敗戦の日には必ず社説を書く四大紙も、今日は産経新聞を除いてコラムにも取り上げない。そのあたり、敗戦にのみ話題と注意が集中し開戦がなおざりにされている方が筆者には恐ろしく思える。
戦争はよくないとのみ語り、なぜ開戦したのか、を科学的に突き詰めようとしているようには思えないからだ。
そんな風潮のなか、自分も当事者である事実をあたかもなかった事にしたような朝日新聞の記事。
老兵、最後の真珠湾 65年後のシンポ
http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200612070406.html
筆者の考え:
どう考えても帝国陸海軍は(自衛隊もそうだが)外征可能な装備でも編成でもない。そんな戦力を敵に潰してもらう為だけに外に出すような真似はすべきではない。
ではなぜ開戦したのか?国民がそれを望んだからに他ならない。
重要なのは国民が事実を認識する事である。したがって「核を持ったときの影響は、戦争になったらどんな被害があるのか。戦争体験がない人間の議論を心配している。 」といった、結果的に国民を事実から遠ざけようとするような論調には明確に反対する。まして、半世紀以上前に開戦を煽った新聞社である、読む前から警戒の目で見られている事を肝に銘じてもらいたいものだ。
赤紙を配るのは論外、自分達の責任を当時の体制に転嫁しようとしているとか思えない。この手の人間は次に戦争が始まった時には、真っ先に他人を戦場に送り出す手合いであろう。
感傷記事はこの位にして。
6日読売
EEZ管理など海洋政策一元化へ担当相…与党基本法案
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061206it01.htm
上の感傷記事を見ても分かるとおり、日本は地政学的に海洋国家でしかありえない。それでいながらこれまで海洋に関する行政は縦割りだった上、国の役割そのものもはっきりさせていなかった。
さすがにそれではまずくなってきたようだと、おっとり刀でしくみを作り始めた、という記事。
ここ十数年海洋に目を向けつつある大陸国家が早速取り上げている。
日本、総合的海洋政策法案提出、海洋戦略の見直し強化 (中国青年報 2006.12.08 06:59 CST)
http://news.xinhuanet.com/world/2006-12/08/content_5452870.htm
新海洋政策は日本の利益の核心を反映するものだ (中国青年報 2006.12.08 07:01 CST)
http://news.xinhuanet.com/world/2006-12/08/content_5452874.htm
上の記事は東京電、下の記事は北京電。同じ中国青年報で別の都市の記者が入れた同じ事象の記事を2分差で配信する程関心が高い。
上の記事は、読売の記事を引用し事実関係を伝えるもの、下は社会科学院の研究者の証言を引いて、この事象を解説している。
解説の内容は、一部立場の違いによると思われる考えすぎの面もあるものの、おおむね冷静なもの。日本にしてみれば手強い相手ではある。
逆に道理が通じるので、訳の分からない相手よりは天と地ほどの差があるといえる。