客用の洋間が一間、それだけの間数だけれども、私たち二人、いや、直治が帰つて三人になつても、別に窮屈でないと思つた。”

「斜陽」の物語自体は、先の「明るい方へ」で紹介されていたので、新鮮味はないのですが、太宰の文章はしっかりしていて、何とか最後までたどり着けそうです。


新年おめでとうございます。

2010年01月01日 | 田舎暮らし

新年おめでとうございます。
今年が良い年となるようお祈りします。

今朝寝坊して起きたら、家内から「雪かき大変だったんだから!」と、今年最初のクレームがありました。(小生だって、昨日は3回も雪かきしたんだから~とブツブツ)

当地は、大晦日から大嵐になっていて、横浜から来ていた孫娘も(飛行機が飛ばなくなると大変と)予定を1日繰り上げて帰ってしまったので、拙宅はいつものジジ・ババに逆戻りです。

朝食は、お雑煮と心ばかりの御節にワインで乾杯しました。
今年も元気に頑張らず、田舎暮らしを楽しみましょう!

昨日午後、ネットで購入したスピーカーケーブルが届いたので、端末処理をして接続する準備を始めたのですが、結局、部品が足りなくてストップ。2年がかりの作業になってしまいました。

このケーブルを追加して、過日、中国から購入したアンプを2台使ったバイアンプ駆動をしてみようという訳です。つまり、左右のスピーカーの低域、中高域それぞれを独立したアンプで駆動すれば、お互いに干渉しなくなるので、よりクリアな音質になるはずなのですが。果たしてどうでしょうか。

取り合えず、替わりになる部品を探して、ケーブルを完成させたいと思っています。

追伸:午前10時、バイアンプ接続の音が出ました。期待通りのクリアな音です。高価なアンプ1台で聴くよりは、安価でも2台のアンプ(計4台)によるバイアンプ駆動の方が、よりクリアで豊かな音を楽しむことができます。