時々新聞社

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日の丸・君が代訴訟:再雇用拒否は違法で、都に2700万円賠償命令

2008年02月09日 | 教育
卒業式などで日の丸に向かった起立と君が代斉唱を拒否し、職務命令違反で処分されたことを理由に、東京都教育委員会が再雇用を拒否したのは違憲として、都立高校の元教職員13人が都に1人約559万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。
「都教委は職務命令違反を過大視し、ほかの事情を考慮した形跡がなく、裁量を逸脱している」と述べ、総額約2700万円の支払いを命じた。
画期的な判決である。
そもそも、「日の丸」、「君が代」をそれぞれ国旗、国歌と制定した際の政府の国会答弁でも、「教育現場などにおいて強制しない」ことを言明している。
にもかかわらず、実際の現場では職務命令という形で、教職員に強制が行われ、今回のケースのように雇用そのものを拒否されるケースもある。これは、この法律の制定時の政府見解そのものを覆すものであり、思想・信条の自由を侵害する行為である。
もっとも政府の国会答弁などは、あくまでも詭弁で、いったん決めてしまえば、あとは現場で徐々に強制していけば、国民は知らず知らずのうちに、そのことに違和感を持たなくなるという作戦にほかならないわけだが・・・。事なかれ主義で過ごすうちに、後戻りできない状態に陥ったのが、悲惨な戦争に突入していった戦前の教訓にほかならない。
こういう流れに対して、訴訟を提起した元教員の生き方は、日本人としての良識を示した行為であり、絶賛されるべきである。
判決では、職務命令については「憲法で定めた思想、良心の自由を侵害しない」と述べ、合憲と判断したという弱点があるが、全体とすれば、画期的な判決であり、都は控訴を断念し、この判決に直ちに従うべきであることを強調しておきたい。


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