時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

危ない遊園地の遊具

2007年05月07日 | 社会問題
大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」でジェットコースター脱線死傷事故が起きたが、大変驚いたのは、この事故をきっかけに、他の遊園地などがジェットコースターなどの遊具を一斉に点検、整備し始めたことだ。
よその遊園地での事故を見て、慌てて点検を始めるというのはどういうことだろうか。行政から指導があったのかもしれないが、「私の所は十分に点検していますので、安全性にはまったく問題ありません!」と胸を張って営業を続ける遊園地はなかったのだろうか。
要するに、どこの遊園地でもおざなりの管理しかしていなかったという証明ではないか。また、検査の結果、不具合が見つかり、こっそり修理した遊園地も存在するかもしれない。
そもそも、時速75キロというスピードで1キロにわたって繰り返し運転すれば、車軸は加熱、冷却を繰り返すため、回転部の磨耗や損傷が起きるのは当たり前である。それを15年間にわたって、部品の交換さえ行っていなかったというのは杜撰としか言いようがない。
メリーゴーランドのように、動きが緩やかなものでも、主に乗るのは子供であり、それなりの高さもあるので、もし軸が折れたりすれば大惨事になるのは明らかである。
編集長宅の時速4キロで走行するミニSLでさえ、数回の運転でネジが緩んだり、車体のあちこちに不具合を生じたりするのだ。
ましてや、高速で運転される機械の安全性は、鉄道などと同様の厳しい検査が求められるのは当然ではないか。
エキスポランド側は、「法的な責任はない」などと主張しているようだが、このような遊具について、いちいち法律の中に、「車軸は何年に1度は取り替えなくてはならない」などと規定しているわけがない。それを逆手に取って、法的には問題ない、という態度は、今回の事故の結果を真摯に反省しているとは到底思えない。
また、遊園地は子供だけでなく、若いカップルはもちろん、近年では修学旅行などのスポットにもなっており、こういう若者の希望に応える過激なアトラクションが増えている。
しかし、そもそも、ジェットコースター、バンジージャンプなどの安全対策はけっして十分ではない。そもそも危険と隣り合わせの「遊具」なのである。
刺激を求める気持ちもわからないではないが、こういう事故に遭遇したくなければ、なるべく危険な遊具を避けることをお勧めしたい。