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四生の盲者日記

妄想による愉快な国際時事ネタ解釈

3R

2006-12-05 20:38:55 | 環境

 最近ブログの傾向に対して、忸怩たる思いがある。
 主に中国情報を取り上げて書いているものの、どうも条件反射的な感想のみで終わっている気がしてならない。
 もともと作文のリハビリのつもりで始めたものの、書いているうちに、情報をもたらす人間社会そのものを、断片でもいいから理解してみたい、という大それた考えがなんとなく願望の形になってきている。分析力、文章力の不足はこれはどうしようもないとして。もっとこう、先入観なしに事象を眺める必要があると思った次第。
 ただ、一発一発の記事には一行レスしかつけようがないが、後からまとめてみると社会そのものが見えてくるといった事象もある。そのへんは自分の直感を信じるしかないと考える。

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世界の電子廃棄物7割流入 輸入物に監視届かず
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1205&f=business_1205_008.shtml

 ビジネスとしてのリサイクル、が中国では盛んだ。とはいえ全世界から日本でいう廃家電を買いあさり、銅、金、など高く売れるものだけを燃やしたり溶かしたりして取り出し、残りはその辺に捨てる原始的なもの。
 記事にかいてあるように水銀、カドミウムまで含有しているかは眉唾だが、大概の成分はその過程で環境に放出される。
 持続可能な意味でのリサイクルではない。
 分解して資源にするよりも、修理して使い続けた方がより環境には優しい。30年くらい前までは、町の電気屋にいくとおやじがドライバーでなにか分解していたものだった。
 人件費の安い海外に工場を作り出したあたりから、買換えの方が修理よりも安くなった。外資がより安い人件費を求め続けた結果、現在の中国の経済成長があり、廃家電による環境汚染があるのだから皮肉としかいいようがない。
 ちなみに廃家電リサイクル法が施行されている日本は、この問題とは基本的に無関係である。


化粧品SK-II販売再開、「心から愛用」との声も
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1205&f=business_1205_011.shtml

 追いかけ続けた事象。
>客は一様に「私たちはSK-IIを心から愛用しています」と話していた。

ちなみに1.5ヶ月前の中国におけるネット調査。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1026&f=business_1026_003.shtml
Q:SK-IIブランドの化粧品の販売が再開されたら、今後も購入するか?
今後も買い続ける:                         30.8%
もう買わない。別のブランドに代える: 33.3%
もともと使っていない:                     34.6%
どうするか検討中だ:                        1.3%

 3日に買いにきたのは、上の調査で「買い続ける」と答えた3割の人なのだろう。とはいえ、この調査もほぼ綺麗に3割づつ別れており信用できない。

 追いかけ続けた結果何が言えるか:
・中国のネット調査は信用できない
・質総研は基本的に品質を理解していない

以上


黒いラード

2006-12-04 20:13:56 | 環境

浙江省油脂工場 黒油の内幕
http://news.xinhuanet.com/fortune/2006-12/04/content_5430250.htm
浙江:ドブ油を「食用ラード」に加工、製品からは猛毒の農薬を検出
http://news.xinhuanet.com/health/2006-12/04/content_5429901.htm
山塞で廃油を食用油に加工、日産数トン
http://news.xinhuanet.com/society/2006-12/04/content_5430251.htm

 全て中文。ドブ油、廃油、黒油、皮革用油とにかく怪しげな原料から作られた「黒いラード」が出回っているそうだ。
 国内紙で、この手のセンセーショナルな報道は眉に唾をつけて読む必要がある、特に「猛毒」などという単語が出たら記者の脳内はあるパターンに陥っていると思って間違いない。なにしろ未だに『環境問題=公害問題』だと考えている人間もいるのだ。
 中国紙もSK2騒ぎを見た限り大して変わらない。まして直接口に入れるものだと、より扇情的なものとなる。「黒いラード」などのタイトルもテクニックの一つ。
 上記の三記事を読んだ限り、浙江省の工場で作られたラードからは六塩化ベンゼンとDDTがキロあたり0.027~0.088mg検出されたと書いてあるが、どっちの量なのかはっきりしない、もし合わせてこの量ならその意味がない。
 つまりこの記事は限りなくゴシップ記事に近いといえる。尚DDTを0.088ppm含有していたとしても健康に被害はない。

 記事の内容を読んでいると、加工工程が非常に不衛生で、加工材料も食用ではないものが使われており、記者はそれらの事に衝撃をうけているようだ。一番上の記事などに、画像が載っているが確かに汚い。このような工程であれば、確かに毒性以前に口にしたくない。
 ただし中国産の食品全てが上記のような衛生状態にある訳ではない。国民性は確かにああだが、それは現在の日本人が天然物にすら過敏になるほど過保護になりすぎたせいであって、筆者は、信用できる企業が品質を保証し、日本の税関を正規にとおって輸入された食品であれば、中国産でも問題はないだろうと考えている。
 大事なのは科学的な姿勢である。


蛇足

2006-12-03 18:27:39 | 雑感

来年日本は「国防部」を建設、防衛を突破口に「正常な国家」を目指す(中文)
http://news.xinhuanet.com/mil/2006-12/03/content_5425842.htm

 筆者としては防衛省昇格に関する中国の反応はクローズしたつもりだったのだが、今日になって環球時報の記事を新華網が転載したので取り上げないわけにはいかなくなった。
 表の顔である外交部は騒がないと会見したものの、依然裏の顔である新華社がどのように扱うかは注目していると面白い。その意味で、環球時報の半日記事の扱いは目安にもなり楽しい。

 この記事からは「私はこう考える」というのが見えてこない、一時期の恥じも外聞もない、教養を疑いたくなるような半日記事からしたら想像もつかない客観的報道ではある。それでいて、なんとなく防衛省への昇格は軍国日本復活と思わせぶりないやらしい文章。テクニックとしては、外国の記事、国内の識者、外国の世論、など「昇格→軍国」を差すものをふんだんに引用して印象を操作している。
 結局、この手の印象操作記事を堂々と新華社のネットで配信するのだから、中共としては日本の防衛省への昇格は面白からぬ内容なのだ。


 3回くらい読んでやっと分かった環球時報の評価が、また千両である。

「日本のこの変化は、必ずや世界の関心と警戒を引き起こさずにはいないだろう」

 どこかで見たセンテンスだ。
 丁寧に、先日筆者も取り上げた『朝日新聞社説』まで取り上げている。ダメ押しに、『朝日テレビの世論調査結果』から「45%の国民が不支持」とまで持ってきている。
 この問題に対する日本の報道として、「保守メディアは歓迎し、中道メディアは客観的に報道し、左派メディアは反対の態度をとった」と書いているのは、自爆だろうか?

 こういういくらでも言い逃れできる内容の記事とこのタイミングで出しておけば、この先中国国外のマスコミが「アジアは防衛省昇格に反発」ネガティブキャンペーンを展開するネタになる。ほっておいても腐りはしない、なかなか賢い情報戦術といえる。
 某国内の左派メディアがこの記事を金科玉条にしたら、筆者はもう笑うしかない。


防衛省3 -クローズ-

2006-12-02 18:48:47 | 雑感

 特に思い当たる変化点もなしに、ここ数週間、地道にアクセス数が増えております。基本的に、自分が書きたいと感じた内容をそのまま書き連ねているだけです。
 ですので、読者は比較的意識しておりませんが、アクセスがあればモチベーションが多少は上がるのもまた事実。このような駄文にお付き合いいただき、ありがたいと思っております。

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 中国のこの問題に対する態度は昨日の記者会見の通りである。今日の記事から若干補足しておく。
 筆者の見た限り、今朝までにこの問題に関する新華網の記事は下だけ。

昇格の後日本は出格する?
http://news.xinhuanet.com/world/2006-12/01/content_5416567.htm

「出格」は日本語だと破格と同じ語意。中国語だとやや悪い語意にも使われこの場合は「昇格後日本は道を外れる?」くらいのニュアンス。クエスチョンマークをつけて逃げ道を残したタイトルに、「防衛省昇格の後は、自衛軍だ、次は憲法改正だ」で結ばれる、頭と尻尾だけは定型的な記事。
 とはいえ、靖国参拝、「面倒太郎」と外相を駄洒落で揶揄する、専用のバナーまで用意して粘着していた一時期に比べたら、中共の日本に対する姿勢が変わったのは明らか、というかあからさま。
 その上、1個しかない記事の中身も、本文が「今回の日本防衛省への昇格は、中日関係と東アジア地区の情勢に直接の影響を与える事はありえない。」で始まっているので何をかいわんや。

 これが国際政治というもの、国家間に信用はあっても信頼などはない。
 近隣諸国がどうあれ、国民の基本的人権を守る為に、日本は日本として国力を養い、仕組みを情勢の変化に合わせいけばよい。省庁だろうが、軍隊だろうが、憲法だろうが、結局は体制の構成員の基本的人権を保護する為の手段に過ぎない。


民族標準

2006-12-01 20:17:08 | 雑感

『続報』(11/1)の続報。

《知財》EVD普及に本腰、DVD生産08年停止へ[家電](NNA)
http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/freetop/top/free_cny_daily.html
EVD:08年にDVD機生産終了、海賊版対策も万全【情報局】
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1130&f=it_1130_005.shtml
中国再来年にDVD機器生産を全面停止(新華網、中文)
http://news3.xinhuanet.com/fortune/2006-11/30/content_5411361.htm

 EVD(中国国家標準の次世代映像ディスク規格)産業連盟の加盟企業40社は08年にDVD製造を停止する、との発表。以後はDVDプレーヤーとほぼ同価格でEVDプレーヤーを製造するそうだ。
 海賊版対策に「有料の高精細度コピーサービス」を目玉にしているが、逆に違法コピーが蔓延するだけだと思う。有史以来書き写してきたかの地域の住民においては「知的財産権」という概念はなかなか理解しにくいものなのだ。EVD規格そのものも、単にMPEGのロイヤリティ逃れの苦肉の策に過ぎない。


防衛省2

防衛「省」法案 参院では丁寧な審議を 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/index.asp?syasetsuNo=294
疑問と懸念がまだ残る 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/sha/index.shtml
防衛庁が「省」へ・「文民統制」に不安が残る
http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-11.html

 このニュースをとりあげてた各紙の社説を載せてみた。どれも昨日の朝日新聞社説同様なにを言いたいのかよく分からない、なんとなく「自衛隊が嫌い」なのは分かった。
 細かいところを見ると、上記3社説のうち2つまでが「外国の目」を不安の理由にあげている。この動きは省庁再編という国内の動きに他ならず、外国がどうこう言える性質のものではない。例えば「防衛」を「環境」におきかえてみればよくわかるだろう。

 へたにコメントすると内政干渉になる事を理解したらしく、微妙な時期もあいまって中共はこの再編については直接コメントしていない。

平和路線の堅持が日本の根本的利益に 外交部
http://j.people.com.cn/2006/12/01/jp20061201_65505.html

  外交部の定例会見で11月30日、姜瑜報道官が質問に答えた。

  ――このほど日本の国会は、防衛庁の省昇格法案を可決した。これに対する中国側の立場は?国防部長の来年の訪日に影響はあるか?

  中日双方の共同努力の下、両国関係は新たな局面を呈している。中日関係の発展は重要な時期に置かれている。双方が共に努力し、関係改善の流れを保ち、各分野での交流と協力を促すことを希望する。われわれは、日本が平和発展の方向を堅持することが、日本自身の根本的利益に合致し、地域の平和・安定・発展にプラスであると考えている。(編集NA)

 昨日の雑感で述べたとおり、筆者は社会生活、日常生活においてこの手のはっきりしないもの言いをする人間は詐欺師か脅迫者だと思っている。そんな思いをしてまで中国観察などしなければいいと自分でも思うのだが、詐欺師的発言の裏を邪推し揚げ足をとったつもりになるのはなかなか痛快である。

上記発言の要点:
中国側の立場:各分野での交流と協力を促すことを希望

に他ならない。である以上、直接回答はしていないが国防部長は訪日するであろう。もっともここで訪日しなかったりしても、筆者としては妄想のネタができて嬉しい。
 
 更に私見として「われわれは」以降の文言が、立派に内政干渉だと思うが突っ込みはやめておく。