時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

これからの私たちの暮らし

2007年08月14日 | 経済問題
朝日のネットニュースの中に「どらく(Do楽)」というコーナーがあり、ここで、茉奈・佳奈を聞き手に、森永卓郎と和泉昭子が応える形の対談「これからの日本と私たちのくらし」が連載されている。
この中で、森永氏は「GDPはこの5年間で約22兆円増えましたが、サラリーマンなどに支払われた報酬は約5兆円減りました。では、だれが豊かになったのかというと、企業の株主とか役員なんですね。企業が支払った配当金はだいたい3倍に、役員報酬も一人当たりで見るとほぼ倍増しているんです。私はずっと小泉政権時代の「構造改革」を、富める者をますます富ませ、普通の人、貧しい人たちの暮らしはどんどん苦しくさせていく改革だと主張してきましたが、まさに今その状況に近づいたのだといえます。」と指摘している。
この分析に編集長は全面的に賛成である。
これに対して、和泉氏が、「しかも公的年金制度や公的医療保険制度が揺らいでいますから、私たちの生活は自分で守るという意識を持って対応していかないと、大変なことになりかねません。 」と述べているが、こういう考え方は少々浅はかだろう。
日本の政治や経済の現状、本来あるべき姿などは、国民1人1人がよく考えて、行動しなければならないのは当然だ。こういう動きの早い時代には、今まで以上に国民は勉強しなければならない。しかし、「構造改革」によって、国民への負担が増えているのだから、この「構造改革」をやめさせ、本当の意味で国民の生活が豊かになるような方向での「真の改革」を政治に求めていかなければならないのではなかろうか。それをそのままにして、個人の努力を促すというやり方は、政府が言ってきた「自己責任論」以外の何物でもない。
自公政府が行ってきた「改革」に多くの国民が騙され、熱狂し、民主党までもその「改革」の数値目標を競い合ってきたわけだが、その結果が格差の拡大や絶対的な貧困の広がりである。
大学教授、経済評論家など、マスコミにも登場し、社会的にも影響力のある人たちは、この点を大いにアピールして欲しいと思っている。
さて、この対談には、続いて以下のようなコメントが記載されていた。
森永「そうなんです。現在も、私たちの老後生活をぶっ壊す改革が進行中ですからね。例えば、公的年金。今年4月26日に厚生労働省が発表した「生年度別に見た年金受給後の厚生年金の標準的な年金額の見通し」によると、どの年齢層でも年金をもらい始める65歳の時点では、現役世代の手取り収入の50%以上が受け取れます。ですが、その後すぐに50%を切ってしまうんです。OECDでは、所得分布の中央値の半分以下しかない者を貧困と規定しています。老後になって公的年金が主な収入源という世帯は、非常に苦しい生活を強いられてしまうわけです。」
和泉「公的医療保険も、どんどん自己負担が増えています。例えばこの20年近くの間に、高齢者の定義が70歳から75歳以上へと変わり、その窓口自己負担割合も増える一方。入院時の食費負担額などもアップしています。」
森永「年金は減るし、医療費の自己負担は増えるし、踏んだり蹴ったりですよ。」
こういう意見は、国民の気持ちにピッタリではなかろうか。
政府、与党の進める「構造改革」路線に反対する世論が大いに盛り上がることを期待している。ところで、この記事であるが、対談はこのあと、投資信託やFX取引などのいわゆる「貯蓄から投資へ」という政府の宣伝のような対談記事が続くのが残念である。


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1 コメント

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森永氏には警戒した方がいいですよ (そまん)
2007-08-14 20:56:06
この森永卓郎という人物の言う事を信じてはいけませんよ。私は彼がどんな偉そうな、もっともらしい事を言っても一切信用しないことにしています。
彼の今までも経歴を見れば、彼が結局は現在の日本の体制側の工作員だということが良くわかりますから。
彼はJTなどという横文字で巧みにその本質を隠そうとしている「日本たばこ産業」の出身者です。自らの利潤の追求のためだけに、国民を騙して猛毒の薬物を売りまくり、毎年十数万もの人間を殺している、悪質な「麻薬マフィア」の一員だった男です。そして、今でもその過去を反省もしようとせず正当化している人物です。そんな人物がもっともらしいことを並べ立てても、悪い冗談としか思えません。日本にはこういう良心のかけらもない人間が多すぎます。こうした人間をチヤホヤする体質を変えないと、この国はいつまで経ってもまともな文明国にさえなれないと思うのですが。
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