桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

うさ伎も一周年

2011年12月15日 21時47分42秒 | 地域猫

 柏のほうから乗った常磐緩行線の電車が北小金駅に近づいて、スピードを落とし始めるあたり ― ほんの一瞬ですが、進行方向右手に猫の小春が棲息している香取神社、つづいて同じく猫のうさ伎(うさぎ)が棲息している梨畑が見えます。
 昨十五日、所用があって柏へ行って帰ってきました。十一月中旬並みの気温という暖かい日でした。そういう日だと、うさ伎が梨畑に寝そべっていることが多いので、今日もいるかしらんと電車の中から見ていると、果たしていつもいるあたりに、鮮やかな緑色の洋服を着た若き女性が坐り、その足許に黒と白の毛並みの小さきものがいるのが見えました。

 うさ伎は人懐っこい猫殿なので、去年、私が初めて出会ったときのように、通りかかったその若き女性に「ニャー」と呼びかけながら、覚束ない足取りで近寄って行ったのでしょう。
 走り去る電車の中から見えるのはほんの一秒ぐらい。まして私は乱視、であるのに、外を歩くときは眼鏡を用いない……そういう眼で見るのですから、本当のところは女性が「若き」だったのかどうかはわかりません。
 眼鏡なしの乱視であっても、男か女かはわかります。では、老いか若きかはどのようにして判別できるのかというと、先入観です。おばさんは忙しいので、猫とつきあっている暇なぞない、と踏んでいるからです。
 おぢさん(私です)は暇を持てあましているので、猫とつきあう時間はありますが、おぢさんと猫が仲良さそうにしていても絵になりません。しかし、若い女性であれば絵になります。



 その日の私は所用で柏に行っていたので、いつも鞄に入れている猫殿用の餌を持っていませんでした。
 一旦家に帰り、ドライキャットフードのカルカンとモンプチをミックスさせたおやつを持って梨畑に向かいました。電車で見かけたときから三十分近く経っていましたから、すでに「若き」女性は立ち去って、枯れ草の中にうさ伎が寝ていました。
 


 梨畑は真冬に備えて枝の剪定も終わっているので、陽光が降り注ぐ地面は暖かそうです。



 寝ているのを起こさぬように抜き足差し足で近づいて写真を撮ったあと、パンパンと両手を叩くと、ムックリと起き上がって、かすれた声で「ニャー」と鳴き、私に向かってポンポンと飛び跳ねるように走ってきます。



 この猫殿を初めて見たのは去年の十二月二十三日でした。
 そろそろ一周年です。
 首輪もしていないので、最初は野良の仔猫かと思いましたが、野良にしては随分人懐っこい。やがてすぐ近くに棲む老嬢の家で飼われているらしい、と知るようになりました。
 私がうさ伎と一緒にいると、近くに住んでいる小学校に上がる前らしき女の子がやってくることがあり、その子から聞いたのです。



 うさ伎が日向ぼっこをしている梨畑のすぐ横を、常磐線の電車が猛烈な風を巻き起こしながら走り去って行きます。今年の六月ごろまで、うさ伎は電車がくるたびに、近くに停めてある軽自動車の下に身を隠していました。



 金網の横にはレールを使った鉄柵が設けてあります。腰を下ろすのにちょうどよいので、キャットフードを置いたあと、私はここに腰を下ろして食事をするうさ伎を眺めています。
 食欲も旺盛になりました。



 私が鉄柵に腰を下ろすと、茅の輪くぐりをするように「8の字」を描きながら私の足許を廻っています。私が見下ろしているだけだと、ときおり私を見上げて「ニャー」と鳴きます。
 コミュニケーションをとりたいのだなと考えて、初めて抱き上げてみました。ところが、案に相違して嫌がるので、すぐ解放しましたが、抱き上げてみて、うさ伎は♀であったことがわかりました。



 去年もこの場所で菜の花が咲いているのを見ました。随分気の早い菜の花があるものだと思い、もしかすると菜の花に似ているが、菜の花ではないのかもしれぬと思ったものですが、気の早い菜の花なのではなく、苺の受粉のため、この時期に咲かせているのだとわかりました。



 付近には苺農家がたくさんあり、ハウスも林立しています。



 無患子(ムクロジ)の樹はほとんど裸になりかけています。



 富士川にはおびただしい真鴨の群れがやってくるようになりました。これだけ多くの鴨の胃袋を満たすだけの魚がこの小さな川にいるんだろうかと思いますが、やってくる以上はいるのでしょう。



 寒さはこれからが本番、と思うのに、白木蓮の樹はすでに春に向けて、猫柳そっくりな芽を育んでいます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桔梗を買いに行く② | トップ | 2011年冬至 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

地域猫」カテゴリの最新記事