厚生労働省が発表した6月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、現金給与総額(平均賃金)は前年同月比7.1%減の43万620円で、マイナス幅は過去最悪になった。6月は多くの企業で賞与の支給月に当たり、不況で賞与の削減が進んでいることを裏付けた形だ。
賞与をめぐっては夏と冬の支給額を春に一括して決定する企業が多く、昨年9月の「リーマン・ショック」で本格化する業績悪化の影響は昨冬に反映されず、今夏から表面化することになる。
現金給与総額の減少は13カ月連続。内訳は賞与など「特別に支払われた給与」が14.5%減の16万7044円、残業代など所定外給与が17.7%減の1万5725円。これに対し、所定内給与は0.5%減の24万7851円だったという。
惨憺たる有様である。
価格が上昇している物もあるが、全体としては、デフレが進行し、物価は低下している。したがって、同じ貨幣額で、以前よりたくさんの買い物ができるようになっており、貨幣価値は増大している。だから、多少の賃金の低下は許せるとしても、これだけ低下すると、家計を支えようがない。現在の事態はそれほど深刻だ。
一方、大手企業も軒並み赤字決算だったが、多くの企業は内部留保を取り崩してまで、しっかりと株主に配当を行っている。
この発想はどこからくるのだろうか?
昔なら、従業員の生活を守るということが大切にされたものだが、最近は、株主の利益を優先する発想が広がってきたのだろうか。
しかし、株主といっても、実際に多数の株を握っているのは、銀行、証券、保険などの金融機関であり、個人株主で大きな比率を占めるのは、創業者とその一族などごく一部の株主である。結局、創業者などは、赤字であろうが何であろうが、濡れ手に粟で、数億、数10億という所得を手に入れるわけである。
一般庶民の給与収入が減ったという情報を発表するのなら、儲けている人間の存在についても、しっかり発表すべきであろう。
賞与をめぐっては夏と冬の支給額を春に一括して決定する企業が多く、昨年9月の「リーマン・ショック」で本格化する業績悪化の影響は昨冬に反映されず、今夏から表面化することになる。
現金給与総額の減少は13カ月連続。内訳は賞与など「特別に支払われた給与」が14.5%減の16万7044円、残業代など所定外給与が17.7%減の1万5725円。これに対し、所定内給与は0.5%減の24万7851円だったという。
惨憺たる有様である。
価格が上昇している物もあるが、全体としては、デフレが進行し、物価は低下している。したがって、同じ貨幣額で、以前よりたくさんの買い物ができるようになっており、貨幣価値は増大している。だから、多少の賃金の低下は許せるとしても、これだけ低下すると、家計を支えようがない。現在の事態はそれほど深刻だ。
一方、大手企業も軒並み赤字決算だったが、多くの企業は内部留保を取り崩してまで、しっかりと株主に配当を行っている。
この発想はどこからくるのだろうか?
昔なら、従業員の生活を守るということが大切にされたものだが、最近は、株主の利益を優先する発想が広がってきたのだろうか。
しかし、株主といっても、実際に多数の株を握っているのは、銀行、証券、保険などの金融機関であり、個人株主で大きな比率を占めるのは、創業者とその一族などごく一部の株主である。結局、創業者などは、赤字であろうが何であろうが、濡れ手に粟で、数億、数10億という所得を手に入れるわけである。
一般庶民の給与収入が減ったという情報を発表するのなら、儲けている人間の存在についても、しっかり発表すべきであろう。