時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

日雇い派遣労働者からのピンハネ

2007年05月27日 | 格差社会
携帯電話やメールで短期の仕事を紹介する「日雇い派遣」業界で、派遣会社が保険料などの名目で派遣1回あたり200~250円程度を給料から天引きする制度に対し、派遣労働者が天引き分の返還請求を始めた。
この金額の支払いは「任意」とのことだが、実際は十分な説明もされないまま、給与から差し引かれている。
業界大手2社は制度を廃止したが、労働者側は任意との十分な説明がなく使途も不透明だとして、過去に支払った分の返還を求める。徴収総額は大手で年間10億円規模に達し、返還請求の行方によっては業界の収益構造を揺るがす可能性もあるという。
日雇い派遣業界では、派遣会社が「データ装備費」や「業務管理費」などの名称で給料から天引きをしてきた。月に20日間働けば年間で5万~6万円程度になる。1日に3万人近くを派遣する大手のグッドウィル(港区)では、年間徴収額が約15億円に上るという。
派遣会社は、労働者が派遣先で物を壊した場合などの損害をまかなう保険料や、労働者の個人情報管理、装備品代などにあてたとしているが・・・。支払いは任意だと説明し、労働者も納得しているという。
しかし、労働組合などによると、スタッフ登録の際に「保険料として引くことになっている」などと言うだけで任意との十分な説明はなく、使途の内訳や保険の内容を明記した文書も交付されない。
ただでさえ、低賃金で働く日雇い労働者から正規の紹介料などとは別に、ピンハネしていたというのだから、いかにもあくどい商売ではないか。
労働組合が取り上げたところ、突然歯切れが悪くなり、とうとうこの天引きのシステムそのものを廃止したところを見ると、到底まともに説明できないお金であったことが想像できる。
これからの労働組合と派遣労働者の奮闘を期待し、応援したい。