よろずよもやまよろずたび

地元の写真と日々の雑感、写真日記です.
最近は陶芸三昧の日々ですが・・・

スーパー・カンヌ

2011-01-13 | 


J・G・バラードのサスペンス小説 「スーパー・カンヌ 」
殺人事件を追って元パイロットの主人公が、欧州の管理されたビジネスパークを舞台に真相に迫っていくというもの・・・映画を観ているような感覚でとても面白い。 でも訳者あとがきにあるのですが 「著者の弁による本書の目的は 『資本主義がわれわれを幸福に保ちモノを買い続けさせるには、人間のなかに潜む暗い部分と結びつくしかない』 という警告を発すること」・・・とのことです。 また・・・狂気が生みだす暴力によってしか外面の正気を保てないというビジョンの説得力が不気味であるともいっています。 ということで、けっこう重い面もある話です。 
ところで、J・G・バラードといえば、30年ほど前に読んだ 「狂風世界」 「結晶世界」 などのSFで知ったのですが、これらの破滅に向かう世界を描いた作品と、どこか共通するものがあるような気がします・・・といっても いまでは読んだなぁという思い程度しか頭には残っていないのですが・・・ とにかく、久しぶりの小説に浸かり楽しかった。