およそ10年にわたる札幌五輪招致活動で、市が負担した費用は27億円強にのぼった。
開催ありきの進め方や市民意向調査への不信感、五輪開催に頼らない街づくりへの渇望など、苦しい市民生活の実態に目を向け、まだまだ他にやるべきことが有るのではないかという市民の怒り!
なぜ今五輪なのか?東京2020のように当初予算が何倍にも膨れ上がるのは何故なのか?見積もりが甘いだけなのか?皆が寄ってたかって食い物にするからではないのかとの疑念!
先の札幌市による市民意向調査では賛成が過半数で反対は半数未満だったのに対して、北海道新聞社による世論調査では賛成が42%で反対が57%と真逆の衝撃の結果が出たのである。
そもそも札幌市の意向調査は、対面調査では1972年札幌五輪から50周年を記念したオリジナルバッジやステッカーを贈呈したり、郵送調査では「100年後も世界に誇れるSAPPOROであり続けるために」など“キレイゴト”が書かれたパンフレットを同封したりと、賛成過半数へ誘導した疑いが濃厚なのだ。
実は札幌市における政策決定に係る重要データーが意図的に歪められているのではないかという疑念が、私が経験しただけでも幾つかあった。
例1「札幌市地域福祉社会計画2018」策定にあたっての地区意見交換会(2017.7.6)において、地域の福祉活動に関する市民意識調査結果の中に、これまで地域活動に参加したことがない者のうち今後は地域活動へ参加したいが44.1%との数値に関して、私の地域活動の経験感覚からあまりにも乖離したものだったので、一体どの地域のどの年齢層にそんな意識の高い住民が居るのか参考に教えて欲しいとお願いしたが、調査委託先業者から詳細を入手することは困難と拒絶された。相応の委託費を払って調査を依頼しておいて、そんな肝心な情報を得られないなどは有りえず、都合の悪い質問への逃げの姿勢が見苦しかった。
そして極めつけは、『今後は本計画に基づき、幅広い市民の主体的参加と、事業者や行政等の協働により、地域福祉の推進に資する取組を進め、「みんなで支え合い、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまち、さっぽろ」の実現を目指します。』と美辞麗句を並べているが、何のことはない地域福祉を地域住民に丸投げするために「地域活動への参加意欲を高く見せるために操作した疑いが濃厚であり、そもそも本計画の根幹が崩壊している。
もはや札幌市によるこの種調査結果や政策決定への根拠数値への信頼性は完全に失墜し「幅広い市民の主体的参加」を柱とする本計画自体が絵に描いた餅に過ぎないことは誰の目にも判る。
例2「札幌市の排雪パートナーシップ制」に係る町内会負担額の改定根拠に対して、町内会役員会(2018.1.16)で疑問の声が上がって紛糾したことがある。
とりわけ、①作業完了確認の責任のあり方や、②労務単価の上昇率の捉え方等について疑義が生じ、労務単金の上昇率が意図的に操作されていることが判明したのである。
市は人件費の上昇率を5%としたが、積算根拠としている建設業労務単価の上昇率の採り方がデタラメで、排雪作業に従事する特殊運転手は0.8%、普通作業員は0.7%を適用すべきところを、わざわざ関係のない公共工事設計労務単価4.7%を引用して意図的に上昇率を高く操作していたのである。
どうしてこんなデタラメな市政がまかり通るのか? 悲しいかなそんな市長を選んだ有権者にも責任はある!
多くの市職員は市民のために額に汗して頑張ってくれているが、一部の特権階級が「市民なんかチョロイもんよ、簡単に騙せる!」と馬鹿にされているのだ。
そんな悪政の片棒を担ぐような奉仕活動に失望感や罪悪感を覚えて去って行く地域活動家は多い。実に悲しいことである。