何とすばらしいブラームスのヴァイオリン協奏曲でしょうか。
階下のシステムで音を出すと、甘美なヴァイオリンの旋律とスケールの大きなオーケストラの音が部屋一杯に広がりました。
演奏は、ヴァイオリンがニコライ・スナイダー。支えるのは、ゲルギエフ指揮のウイーンフィルハーモニーです。
2006年12月12日ウイーン楽友協会大ホールでのライブ録音ですが、先のウイーン訪問の際、このホールで聴いたヒラリー・ハーンが弾くヴァイオリンの美しい響きを思い出しました。
独奏者のニコライ・スナイダーは、ポーランド人とイスラエル人を父母に持つデンマーク生まれの39歳。24歳でエリザベート王妃国際コンクールに優勝して注目を集めたようですが、小生は、今回初めて(彼の演奏を)聴きました。そのナイーブな感性と伸び伸びした演奏は、とても好感が持てます。
三大ヴァイオリン協奏曲のひとつでもあるこのブラームスの協奏曲は、そのスケールの大きさと重厚な構成から、演奏者にとって完成度が試される難曲とされています。
従って、決定盤は数少ないわけですが、このCDは、曲、演奏と録音の三拍子そろった名盤として長く記録されるのではないかと思いました。一聴をお勧めします。
(注)スタジオ録音のコルンゴルトの協奏曲も収容されています。