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蛇足

来年日本は「国防部」を建設、防衛を突破口に「正常な国家」を目指す(中文)
http://news.xinhuanet.com/mil/2006-12/03/content_5425842.htm

 筆者としては防衛省昇格に関する中国の反応はクローズしたつもりだったのだが、今日になって環球時報の記事を新華網が転載したので取り上げないわけにはいかなくなった。
 表の顔である外交部は騒がないと会見したものの、依然裏の顔である新華社がどのように扱うかは注目していると面白い。その意味で、環球時報の半日記事の扱いは目安にもなり楽しい。

 この記事からは「私はこう考える」というのが見えてこない、一時期の恥じも外聞もない、教養を疑いたくなるような半日記事からしたら想像もつかない客観的報道ではある。それでいて、なんとなく防衛省への昇格は軍国日本復活と思わせぶりないやらしい文章。テクニックとしては、外国の記事、国内の識者、外国の世論、など「昇格→軍国」を差すものをふんだんに引用して印象を操作している。
 結局、この手の印象操作記事を堂々と新華社のネットで配信するのだから、中共としては日本の防衛省への昇格は面白からぬ内容なのだ。


 3回くらい読んでやっと分かった環球時報の評価が、また千両である。

「日本のこの変化は、必ずや世界の関心と警戒を引き起こさずにはいないだろう」

 どこかで見たセンテンスだ。
 丁寧に、先日筆者も取り上げた『朝日新聞社説』まで取り上げている。ダメ押しに、『朝日テレビの世論調査結果』から「45%の国民が不支持」とまで持ってきている。
 この問題に対する日本の報道として、「保守メディアは歓迎し、中道メディアは客観的に報道し、左派メディアは反対の態度をとった」と書いているのは、自爆だろうか?

 こういういくらでも言い逃れできる内容の記事とこのタイミングで出しておけば、この先中国国外のマスコミが「アジアは防衛省昇格に反発」ネガティブキャンペーンを展開するネタになる。ほっておいても腐りはしない、なかなか賢い情報戦術といえる。
 某国内の左派メディアがこの記事を金科玉条にしたら、筆者はもう笑うしかない。

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