よろずよもやまよろずたび

地元の写真と日々の雑感、写真日記です.
最近は陶芸三昧の日々ですが・・・

かたち

2012-02-28 | 

貝殻のかたち、蝶の羽の模様、シマウマの縞模様、ヒョウの斑点模様、そういったものがどうして出来るのかを、遺伝、化学、物理学者たちの仮説・実験を概観しながら説明した本です。

ほんとうは数学的な素養が必要と思われる内容ですが、数式はほとんどありません。代わって図、写真が各所にちりばめられているので、何となく分かったような気分にさせてくれるので、淀みなく読み進められて面白い本です。

さて、生き物の形や表面の模様がどうして出来るのかということですが、「遺伝子に刻まれている」 というのが様々なメディアから知るところだと思います。しかし『ダーウィニズムでは有利な模様や形態が生き残ることを説明するが、そもそもどうして生れたかという問題には沈黙している』とのことで、それだけでは説明できないといいます。そして化学的な実験により生き物と同じようなパターンを 試験管の中やコンピューターによるシミュレーションで再現できることを証明し、モルフォゲンと名付けた化学物質が組織の中に拡散することで、生物も化学的な作用を受けて形になるのだというのです。
ちなみに、実験の一つに 「BZ反応」 というのが紹介されているのですが、その様子がYouTubeにも沢山乗っていますので、御覧になってみてください。面白いです。

 


トバ・カタストロフ

2012-02-27 | その他
我々人間の遺伝的多様性は、他の種に比べるととても小さいのだそうです。
例えば、チンパンジーの多様性の1/4でしかないのだとか。
その理由として「トバ・カタストロフ」というのがWikipedhiaにありました。

トバ・カタストロフというのは、約7万年前にインドネシアにあるトバ火山が爆発し、舞い上がった火山灰が太陽光を遮って寒冷化を引き起こしたというものです。トバ火山の爆発は1980年のセントへレンズ火山の爆発の3000倍の規模だったそうで過去10万年の間では最大規模だそうです。(ちなみに阿蘇山の噴火は8万年前で火砕流堆積物の量はトバ火山の3/5。阿蘇もスゴイ)それにより多くが死滅し生き残ったのは、アフリカにいたわずか1万人程度の人たちだというのです。
そういうわけで16±4万年前に生まれた人類は、その後9万年経ってリセットされ、現在の人間の多様性は7万年分・・・ということらしいです。 トバ火山の噴火が影響したのかどうか分かりませんが、その後、ヴュルム氷期に入ります。氷期では雪が融けずに積もり続け、海水がどんどん減って、海水面は今よりも120mも低くなったそうです。 すると地球各地の海峡だったところが陸続きとなり日本には樺太から北海道へと人が来て、アメリカ大陸へも移住するようになった・・・。 でも、アフリカ以外で死滅するほどだから、どこもかしこも今より寒かったでしょうに、なんでまた出て行かなきゃならなかったのでしょうか。 単純には人が増えて食料になる動物を追っていったのだろうと思いますが、食欲に勝てず寒さをガマンし、あるいは衣服の発明、火、道具、家、などなど色んなものを発明したり発見しながら移動していったのでしょうね。 なにしろ時間はたっぷりとありますから、7万年も。 ひと世代が15から30年だとすると100年で3から6世代が交代することになります。すると1000年でおおよそ45世代、1万年では450世代、7万年だと3150世代・・・ 地球が誕生してから46億年が経つのだそうです。それを1年に例えると人類誕生から現在の16万年間というのは、一年が終わる大晦日午後11時42分で、トバ・カタストロフが起きた7万年前は午後11時52分、1万年前では午後11時59分、2000年前は11時59分46秒、100年前が11時59分59秒・・・、と思うと、人間の歴史ってまだまだ短いものです。 この先1秒(100年)、14秒(2,000年)、1分(10,000年)・・・いったいどうなっているのでしょうか? 映画 「猿の惑星」 みたいなことになっていなけりゃいいのですが。

ご先祖様

2012-02-24 | その他

 近くの公園にある梅の木を見上げると紅い蕾が膨らんではいますが、咲いているのは殆どなくてがっかり。
今年の開花は、例年よりすこし遅いようです。で、また寒くなったりして、今日も冷たい雨が降って・・・こんな日はまたしてもWikipedia内をうろつくことに

日本、中国、朝鮮の歴史を遡り、ついには黄河文明や長江文明の頃に辿りつきましたが、それは紀元前1万年のころに興ったものだそうで・・・と一口にいっても、どのくらい昔なのかイメージが湧きません。 で、まぁ1世代が25から30年で代わるとすると、10,000年÷25/世代=400世代 (あるいは300世代) ということになるわけですが、そんな家計図があれば、日本人も中国人も朝鮮人も、みんな親戚同士ということになるのでしょうね。

ところで、その家計図のようなものは、我々の体の中に遺伝子という形で刻まれているとのことです。

最も知られているのが母親からしか受け継がれないミトコンドリアDNAで、それを辿れば16±4万年前にアフリカで生まれた一人の女性にたどり着くというものです。 これと同じように父親からしか受け継がれないものとしてY染色体を辿る方法があるそうです。 

これを辿り、遺伝子型の地域的な分布を調べることで、ご先祖たちがアフリカを出た後、どのようなルートを辿って地球のあまねく各地へと移動していったかを推測することが出来るのだそうです。 

そこでWikipediaの「日本人」の中に、「Y染色体による系統分析」 という項目があるのですが、それによれば縄文人の系統を残すのであろうD2系統がアイヌ・沖縄において多く見られ、本州でも30から40%の割合で分布しているとのことです。これは日本とチベット固有の系統で古モンゴロイドというのだそうです。 その他の系統としてO2b-30% O3-20% となっています。 

また、朝鮮ではO2bO3 系統が殆どを占めており、中国の漢民族ではO3系統が多くを占めています。

・・・などなどから、日本人は、「5万年前に中央アジアにいたD2系統の集団が東進を続け、約3万年前に北方ルートで北海道に到った。その後、弥生時代の基になるO2bO3系統が移り住んだ・・・」ということです。 

モンゴロイドの特徴としては、目が細く鼻が低く全体的に丸いといった感じですが、それが寒さに耐えるように進化した結果というようにいわれています。 すると一旦は北上して、他のグループと大きく交わることなく独自の進化を数万年経た後、南下してアジアに広く分布するようになったと考えられるみたいです。

現在の北アジアに分布する様々な民族はC系統が多くあるのに対し、漢民族では殆どみられません。そういうことから地続きであっても、民族ごとに孤立した状態が数万年という単位で長らく続いていたのかもしれませんね。

そう思うと、有史以来の出来事は激流のごとき激しさで、その前の変化は本当にゆっくりとした流れとしか感じられません。中国が四千年の歴史だとしても、その40倍も前から我々がいるのですから・・・なんだか気が遠くなってきた。


そろそろ春めいた写真を撮りたいところですが

2012-02-23 | 風景

昨日、一昨日、いいお天気で春めいてきました。近くの公園へ行くと梅の蕾も膨らんでそろそろ咲き始めそうです。本格的な春にはまだ早いでしょうが、気分だけでも一足早く・・・と思いたいものです。でもまだ冬の写真が残っているのです。


LIMIT 2・3・4

2012-02-21 | 

1巻目の帯に「3・4巻目を待て」とあったので、2巻目も退屈なんだろうと覚悟していたところ、上海を舞台に大活劇が始まって にわかに面白くなった。

以下ネタばれ含む

舞台は2025年の近未来。化石燃料に代わるエネルギー源として、核融合が実用化される。その燃料となるヘリウム3は月の地表にあって、採掘をアメリカ・中国が競ってやろうとしている。埋蔵量は700年分。ヘリウム3を月から地球へ運ぶ手段として宇宙エレベーターが民間企業によって開発され低コスト化が実現する。その結果、化石燃料は暴落し扱っていた企業や産油国は窮地に追込まれる。

そういう状況下、ネット犯罪専門の探偵であるイギリス人の主人公が、友人の中国人実業家から、そのまた友人の娘であり超美人でパンクバンドの歌手であり、ソフトウェア開発の才能があり、反体制活動家でもある女性が失踪したので捜索して欲しいと依頼される。その超美人は、中国人の殺し屋から付狙われるのだが、主人公の活躍により難を逃れる・・・

というのが2巻目で、月のホテルへ向かう登場人物たちの冗長な会話が続く1巻目とは大違い。謎が大きく膨らんでスリリングで面白い。

3・4巻目は、中国人殺し屋の組織や陰謀について徐々に明らかになっていくが・・・最後の最後になって明らかにされる黒幕は、誰もが予想する通りで、意外性はない。 だから終わり方は淡々としている。

近未来ということで、SF的な部分を期待したけれど、そうしたアイデアは見当たらない。一言でいうなら、既存の科学・技術の延長および現在の世界状況等々を大きな鍋に入れ、かき混ぜて、出来上がった 中国人ウケしそうな サスペンス巨編といったところです。

小説も中国市場を意識して書かれる時代になったようです。

 


さすがだね 寒いけれども 春の日差し

2012-02-20 | 風景

立春を過ぎ、冬至の頃から比べると、さすがに日差しは春です。

でも、月ごとの平均気温は12月より2月の方が寒いのです。

でもでも、11月・12月ころの空を覆う陰鬱な雲がなくて、少し気分がいい。
そろそろ梅が咲き始める季節・・・川に例えるならば汽水域・・・?


日本のデザイン

2012-02-17 | 

豪華絢爛な宮殿や美術品の数々は、国を統治する 力 の表象であったが、人々が平等に幸福に生きる権利を基礎とする社会に舵を切ったときから、複雑からシンプルへとデザインも変わった・・・それは世界的に見れば今から150年ほど前になるが、日本では東の外れに位置し海にも隔てられていたせいで、なんと500年も前の応仁の乱を契機として独自の文化を醸成した。その文化を引き継いで、発展させて、経済大国じゃないけれど世界で機能するようなデザインを発信できる日本にしようじゃないか!
そして、個々の製品や美術や工芸では既に高いデザインを持っているのに、街を村を見渡せばお粗末な日本を変えていかなきゃいけない。

って感じです。

コレ お薦め。

※応仁の乱が契機となったというのは、文化・歴史の集積地であった京都が戦乱により壊滅し、新たに作りなおすことになったとのことです。当時の将軍、足利義政は美に沈溺し政治を怠ったせいで戦乱を招いたとのことですが、家督を譲り隠居するときに自らの美意識の集大成として建てた東山御殿は、それまでの日本の美意識を覆すシンプルな作り、さらには何も無い「エンプティネス」がすばらしいとのことです。

自分の身の回り、すごくゴチャゴチャしています。 本当に必要なものだけを残し全部棄ててしまえばシンプルに素敵な生活が出来るのかもしれません。 が、なかなか棄てられないんですよね・・・


LIMIT (1)

2012-02-16 | 

本の帯にある宣伝文句に吊られ、ついつい買ってしまった 『LIMIT』 全4巻。

作者「フランク・シェッツィング」の前作 『Yrr』 が面白かったのと、『・・・Yrrを超えるスケールと抜群のリアリティ。これが本物の近未来サスペンスだ!』 などと言われたら、退屈しのぎには最高じゃないか!と誰しも思うはずです。

で、一巻目を読み始めると、宇宙エレベーターで月へ向かう富豪たちの会話を中心に時代背景や登場人物の説明や宇宙エレベーターの概要についての説明が延々と続き・・・「退屈だっ!」 と投げ出してしまいたくなります。

それでも、途中に中国を舞台にインターネットにまつわる事件が進行するので、その方が面白くて何とか最終行に辿りつくことが出来ました。

本を閉じて改めて帯にある文をみると『・・・最初の800頁は壮大なプロローグにすぎない。・・・怒涛のクライマックス(3・4巻)を刮目して待て』 とあります。

「わ~、二巻目も退屈しなけりゃダメなんだ・・・」

というわけで、いつ読み終わるやら分からない「LIMIT」


御願神事 (竹割り祭り) 4

2012-02-16 | その他

 

大人たちは、降りしきる雪に凍えながら 見ているのですが・・・

近くの学校から見学に来ている子どもたち、大はしゃぎ。
とても楽しそうなのです。

さて、任那があった時代、朝鮮半島には新羅・百済・高句麗の国がありました。そして中国は五胡十六国と呼ばれる時代で、東晋・北魏・その他諸々数多の王朝が乱立していたそうです。その1世紀前には、映画「レッドクリフ」の基になった「赤壁の戦い」があるわけですが、映画の視覚的なものと併せると、その頃の国というのが何となくイメージ出来るかなというものです。 その時代「三国時代」の前に、後漢が200年続き、その前には新があって、ついには紀元ゼロ年に至ります。 

この頃になると朝鮮半島は弁韓12国、馬韓50余国、辰韓6国というふうに、様々な部族に分かれた集団が点在していたようです。 そして、日本は弥生時代のことであり、発掘調査を手掛かりに想像力をたくましくしなければ分からない時代です。とはいえ、朝鮮あるいは中国から渡来した人たちが縄文人と交わりながら弥生時代を築いていたとすれば、朝鮮半島の状況と似たような状況だったのかもしれません。でなければ朝鮮半島に百済、新羅などと同じくして日本の影響下にあった任那が存在できないだろうと思われます。

中国に視点を戻すと、紀元前2世紀に前漢が統治し、紀元前3世紀には、ついに秦の始皇帝が登場します。 その間に歴史書 「史記」 が作られているのですが、そう思うと、中国の先進性に驚かされるわけです。 で、その驚きは更に続き、遡ること紀元前8世紀まで 「春秋戦国時代」、そして 西周 → 殷 へと続き、紀元前21世紀には、中国最古の王朝と伝承される 夏 があったとのことです。

さらに更には、

紀元前7000年 黄河文明

紀元前14000年 長江文明・・・と、

とにかく中国の歴史はスゴイのであります。

ところで、『中国の山東省の臨淄(りんし)から出土した古人骨のミトコンドリアDNA分析では、春秋戦国時代(紀元前4世紀頃)の集団は現代ヨーロッパ人類集団・トルコ人集団に近く、前漢時代(紀元前2世紀~1世紀) の集団は、中央アジア集団のクラスターに入るものであった。それゆえ古代中国にはすでに中東・ヨーロッパ地域と文化的な交流が行われており、ギリシャやエジプト、ペルシアの渡来人が多数住んでいたと思われる』 との記載があり、人種や民族の分布は、今とは随分違っていたのかもしれません。

文明が発生する以前から、地球の様々な地域に人間が住み着いていたのでしょうが、中国人とは? 朝鮮人とは? 我われ日本人とは? どこからやって来たのでしょう・・・


御願神事 (竹割り祭り) 3

2012-02-14 | 

若い人たちの威勢のいい姿はいいものです。

御願神事始まりの頃の7世紀に戻り、そこから更に遡ること100年ばかり、古墳時代と呼ばれる頃のこと、朝鮮半島の一部に任那(みまな)という国があったとのことです。(いまだにwikipedia内をうろついています・・・(^^; 

任那は、『ヤマト朝廷そのもの或いは深い関連を持つ集団による統治機関や、軍事的影響力および経済的利権の存在について認める様々な見解がある』 そうですが、何れにしても日本が影響を及ぼしていたと思われます。
当時の朝鮮には、加えて満州にまで及ぶ地域を治めていた高句麗と西側の百済及び東側に新羅が存在していました。 

高句麗は、韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』に続く『朱蒙(チュモン)』(韓国で50%を超える驚異の視聴率を記録した壮大なスケールの歴史エンターテインメントとのこと)が始祖の国だそうです。この基になっているのは1145年に完成した歴史書「三国史記」だそうですが、さらにその基になったという資料が存在しておらず、中国の資料に登場する3世紀以前の部分については疑わしい内容だそうです。
そもそも三国史記によれば「主人公の朱蒙が卵から生まれた」そうなので、ファンタジーそのものといっていいのでしょう。

また高句麗人は、民族的に言語体系などから満州にいた扶余と同じとされています。そうしたことから、「高句麗は古代中国にいた少数民族である夫余人の一部が興した政権」であり、「高句麗は中国の一部であり自国の地方政権で中国史の一部だ」と中国側が主張しています。それに対して韓国側も「当時の中国に一貫して中央政府と呼べる統一王朝が存立していない」などと反論し韓国史であるとしているそうです。(話が噛合っていないようですが・・・)

どちらの歴史だろうとかまいませんが、高句麗は唐と新羅によって滅ぼされているので、いまの韓国、そして李氏朝鮮、高麗の前身である新羅が朝鮮を統一した基であるなら、高句麗が朝鮮民族の歴史ではないとしても、何ら問題はないように思うのですが、そこに拘るのは、さすが韓国らしい・・・というかなんというか。

ともかく、高句麗が建てられたという紀元前1世紀頃は、中国が前漢時代であり、朝鮮半島が、原三国時代と呼ばれる時代であって、弁韓、馬韓、辰韓と呼ばれる地域があり、加えて中国の行政機関であった「楽浪郡」がありました。そして、弁韓は任那に、馬韓は百済に、辰韓は新羅へと、国としての体制を整えつつある時期だったということで、そこに高句麗が入り込める余地は無かったように思われます。

さて、中国の紀元前1世紀までの歴史を遡りながら見ていくと、唐→隋→南北朝時代→五胡十六国時代・東晋→西晋→三国時代→後漢→新→前漢・・・と目まぐるしく支配者が代わっています。
逆に時代を下れば北宋→南宋・金→元→明→清というように代わり、また領土もその時々によって大きくなったり小さくなったりして、支配する民族が入れ替わり立ち代りしているのです。しかし一貫しているのは中華思想です。直接統治するか、冊封体制に組入れて従属させるか、方法が違ったとしても地続きで影響を及ぼせる範囲は我がものであるというのが中国です。

というわけで、朝鮮は中国に文化も遺伝的な面でも大きな影響を受けていると言えそうです。 それでも韓国や北朝鮮では独自の民族であるとして檀君朝鮮というのが紀元前2333年からあったとするところなど、これまた朝鮮らしいのかもしれません・・・。紀元前2333年といえば、 考古学的に実在が確認されている中国最古の王朝である殷(いん)よりも7世紀も前のことであり、いくらなんでも、それはないかな・・・と。

話が随分と逸れました。任那に話を戻すには長くなりましたので、次回に改めたいと思います。 それにしても・・・wikipediaの中をさまよいながら、日本、朝鮮、中国の歴史というものが、おぼろげに見えてきたような気がしているところです。