時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

逆上がりができない子供たち

2006年11月08日 | 教育
鉄棒の逆上がりができない子供が増えているという記事に接した。
埼玉県教育委員会の調査結果では、平成17年度に県内の小学4~6年生を対象に逆上がりの成就率を調査したところ、小6で男子、女子ともに71%であったということである。約20年前の昭和59年度は、男子で91%、女子で93%だったとのことである。20年前と比べて逆上がりができない子供の割合が20%ほど増えている。
全般的に子供の体力が落ちているのがその一因であろう。動く歩道、エスカレーターやエレベーターなどの便利な生活によって基礎体力が失われたのではという意見もあるという。その通りであろう。
子供の遊びも、10年前、20年前とはまったく異なる。
こどもがのびのびと遊べる場所も少なくなり、木登りなどをしようものなら、危ないからと止められる。今では、コンビニの前や公園の片隅に子供たちが集まって、カードゲームやポータブルゲームに夢中になるようなご時世である。親から「外で遊びなさい」と言われるのだろうが、何も外でたむろして、ゲームで遊ぶことはないではないか。
また、学校の対応にも変化があるようだ。かつて、逆上がりは「学習指導要領」に明記され、「すべての子供に指導されなければならない」ものだったそうだが、現在は各学校の判断に委ねられているそうだ。その理由は、「逆上がりには腕力が必要で、体が重い子供ほど体を持ち上げるのが難しく、全員ができるようになるのは難しいため」だそうだ。全員が必ずできることだけを教えるのが教育なのだろうか。できることもあればできないこともある、得手不得手があるが、励ましあってできるように努力することが大切なのだ。
いま、教育基本法の「改正」が国会で論議されているが、愛国心を植えつけるような法改正に無駄な時間を使うのではなく、子供たちに本当に必要な苦労や努力をさせることが大切なのではなかろうか。
私が子供の頃には、逆上がりや縄跳びの二重とび、そして自転車に乗れた時などは、子供なりに苦労はしたけれど、頑張って良かったという満足感、達成感を抱いたものだった。
生活様式が変化したいま、現代の子供たちはどんなことに満足感や達成感を感じているのだろうか?
「ゲームが最後までクリアできた時」などという答えでないことを祈るばかりである。


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