時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

需給ギャップは20兆円

2009年02月25日 | 経済問題
内閣府が、経済財政諮問会議に提出した推計によると、日本経済の需要不足・供給過剰を示す需給ギャップのマイナス幅は、昨年10-12月期に4.3%となったという。
この数字は、金額にして、年間で約20兆円の需要不足を意味する。
需要がないのはそれほど問題なのだろうか。
確かに、現在のように、富がごく一部の大企業や資産家の懐に溜め込まれて流通せず、多くの国民は金欠病に苦しんでいるために、消費が低迷しているという事態は憂慮すべき事態であり、早々に解決しなければならない。このことについては、今日は触れない。
以前に、我々の便利すぎる暮らしを見直すべきだという趣旨の記事を書いたが、現在は、多くの国民が、特に必要もないものに囲まれて暮らしているように思われる。
押入れや戸棚には、もう何年も使っていない健康器具、食器、衣類が詰め込まれている。
それどころか、普段使用している食器棚や箪笥にさえ、何年も使っていない食器や衣類が詰め込まれているではないか。
部屋中に不要な物が溢れているような暮らしを見直し、本当に必要なもの、日本で作られた安全な食品、充実した医療や介護、行き届いた教育、就職不安の解消、安心して働ける職場、エネルギーの無駄のない社会等々のために努力すべきではなかろうか。
「消費は美徳」などといわれ、日本人はアメリカのマネをして、大量生産、大量消費社会を実現するために邁進してきた。歴代の自民党内閣も「所得倍増計画」、「日本列島改造論」などで、国民に大量生産、大量消費を鼓舞してきた。
そのツケが、我々の暮らしの中に不要なものを溢れさせ、最終的には、環境破壊などになって、国民に大きくのしかかっているのが現在の日本の現状である。
供給が過剰ならば、別の分野、本当に国民が必要とする分野の供給を伸ばさないと、我々は生き残れない。
供給を伸ばすべきは、工業製品ではなく、農林水産業や医療、福祉、教育などであろう。ここに、人的資源や予算をつぎ込み、供給を増やすべきであり、ここにこそ国民の需要はふんだんに存在していると思われる。

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