時々新聞社

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経済財政白書で、失業「予備軍」は607万人?

2009年07月27日 | 経済問題
日本企業が実際の生産に見合った水準を超えて抱えている「過剰雇用者」の数が2009年1~3月期に過去最多の607万人に達したとの政府推計が発表された。
林経済財政相が同日の閣議に提出した2009年度年次経済財政報告(経済財政白書)で示された。
白書によると、過剰雇用者数は、金融機関の大型破綻が相次いだ後の1999年1~3月期(359万人)をピークに減少傾向にあったが、昨秋以降の急激な景気後退に伴う生産縮小で、最近になって急増したとしている。
政府は、ついこの間まで、少子高齢化で労働人口が減少に転じるので、移民を促進して労働力を確保しなければならないと主張していたではないか。それが一転して、過剰雇用になっているとはどういうことだろうか。少子高齢化には、歯止めがかかったとでも言うのだろうか?しかも、職場では相変わらず、残業時間も多く、人手不足の職場はたくさんある。
要するに、人手が余っていますよということを国民に強引に理解させることによって、企業によるリストラもやむを得ないという「偽りの世論」、「風潮」を作りだすためのものでしかない。財界が泣いて喜びそうな白書になっている。
各企業は、大量の非正規雇用者との契約を打ち切ってきたが、今後は、正規雇用者の解雇に踏み出すための口実を、政府が国民に「洗脳」を始めたということだ。けっしてこういう宣伝にけっして騙されてはいけない。
また、白書では、個人消費の主役となるはずの30~40歳代で貯蓄率が上昇傾向にあり内需を下押ししている可能性を指摘している。当たり前である。雇用や社会保障制度に対する不安があり、しかも、600万人もの過剰労働者が存在すると言われて、誰が消費を拡大しようとするだろうか?頭がおかしいとしか言いようがない。
企業業績がどうなっているか?企業業績を回復させるために何が必要か?
このように、企業業績にのみ焦点を当てて、対策を取ろうとするところに、政府の経済対策の最大の弱点がある。
経済に対する評価は、国民生活に視点を当てて、これを打開するために何が必要かを明らかにする必要があると思われる。

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