時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

環境に関する話題、2題

2007年08月30日 | 環境・食料問題
今日は、環境に関する話題を2つお届けしよう。

<よびがえれ、東京湾>
カキを使った東京湾の水質浄化実験が港区台場のお台場海浜公園で始まったことがニュースで報じられていた。
植物プランクトンを食べるカキは、1個で1日に400リットルの海水を浄化する能力があり、この日は夏休み中の子供が、砂浜近くに浮かべたイカダに、約200個をくくりつけた。最終的には4万個が海中につるされる予定で、都港湾局は「子供が安心して遊べるきれいな水辺にしたい」と意気込んでいる。
自然の浄化力を借りて、東京湾の水質を改善する試みは興味深く、意義のあることである。今後の成り行きを注目したい。
しかし、東京湾には関東一円の生活排水が流れ込むため、リンや窒素の濃度が高く、人工の砂浜海岸が続くお台場海浜公園でも、海水浴が禁止されている。
要するに、東京湾は関東一円の生活廃水の最後の溜まり場になっており、土壇場で何とかしようとしても自ずと限界があるのではなかろうか。
海底に積もったヘドロの処理はもちろんのこと、利根川、多摩川の上流地域での下水道を計画的に整備し、東京湾に流れ込む水そのものを浄化しなければ、目標の達成は覚束ないであろう。

<尾瀬国立公園が誕生>
日光国立公園から分離のうえ、新たに会津駒ヶ岳などが編入され、広さが約3万7200ヘクタールの尾瀬国立公園が誕生した。新たな国立公園の設置は、釧路湿原以来20年ぶりで29番目になるという。
国立公園に制定されると、何か特別なことがあるのだろうか。
たとえば、この地域内や周辺何10キロの範囲では、焼却場や廃棄物の処理場、原子力発電所、各種の工場を建設してはいけないとか、ゴミを捨てた者は厳罰に処するとか、環境に特別配慮した規則などが適用されるのだろうか。
日本には、国立公園の他、国定公園が37ヵ所存在する。これ以外にも都道府県が制定した自然公園なども無数にあるだろう。また最近は、世界遺産に指定された地域もある。
要するに、こういう公園に指定しても、その地域を含む周辺地域の環境保護対策が十分に行われてきたかどうかが最大の問題である。
指定するからには、国からも十分な予算を配分し、これらの地域の環境保全などに役立てられるようにすべきであろう。指定して終わり、にならないよう、国や都道府県の対応を期待したいと思っている。
さらには、こういう指定がなくとも、日本のいたる所で自然に親しめるような環境が整備されることを願ってやまない。