時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

参議院選挙:自民党現職による安倍批判

2007年07月18日 | 政治問題
参院選の高知選挙区(改選数1)で3選をめざす自民党現職の候補が、高知市内で開いた演説会で、安倍首相が掲げるスローガン「美しい国」について「意味がよく分からない。高知は明日の飯をどうやって食うかという追いつめられた状況にある。絵に描いた『美しい国、日本』で応援に来られて適当なことばかり言われたら、馬鹿にされたような気がする」と痛烈に批判したと報じられている。
この候補は、「美しい国って何でしょう」と前置きしながら、「(首相が)私の選挙を心配するなら銭を持ってきてほしい。南海地震対策を政府の責任で5000億円ぐらいやったら、高知は地震や台風に耐えられる県になる」と訴えた後、首相のスローガンを批判し、「そういう思いを誰かが言わないといけない」と語ったという。
安倍首相のいう「美しい国」に内容がないために、自民党の現職議員からさえも見放されているということだ。首相の言う「美しい国」には実はルーツがある。右翼改憲団体「日本会議」のホームページをみると、その発足の動機として、「美しい日本」を建設するということを明確に宣言している。「戦後レジームからの脱却」という言葉も、言葉を変えれば、戦後の民主主義を総否定し、戦前のような国づくりを行うということであり、日本会議の掲げる目標と一致している。このような国づくりに、自党の候補者からも批判が出ているということであり、至極、当たり前のことである。
地方の県がどこでも抱えているように、高知県も失業率は高く、これといった産業があるわけではない。山林や河川など豊富な自然に恵まれながらも、なかなか産業を誘致できず、観光客を十分に招致できない。これは、多くの地方が抱えている悩みである。
電気、ガス、上下水道などは、大都市でも地方でもそれほど費用は変わらない。したがって、人口当たりの費用は、地方では大幅に増えるのは明瞭である。道路整備なども同様である。
したがって、地方に十分な予算を配分することは、国として当たり前のことである。
しかし、この現職候補が言うように、お金さえあればよいというわけではない。従来のように、利用者が見込めない空港、高速道路や大型港湾建設などの大型開発ではなく、防災や自然環境保護などに十分に配慮した開発などを通じて、地場産業の育成にも配慮した使い方が必要ではなかろうか。