会社の仕事は一定の制約の下で進めなければならなず責任も伴うが、家庭では全く自由であり失敗しても自分で食べれば済む。
時に、思い付くままデタラメで作ったものが意外と受けたりして、『これ何て言う料理?』の問いに『光穂スペシャル!』と有頂天になり、木から降りれなくなっている自分がいる。
レシピどおりに調味料を量っているうちはまだ良いのだが、慣れてくると自信過剰になり目分量で済ませることが多くなりがち。
味が薄ければ足すことは出来るが、濃すぎた場合は引くことができない。ゆえに料理は足し算なのである。
そういう意味ではカ一リングもとてもよく似ていると思う。
ウェイトが少し遅くてもスイープで伸ばしたりコースを修正したりできるが、早過ぎるともうどうにもならない。
先日の「カーリング女子日本代表決定戦」を観ていて、つくづくそう思った。
決定戦は、5回戦制の3戦先勝方式で争われ、ロコ・ソラーレは連敗スタートと苦しい展開になったが、3戦目で一つ星を戻すと勢いに乗って残り2戦でも地力の差を見せつけた。
2勝2敗で迎えた第5戦、ロコ・ソラーレが7-6と1点リードして臨んだ最終10エンド、最終投はスキップ藤澤でハウス内には得点につながる北海道銀行のストーンが二つ残っていた。藤澤の投じるショットがハウス内に止まれば勝利が確定する一方、失敗すれば北海道銀行に逆転負けする緊迫した場面。
投げる前に全員でウェイトを確認し合い、バイス・スキップの吉田(知)の的確なラインコールと、鈴木・吉田(夕)のスイープ陣との緻密な連携プレーでハウスの中央に止めて、北京五輪日本代表の権利を得た。
もし、藤澤が放ったラストストーンのウエイトが少しでも強すぎたら「THE END」で、カーリングが料理によく似ている所以である。