時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

地価下落

2009年10月07日 | 経済問題
バブル崩壊後に地価は下落傾向を続けてきたが、その後、都心部や開発が進んだ特定の地域では再び上昇を示してきた。ところが、リーマンショック後、再び下落傾向が明確になった。
さて、先日新聞記事を見ていたら、「政策の後押しで、地価下落に歯止めをかけよ」という記事が掲載されていた。
本当にそうなのだろうか?
今の地価では、普通のサラリーマンでは、都心に一戸建てを買うことはまず不可能だろう。そういう意味では、地価はまだまだ高すぎる。
そもそも地価が高くて、庶民は何か得をすることがあるのだろうか?
土地・家屋を持っている人にとっては、確かに「資産価値」が上がることになり、いざという時に売却すれば、心強いことは間違いないが、自分が住んで生活している限り、高い固定資産税を払わなければならないだけであり、何のメリットもない。資産デフレによって、消費者の心理を冷え込ませるとの意見もあるが、それはあくまでも「心理的」なものであり、地価が下がっている時には、固定資産税は確実に安くなっており、実質上はメリットは大きい。
また、土地を持っていない庶民にとっては、地価が高いことは、住宅取得の夢が遠のくということであり、地価の上昇は何のメリットもなく、地価下落は望むところである。
地価が上がって喜ぶのは、自宅以外にも土地を所有している人たちだけではなかろうか。こういう人たちは、それこそ、値上がりすれば売り、値下がりすれば買い戻せば良いのであり、いわゆる土地ころがしで多少は儲けることもできるだろう。しかし、不要な土地を持っていることにより、やはり、固定資産税はバカにならないし、売却時の税金も半端な金額ではない。また、地価が安いほど、相続税も安くなる。
新しく事業を起こそうと思っている人たちが、土地やビルを借りようとする場合、地価が安いほど地代や家賃は安くなり、新しい事業者が育つことになる。
このように考えると、地価の上昇というのはほとんどメリットがない。
むしろ、地価が安ければ安いほど、メリットが大きく、土地取引は活発になるだろう。もっとも、取引が活発になると、地価は上昇するのだが、・・・。
土地が動かない、土地が売れないということは、現時点では、まだまだ土地は高すぎるということである。
もっともっと下落しなければ、土地の流動性はなくなってしまうだろう。
そもそも、これからは日本の人口はどんどん減っていき、年収が200万円に満たない人が1000万人を超えているような時代である。非正規労働者が、3分の1を占める時代である。こんな状態でいったい誰が、こんな高い土地を買えるだろうか。
適正な価格への地価下落こそ、日本の経済と国民生活にとってプラスになると確信している。

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