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●「軍事費倍増せざるを得ない理由」…アベ様の置き土産・巨大な負の遺産、「対外有償軍事援助FMS」(兵器ローン、後年度負担)の巨大なツケ

2024年02月28日 00時00分29秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2024年02月11日[日])
「軍事費倍増せざるを得ない理由」…アベ様の置き土産・巨大な負の遺産、兵器ローンの巨大なツケ…《米側の言い値で兵器などを買わざるを得ない対外有償軍事援助FMS」は現代の不平等条約》。《岸田政権が防衛費をGDP比の2%、5年間で43兆円に倍増することを決めた。財源確保に向けた防衛増税の背景には、安倍政権時代に米国製兵器の爆買いがあるという。その流れは岸田政権に引き継がれ、兵器ローンが重くのしかかる》(dot.)。軍事国家へ大暴走、《国民の予算を米軍産複合体に湯水のごとく注ぎ続け、世界の他の国々からは相手にされないような欠陥品ばかりを米国から大量に買い込んでいる》(長周新聞)。

   『●台湾での《「戦う覚悟」発言》…《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ
      節」はキシダメ首相と《打ち合わせた“政府の代弁”》だったとは…
   『●目取真俊さん《無駄な時間と予算を費やしても…事件や事故が起きよう
     とも、政治家も官僚もだれも責任を取りはしない。本当に腐りきった国》
   『●あのような事故があっても、ニッポン政府が飛行停止を求めても、
     《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》はニッポンの空を飛んでいた…

 最近ようやく、アベ様の置き土産「兵器ローン」(後年度負担)に注目が。遅いよ、全く。
 長周新聞の記事【ゴミ兵器を高値で押し付けられ… オスプレイは世界中で墜落 防衛費増額で米軍需産業のカモにされる日本】(https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/28483)/《欠陥機とわかっているものをなぜ買うのか》《オスプレイ搭乗員の生命も脅かす》《ステルス戦闘機F35 複数の欠陥墜落相次ぐ》《FMS契約急拡大 「脅威」を招く者は誰か》。

 (長周新聞)《武器買わされ戦場にされる選択 岸田政府の防衛費43兆円と大増税 米軍需産業のカモにされる日本》《米国政府との「不平等条約」である兵器購入契約・FMS(有償軍事援助)直近6年間だけで2・6兆円に達し、「兵器ローン」(後年度負担)の支払額は約6兆円に迫る大赤字状態だ。…国民から集めた税金を米国の軍需産業に際限なく垂れ流す売国的な本性をあらわにしている》。増税してまで軍事費倍増…現実は、「盾」に徹することを止め、「鉾」となることで、《米国の覇権を維持…。まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン、哀れ過ぎはしまいか? ホシュを自称する皆さん、それでいいの? ニッポンに「主権」は本当に在るのかね? 未来に投資することなく、増税して軍事費倍増。どこぞの隣国の「先軍政治」そのもので、軍事国家ニッポンを目指してどうする? 食糧やエネルギー自給率から考えて、輸入がストップすればお終い。核発電所の原子炉あるいは使用済み核燃料プールが《標的》とされたら、3.11東京電力核発電所人災の比ではない…。
 さらに、(長周新聞)《実際にFMSで調達したF35戦闘機の価格変動は日本政府を侮蔑しきった米国側の対応を象徴的にあらわしている。…1機が78億円だった。つまり米国政府を通してロッキード・マーチンが日本にF35を売るとき、1機当り164億円ものマージンをつかみどりしていく構図である》。ドキュメンタリー映画『シャドー・ディール ビジネスの闇』そのもの。

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https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/28483

ゴミ兵器を高値で押し付けられ… オスプレイは世界中で墜落 防衛費増額で米軍需産業のカモにされる日本
平和運動 2023年12月18日

     (2019年12月に沖縄県名護市沿岸に墜落した
      米軍CV22オスプレイ

 鹿児島県の屋久島沖で11月29日、米空軍輸送機CV22オスプレイが墜落事故を起こした。米軍の発表によると、搭乗していた隊員8人全員が死亡または死亡状態で、11日には不明となっていた2人のうち1人の遺体が収容された。この事故から1週間以上が経過した7日に、ようやく米国家安全保障会議が全世界でオスプレイの飛行一時停止を発表。さらに8日には米国防総省がオスプレイの新規調達をやめ、2026年で生産ラインを閉鎖することも明らかになった。これまで数々の墜落事故を起こしてきた「未亡人製造器」の終わりが近づいているかに見えるが、一方で米軍は2050年代まで同機運用する方針だ。また、このオスプレイを世界で唯一米国から買い込んでいるのが日本だ。米軍需産業から欠陥品を超高額で押しつけられ、米側の言い値で国民のための予算が吸い上げられ続ける屈辱的な契約のもと、軍拡に拍車がかかっている。今以上に日本国内に欠陥機を増やし、隣国との軍事緊張をも高める岸田政府や米軍こそが国民の生命を脅かす存在となっている。


欠陥機とわかっているものをなぜ買うのか

 米空軍特殊作戦司令部は、墜落した機体は鹿児島県屋久島沖で訓練の最中だったと明らかにした。米空軍横田基地に配備されていた機体で、同機は横田基地を出た後に米海兵隊岩国基地を経由して屋久島沖に向かっていた。墜落の直前、屋久島空港管理事務所に「緊急着陸したい」と連絡があったが、その数分後に墜落。周辺で漁をしていた漁船などもおり、目撃者の情報によるとオスプレイが火を噴き蛇行しながら落下し大破したという。その後、地元の漁業者なども加わり行方不明者の捜索や部品の回収作業が続けられたが、米軍は搭乗員8人全員の死亡を認定し、遺族にもそのことを伝えている。搭乗員はみな20~30代の若い兵士ばかりだった。

 この日の夕方、宮澤防衛副大臣が臨時会見をおこなった。宮澤大臣は事故について墜落ではなく不時着水だと説明した。「なぜ墜落ではなく不時着水なのか?」と問われると、部下らしき職員からのささやきを聞きながら「最後の最後までパイロットが頑張っていたから不時着水だ」と意味不明な返答をした。

 結局、翌11月30日に会見をおこなった松野官房長官が「米軍からその後、クラッシュ(墜落)と説明があった」という理由で「墜落」といい換えた。明らかな墜落事故でさえも、米軍が墜落と公表するまでは日本政府は不時着水としかいえず米軍の顔色をうかがいながらうろたえる情けない対応だった。

 また日本政府は30日、エマニュエル駐日米国大使に、オスプレイは安全が確認されてから飛行するよう要請した。だがこの要請について同日、米国防総省のシン副報道官は「(飛行停止に関する日本側の)発言は承知しているが、正式な要請が国防総省にあったとは把握していない」とのべた。そして、米軍のオスプレイは日本での運用を続けており、飛行停止等の措置については「進行中の事故調査の結果、追加措置が必要になれば対応する」と語るにとどめていた。

 1日の会見でこのことについて問われた松野官房長官は「日本政府の要請について、米国防総省などにも共有されていることを確認している」とのべた。だが共有はされても、米側は正式な要請としては受けとっていない。日本政府の要請はただのパフォーマンスにすぎず、結局事故から1週間以上が経過した7日に米国防総省が飛行停止を発表するまで、沖縄や山口県の岩国基地周辺でもオスプレイの飛行は続いた

 こうした米側の横柄な態度日本政府の及び腰対応は海外でも報道された。オーストラリアの公共放送『ABC』は、米国防総省が「正式な要請はない」とのべ、日本でオスプレイの飛行を続けていることをとりあげ、日米地位協定の矛盾にも言及。「日米地位協定にもとづき、米国が別途決定しない限り、日本当局は米軍財産を押収または調査する権利が与えられていない。その結果、日本が事故の原因を独自に調査することは事実上不可能だろう。この合意は、沖縄や他の場所でアメリカの軍人が関与する刑事事件で日本の捜査をしばしば困難にした」と指摘した。

 沖縄県がおこなった調査では、他国の地位協定ではドイツ、イタリア、イギリスで事故の捜査は自国が主体的におこなっている。だが日本の場合、日米地位協定の合意議事録では日本は基地の外であっても米軍の財産について捜索、差し押さえ、検証などをおこなう権利を行使しないことが明記されている。

 7日には、米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官が、全世界でオスプレイを一時飛行停止し、「オスプレイが安全に飛行できると確認されるまで飛行再開しない」と明言。事故を起こした機体だけでなく、すべてのオスプレイに通じる問題があったかを確認するためだとし、飛行再開の時期については明らかにしていない。

 今回の米軍による飛行停止措置は珍しいことではない。昨年8月17日に起きた米カリフォルニアでのオスプレイ墜落事故直後も米空軍が全機飛行停止としたが、その約2週間後の九月二日には飛行再開を決定。同じく飛行停止していた陸上自衛隊も米空軍にならい飛行を再開させている。

 また、今回の屋久島沖でのオスプレイ墜落事故発生直後の11日、今度は韓国群山の米軍基地を離陸したF16戦闘機が、黄海で墜落事故を起こした。パイロットは緊急脱出しており無事だが、無人の戦闘機がそのまま海上に墜ちるという危険な事故となった。


オスプレイ搭乗員の生命も脅かす

 オスプレイはこれまでに何度も墜落事故を起こし、米空軍や海兵隊の多くの兵士が犠牲になってきた。

 米国でオスプレイの開発が始まったのは1983年で、米海軍が垂直離着陸輸送機の開発計画に着手した。だが、この開発段階から墜落事故があいつぎ、その後2007年の実戦配備から現在に至るまでにアフガニスタンやモロッコ、ハワイ、沖縄、オーストラリア、ノルウェー、米カリフォルニアなどで墜落事故や重大事故を起こしており、計約60人の米軍人が命を落としている図①】。そのため、米国内でも「未亡人製造機」の名で呼ばれており、かねてから重大な欠陥が指摘されてきた。

 その問題は、昨年6月の米カリフォルニア州でのオスプレイ墜落事故(5人死亡)の後、米海兵隊がおこなった調査によって世界的にも明らかになった。米海兵隊は今年7月にその調査の結果を提出し、そのなかで「エンジンとプロペラを繋いで動力を伝えるクラッチに深刻な不具合が見つかった」と報告している。報告書によると、墜落事故はクラッチが一時的に離れ、再び結合するさいに発生する衝撃「ハード・クラッチ・エンゲージメントHCE)」が原因とされている。この現象により、両翼の推進力のバランスが崩れて制御不能となると推定されている。

 こうした欠陥を米軍自身が把握しているにも関わらず、現在もオスプレイは米軍の主力輸送機として運用されており、2050年代までの運用が予定されている。オスプレイは回転翼(プロペラ)の向きを変更でき、上に向けた状態ではヘリコプターのように垂直離着陸ができ、ホバリングが可能。回転翼を前方に向けると、高速でかつ長距離を飛行できるとされる。「ヘリコプターと飛行機のいいとこ取り」のような位置づけだが、墜落の危険と隣り合わせの状態で兵員や物資の輸送機として運用され続けている。

 だが、このオスプレイについて米国防総省は今後、米航空大手ボーイング社からの新規調達をやめ、2026年で生産ラインを閉鎖することが8日までに明らかになった。生産終了の理由について表向きは「調達数を満たしたため」とされているが、実際には米国外からの調達数が伸びていないことが大きく影響していると見られている。

 米国防総省は当初、米国外から400~600機の受注を見込んでいた。しかし、各国が次々に導入を見送り、最終的に日本が17機購入を決めただけ他国はいっさい購入に至らず、1機当りの単価は約9000万㌦130億円)となっていた。部品や諸経費を含めると200億円にもなるといわれている。

 また、オスプレイ生産ライン閉鎖の報道があった直後の10日、製造元であるボーイングが、機体に使う複合材の製造過程で、必要な基準を満たさない不正があったと司法省が訴え、同社が810万㌦(約11億7400万円)を支払う内容で9月に和解していたことが発覚した。資材の強度に関する検査を実施せず、記録を改ざんしたことが明らかになっており、不正は内部告発によって発覚した。この不正の影響は、オスプレイ80機以上に及ぶと指摘されている。

 この問題はボーイング社の「和解金」で済んだことにされているが、実際に機体に乗せられる若い兵士たちからするとたまったものではない。現在配備が進められている陸上自衛隊の隊員たちがたとえ集団ストライキを起こして搭乗拒否したとしても、世界中の誰も文句などいわない関係といえる。オスプレイについては「被災地支援」や「物資輸送」に役立つような宣伝がされてきたが、ただでさえ墜落事故をくり返す欠陥機に強度の記録改ざんまで加われば、もはや「国防」や「国民の安全」どころの話ではない。

 日本国内には現在、米軍横田基地(東京)に空軍使用のCV22オスプレイが6機、普天間基地(沖縄)に海兵隊のMV22オスプレイが24機配備されている。さらに陸上自衛隊が17機の導入を予定しており、そのうち一四機がすでに木更津駐屯地(千葉)に暫定配備されている。

 さらに米軍は、横田や普天間以外でもオスプレイを運用している。厚木基地(神奈川)や岩国基地(山口)、佐世保基地(長崎)は給油や整備などにも対応する中継拠点となっており、それらの基地周辺でも日常的に飛行している。また、陸上自衛隊も今後佐賀空港に17機を配備する方針を示している。墜落の危険と隣り合わせで搭乗させられる米兵や自衛隊員もさることながら、頭上を飛ばれる地域住民にとってもミサイルと比べものにならないほどのもっとも身近な脅威」となる。


ステルス戦闘機F35 複数の欠陥墜落相次ぐ

     (日本が米国から買わされた主な装備品

 米軍機で「欠陥品」と呼ばれているのはオスプレイだけではない。日本が米国から大量購入を確約している最新鋭ステルス戦闘機F35重大な欠陥が指摘されてきた。2016年の米国防総省の報告書では、精密技術試験の結果、同戦闘機に多数の欠陥が見つかった。そのうちの一つがパイロットが脱出するための射出座席装置の欠陥で、パイロットの体重が62㌔未満だと座席が後ろ向きに回転し、パイロットの首を後ろにのけぞらせて死に至らしめる可能性もあるという。他にも、海兵隊向けのF35は、「複数の欠陥と限られた戦闘能力」という問題が発覚し、空軍向けでも「複数の欠陥」があった。

 F35はこれまでもソフトウェアのバグや技術的な欠陥、予算の超過など、指摘されてきた欠陥部分は多岐にわたる。2019年には空自三沢基地(青森)所属のF35Aが青森沖で墜落している。 

 今年9月には、米南部サウスカロライナ州でF35Bからパイロットが緊急脱出した後、墜落する事故も起きている。

 このF35を日本政府は、航空自衛隊に147機(A型105機、B型42機配備する計画を示しており、運用期間30年を想定した経費は7兆円をこえる。

 こうした米国製高額兵器を大量購入するために、岸田政府は今よりもさらに膨大な国家予算を投じる構えを見せている。そのために、2023年度から2027年度までの5年間の防衛費を総額43兆円とし、新たに必要となる増額分17兆円に関しては、国民への増税や建設国債などでまかなう方針を示している。内訳を見てみると、5年間で「増税により1・2兆円捻出」まで盛り込まれている(開始時期決まらず2026年以降へ)。

 さらに、2012~2037年の25年間で約7・5兆円確保すると告知していた「復興財源」からも、防衛財源に充てることが可能となるよう目的を変更するとの方針まで示している。その他、「歳出改革」で約3兆円確保、「決算余剰金」で3・5兆円確保、「防衛力強化資金」の創設により4・6兆円確保等々、あらゆる所から防衛財源をかき集めようとしている。

 そうして集めた財源を、世界中のどの国も購入していないオスプレイの購入に充てたり、欠陥が指摘されるF35を147機も買い込むためにつぎ込もうとしている。

 米軍需産業から「用済みの欠陥品を押しつけられている日本政府だが、その負担は米国製兵器購入に適用される不平等な契約「FMS」(対外有償軍事援助によって際限なく膨れあがる仕組みになっている。

 FMSは、アメリカが「軍事援助している」という立場から同盟国に武器を買わせるシステムだ。FMSについて米国の武器輸出管理法は契約価格も納期もすべて米側の都合で決める、②代金は前払い、③米政府は自国の都合で一方的に契約解除できる、と規定している。実際に、FMSで調達したF35の価格変動を見てみると、2012年の契約当初は1機あたりの価格が九六億円だったが、13年には開発費等の増額を理由に140億円になり、その後も米側は値上げを続け、2020年に米国務省が105機追加分の売却を承認したときの1機あたりの価格は242億円にまで跳ね上がっている

 2019年に米国防総省がロッキード・マーチン社と合意したF35戦闘機478機の調達価格は、1機当り78億円。しかしロッキード・マーチン社が米国政府を介して日本に売りつけることで1機あたり164億円ものマージンを手にすることができるという構図だ。こうしたカラクリの下、オスプレイも同様に当初よりも大幅に増額しており、さらに20年分の維持整備費まで吸い上げられることとなる。まさに米軍需産業のカモ」として戦闘機や武器を大量購入させられているのが岸田政府だ。


FMS契約急拡大 「脅威」を招く者は誰か

 自民党政府はこの間みずから「米軍需産業のATM」となる屈辱的FMS契約を急拡大させてきた。第二次安倍政府登場前の2011年は431億円だったが、2013年には1179億円、2017年度予算では3596億円へと増額。2019年度予算では7013億円、そして2023年度予算で岸田政府は過去最高の1兆4768億円まで増額した。

 一方で、岸田政府の内閣支持率はここ数週間で急激に落ち込み、過去最低を更新し続けている。NHKが11日に発表した支持率は23%で、他のメディアでは20%を切りそうな勢いで落ち込み続けている。

 こうしたなか、自民党の税制調査会は11日、2027年までに約1兆円を税収で確保するとしていた防衛増税計画について、開始時期の決定を来年に見送る方針で一致した。さらなる支持率低下を恐れ下手な動きができない岸田政府だが、一方で宮沢税調会長は2026年から2027年までの2年間で1兆円の防衛費を増税により確保せざるを得ないとの認識を示した。この短期間での防衛大増税を強行しようものなら、国民から今以上の反発は必至だ。

 11月28日の参議院予算委員会で、れいわ新選組の山本太郎議員から「総理になって形にした政策のなかで、一番手応えがあったものは何か」と聞かれた岸田首相は、真っ先に防衛力の抜本的強化をあげた。たしかに国会で岸田政府は、「防衛装備品生産基盤強化法」を可決させている。防衛装備品の海外輸出などを促進するとともに、事業継続が困難となった際に製造ラインの国有化を可能にすることなどが柱で、そこに国が財政支援するというものだ。軍需産業を国有化し、裾野を広げるために防衛予算を投じていく方向へと舵を切っている

 「台湾有事」や「島しょ防衛」などといって岸田政府は巨額の防衛予算で軍拡を進めようとしている。国民の予算を米軍産複合体に湯水のごとく注ぎ続け、世界の他の国々からは相手にされないような欠陥品ばかりを米国から大量に買い込んでいる。さらに今後多くの機体を買い込み、その欠陥機が国民の頭上を飛び回ることは「脅威以外の何物でもない。そうして軍備増強を進めていくことは同時に、近隣諸国との軍事的緊張を高める最大の要因となる。屋久島沖の墜落事故で国民の「オスプレイは帰れ」の声はさらに拡大しており、米軍の存在こそが日本国民の生活の安全や安心を脅かす実態を見せつけている。
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コメント
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●辺野古「代執行訴訟」不当判決…本当に強い憤りを感じる。「司法判断に従うべきだ」!? 「差別する側」の論理は、沖縄差別・イジメそのもの

2024年02月13日 00時00分21秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


// (2024年02月02日[金])
行政による沖縄差別・沖縄イジメを司法が後押しする…地獄なニッポン。しかも、番犬様がさして望んでもいないことを強行する大愚行。さらには、普天間は決して返還されないという、最悪な《唯一の選択肢》なる欺瞞。

 マガジン9の【【寄稿】 これは、日本政府による「沖縄差別」だ──辺野古「代執行訴訟」判決を受けて(布施祐仁)】(https://maga9.jp/240117-1/)。《昨年12月、福岡高裁那覇支部は、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設をめぐって、国が県に代わって埋め立ての設計変更を承認する「代執行を認める判断を出しました。県内からは強い反対の声があがり、軟弱地盤など数々の問題点も指摘されている中での、国の主張を全面的に認める判断。裁判所の傍聴席でそれを聞きながら、強い憤りを感じたというジャーナリストの布施祐仁さんに寄稿いただきました》。
 《開廷すると、三浦隆志裁判長がすぐさま判決の主文を読み上げた。「被告は(中略)3日以内に承認せよ」》―――― 本当に強い憤りを感じる。さらに、《特に憤りを感じたのは、玉城知事が設計変更を承認しない結果、「人の生命、身体に大きく関わる普天間飛行場の危険性の除去遅れ、「甚だしく社会公共の利益を害する結論付けた点である》《もう一つ憤りを感じたのは、最後に「被告が指摘する歴史的経緯等を踏まえれば、本件埋め立て事業に対する沖縄県民の心情は十分に理解できる」と沖縄に理解を示すような一文を入れてきたことである。…こうした歴史的経緯を背景とする沖縄県民の民意を一顧だにせず切り捨てる判決を出しておきながら、最後に「沖縄県民の心情は十分に理解できる」などと取って付けたように述べるのは、沖縄県民をあまりに愚弄していると思った》(布施祐仁さん)。
 直ぐに、外野が、沖縄県知事は司法判断に従うべきだ!?、と口汚く罵る。正気かね?  恥ずかしくないのかね? 「差別する側の論理は、沖縄差別・イジメそのものだ。「裏金」問題もそうだが、散々違法なことを繰り返す者に対しては何の批判もせず、政権に忖度してデタラメな「政治判断」を繰り返す裁判所や忖度を繰り返す検察といった司法にも何の批判もしない。そんなに自公政権が大好き、「差別する側」が大好きなのかね? 哀しい人たちだ。今後は、二度と、ホシュとか、ウヨクとか、名のりなさんな。《裏金づくりのテクニックにたけた政治家…保守政治家などと言える代物ではない政治家の保守というものがいかに薄っぺらかったか…》(政界地獄耳)。
 布施祐仁さん《差別は、差別される側ではなく、差別する側の問題だ。だから、辺野古新基地建設は「沖縄問題」ではなく、沖縄を差別する日本の問題」として捉えなくてはならない。こんな酷い差別を日本政府が続けるのをいつまで許すのか――そのことが日本国民に問われているのだ。…だが、この問題で本当に頑張らなければならないのは、沖縄の人々ではなく、われわれ本土の人間なのだ》。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
      ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…
   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし
     救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
   『●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメ
     にお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?
   『●地方自治を蔑ろにした沖縄イジメ、沖縄差別…それを助長する最「低」
      裁は司法判断を放棄し、政権に忖度した政治判断を乱発してばかり
   『●沖縄県は《「最高裁は…違反するとは認定していない」と…反論。…「明確
     な反対の民意こそ、公益として考慮すべきだ」と民意を前面に押し出す》
   『●目取真俊さん《無駄な時間と予算を費やしても…事件や事故が起きよう
     とも、政治家も官僚もだれも責任を取りはしない。本当に腐りきった国》
   『●目取真俊さん《沖縄に住む私たちが軍事基地に反対するのは、自分
     たちが被害を受けるだけでなく、加害の立場にも立たないためだ》
   『●玉城デニー沖縄県知事の素晴らしい「辺野古代執行訴訟 沖縄県知事
     の意見陳述」、それを一顧だにせず、即日結審する福岡高裁那覇支部…
   『●日本の腐敗した司法では、理はアベ様・スガッチ・キシダメ政権にある
     のか? 辺野古新基地代執行訴訟敗訴、《理は沖縄にある》はずなのに…
   『●〝辺野古〟破壊の設計変更でN値ゼロのマヨネーズ状軟弱地盤問題が解決す
     るとでも? 新基地建設を完成できるとでも? 普天間が返還されるとでも?

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https://maga9.jp/240117-1/

特別企画
【寄稿】 これは、日本政府による「沖縄差別」だ──辺野古「代執行訴訟」判決を受けて(布施祐仁)
By マガジン9編集部 2024年1月17日

昨年12月、福岡高裁那覇支部は、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設をめぐって、国が県に代わって埋め立ての設計変更を承認する「代執行を認める判断を出しました。県内からは強い反対の声があがり、軟弱地盤など数々の問題点も指摘されている中での、国の主張を全面的に認める判断。裁判所の傍聴席でそれを聞きながら、強い憤りを感じたというジャーナリストの布施祐仁さんに寄稿いただきました。


――――――――――――――――――――

 開廷すると、三浦隆志裁判長がすぐさま判決の主文を読み上げた。
 「被告は(中略)3日以内に承認せよ
 沖縄県の敗訴であった。その瞬間、傍聴席の市民から「不当判決だよ!」と怒号が飛んだ。三浦裁判長はヤジを無視するかのように間を置くことなく判決の骨子を読み上げ、5分足らずで閉廷した。
 この日、裁判所にあったのは法でも正義でもなく、「国家による問答無用の暴力以外の何物でもなかった

     (判決後、報道陣に「不当判決」と記した紙を掲げる市民
      =2023年12月20日(筆者撮影))


知事の権限奪う「禁じ手」

 辺野古新基地建設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相が沖縄県の玉城デニー知事に設計変更の承認を命じるよう求めた「代執行訴訟」の判決が昨年12月20日、福岡高裁那覇支部であった。
 地方自治法は都道府県が行う「法定受託事務」に関して、その適正な処理を確保するために国の関与を認めており、その最終手段が代執行である。しかし、代執行は都道府県知事の権限を国が奪うものであり、憲法が定める地方自治の本旨からしても、いわば「禁じ手」だ。そのため厳しい要件が定められており、裁判所(高裁)で認められない限り、行うことはできない。実際、これまでに地方自治法に基づく代執行が行われた事例は一度もなかった
 今回、福岡高裁那覇支部が国の代執行を認める判決を出すようなことがあれば、辺野古新基地建設計画にとって大きな節目になるだけでなく、日本の民主主義の歴史にとっても一つの転換点になる。その現場を取材しなければという思いで、私も沖縄に飛んだ。


普天間返還の遅れは玉城知事のせい?

 傍聴席で三浦裁判長が読み上げる判決の骨子を聞きながら、拳を握りしめ、「何を言っているんだ」と心の中で叫んでいた。
 特に憤りを感じたのは、玉城知事が設計変更を承認しない結果、「人の生命、身体に大きく関わる普天間飛行場の危険性の除去遅れ、「甚だしく社会公共の利益を害する結論付けた点である。
 国側は、設計変更の申請から約3年5ヵ月以上が経過しており、玉城知事が承認しないことが「普天間の危険性の除去の実現を阻んでいる主張した。裁判所は、この主張をそのまま採用した。
 しかし、そもそも今回の設計変更は、日本政府が軟弱地盤の存在を隠していたことで必要になったものである防衛省は2013年に埋め立ての承認申請を行った時点で、すでに軟弱地盤の存在を把握していたが、設計に地盤改良は盛り込まなかった。軟弱地盤がない海域の埋め立てを先行して進めて既成事実化を図った上で、「後出し」したのである。「遅れ」を問題にするのであれば、そもそもの原因を作った国の責任こそ問うべきだ。もともと、1996年の「SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告」では、普天間飛行場の返還は「5~7年以内」に実現するとしていた。この約束から、もう20年以上も遅れている。「約3年5ヵ月以上」どころの話ではないのだ。
 当初の約束から20年以上も遅れている理由は、辺野古の海を埋め立てて新基地を建設するという実現困難な計画に日米両政府が固執しているからにほかならない。そもそも、沖縄に集中する米軍基地負担の軽減を目的とした普天間飛行場の返還に、沖縄県内における代替施設の完成という条件を付けたこと自体が大きな誤りであった。その誤りに早く気付き、沖縄県内への代替施設建設以外の計画に見直していれば、普天間飛行場の返還がこれほど遅れることはなかっただろう。
 しかも、このまま現在の計画を進めた場合、辺野古新基地の運用を開始するまでに最短でも12はかかると日本政府は説明している。大浦湾側の軟弱地盤は最も深い箇所で海面から90メートルに及んでおり、このような大規模な地盤改良工事は過去に施工例がない。難工事が予想され、大幅な遅延が避けられないと見られている。つまり、普天間飛行場の返還は日本政府の説明でも早くて2030年代半ば以降、実際にはいつになるか見通せないのが本当のところなのである。
 こんな無責任な計画に固執している日本政府の姿勢こそが普天間の危険性の除去を遅らせているのであって、その責任を設計変更の承認をしない玉城知事に転嫁するなど筋違いも甚だしい
 普天間の危険性をこれから12年以上も放置し、いつ終わるともわからない辺野古新基地建設工事に莫大な血税を注ぎ込み、多種多様なサンゴやジュゴンなどの絶滅危惧種も多く生息する美しい海を破壊しようとしている日本政府こそ、著しく公益を害していると言えるだろう。

     (辺野古で進む埋め立て工事=2023年12月21日(筆者撮影))


「外交上・防衛上の不利益」の嘘

 なお国側は、辺野古新基地が完成しないことで米国との信頼関係に悪影響を及ぼすなど、「外交上・防衛上の不利益」が生じるとも主張した。しかし、米国側が必ずしも辺野古に固執していないことは、過去の米国政府高官らの発言からも明らかである。
 例えば、1996年のSACO合意当時の米国防長官、ウィリアム・ペリー氏は、「我々の視点から言えば、日本のどこであっても良かった。日本側は沖縄県外の移設にとても消極的だった。これは政治的経済的問題であり、主に日本人や、日本の政府にとっての問題です」と証言している(2017年11月18日放送、NHK・ETV特集「ペリーの告白~元米国防長官・沖縄への旅」)。
 また、クリントン政権で国防次官補を務めたジョセフ・ナイ氏も、「沖縄基地は中国に距離が近すぎるため、対中国では地理的優位性はなく、むしろ脆弱だ。沖縄の人々の支持が得られないなら、米政府は辺野古移設を再検討すべきだ」と述べている(2015年4月2日付「琉球新報」)。
 普天間の代替施設を沖縄県内に造らなければならない軍事上の理由がないことは、過去の日本の防衛大臣の発言からも明らかだ。例えば、野田佳彦内閣で防衛大臣を務めた森本敏氏は「西日本のどこかであれば海兵隊は機能する」と発言している(2012年12月25日、閣議後会見)。
 つまり、日本政府が辺野古新基地建設に固執しているのは、軍事上の理由からでも米国との信頼関係のためでもなく日本政府の政治的都合でしかないのである。
 第三次安倍晋三内閣で防衛大臣を務めた中谷元氏は、大臣就任会見(2014年12月24日)で次のように語った。
 「沖縄の米軍基地は分散しようと思えば九州でも分散できる。理解してくれる自治体があれば移転できるが、米軍反対というところが多くてできない」
 本土の自治体が反対したら「できない」と判断するのに、沖縄県が反対しても無視して強行するのか。それは差別以外の何物でもない。辺野古新基地建設とは、まさに日本政府による沖縄差別なのである。

     (海底に軟弱地盤が広がる大浦湾の埋め立て予定海域
      =2023年12月21日(筆者撮影))


「歴史的経緯を背景とする沖縄県民の心情」とは

 法廷で判決の骨子を聞きながら、もう一つ憤りを感じたのは、最後に「被告が指摘する歴史的経緯等を踏まえれば、本件埋め立て事業に対する沖縄県民の心情は十分に理解できる」と沖縄に理解を示すような一文を入れてきたことである。
 この「歴史的経緯等」とは、10月30日に行われた口頭弁論で玉城知事が陳述した内容を指している。
 玉城知事は、凄惨な沖縄戦で多くの県民が犠牲になったこと、戦後も本土から切り離されて米軍統治下に置かれ、「銃剣とブルドーザーによる強制的な土地の接収などで苦しい生活を強いられたこと、本土復帰後も米軍基地が集中する状況は変わらず、米軍機の墜落事故や米軍人による殺人や強姦などの凶悪犯罪、環境汚染や騒音被害などで苦しめられ続けている現状を訴えた。
 そして、こうした歴史的経緯があるからこそ「沖縄県民は、辺野古新基地建設に反対しているのであって、その民意は、直近3回の県知事選挙の結果、そして投票者総数の約72%、約43万人が辺野古の埋立てに反対の意思を示した平成31年の県民投票の結果に明確に表れている」と指摘し、「沖縄県民が示す明確な民意こそが公益とされなければならない」と強調した(知事の意見陳述の全文はこちら)。
 こうした歴史的経緯を背景とする沖縄県民の民意を一顧だにせず切り捨てる判決を出しておきながら、最後に「沖縄県民の心情は十分に理解できる」などと取って付けたように述べるのは、沖縄県民をあまりに愚弄していると思った。


矛盾する判決本文と「付言」

 しかし、骨子ではなく判決の本文を後で読んでみると、もう少し内容があるものだった。判決本文は最後に「付言」として、極めて重要な指摘をしている。
 このまま現行計画を進めた場合、さらなる設計変更が必要になる可能性もあり、そうなればまた国と沖縄県の間で法廷闘争が繰り返される事態になりかねないと懸念を示した上で、次のように述べている。
 「被告の指摘する歴史的経緯等を背景とした本件埋め立て事業に対する沖縄県民の心情もまた十分に理解できるところであり、国としても、沖縄県民の心情に寄り添った政策実現が求められている。このような観点からは、普天間飛行場の代替施設をめぐる一連の問題に関しては、国と沖縄県とが相互理解に向けて対話を重ねることを通じて根本的解決の図られることが強く望まれている」
 この指摘は、まとを射ている。日本政府が沖縄県の意思や県民の心情を無視して現行計画を進めても、法廷闘争が繰り返されるばかりで解決にならない。前述したように、これこそ普天間の危険性の除去を遅らせ、いつ終わるか分からない辺野古新基地建設工事に莫大な血税が垂れ流されるという、「甚だしく社会公共の利益を害する」結果をもたらす。だから、裁判所の指摘通り、「対話による根本的解決」が求められているのだ。
 ところが、判決本文では真逆のことを記している。
 国による代執行が認められるためには、地方自治体の事務の執行に法令違反があることや著しく公益を害することに加えて、解決のためのあらゆる手段が尽くされていることが要件になる(地方自治法第245条)。
 沖縄県は、日本政府が県との対話を拒み続けてきたことを理由に、この要件が満たされていないと主張した。だが、裁判所はこの主張を認めず、逆に国側が主張する通り、沖縄県側の承認拒否の意思は強固であり代執行手続き以外の方法では解決は困難だと結論付けた
 判決本文では対話による解決は困難だと判断しておきながら、付言では「対話による根本的解決が強く望まれている」と述べているのである。このような矛盾した判決に基づく代執行を、沖縄県が到底容認できるものではない」(判決を受けての玉城知事のコメント)としたのは当然である。


差別する側の問題

 玉城知事は「3日以内に承認せよ」という裁判所の命令に従わず、最高裁に上告した。これを受けて、斉藤鉄夫国土交通大臣は12月28日に設計変更の承認を代執行。1月10日に大浦湾側での埋め立て工事に着手した。

 2013年に当時の仲井真弘多知事が埋め立てを承認した際、「留意事項」として着工前に県と協議することを求めていたが、国はそれも無視して着工を強行した。
 1月12日には、辺野古のキャンプ・シュワブ前で抗議の県民集会が開催され、平日にもかかわらず900人(主催者発表)が集まった。
 その模様をインターネットで観たが、元名護市長で現在は「オール沖縄会議」の共同代表を務める稲嶺進氏のスピーチがとりわけ心に突き刺さるものだった。
 「これは令和の琉球処分と言わざるを得ない。なんで、わったーうちなーんちゅ(我が沖縄人)だけがこんな思いをしなければならないのか」と切り出した稲嶺氏は、「沖縄は今もなお民主主義も地方自治もない憲法番外地、こういうことがずっと続いている。今回の代執行もその証左だ」と沖縄を差別し続ける日本政府の姿勢を厳しく批判した。
 これを聞いて私は、12月20日の判決直後に裁判所の前で出会った95歳の戦争体験者の女性の言葉を思い出した。

 「泣きたいくらい悔しいですよ。(日本政府は)いったいどれだけ沖縄を足蹴にすれば気が済むのか。これは昨日今日始まった話ではないですよ」

 差別は、差別される側ではなく、差別する側の問題だ。だから、辺野古新基地建設は「沖縄問題」ではなく、沖縄を差別する日本の問題」として捉えなくてはならない。こんな酷い差別を日本政府が続けるのをいつまで許すのか――そのことが日本国民に問われているのだ
 稲嶺氏はスピーチの最後に、集会参加者に向かってこう呼びかけた。

 「こんなことを我々は100年以上も耐え忍んできたけれども、がってぃんならん(我慢ならん)。ならんしぇならん(ダメなものはダメだ)。その思いを強く持って、今日からまた改めてみんなで頑張ろうじゃありませんか」

 胸を打つスピーチだった。だが、この問題で本当に頑張らなければならないのは、沖縄の人々ではなく、われわれ本土の人間なのだ

     (判決の翌日、辺野古のキャンプ・シュワブのゲート
      前で抗議の声を上げる市民ら(筆者撮影))





ふせ・ゆうじん 1976年、東京都生まれ。フリージャーナリスト。主な取材・執筆テーマは、安全保障(外交・軍事)、戦争に関する日本の近現代史。2017年に防衛大臣、防衛事務次官、陸上幕僚長が引責辞任する結果となった「南スーダンPKO日報隠蔽事件」では、隠蔽が発覚するきっかけとなる開示請求を行った。事件の経緯を記した『日報隠蔽』(三浦英之氏との共著、集英社)で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。この他にも、『ルポ イチエフ』(岩波書店)で平和協同ジャーナリスト基金賞大賞とJCJ賞、『自衛隊海外派遣 隠された「戦地」の現実』(集英社新書)と『日米同盟・最後のリスク』(創元社)でジャーナリズムXアワード奨励賞を受賞。
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●《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》…1機200億円程度!! こんなモノを喜んで購入しているのはどこのリッチな国? そんな国は一国だけ!?

2023年12月07日 00時00分13秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


/ (2023年12月03日[日])
空飛ぶ棺桶」《ウイドーメーカー》…このスタグフレーション下で、1200億円程度!!(←いったいいくらボられているのやら?)、こんなモノを喜んで購入しているのはどこのリッチな国? 世界を見渡して、もしかして、そんな国は一国だけ!? その国の皆さんは、当然、御存じなのですよね? あのイスラエルでさへ、購入しなかったモノ…。
 またしても、とんでもないオスプレイの事故が起きました。屋久島沖で、「不時着水」したそうです。ニッポン政府の番犬様へのお気遣い…7年前 (2016年12月13日) と全く変わらず。「空飛ぶ棺桶」《ウイドーメーカー》…そんなに安全なら、「言論の府」として死んでいる国会議事堂や、「責任者」である首相官邸の上空で訓練したらどう? 《着水》は無理でしょうが、《不時着》するので大丈夫。決して、《墜落》などしません。アベ様統治下当時と相も変らぬ「美しい国」の「言葉の偽装」。

   『●言論の府として死んでいる国会議事堂や、責任者である
        首相官邸の上空で「空飛ぶ棺桶」の訓練したらどう?
    《米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機
     オスプレイが13日夜、沖縄本島東方の海岸付近に墜落
     機体はバラバラに壊れ、海中に沈んだ。これがもし
     市街地だったらと思うと、背筋が寒くなる》。
    《相手に配慮した婉(えん)(きょく)表現は日本人の美徳
     とされる ▼しかし、「墜落」を「不時着」や「着水」と
     言い換えるのはどうだろう…
     ▼この政権は言葉の偽装に長けている》。

 日刊ゲンダイの記事【米軍オスプレイはやっぱり欠陥機だ! 日本国内に47機、政府は無期限飛行停止を求めるべき】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/332722)。《米軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が墜落した。鹿児島県・屋久島沖の海上にはバラバラになった機体の残骸らしきものがあり、8人の乗組員のうち1人が発見され、死亡が確認された。事故原因の解明はこれからだが、「左エンジンから火を噴いていた」という目撃証言がポイントだ》。

   『●《本質を隠す言葉のすり替え》を許せない小澤俊夫さん、
          アベ様ら政府による《言葉ずらし》を痛烈に批判
   『●「募る」と「募集」…《〈不時着水したが墜落ではない〉といった
          ところか。国会の質疑は大喜利のお題提供の場ではない》
   『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう 
                 という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)

 またしてもオスプレイの事故、「墜落」。またしてもお笑いなアベ様語録的言い換え。「募る」と「募集」的…《〈不時着水したが墜落ではない〉といったところか。国会の質疑は大喜利のお題提供の場ではない》。
 日刊ゲンダイの記事【米軍オスプレイ墜落でXのトレンド入り、「不時着水」は墜落や着水と何が違う?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/332764)。《《不時着水って何?》《不時着したなら事故にならないのでは》 30日、X(旧ツイッター)で《不時着水》という単語がトレンド入りした。「不時着水」とは29日に鹿児島県の屋久島沖で墜落したとみられる米軍輸送機CV22オスプレイについて、日本政府が使用した言葉だ。同日、ぶら下がり会見した宮沢博行防衛副大臣(48)も「不時着水」と説明。その理由について、記者団に「最後の最後までパイロットは頑張っていたということだ」などと発言していたのだが、SNS上では《墜落しないよう頑張らないパイロットっているのか》《機体が粉々になっているのに不時着水?》と総ツッコミ状態となった》、《募っていたが募集はしていない、の安倍語録みたい》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/332722

米軍オスプレイはやっぱり欠陥機だ! 日本国内に47機、政府は無期限飛行停止を求めるべき
公開日:2023/11/30 13:50 更新日:2023/11/30 13:50

     (鹿児島・屋久島沖で見つかった、米軍のCV-22オスプレイ
      残骸とみられるもの(第十管区海上保安本部提供))

 米軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が墜落した。鹿児島県・屋久島沖の海上にはバラバラになった機体の残骸らしきものがあり、8人の乗組員のうち1人が発見され、死亡が確認された。事故原因の解明はこれからだが、「左エンジンから火を噴いていた」という目撃証言がポイントだ。

 開発段階から墜落事故が相次ぎ、“未亡人製造機”とも呼ばれるオスプレイ。これまで「操縦ミス」が事故の主な原因とされてきたがエンジンから出火なら、機体に何らかの不具合があったことになり、話は違ってくる。

 「それみたことか」と言うのは、新著「台湾侵攻に巻き込まれる日本」でオスプレイの危険性に言及した防衛ジャーナリストの半田滋氏だ。

「昨年6月に米カリフォルニア州で起きた墜落事故は『エンジンとローター(プロペラ)をつなぐクラッチの不具合』と米海兵隊が発表しました。今年8月には、陸上自衛隊のオスプレイが静岡で予防着陸しましたが、エンジンを覆っているカバーとエンジンの間に金属片が見つかった。いずれも今までになかった機体の故障です。そして今回はエンジンから火を噴くという前代未聞の事故開発から計57人の米兵が墜落事故で亡くなっています昨年は9今年も3人が死亡した。これほど墜落事故が続くのは、オスプレイに構造的欠陥があるとしか思えません」


国民の命より対米追従

     (米軍横田基地のCV-22オスプレイ(C)共同通信社)

 日本国内には、沖縄の米海兵隊普天間基地に24、横田基地に6配備され、自衛隊も17機の導入が決まっている。そのうち14がすでに木更津駐屯地に暫定配備されているが、2025年には17機が佐賀空港の隣で新設が進む佐賀駐屯地に移されることになっている。

 オスプレイは米国以外で日本しか購入していない。そのうえ、米国でも陸軍はオスプレイを採用していない17機の導入費用は約3600億円だ日本だけが対米追従でガラクタを買わされている

「防衛省が作成したパンフレットには、『万が一、エンジンが2つとも停止しても、固定翼モードと垂直離着陸モードのオートローテーション機能があるので安全に着陸できる』と書いてあります。今回、オートローテーション機能はどうなっていたのか?

 実は、米国防研究所でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は『オートローテーション機能に欠陥がある』『安全性に深刻な穴がある』と指摘しているのです。こんな欠陥機が人口の密集する日本の上空を飛ぶのは狂気の沙汰。原因が解明されない限り、日本政府はオスプレイの無期限飛行停止を求めるべき事態です」(半田滋氏)

 日本国民の命と安全より、米国が大事なのか──。岸田首相に問われている。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/332764

米軍オスプレイ墜落でXのトレンド入り、「不時着水」は墜落や着水と何が違う?
公開日:2023/11/30 14:25 更新日:2023/11/30 14:25

     (2016年12月キャンプ・シュワブ沿岸部の浅瀬に墜落した
      機体と同型のMV22オスプレイ(C)共同通信社)

《不時着水って何?》《不時着したなら事故にならないのでは》

 30日、X(旧ツイッター)で《不時着水》という単語がトレンド入りした。

 「不時着水」とは29日に鹿児島県の屋久島沖で墜落したとみられる米軍輸送機CV22オスプレイについて、日本政府が使用した言葉だ。

 同日、ぶら下がり会見した宮沢博行防衛副大臣(48)も「不時着水」と説明。その理由について、記者団に「最後の最後までパイロットは頑張っていたということだ」などと発言していたのだが、SNS上では《墜落しないよう頑張らないパイロットっているのか》《機体が粉々になっているのに不時着水?》と総ツッコミ状態となった。


■募っていたが募集はしていない、の安倍語録みたい

 政府が「不時着水」を使うのは初めてではない2016年12月に米軍のMV22オスプレイが沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部の浅瀬に墜落した際も、当時の稲田朋美防衛大臣が「コントロールを失った状況ではなく、自発的に着水したと聞いている。墜落ではない」と発言。これを受け、野党が政府に対して『「墜落」と「不時着」、「着水」及び「不時着水」の違いについて』ただす質問主意書が出ている。

 その政府答弁書によると、『「着水」は空中から水面に着いた旨を、「墜落」はコントロールを失った状態で着水した旨を、「不時着水」及び「不時着」はコントロールを失わずにパイロットの意思で着水した旨を意味するものとして、それぞれ用いているものである』とあるのだが、よく分からない。

募っていたが募集はしていない、の安倍語録みたい。いや侵略戦争を特別軍事作戦とごまかすロシアかな》

《オスプレイの機体自体には問題がないと言いたいのでは。米国の言いなりだ

 ネット上では様々な意見が飛び交っているが、一体いつまでこの言葉を使い続けるのだろうか。
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●玉城デニー沖縄県知事の素晴らしい「辺野古代執行訴訟 沖縄県知事の意見陳述」、それを一顧だにせず、即日結審する福岡高裁那覇支部…

2023年12月06日 00時00分44秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20231102[])
金子勝さんのこのつぶやきにすべてが凝縮されている。

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https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1719257047903154274

金子勝@masaru_kaneko

腐った裁判所】沖縄県民の民意を無視したうえに、軟弱地盤でひどい設計ミス無駄遣いの辺野古新基地建設。沖縄県の不許可に対して、防衛局が「私人なりすまして不服審査を請求し、身内の国交省が認めたうえに、地方自治を犯して代執行する。法治国家ではない

午後4:36  2023年10月31日
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 国が寄って集って沖縄をイジメ・差別し、司法が沖縄イジメ・差別にお墨付きを与える始末なニッポン。
 琉球新報の【<社説>辺野古代執行訴訟結審 差別政策が問われている】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2428937.html)。《名護市辺野古の新基地建設の設計変更承認を巡り、斉藤鉄夫国土交通大臣が玉城デニー沖縄県知事を被告として起こした代執行訴訟は、初回弁論で即日結審した。福岡高裁那覇支部は、翁長雄志前知事の時のように双方に協議を促すことはなかった。玉城知事の意見陳述も県側弁護団の弁論も明快で、説得力を持って論理的に国の主張を批判した。この訴訟では、問答無用で辺野古が唯一を押し付ける政府の姿勢裁かれなければならない沖縄差別政策が問われている》。

 沖縄差別・沖縄イジメを後押しするニッポンの司法。
 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辺野古ゲート前抗議行動/沖縄に犠牲と負担を強要しないと成り立たない日本の「公益」とは何なのか】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/79631a58ac1cc8211fbef4f6521ac8b8)。《30人以上の市民が集まり、できる限り粘って新基地建設反対を訴えた。昨日30日は軟弱地盤改良工事を承認しない沖縄県に対し、国が代執行を強行するための裁判が行われた。沖縄に犠牲と負担を強要しなければ成り立たない日本の公益とは何なのか日本人(ヤマトゥンチュー)たちはそんな公益を享受したいのかそのことに疑問を抱かないのか無関心で済まされるのかなんと醜い公益であることか。ほんとに反吐が出る》。

 玉城デニー沖縄県知事の素晴らしい意見陳述。それを一顧だにせず、即日結審する福岡高裁那覇支部…。《法と良心に基づく判決》(琉球新報)にはとても期待できそうにはない。
 琉球新報の記事【辺野古代執行訴訟 沖縄県知事の意見陳述(全文)】(https://ryukyushimpo.jp/news/politics/entry-2431288.html)。《いま、沖縄防衛局は、多種多様なサンゴや、ジュゴンなど絶滅危惧種262種を含む5300種以上の海域生物が生息し、世界自然遺産登録地である知床や小笠原諸島等と比べて何ら遜色のない生物多様性を有する名護市辺野古・大浦湾を、多くの沖縄県民の意思に反して埋め立て、弾薬搭載エリアや係船機能付き護岸、2本の滑走路の新設など普天間飛行場に比べて機能が拡大強化された新たな軍事基地を建設しようとしています》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2428937.html

<社説>辺野古代執行訴訟結審 差別政策が問われている
公開日時 2023年10月31日 05:00
更新日時 2023年10月30日 14:19

 名護市辺野古の新基地建設の設計変更承認を巡り、斉藤鉄夫国土交通大臣が玉城デニー沖縄県知事を被告として起こした代執行訴訟は、初回弁論で即日結審した。福岡高裁那覇支部は、翁長雄志前知事の時のように双方に協議を促すことはなかった

 玉城知事の意見陳述も県側弁護団の弁論も明快で、説得力を持って論理的に国の主張を批判した。この訴訟では、問答無用で辺野古が唯一を押し付ける政府の姿勢裁かれなければならない沖縄差別政策が問われている

 地方自治法上の代執行の3要件が訴訟の争点であり、いずれも県と国が真っ向から対立している。3要件とは(1)法令規定や大臣の処分に対し違反、管理・執行に怠りがあること(2)他の方法で是正が困難なこと(3)放置すれば著しく公益を害することが明らかなこと―である。

 国は、9月の最高裁判決で県の事務遂行が違法だと明らかになったと主張した。県は、最高裁判決は行政不服審査法上の裁決の拘束力に違反するとしただけと反論し、国は法令規定違反の立証をしていないと主張した。

 二つ目の「他の方法で是正困難」かどうかについては、国は裁決にも是正指示にも従わず、判決にも従わないから代執行訴訟しかないと主張した。これに対し県は、対話で解決を目指すべきなのに、国が拒否してきたと反論した。

 対話について県は、首相や関係大臣に、設計変更申請前の2019年から現在まで、文書で12回、口頭で6回、衆参の沖縄・北方特別委にも文書で1回ずつ要望してきたと、答弁書に詳述した。

 三つ目が「著しく公益を害することが明らか」かである。県は、米軍が普天間飛行場を使い続けており、国の言う「日米間の外交上・防衛上の不利益」は生じておらず、その一方で現状の危険性除去の努力が何らされていないこと、埋め立てが最短でもこれから12年と長期化することなどを挙げ、国主張は「抽象的」と批判した。普天間爆音訴訟で、国が普天間飛行場に「公共性がある」と主張している矛盾も指摘した。

 玉城知事は意見陳述で「国は、日米地位協定の改定を含む米軍基地の抜本的な被害軽減のための外交交渉を行わず、県外移設の選択肢を『政治的』な理由から排除してきた」と訴え、歴史と現状を踏まえた沖縄の民意こそが公益だと強調した。

 いずれの争点も、国の主張は矛盾と欺瞞(ぎまん)に満ち、全く説得力がない。地方自治体が従わない場合、最後は代執行をやればいいと、権力の横暴を正当化しているようにしか見えない。県民の中には「司法には期待しない」という声もある。福岡高裁那覇支部は、この訴訟が沖縄の歴史と未来を問い、日本の民主主義の在り方に関わると認識すべきである。法と良心に基づく判決を求めたい。
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https://ryukyushimpo.jp/news/politics/entry-2431288.html

辺野古代執行訴訟 沖縄県知事の意見陳述(全文)
公開日時 2023年10月31日 16:34
更新日時 2023年10月31日 17:32

     (第1回口頭弁論を終え、記者の取材に応じる
      玉城デニー知事=30日午後4時6分、県庁(小川昌宏撮影))

2023年(行ケ)第5号
地方自治法245条の8第3項の規定に基づく埋立地用途変更・設計概要変更承認命令請求事件
原告 国土交通大臣 斉藤鉄夫
被告 沖縄県知事 玉城康裕
意見陳述要旨
23年10月30日
福岡高等裁判所那覇支部民事部 御中
被告 沖縄県知事 玉城康裕

 沖縄県知事の玉城康裕でございます。本日は、意見陳述の機会をいただき、ありがとうございます。
 いま、沖縄防衛局は、多種多様なサンゴや、ジュゴンなど絶滅危惧種262種を含む5300種以上の海域生物が生息し、世界自然遺産登録地である知床や小笠原諸島等と比べて何ら遜色のない生物多様性を有する名護市辺野古・大浦湾を、多くの沖縄県民の意思に反して埋め立て、弾薬搭載エリアや係船機能付き護岸、2本の滑走路の新設など普天間飛行場に比べて機能が拡大強化された新たな軍事基地を建設しようとしています。


 この間、沖縄防衛局は、軟弱地盤の存在が明らかになったことから、沖縄県に対して変更承認申請をしましたが、沖縄県は、公有水面埋立法に基づき厳正に審査をした上で、B―27地点の力学的試験の必要性を含む災害防止対策や、ジュゴンの調査方法等の環境保全対策が不十分であることを踏まえ、変更不承認処分をいたしました。
 ところが、国はあくまで、辺野古新基地建設を遂行するため様々な権限を行使して介入を行い、ついには、本件訴訟を提起し、地方公共団体の処分権限を国が奪うという地方自治に対する最終的な介入手段である代執行にまで至ろうとしています。
 沖縄県の自主性及び自立性を侵害することとなる国の代執行は、到底容認できるものではありません。
 そのため、私からは、沖縄県の主張のうち、特に、次の3点について申し上げたいと思います。


 第一に、問題解決に向けた国と沖縄県との対話の必要性、第二に、国が主張する「公益」の前提である「辺野古が唯一」との考えは、必要性・合理性を欠くこと、第三に、沖縄県民の民意こそが「公益」として認められなければならないこと、であります。
 第一に、問題解決に向けた国と沖縄県との対話の必要性について申し上げます。
 あらゆる紛争を解決するための基本的な方法として、対話は、憲法の基本原理である民主主義の理念からも極めて重要であり、代執行に至る前に国と沖縄県が対話を尽くさなければならないことは至極当然であります。
 沖縄県は、憲法の基本原理である民主主義の理念のもと、沖縄防衛局の変更承認申請が出される前から今日に至るまで、再三にわたり、菅前総理大臣や岸田総理大臣をはじめ関係閣僚に対し、沖縄県との対話の場を設け、真摯(しんし)な対話によって辺野古新基地建設問題を解決するよう、強く求めてまいりました。
 しかし、国は、沖縄県の求めに対し、既存の会議体である沖縄政策協議会などを開くこともないまま、裁決と同日付けで勧告を行うなど、一方的、かつ法令所管大臣の権限濫用としか言いようのない強引な手法で関与を重ね、本件訴訟に至っています。
 それどころか、本件埋立事業について、実に41回にわたる沖縄県の行政指導に対し、沖縄防衛局は、従わない、もしくは回答しないという不誠実な対応を繰り返しております。
 対話によって解決を図る方法をこのように放棄して、代執行に至ろうとすることは到底認められません。


 第二に、国が主張する「公益」の前提である「辺野古が唯一」との考えが、必要性・合理性を欠くことについて申し上げます。
 国の主張は、普天間飛行場の危険性の除去のためには「辺野古が唯一」との考えが前提となっています。申し上げるまでもなく、普天間飛行場の危険性の除去や周辺住民の生活環境の改善は極めて重要な課題であり、国においては最優先事項として取り組む義務がありますが、その方策として「辺野古が唯一」とすることには必要性や合理性が認められません。
 辺野古新基地建設は、仮に変更承認を得たとしても、供用開始までなお12年を要し、しかも、変更承認申請に基づく軟弱地盤の改良工事は、かつてない深度での大規模な難工事となるため、これまでの工事の進捗状況からみても、さらに大幅な遅延が見込まれます。また、地盤改良工事に伴う海底面の改変範囲の拡張等が自然環境に及ぼす影響に応じて、新たな環境保全措置が必要となる可能性も否定できません。このため、一層、工事が遅延する可能性があります。そして、その間、普天間飛行場は固定化されることになり、何ら早期の危険性の除去等にはつながらないものであります。


 また、近年、周辺国のミサイル能力の向上に対応するため米軍が作戦計画や軍の編成を大きく変容させるなど、安全保障環境の変化が認められるにもかかわらず、ミサイル攻撃の対象となる可能性が高いと指摘されている固定化された新たな基地を建設しようとする点からも、その必要性・合理性が認められません。
 他県におけるイージス・アショアの配備断念の例のように、必要性や合理性を欠く場合に、安全保障上の施設の整備が撤回されることは一般的にあり得ることであって、沖縄県における辺野古新基地建設も同様に撤回が検討されなければなりません。


 このように、必要性・合理性を欠くにもかかわらず、国が「辺野古が唯一」とする理由は、結局のところ、県外移設に対する県外の反発を恐れ、県内移設ありきで物事を解決しようとするものでしかありません。それは、森本元防衛大臣が地上部隊、航空部隊、支援部隊の3つの機能を有する海兵隊の配備について問われた際、地政学的に沖縄でなければならないという軍事的な目的は必ずしも当てはまらず、日本の西半分のどこかに3つの機能を持つ海兵隊が完全に機能するような状態であれば、沖縄でなくても良いと発言したことや、中谷元防衛大臣が、在沖米軍基地を分散しようと思えば九州でも分散できるが、県外での抵抗が大きいと発言したこと、そしてモンデール元駐日米国大使が、普天間飛行場の移設先について米国側が「沖縄」とは言っておらず、日本政府が別の場所に配置すると決めれば、米国側は受け入れるだろうと発言したことからも明らかです。


 第三に、沖縄県民の民意こそが「公益」として認められなければならないことについて申し上げます。
 沖縄県民は、あの凄惨な沖縄戦で、本土防衛のための防波堤として筆舌に尽くし難い犠牲を強いられ、終戦後も本土から切り離されて米軍の施政権下におかれました。
 そして、銃剣とブルドーザーによる強制的な土地の接収を経て、広大な米軍基地に囲まれることになり、軍用機の度重なる墜落事故や米軍人等による殺人・強姦等の凶悪犯罪、燃料流出による井戸の汚染など、本土復帰までの27年間、軍事基地があるがゆえの、ありとあらゆる基地被害にさらされたのです。そしてこの間、本土の基地負担を軽減するために、日本国憲法が及ばない沖縄への基地集中が進められたのです。
 本土復帰後も基地被害は後を絶たず、復帰から今日までの間、飛行機・ヘリコプターの事故は、墜落事故49件を含む882件、米軍人等による刑法犯検挙数は、凶悪犯584件を含む6163件にのぼり、そのほか、PFOSを始めとする環境汚染、航空機騒音など、生命、身体、生活への深刻な被害は枚挙に暇がありません。


 さらには、米軍基地の整理縮小が進まず、市街地を分断する形で存在し続けることで、街づくりや産業基盤の整備が計画的にできないなど、自立的な経済発展も妨げられてきました。
 本土復帰から半世紀が経ち、SACO合意から27年となる今日、日本の国土面積の約0・6%に過ぎない沖縄県に、全国の米軍専用施設面積の約70・3%が集中しており、沖縄県民は他の都道府県に比べ、1人当たりの面積で、実に約200倍の基地負担を課されております。しかし、今日に至るまで、国は、日米地位協定の改定を含む米軍基地の抜本的な被害軽減のための外交交渉を行わず、県外移設の選択肢を「政治的」な理由から排除してきました。その姿勢をみれば、国が普天間飛行場の危険性の除去や基地負担の軽減を唱えてきたことに、説得力はありません。


 基地のもたらす深刻な被害に日常的にさらされながら、このような国の姿勢をみてきたからこそ、沖縄県民は、辺野古新基地建設に反対しているのであって、その民意は、直近3回の県知事選挙の結果、そして投票者総数の約72%、約43万人が辺野古の埋立てに反対の意思を示した、2019年の県民投票の結果に、明確に表れているのです。
 そして、代執行においては、その要件として「著しく」という形で、国の他の関与に比べて一層厳格な要件と判断が求められていることから、地方公共団体の事務処理を国が強制的に是正することが、憲法で定める地方自治の本旨や国と地方が対等・協力の関係であるとされた地方分権改革の趣旨を踏まえても、なお許容されるか、という観点から、公益が考慮されなければなりません。
 何が沖縄県民にとっての公益であるかの判断は、国が押しつけるものでなく、まさに沖縄県民が示す明確な民意こそが公益とされなければなりません。


 このような異常なまでに過重な基地負担が課されている中で、さらなる基地負担を受け入れることは到底できない、という、当然とも言える沖縄県民の明確な民意を無視した、国による是正が許容されようもないことは明らかです。
 私はこれまで、全国各地でトークキャラバンを実施し、日本の安全保障は国民全体で考えるべきであり、沖縄の過重な基地負担や辺野古新基地建設についても、国民の皆様に「自分ごと」として考えていただくとともに、国連人権理事会の場で、民主主義や地方自治が脅かされている沖縄の現状を訴えてまいりました。


 本来であれば、国が公益として安全保障を主張するならば、国自身が安全保障を国民全体で考え米軍基地を日本全体で負担する必要があることについて、国民の理解を得る努力を不断に行うべきであります。果たして、それはどれほど行われているのでしょうか。
 かつて御庁は、1996年の代理署名拒否事件判決において「沖縄における米軍基地の現状、これに係る県民感情、沖縄県の将来等を慮って本件署名等代行事務の執行を拒否したことは沖縄県における行政の最高責任者としてはやむを得ない選択であるとして理解できないことではない」と述べた上で、沖縄の米軍基地問題の段階的な整理・縮小の推進による解決について、国の責務は重いと指摘をしております。


 沖縄が51年前に日本に復帰したとき、それまで極めて多くの犠牲と屈従を強いられてきた沖縄県民は、いわゆる「屋良建議書」において、人権、平和、民主主義、地方自治を高く掲げる日本国憲法のもとで生きていくことに大きく期待し、沖縄が「基地のない平和の島」となることを心から願いました。そして昨年、復帰50年を迎えるに当たり発表した新たな建議書においても、改めてこの点を確認し、政府に対し申し上げたところです。


 御庁におかれては、その今日にまで続く切なる期待と願いを、国が代執行という国家権力で踏みにじることをどうか容認されないよう、そして、国と沖縄県との対話によって辺野古新基地建設問題の解決の道を探ることこそが最善の方法であることを、沖縄県民の多くの民意に即した判断として示していただきますよう、お願いいたします。
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コメント
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●小西洋之参院議員「…技術検討会の構成員が、受注業者からお金をもらい、かつ改良工事の設計段階から議論に関わっていた。…出来レース…」

2023年11月20日 00時00分51秒 | Weblog

[【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】(東京新聞2020年2月15日)↑]


(20231115[])
辺野古技術検討会」や「環境監視等委員会」が「公正」「中立」ねぇ? 「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。
 《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点》について、(東京新聞)《辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》。

   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた
     盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》
   『●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の
      出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?
    《新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)を代表とする
     「沖縄辺野古調査団」は受注業者の実測データを基に護岸の
     安定性を調べた。国土交通省が定める港湾施設の基準を満たさず、
     巨大護岸が崩壊する恐れがあると指摘した》

   『●辺野古…《立石雅昭名誉教授…「…意図的に避けているとしか思えない。
     技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》

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過去のブログ: 2019年09月14日 00時00分21秒

 「辺野古技術検討会」が、「公正」 「中立」ねぇ? アベ様らや自公お維の皆さん方から最も程遠い言葉。
 「環境監視等委員会」も機能していないし、その二の舞でしょう。「監視」してないし、「悪しき結果の追認」委員会、「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。おまけに、「辺野古とカネ」の問題まである。「辺野古技術検討会」も「検討」することはないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもありません。《建設ありきの路線にお墨付きを与えるだけ》だし、《客観的な検討ができる》訳もない。《客観的》なんて、元々あり得ないが、《主観的》過ぎやしないか? 《利害関係》が過ぎやしないか?
 《防衛省幹部の言葉はもっとあけすけだ。有識者らの技術検討会が「建設ありき」との批判があることについて「移設工事は決まっていて、意見をいただくのに、建設ありきではいけないのかと開き直っている》…って、委員会・検討会や委員が不要だと言っているようなもの。沖縄の民意はさんざん無視しておいて。《政府の新基地建設を後押しする機関》、《環境監視等委員会も本来の役割を果たさず、政府の追認機関》。《環境監視等委員会は新基地建設ありきの防衛局の追認機関である。これで環境保全ができるわけがない》。委員の問題というよりも、委員長や委員会事務局、検討会事務局の問題か…。
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過去のブログ: 2020年05月17日 00時00分20秒

 一体どこが《専門家》なのか? 何が、「技術検討会」? 不要不急な工事…いや、無駄な工事。美ら海破壊にドブガネ。工期と工費は∞。いつまでたっても新基地は完成しない。百万歩譲って、完成しても普天間は返還されない。辺野古は単なる破壊「損」
 結論ありき、「辺野古が唯一」…どこまでも無能な独裁政権。
 デタラメ防衛省…一方、着々と辺野古破壊が進む。正に破壊「損」。大浦湾で護岸が崩壊したら、辺野古も含めて元の自然に戻せるのか? 責任もって、原状回復して見せてくれんでしょうね?
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 東京新聞の記事【辺野古は「出来レース」との指摘に…国は事実確認すら拒んだ 「お墨付き委員」へ多額の資金提供【詳報】】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/289919)。《米軍普天間(ふてんま)飛行場の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り、軟弱地盤工事に伴う設計変更にお墨付きを与えた沖縄防衛局の「技術検討会」の委員2人に、関連工事の受注業者から資金が流れていた。設計変更を巡っては、沖縄県と国との間で対立が続く。県の担当者は14日、本紙の取材に「中立性、公正性、科学的に疑問符が付くような業者と委員の関係性はいかがなものか」と指摘。設計変更の決定プロセスに疑問を投げかけた。一方で防衛省は国会で、報道の事実確認すら「逐一把握する立場にない」と拒んだ。(中沢誠谷岡聖史三輪喜人)》。

 委員会での旅費や謝金は必要だと思うんですよね。でも、委員就任後に受注業者から奨学寄付金を受け入れるというのは如何なものなのだろうか? 就任前だとしても、《設計変更に関わった設計業者》に辺野古の《設計変更》に関する《技術指南を行っていた》とすると、これまた大きな問題ではないか。(※ブログ主注: 以下の記事に《設計変更に関わった設計業者に技術指南》とあるが、辺野古に関わる《技術指南》なのかどうかが分からない。奨学寄附金の受入れ名目、実際の技術指南の内容が問われるのではないか? 《改良工事の設計段階から議論に関わってきた》という事実が無いのであれば、専門家として反論すべきだ…。) 「お礼」と受け取られても仕方ないのでは? 利益相反に抵触しないか? 《◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない》と果たして言えるか。《出来レース》と言われても仕方ない。小西洋之参院議員は「設計変更を評価した技術検討会の構成員が、受注業者からお金をもらい、かつ改良工事の設計段階から議論に関わっていた。こういうのを出来レースと言うんじゃないですか」、また、「こうした技術検討会の議論、あるいはそこで出た結論は信頼に値するのか」と。
 《近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない」「近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではないこれ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない》…地盤力学や土質力学を専門とする研究者がこれを是とするとは思えないのだが…。《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた》…この《簡易的》というのも疑問なんだけれど、沖縄防衛局は、詳細なデータを持っていて隠蔽したりしていないですよね。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/289919

辺野古は「出来レース」との指摘に…国は事実確認すら拒んだ 「お墨付き委員」へ多額の資金提供【詳報】
2023年11月15日 09時02分

 米軍普天間(ふてんま)飛行場の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り、軟弱地盤工事に伴う設計変更にお墨付きを与えた沖縄防衛局の「技術検討会」の委員2人に、関連工事の受注業者から資金が流れていた

 設計変更を巡っては、沖縄県と国との間で対立が続く。

 県の担当者は14日、本紙の取材に「中立性、公正性、科学的に疑問符が付くような業者と委員の関係性はいかがなものか」と指摘。設計変更の決定プロセスに疑問を投げかけた。

 一方で防衛省は国会で、報道の事実確認すら「逐一把握する立場にない」と拒んだ。(中沢誠谷岡聖史三輪喜人)。


◆防衛大臣は「公正性に影響ない」

 この日は参院の外交防衛委員会でも、本紙が報じた技術検討会委員への資金提供問題が取り上げられた。

     (軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。
      難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ
      =2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供))


あわせて読みたい
【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円


「設計変更を評価した技術検討会の構成員が、受注業者からお金をもらい、かつ改良工事の設計段階から議論に関わっていた。こういうのを出来レースと言うんじゃないですか」
「こうした技術検討会の議論、あるいはそこで出た結論は信頼に値するのか

 立憲民主党の小西洋之参院議員が追及した。

 これに対し、木原稔防衛相は「議事録を見たが、変な誘導はないと認識しており、特に問題があるとは考えていない」と反論。公表されている技術検討会の議事録に残された委員の発言内容を引き合いに出し、議論の公正性を繰り返し訴えた。

 その上で、「法律に基づく審議会は、審議の結果に基づいて政策に勧告等を行うもの。技術検討会は法律に基づかない、助言をいただくものという観点から、議論の公正性、中立性に影響があるとは考えていない」とした。

 本紙が、技術検討会の委員8人のうち、寄付金の受け取りの有無が確認できたのは、情報公開請求制度のある大学や研究機関に所属する6人だけ。防衛省側は「各委員の研究活動を逐一把握する立場にない」とし、全委員の寄付金の有無を調べる考えはないとした。

 2人の委員が就任の前年まで1年余りにわたって、設計変更に関わった設計業者に技術指南を行っていたことについては、防衛省側は「民間企業の自主的な取り組みには逐一コメントする立場にない」と言及を避けた。


辺野古工事に関する技術検討会 土木工学の専門家ら8人の委員で構成。設計変更に関して専門的見地から技術的な助言を得るため、防衛局が委員を選んで2019年9月に設置した。6回の会合を経て、防衛局は20年4月、専門家からも理解を得られたとして、県に設計変更を申請。防衛省によると、申請後も解散せず、県から意見を求められた際などに適宜、委員から助言を得ているという。


◆沖縄県にも「検討会の委員が言っているから」

 沖縄県は「調査が不十分」として防衛局の設計変更を不承認にし、国と法廷闘争が続いている。

     (立民の小西洋之参院議員㊧と木原稔防衛相
      =14日、参院外交防衛委員会で)

 防衛局は2020年4月、設計変更を県に申請した。

 県によると、申請された設計変更が妥当か判断するに当たり、4度にわたって防衛局に質問を重ねたという。

 県が質問すると、防衛局からは幾度となく技術検討会の委員が問題ないと言っているので問題ないとの回答が返ってきたという。

 その一つが、軟弱地盤が最深部の「B27」地点での調査だ。

 防衛局は、「B27」地点の地盤の強度を調べず他の調査地点のデータから推定して設計を行っていた。

 審査の過程で、県も「B27」地点で実測していないことの妥当性を防衛局に尋ねているが、そのときも「技術検討会の委員が…という返答だったという。


◆「公正性に疑い持たれること自体問題」

 県海岸防災課の与儀喜真副参事は「資金提供のような報道があると、個人的には設計変更の内容が疑わしく思えてくる。ただ、たとえ影響がなかったとしても議論の公正性、中立性に疑いを持たれること自体が問題だ」と話す。

 本紙の調査では、辺野古の埋め立てや護岸の工事を受注した業者から、委員8人のうち少なくとも3人が就任前に計570万円、就任後にも2人が計230万円の奨学寄付金を受け取っていた。また、委員2人は、就任前年まで1年余りにわたって、設計変更に関わった設計業者に技術指南していた。

 設計変更を巡っては、県が軟弱地盤の最深部で地盤強度を調べていないことなどを理由に不承認とした。その後、国との間で法廷闘争となったが、県が敗訴。現在、国は知事に代わって承認する「代執行」を求めて提訴しており、年内にも判決が出るとみられる。


辺野古の軟弱地盤問題 埋め立て予定地の海底で、軟弱地盤が確認されたとして、沖縄防衛局は2020年、沖縄県に設計変更を申請した。県は承認せず、国との間で法廷闘争になった。国は知事に代わって承認する「代執行」に向けて提訴し、既に結審している。防衛局の設計変更では、海底に約7万本の砂杭などを打ち込み、地盤を固める改良工事を計画している。総工費は2.7倍の9300億円に膨らむ。仮に代執行が認められ、国が地盤改良工事に着手しても、普天間返還2030年代半ば以降となる見通し。


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主な質疑応答

◆防衛省「把握する立場にない」

小西洋之議員 東京新聞に、辺野古工事に関する防衛省の技術検討会の委員が工事関係会社から寄付金を受け取っていた、との報道がある。事実関係は。

     (質問する立民の小西洋之参院議員=14日、参院外交防衛委員会で)

青柳肇・防衛省整備計画局長 技術検討会以外での各委員の研究活動を逐一把握する立場になく、研究活動自体にコメントすることは差し控えたい。技術検討会は、各委員の純粋に技術的、専門的見地から提言、助言を頂くもの。各委員の研究活動が技術検討会の議論の公正性、中立性に影響するとは考えていない。


◆なぜ把握しない? 2度の「答弁拒否」

小西 公正性、中立性を確保するために、なぜ、各委員の研究活動を把握する必要がないのか。合理的な根拠は。

青柳 技術検討会の議論の公正性、中立性確保の観点から、委員長、委員の発言の逐一を記載した議事録を沖縄防衛局のホームページで公表している。各委員の技術的、専門的知見をもとに客観的な議論が行われていると認識している。


小西 議論を公開することと、出席している委員が純粋に科学的な見地から公正中立な発言をすることは、まったく別問題。もう一度聞く。なぜ、委員の研究活動を把握せずに、その委員が辺野古の工事に関する技術検討会で、中立かつ公正に活動できるといえるのか。

青柳 申し上げたように、非常に細かい資料、委員長と委員の議事録をそのまま記載しているので、それをご覧になれば、話を変な方向に誘導していないか、変な議論をしていないかは分かる。その意味で、公正性、中立性は担保されている。

小西 2回にわたって答弁拒否している。委員会に資料を提出してください。なぜ、研究活動を一切把握せずに、委員として中立公正な責務がまっとうできるのか


◆防衛大臣の反論は

小西 防衛大臣に聞く。国の政策を議論する有識者会議では、委員の先生方が、事業を受ける会社と利害関係があるのかを徹底的に調査する。利害関係がある方は欠格要件として、そもそも委員はお願いしない。例外で、仮にお願いする場合でも、議論だけお願いして議決はお願いしない。
 報道によれば、少なくとも2人の方が多額の寄付金を受けている。こういう寄付金を受けながら、純粋に科学的な見地から公平公正な議論ができる、と社会常識に照らしてお考えか。

木原稔防衛相 法律に基づく審議会は、調査審議の結果に基づいて政策に勧告等を行うもの。あるいは行政庁の意思決定に審議会の議決が必要となる。一方で、有識者会議、今回のような技術検討会は法律に基づかない助言を頂くものという観点から、議論の公正性、中立性に影響があるとは考えていない

     (答弁する木原稔防衛相=14日、参院外交防衛委員会で)

 また、沖縄防衛局が公開している資料には、委員長と委員、名前は公表していないが議事録を公開している。相当ボリュームがある。客観的な議論が行われているという認識だ。


小西 多額の寄付金を関係事業者から受け取っている学者さんが、純粋に科学的な立場から公正中立な議論ができる、と考えることはできない。利害関係のある方は外れて頂く、あるいは先ほど申し上げたような特別な要件を課すのが通常だ。防衛省だけやらないのか。
 このうちの委員2人は辺野古の軟弱地盤の工事の設計業務を沖縄防衛局が発注した日本公営の社内検討会議に参加して、設計変更の議論に加わっていたのでは設計変更の議論に加わっていた方が、技術検討会のメンバーとして評価する。事実関係は。

青柳 社内検討会の設置、民間企業の自主的な取り組みについて、逐一コメントする立場にない


◆「質問妨害だ」

小西 この辺野古の工事は、世界にも例がないような非常に深いところの難工事改良工事の方法が完璧に信頼できるという客観的な科学的な評価は、技術検討会以外でありますか。

青柳 国土交通省港湾局が監修している港湾の施設の技術上の解説に準拠している。

     (答弁する防衛省の青柳肇整備計画局長。左端は
      木原稔防衛相=14日、参院外交防衛委員会で)


小西 国交省は政府なのだから、客観的な評価にならない。第三者の客観的な評価は、この技術検討会以外にあるか。YesかNoかだけで答えてください。質問妨害だ。

青柳 いま申し上げたように、国土交通省の基準も有識者からの意見で作り上げたもの。これも十分と考える。


小西 「基準に適合している」ということ(評価)も含めて、評価している主体が技術検討会以外にありますか、と聞いている。3回目です。ありますか?

青柳 技術検討会も当然のことながら審議していただいている。


◆こういうのを「出来レース」って言うんじゃないですか?

小西 つまり今の答弁の通り、改良工事のやり方が科学的に是認できるという客観的な評価をしている第三者は、技術検討会しかない。その構成員が工事事業者からお金をもらい、かつ、その改良工事の設計段階から議論に関わってきた。こういうのを「出来レース」って言うんじゃないですか?

     (辺野古工事の設計変更を不承認とした
      沖縄県の玉城デニー知事)


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辺野古の設計変更に「出来レース」との指摘 資金提供だけじゃない、産官学の密接ぶり


 設計段階に関わっていたのなら、かつ、委員になる前、委員になった後に寄付金を事業者から受け取っていたのであればその議論について公正性、中立性の確保が危ぶまれるということに常識的になるのではないか。防衛大臣の見解を。

木原 議論の公正性、中立性の観点から、議事録を見たが、変な誘導はないという認識を持っている。特に問題があるとは考えていない。


小西 全く何の説明にもなっていませんが、メンバーが1名代わった。どういう経歴か。

青柳 本年4月、青木伸一委員に代えて八木宏委員を新たに選出した。防衛大学校の教授。


小西 もともと政府関係者が8人中4人いたが、防衛大の八木先生に代わったので、8人中5人が政府関係者、防衛大の教授、あるいは元国交省の官僚だ。防衛大臣に伺う。こうした偏った技術検討会について、政府の施策である辺野古工事の技術的評価について中立公正な評価が可能だとお考えか。

木原 国または国の機関での勤務経験が議論に影響を与えるものではないと考えている。


◆議事録を公開=公正中立な会議?

小西 防衛大臣に伺うが、技術検討会には工事関係の会社から多額の寄付金をもらった方々がいる。2名は工事の設計段階からもらっていたのではないかという指摘がある。今の段階で8名中5名の方が現職、あるいは元政府関係者だというが、こういう会議体が行う改良工事の技術的な評価について、玉城デニー知事をはじめとする沖縄県民の皆さんから見て、そこで出された結論は信頼に値するのか

木原 議論の中身が大事だろうと思う。沖縄防衛局のホームページには、この議論の逐一が公表されている。中身が全て赤裸々に書いてある。特に偏った誘導をするとか、一定の結論に持っていくとか、そういう方向ではないことはご理解いただけると思う。


小西 会議の内容を全て公開すれば会議の内容が科学的、中立公正なものになる、という根拠は。

木原 まずは純粋に技術的、専門的知見から客観的に議論できる方を選考する。そして、議論の中身は公表している。それをしっかり見ることによって、偏った誘導はなかったと確認できる。


小西 関係事業者から寄付金をもらったり、設計段階から議論に加わったり、あるいは政府関係という属性がある方々は、普通は欠格条件で外すんですよ。客観的な議論がなぜできるとお考えなのか。

木原 繰り返しで恐縮ですが、技術検討会においては、各委員が有する技術的専門的な知見をもとに客観的な議論が行われているものと、私は認識しておりまして、問題ないという風には考えております。


小西 私も行政で12年間、議員として13年間やっていますけど、これほどの出来レースとしかいいようがないですね、技術検討会は見たことがないということは申し上げさせていただきたいと思います。
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●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》

2023年09月15日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年08月16日[水])
まずは、昔のブログ(2014年08月08日 00時00分18秒)『●いろんな意味で疲れます…住民基本台帳活用とアイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!』にコピペさせていただいていた、半田滋さんによる東京新聞のコラム【【私説・論説室から】自衛官募集で「赤紙来た」】を再引用します。

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【私説・論説室から】
自衛官募集で「赤紙来た」
2014年8月6日

 「平和を、仕事にする」。自衛隊の募集案内が七月上旬、全国の十八歳の若者宛てに一斉に送付された。安倍晋三首相は七月一日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。このタイミングで自衛官募集のダイレクトメールが届けられたのだ。

 インターネットを利用したツイッター上では「赤紙が来た」「召集令状だ」といったつぶやきがあふれた。防衛省は地方自治体が持つ住民基本台帳から適齢者の住所、名前などの個人情報を入手している。政府が自衛隊に入隊してほしいと考えた適齢者(十八~二十六歳)へ、いつでも募集案内を送りつけることができると証明された。

 八月一日から十日までは、AKB48の「ぱるる」こと島崎遥香さんによる自衛官募集のテレビCMがオンエアされている。「自衛官という仕事、そこには大地や海や空のように果てしない夢がひろがっています

 AKB48採用の理由を防衛省人材育成課は「親しみやすいうえ、東北復興にボランティアとして活躍している。『人の役に立ちたいという若者に訴えかける力がある」という。だが、自衛官になって「人助け」をしようとする若者の夢は「戦争参加の可能性」により、打ち砕かれたのではないか。「果てしない夢」はしぼんでしまったのに「夢のある自衛官になろう」と呼びかけるのだからブラックジョークというほかない。 (半田滋
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 さて、山田祐一郎安藤恭子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「赤紙」があなたにも? 自衛隊の入隊勧誘ダイレクトメール 知らないうちに自治体が個人情報を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/268883?rct=tokuhou)。《自治体から自衛隊へ、若者の個人情報の提供が拡大している。進路を選ぶ年齢の住民に突然ダイレクトメール(DM)が届き、あたかも戦時中の「赤紙」を連想させるという声も。背景にあるのは、深刻な自衛官のなり手不足だ。政府はさまざまな対策を打ち出しているが、根本的な原因はどこにあるのか。戦後78年の終戦記念日を前に、教訓を考えた。(山田祐一郎安藤恭子)》。

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
     武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
   『●沖縄では自衛隊入隊の説明会依頼は無し、
       なので、住民基本台帳を閲覧して個人情報を入手
   『●いろんな意味で疲れます…住民基本台帳活用と
      アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!

 防衛大学校もあの惨状。《学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています》、《怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです》《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです》。
 また、《防衛ジャーナリスト半田滋の丹念な取材レポート。防大現役教授の内部告発文書が話題になっています。武器は爆買いし配備していますが、それを使い動かす自衛隊員は慢性的な人手不足リーダーを育てるはずの防衛大学校では、目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演で、能力と意欲のある学生ほど進路を転換する。等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生はどんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね、と思わず納得する結果でした》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な
        論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー
   『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
      離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》
   『●等松春夫教授《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から
      招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校にまで見られるのです》

 「まずは、「戦争絶滅受合法」を可決し、自公議員や支持者をはじめとしたオトナがお手本を示して、「非戦闘地域」の現状を確認してもらってから…」。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/268883?rct=tokuhou

こちら特報部
「赤紙」があなたにも?自衛隊の入隊勧誘ダイレクトメール 知らないうちに自治体が個人情報を
2023年8月9日 12時00分

 自治体から自衛隊へ、若者の個人情報の提供が拡大している。進路を選ぶ年齢の住民に突然ダイレクトメール(DM)が届き、あたかも戦時中の「赤紙」を連想させるという声も。背景にあるのは、深刻な自衛官のなり手不足だ。政府はさまざまな対策を打ち出しているが、根本的な原因はどこにあるのか。戦後78年の終戦記念日を前に、教訓を考えた。(山田祐一郎安藤恭子


◆高校3年生の長男に

     (東京都内に届いた自衛隊の勧誘チラシ=一部画像処理)

 「平和な日本で在り続ける為に」「自衛隊という選択肢」

 7月上旬、東京都内の会社員女性宅に届いた高校3年生の長男(17)宛てのDM。防衛省と書かれた封筒を開けると、そんな言葉が書かれたチラシが入っていた。「進学先としての防衛大であればそういう選択肢もあるかとも思えるが、『自衛隊』と書かれると、抵抗を感じた」と女性は話す。

 DMは全国の自衛隊地方協力本部が、高校を卒業する18歳や、大学を卒業する22歳に向けて送ったものだ。自衛隊法では、都道府県知事や市町村長が自衛官の募集事務の一部を行うと規定しており、DMを送るための「氏名」「生年月日」「性別」「住所」の個人情報を、全国の多くの市区町村が自衛隊側に紙や電子媒体で名簿提供している。

 従来は、多くの自治体が住民基本台帳の閲覧や書き写しを認める形にとどめていた。大きく転換したきっかけは、2019年2月、安倍晋三首相(当時)が自民党大会で「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している」と述べたこと。政府は20年12月、「市区町村長が住民基本台帳の一部の写しの提供が可能であることを明確化する」ことを閣議決定し、翌年2月に防衛省と総務省が各自治体に提出が問題ないことを通知した。

 防衛省によると、18年度は紙と電子媒体による名簿提供が全1741自治体中683自治体だったのに対し、22年度は1068自治体に増加。これに対し閲覧は、894自治体から534自治体に減少した。名簿提供が39%から61%に増え、逆転したことになる。


◆安倍元首相の発言で「名簿提供が拡大」

 「安倍元首相が自治体をやり玉に挙げたことで一気に名簿提供が拡大した」と話すのは、市民団体「改憲・戦争阻止!大行進川崎」事務局の上田豊さん。7月に川崎市に対し、名簿提供の中止を申し入れた。「まさに自治体による戦争協力」と市の対応を批判する上田さん。「戦時中に自治体職員が住民に赤紙を持って行ったのと同じ構図だ」と指摘する。

 「こちら特報部」は8日午後、東京都練馬区と埼玉県朝霞、和光、新座市にまたがる陸上自衛隊自衛隊朝霞駐屯地の周辺を訪ねた。陸自広報センターがある朝霞門近くには「自衛官募集」の大きな看板と、「全国統一夏季採用広報キャンペーン実施中」の横断幕が掲げられていた。

     (陸上自衛隊朝霞駐屯地のフェンスにある
      自衛官の募集案内=埼玉県和光市で)

 30代と40代の息子がいる朝霞市内の女性(60)は「子どもが学生の時は募集のチラシが送られてきていたし、電話でも勧誘があった」と振り返る。学生はDMが届いたら、自衛隊への就職を考えるのか。和光市駅から出てきた大学1年の男性(18)は「考えたこともなかった。国を守ることも大事だと思うけど、命を危険にさらすのは嫌だ」と話した。

 前出の、DMを受け取った女性は「人を殺傷することを前提とした訓練をさせるために息子を育ててきたわけではない。一方で経済的な事情で選ばざるを得ない若者もいるので複雑だ」と心境を明かした。

 知らないうちに個人情報を提供され、年齢を見定めてDMが届く状況は問題ではないのか。甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は「住民基本台帳法は台帳の閲覧を認めているだけ。提供の規定はなく同法を逸脱している。自衛隊法からみても自治体管理の個人情報まで得ようというのは、拡大解釈の恐れがある。自衛隊だけ特別扱いというのもおかしい」と述べる。

 情報提供を望まない人を名簿から除外する「除外申請」制度もあるが、市民に周知されているとはとても言えない。DMが届いた保護者や子どもが困惑するのは「当たり前」と園田氏。「個人情報を提供されたくないという『自己情報コントロール権』を守りたいと思うなら、居住する自治体に対し、何を根拠に提供したのか問い合わせ、異議申し立てもできる。なし崩し的に自治体の名簿提供が広がるのは筋が違う」


◆少子化やハラスメントで応募者減少

 背景には自衛官応募の減少傾向もある。先月公表された2023年版防衛白書によると、22年度の自衛官などへの応募者数は7万4947人。前年度の8万4682人から1万人近く減った自衛官の定数割れも慢性的で、22年度末は定数約24万7000人に対し、現員数は約22万8000人だった。

 こうした状況を受け、政府の人的基盤強化策に関する有識者検討会は7月、報告書を提出。任期がある自衛官候補生制度の見直しや、幹部自衛官となる前提で理工系学生に奨学金を貸与する「貸費学生制度」の対象者拡大を推奨。給与増額、ハラスメント根絶なども求めた。

 だが、福島県の陸自郡山駐屯地に所属していた五ノ井里奈さんが自衛官を辞めた後の22年、前年に男性隊員3人に押し倒されるなどの性被害を受けていたと公表。愛知県の航空自衛隊小牧基地は今年5月、後輩の男性隊員の顔にマグカップを投げつけ歯が折れるなどのけがをさせたとして、40代男性空曹長を停職6カ月の懲戒処分とした。

 「応募減は少子化だけが原因ではない。相次ぐパワハラ、セクハラ報道をみれば、入隊は不安だろう。五ノ井さんに土下座までした隊員たちが裁判で居直ったことも今後の採用に響く」とみるのは、元自衛官で軍事ジャーナリストの小西誠氏だ。「いじめやハラスメントが相次ぐのは軍隊の構造。24時間営内勤務の生活環境がいまの日本にそぐわない。有事となれば、さらに人はいなくなる

 令和を生きる若者に届くDM。明治大の山田朗教授(日本近現代史)によると、徴兵制があった戦前の「赤紙」は旧日本軍の臨時召集令状を表し、その紙の色をとって呼ばれた。日中戦争が始まったころから、戦地に赴いて退いた予備役や、徴兵検査を経て体格が良くないなどの理由で入営しなかった補充兵役らを対象に届いた。

     (自衛隊への名簿提供中止を訴え
      署名活動する人たち=7月、川崎市で)


◆欧州で進む陸軍削減「日本は軍縮怠る」

 「自分はもう呼ばれないと安心したところに赤紙は届くから、ショックは大きかった。自衛隊勧誘のDMに『数日以内に来い』というような強制力はないが、突然送られてくるという点で、赤紙と重なる」と山田氏は指摘する。日本の戦況が悪化し、敗戦に至るまで赤紙は送られ続けた。

 戦後78年を迎える日本の状況を「際限なき軍拡。自衛官が定数割れというが、そもそも今の日本に見合った兵力なのか」と疑問視する。冷戦後、西ドイツやフランス、英国の各陸軍は兵力を大幅に減らしてきたが、「日本は軍縮の努力を怠ってきた陸自を地域に張り付かせるやり方を変えず、いまは南西諸島にシフトしている」という。

 「ミサイル配備などみてくれの軍事力を拡充しても、相手国も引けず、最前線の緊張を高めるだけだ平和を実現するには文民統制下での情報収集・分析、それに対話と軍縮の努力を重ねることが必要だ


◆デスクメモ

 大戦末期、日本は平時よりはるかに多い軍人を動員。予算の大半を戦費に充て、国民生活はどん底にたたき落とされた。民間を含む国力の圧倒的な劣勢を無視し、軍事力で出し抜けば勝てると妄信。その結果、軍人・軍属230万人、民間人80万人が死んだ歴史に学ぶ点は多い。(本)

【関連記事】PAC3が沖縄で民間港湾地区に展開 自衛隊が市民の日常にじわりと「浸食」
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●等松春夫教授《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校にまで見られるのです》

2023年09月13日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年08月15日[火])
等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』》。
 吉井理記記者による、毎日新聞の記事【大量退校、玉砕美談…防衛大で今何が起きているか 教授が実名告発】(https://mainichi.jp/articles/20230802/k00/00m/040/138000c)。《新入生の大量退校、多発する不祥事やハラスメント、極右論者の浸透……。どこの話かと思えば、これが日本の安全保障の要、幹部自衛官を育てる防衛大学校(神奈川県横須賀市)で起きていることだというから衝撃である。防大の等松春夫教授が実名で告発した。防大で何が起きているのか?【構成・吉井理記】》。

 防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行も衝撃的でしたが、等松春夫教授への【防衛大現役教授が実名告発】インタビュー(前編・後編)もかなり強烈です。
 特に気になるのが…《学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています》、《怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです》《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な

          論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー
    『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
      離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》

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https://mainichi.jp/articles/20230802/k00/00m/040/138000c

大量退校、玉砕美談…防衛大で今何が起きているか 教授が実名告発
吉井理記
毎日新聞 2023/8/3 06:00(最終更新 8/3 06:00) 有料記事 4369文字

     (防衛大学校の観閲式で観閲行進する学生隊=神奈川県
      横須賀市で2023年4月5日午後0時33分(代表撮影))

 新入生の大量退校、多発する不祥事やハラスメント、極右論者の浸透……。どこの話かと思えば、これが日本の安全保障の要、幹部自衛官を育てる防衛大学校(神奈川県横須賀市)で起きていることだというから衝撃である。防大の等松春夫教授が実名で告発した。防大で何が起きているのか?【構成・吉井理記】


新1年生の約20%が退学

 ――毎日新聞のインタビューに先立ち、集英社オンライン上で論考「危機に瀕する防衛大学校の教育」を公表しました。学校運営の硬直化や教官・教育の質の低下が多くの退学者や不祥事を生んでいる、日本の安全保障にとって危機的だ、と警鐘を鳴らすものです。なぜ実名で告発を?

 ◆いくつか理由はありますが、ここ3年ほど、アジア・太平洋戦争中の最悪の戦いの一つ「インパール作戦」の戦史の英訳の仕事をしていたことがあります。


 ――1944年に旧日本陸軍が北ビルマとインド東部で展開した作戦ですね。苛酷な戦場の実情を無視した軍司令官の作戦指導が、膨大な犠牲者を生みました。

 ◆英訳の過程で資料を大量に読み直したのですが、きちんとしたリーダーがいないことがどれほど悲惨な結果を招くか、改めて痛感したのです。防大は将来の自衛隊のリーダーを育てる学校ですが、防大の現状を思うと、自衛隊もいずれ同じことをやりかねない、と思いました。これまでも内部で問題提起をしてきましたが、改善の兆しはない。まともな組織になってほしい、という願いで世論に訴えました。


 ――最大の問題は少なからぬ学生が防大や自衛隊に背を向けてしまっていることだ、と。どういうことですか?

 ◆少し説明しましょう。防大を卒業した学生は、自衛官に任官し、さらに陸海空の各幹部候補生学校で学んで部隊に配属されます。毎年、メディアは自衛官にならなかった卒業生を「任……」………
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●「信なくば立たず。信頼こそが、政治の一番大切な基盤…」―――「信」「信頼」などあった試しがあったか、キシダメ首相? 「不信」しかない

2023年08月20日 00時00分21秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年08月02日[水])
信なくば立たず。信頼こそが、政治の一番大切な基盤であると考えてきた」―――「信」「信頼」などあった試しがあったか、キシダメ首相? 「不信」しかない。

   『●図星だったのに、《「軍事大国」が不満らしい。…タイム電子版が
     「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない》<金口木舌>
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)

 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>支持率低下が示す政治不信】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/266356?rct=discussion)によると、《首相の独善的な政権運営マイナ保険証に限りません。安全保障政策を巡っては、国会や国民の間での幅広い議論を経ず歴代内閣が認めなかった敵基地攻撃能力の保有」を容認し、防衛予算の倍増と、長射程ミサイルの整備など防衛力の抜本的強化にかじを切りました。首相は、厳しく制限してきた殺傷能力を持つ武器輸出の解禁に向けた協議も与党に急がせています。いずれも長年、国会や国民が積み上げてきた議論を一方的に反故(ほご)にするものです。支持率がすべてではありませんが、政権への信頼度を示す指標として、誠実に受け止めなければなりません。「信なくば立たず。信頼こそが、政治の一番大切な基盤であると考えてきた」。国会でこう演説したのは、首相自身ですから。》
 デモクラシータイムスでの半田滋さんのお話によると、防衛大学校(退学や任官拒否者)《退職者数の3つの山》…《イラク派兵安保法制敵基地攻撃》だそうだ。どこに「信」や「信頼」が? 

    『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
      離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》
    《等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、
     そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生は
     どんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を
     解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。
     そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね
     と思わず納得する結果でした》

 トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》。歯止めを失った戦争法強行採決…早く廃止しなければ、最早「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。《歴代内閣が認めなかった敵基地攻撃能力の保有」を容認し、防衛予算の倍増と、長射程ミサイルの整備など防衛力の抜本的強化にかじを切りました。首相は、厳しく制限してきた殺傷能力を持つ武器輸出の解禁に向けた協議も…》、今、キシダメ首相が熱中しているのは《殺傷能力のある武器の輸出解禁》。
 同紙の【<社説>殺傷力ある武器 輸出解禁を急ぐ危うさ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/266345?rct=editorial)によると、《岸田文雄首相が殺傷能力のある武器の輸出解禁に向けて検討を急ぐよう与党に指示した。厳しく制限してきた武器輸出を解禁すれば平和国家としての歩みを逸脱し、地域の緊張を高めかねない武器輸出のルールを定めた政府の防衛装備移転三原則と運用指針を巡り、与党の実務者は四月、見直しに向けた協議に着手し、今月五日に論点を整理した。殺傷武器の輸出を一部認める方向性を示しつつも、政府への具体的な提言は見送り、秋の臨時国会召集後に協議を再開する方針だった。しかし、首相は二十五日、与党協議のメンバーを官邸に呼び、協議の早期再開を求めるとともに、政府内でも検討を加速させる考えを示した》。

   『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
     戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/266345?rct=editorial

<社説>殺傷力ある武器 輸出解禁を急ぐ危うさ
2023年7月29日 07時18分

 岸田文雄首相が殺傷能力のある武器の輸出解禁に向けて検討を急ぐよう与党に指示した。厳しく制限してきた武器輸出を解禁すれば平和国家としての歩みを逸脱し、地域の緊張を高めかねない

 武器輸出のルールを定めた政府の防衛装備移転三原則と運用指針を巡り、与党の実務者は四月、見直しに向けた協議に着手し、今月五日に論点を整理した。殺傷武器の輸出を一部認める方向性を示しつつも、政府への具体的な提言は見送り、秋の臨時国会召集後に協議を再開する方針だった。

 しかし、首相は二十五日、与党協議のメンバーを官邸に呼び、協議の早期再開を求めるとともに、政府内でも検討を加速させる考えを示した。

 これを受け、与党は八月に協議を再開し、日英伊が共同開発する次期戦闘機を念頭に、国際共同開発する装備の第三国への輸出解禁などを目指す、という。

 首相が殺傷武器の輸出解禁を急ぐ背景には、米国が日本による火薬や砲弾の供給に期待を高めていることが挙げられる。米国はロシアとの戦闘を続けるウクライナに弾薬を提供しているが、生産が追い付かないためだ。

 火薬の輸出は現在も可能だが、砲弾の提供には防衛装備移転三原則と運用指針など輸出ルールの見直しが必要だ

 日本が米国に火薬や砲弾を提供すれば、実質的に紛争当事国であるウクライナに武器輸出することになり戦闘を助長しかねないそれでも平和国家と言えるのか

 首相は八月中旬に訪米し、日米韓三カ国首脳会談に臨むほかバイデン米大統領と個別に会談する見通しだ。武器輸出解禁に向けた協議加速を唐突に指示したことは訪米に備えた動きと指摘されても仕方あるまい。国会閉会中に協議を加速させるのも狡猾(こうかつ)な手法だ。

 戦後日本は武器輸出を厳しく自制し、民生中心の協力で国際的信用を得てきたそうした国の在り方を首相の一存で、目先の思惑で蔑(ないがし)ろにしてはならない

 安全保障政策は国民の幅広い合意を得ることが前提だ。政府与党が独断で転換してはならない。
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●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》

2023年08月18日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年07月30日[日])

【どれだけやめる⁉防大・自衛隊 危機に立つ自衛隊【半田滋の眼 NO.83】20230720】
 (https://www.youtube.com/watch?v=iMhmpXzOsYs
《モクラシータイムス》
《防衛ジャーナリスト半田滋の丹念な取材レポート。防大現役教授の内部告発文書が話題になっています。武器は爆買いし配備していますが、それを使い動かす自衛隊員は慢性的な人手不足リーダーを育てるはずの防衛大学校では、目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演で、能力と意欲のある学生ほど進路を転換する。等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生はどんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね、と思わず納得する結果でした。2023年7月20日 収録》


 衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》。

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的
        な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー

 その顛末について、半田滋さんの《丹念な取材レポート》。《目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演》…映像資料を、是非ご覧ください。『危機に瀕する防衛大学校の教育』も是非読んでみて下さい。
 防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行も衝撃的でしたが、【防衛大現役教授が実名告発】インタビュー(前編・後編)もかなり強烈です。《幹部自衛官育成の内情に危機感》《長年にわたる組織の歪み》《改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育》…。等松氏の言葉にも「個人倫理よりも集団の論理が優先される環境で、悪質な上級生が指導」をすると、下級生は悪に染まり、学生舎は、いじめ、賭博、保険金詐取など、諸悪の温床となります。このような環境下では、上級生からの理不尽な指導」を受けた下級生は…」とあります。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

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●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー

2023年07月26日 00時00分47秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年07月09日[日])
防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行も衝撃的でしたが、【防衛大現役教授が実名告発】インタビュー(前編・後編)もかなり強烈です。《幹部自衛官育成の内情に危機感》《長年にわたる組織の歪み》《改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育》…。等松氏の言葉にも「個人倫理よりも集団の論理が優先される環境で、悪質な上級生が指導」をすると、下級生は悪に染まり、学生舎は、いじめ、賭博、保険金詐取など、諸悪の温床となります。このような環境下では、上級生からの理不尽な指導」を受けた下級生は…」とあります。
 集英社オンラインの記事(前編)【【防衛大現役教授が実名告発】自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件…改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育】(https://shueisha.online/culture/142994)によると、《防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について、インタビューをおこなった。なぜ、等松氏は職を賭してまで“告発”に踏み切ったのか。》
 その後編【准教授主導で200名以上もの学生が関与した詐取事件、8人1部屋の共同生活…防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育がもたらす大きな弊害〈防衛大現役教授が実名告発〉】(https://shueisha.online/culture/143010)によると、《そして14年にわたって防衛大学校と自衛隊の諸学校で教鞭をとってきた教育者でもある。幹部自衛官育成の内情に危機感を持つ教授は「内側からの声だけで改革への道を開くには限界がある」と、長年にわたる組織の歪みを指摘した論考を執筆したと語る》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

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https://shueisha.online/culture/142994

2023.06.30
【防衛大現役教授が実名告発】自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件…改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育
等松春夫 集英社オンライン編集部
危機に瀕する防衛大学校の教育#1

防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について、インタビューをおこなった。なぜ、等松氏は職を賭してまで“告発”に踏み切ったのか。(前後編の前編)


コロナ禍で防衛大学校に起きたこと

等松教授は日本の内外で活躍する政治外交史・戦争史の研究者であり、軍事史研究の泰斗、H・P・ウィルモットの著作の翻訳者としても知られる。そして14年にわたって防衛大学校と自衛隊の諸学校で教鞭をとってきた教育者でもある。
幹部自衛官育成の内情に危機感を持つ教授は「内側からの声だけで改革への道を拓くには限界がある」と痛感し、長年にわたる組織の歪みを指摘した論考を執筆したと語る。

編集部(以下、――) 論考を拝読しました。教授の論点は多岐にわたりますが、昨年3月に卒業した479人の学生のうち任官辞退者(部隊への着任を拒んで、自衛隊を退職した者)が、72人にも上ったという数字は、衝撃的でした。【1】

等松(以下、略):衝撃的なのは、任官辞退者の数だけではありません。卒業した者だけではなく、昨年4月に入学した488人の学生(1年)のうち、2割にあたる100人近い学生が、入学から1年以内に退校しているのです【2】。また、2・3年生の間に自主的に退校した学生も相当な数に上っています【3】。

――任官辞退者や中途退校者が急増した理由を、いまの若者の「精神的な打たれ弱さ」や「ウクライナ戦争の勃発」に見出すマスコミや識者の論調を、教授は強く否定しています。

現役の教官として申し上げますが、学生たちの多くは「打たれ弱い」から辞めるのではありません。むしろ、優秀で使命感の強い学生ほど防衛大学校(以下、防大)の教育の現状に失望して辞めていく傾向が強いと感じています。

――学生たちと同じように、教授も防大に失望して“告発”を決意なさった?

学生を教育する立場の私が「失望した」と言っては、元も子もありません。防大には今なお、使命感と情熱にあふれた学生と教官がいます。失望したから見捨てる、逃げるのではなく、どうにか真っ当な教育環境を整えたいのです。

――そう決意せしめたのは、コロナ禍に対する防大執行部の対応だったとか。

コロナ禍以前から、自衛官教官として「病人・けが人・咎人」【4】を送り込んでくる、防衛省・自衛隊のやり方に対して、私は内外で批判の声を挙げてきました。そのことで、自衛隊・防衛省、防大に出向してくる防衛官僚の一部から恨みを買っていた自覚はあります。

――自衛官教官とは、防大で「防衛学」の講義を受け持つ現役自衛官のことですね。

はい。正確には「防衛学教育学群」といいます。他の大学にはない、安全保障に特化した科目を教える、防大の看板ともいえる学群です。ここには約40人の教官がいますが、そのうち30名が防衛省内のローテーション人事で補職されている人々です。【5】

「病人・けが人・咎人」は海上自衛隊の一部で使われている隠語で、教育部署に回される自衛官の類型を揶揄して使われているフレーズです。おそらく陸自・空自でも、実態は大同小異でしょう。病人とけが人は、本人だけの責任ではありませんが、咎人は論外です。


「商業右翼」【6】を講師として学外から招く悪習

――「咎人」とはどういう意味を指しているのでしょう?

部隊や自衛隊内のさまざまな機関でパワハラや服務違反を起こしたり、職務上のミスを多く犯した者をさします要するに部隊や諸機関で持て余された人々が、「手軽な左遷先」として防大の防衛学教育学群に送られてきているのです。【7】

――それは知りませんでした。教授や准教授といった肩書になっているので、てっきり大学院を出た自衛官が担当しているもの、と。

ごく稀に修士号や博士号を持ち、なおかつ学生教育への情熱を持つかたもいらっしゃいますが、30名のうちのわずか数名に留まります。

――なぜですか。

文官教官(自衛隊ではなく、民間の研究者から選抜された教官)と違って、自衛官教官には厳格な資格審査がありません。文官教官「講師/准教授/教授」の採用はこれまでの研究実績(と、ポストの空きがあるかどうか)によって決まりますが、自衛官教官の場合は、自衛隊で1佐以上の階級なら、防大補職で自動的に「教授」。2佐、3佐なら「准教授」の地位が与えられてしまうのです。けれど、大多数の自衛官教官は、とてもその任には堪えられない人々です。修士号や博士号を取得していない人も少なくありません。【8】

教授や准教授といった立場で防大に補職されても、いっこうに勉強も研究もせず、代々引き継がれているマニュアル本で紋切り型の教え方しかせず、さらには安直な陰謀論に染まることもある。自分が担当する授業の枠内で、学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています。

怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです。

困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです。【9】

私はこれまでもさまざまな機会で警鐘を鳴らしてきましたが、無視されてきました。


コロナ禍での大学内の混乱

――コロナ禍中の202011月には、学校長であった國分良成氏(当時)や、陸上自衛隊・最高幹部の陸将から副校長に補職された原田智総氏などの不作為を指摘した申立書を、岸信夫・防衛大臣に送付したとうかがいました。【10

学生たちを守るためです。2020年の春、防大の執行部はコロナ流行の拡大状況を見誤り、春期休暇で帰省していた約1500人の在校生を3月28日までに召集。4月1日から約500人の新入生を加えて、1部屋に8人を基本とする集団生活を強行しました。

この“軟禁” ともいえる状況によって、首吊りや飛び降りを含む5件の自殺未遂多数の脱柵(脱走)ストレスによる放火を疑われる不審火、そして新入生をカモにして数十万円もの金銭が動いた大規模な賭博事件まで起きました。この間まともな授業もできず防大は2か月近く麻痺状態でした。【11】

にもかかわらず、防大の執行部は誰も、何の責任も取らなかったのです。一般大学では、早いところでは2月末から密を避けるためのリモート授業の検討が始まっていましたが、4月初めになっても防大では何ら方針が立っていませんでした。その後もまったくの泥縄で、防大の執行部には危機管理の意識がまるでありませんでした。

そこで、私は2020年10月、防大に対しておこなわれた特別防衛監察において執行部の責任を問い、教育機関としての正常化を求める申立書を提出しました。ところが、約5時間後、監察団の次席代表である陸自1佐(大佐)が私の研究室を訪れ、「受け取れません」と、申立書を返却してきたのです。封が開いていたので、中身に目は通したのでしょう。翌11月、私は岸大臣に申立書を送付しました。しかし、こちらも黙殺されました。

無責任な官僚や幹部自衛官たちは、日本の安全保障を担う重要な人材の育成をいったい何だと思っているのか。こうした経緯が積み重なったころから、最後の手段として論考の公表を決意しました。


等松教授による論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』全文はこちらから

#2へつづく


等松春夫
とうまつ はるお
1962年、米国カリフォルニア州生まれ。
筑波大学卒業後、早稲田大学で修士課程を修了し、オックスフォード大学で博士号を取得。

玉川大学教授を経て、2009年より防衛大学校・国際関係学科で教授を務める。
著書『日本帝国と委任統治―南洋群島をめぐる国際政治』(名古屋大学出版会)、訳書『大いなる聖戦 第二次世界大戦全史』(H・P・ウィルモット/国書刊行会)など。
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https://shueisha.online/culture/143010

2023.06.30
准教授主導で200名以上もの学生が関与した詐取事件、81部屋の共同生活…防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育がもたらす大きな弊害〈防衛大現役教授が実名告発〉
等松春夫 集英社オンライン編集部

危機に瀕する防衛大学校の教育#2

#1からのつづき


防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について、インタビューをおこなった。なぜ、等松氏は職を賭してまで“告発”に踏み切ったのか。(前後編の後編)


時代遅れの8人1部屋の共同生活

等松教授は日本の内外で活躍する政治外交史・戦争史の研究者であり、軍事史研究の泰斗、H・P・ウィルモットの著作の翻訳者としても知られる。そして14年にわたって防衛大学校と自衛隊の諸学校で教鞭をとってきた教育者でもある。
幹部自衛官育成の内情に危機感を持つ教授は「内側からの声だけで改革への道を開くには限界がある」と、長年にわたる組織の歪みを指摘した論考を執筆したと語る。


編集部(以下、――) 自衛官教官の問題やコロナ禍中のスキャンダルだけではなく、全寮制の防大において、学生たちのライフスタイルの改革が急務だと論考ではおっしゃっています。

等松(以下、略)
:防大の教育では、リーダーシップ・フォロワーシップということが強調されています。上級者は、的確な判断を下して下級者を導く(リーダーシップ)。下級者は、すぐれた上級者に従う(フォロワーシップ)という観念です。軍事組織には命令系統があり、指揮官の統率のもとで行動するため、上級生による下級生の指導(学生間指導と称される)が制度として取り入れられています。

この考え方に基づき、防大生は1年生から4年生までの8人一組が学習室と寝室を共有して、学生舎で生活しています。したがって、授業と校友会活動(クラブ活動)以外の時間は、この8人が同じ場所で時間を過ごします。このような生活の中で、上級生が下級生を指導するわけです。

しかし、この指導は学問よりも日常の振る舞いのほうに重点が置かれており、現代においては、メリットよりも弊害のほうが大きいように思われてなりません

――そうは言っても、防衛大は“士官学校”のような場所でもありますよね?

たとえ士官学校であったとしても、連帯感とリーダーシップ・フォロワーシップの涵養に、上級生から下級生までを8人で常時共同生活をさせる必要はないでしょう。実際、米国の陸軍士官学校(ウェストポイント)では4名1部屋ですし、海軍(アナポリス)と空軍の士官学校は2名1部屋です。


200名以上もの学生が関与した詐取事件

――そうなんですね。

韓国の士官学校も2名1部屋で、居室内はパーティションで1名ずつのスペースに区切られています。また、中国の士官学校は学年別の教育を行い、上級生に下級生の指導はさせていません。集団生活の上下関係による躾と、軍事組織における指揮系統と団結心の確立の間に、科学的に立証された因果関係はないのです。

個人倫理よりも集団の論理が優先される環境で、悪質な上級生が指導」をすると、下級生は悪に染まり、学生舎は、いじめ、賭博、保険金詐取など、諸悪の温床となります。このような環境下では、上級生からの理不尽な指導」を受けた下級生は防大・自衛隊という組織に幻滅して退校するか、面従腹背するか、あるいは報復が恐ろしいので上級生の指導に無条件で服従するようになります。

そして、根拠なきリーダーシップとフォロワーシップによって集団の団結が強調される中で思考停止に陥り、上級者の命令に疑問を持つこともなく従うというメンタリティが形成されていきます。こうして、上級者に引きずられた下級者が、結果として悪事に加担してしまうということが起きるのです。

――2013年の保険金詐欺事件(5人以上の任官していた卒業生が懲戒免職/13人以上の学生が退校処分)や、2019年に発覚した補助金詐取事件(防大の准教授だった海自のX3佐が、妻の経営するペンションに学生たちが校友会活動で宿泊したように見せかけて、防衛省の共済組合から支払われる補助金を詐取していた)などは、悪しき上下関係の産物でしょうか。

補助金詐取事件のX3佐は結局、懲戒免職になりましたが、その処分が下るまでに不自然な異動が2度も行われ【1】、防大当局が不祥事をうやむやにしようとしていた形跡があります。

また、この件では200名以上もの学生が詐取事件に関与していましたが、X3佐にだまされていた可能性が高いということで処罰されませんでした。しかし、うすうす不正が行われていることを察知していながらも、報酬や圧力に負けて黙っていた学生たちが多かったことは間違いありません。彼らの倫理観も疑われます。

これらの事件が長らく発覚しなかったのは、防衛学教育学群の准教授や、上級生という上位者の主導で行われていたためでした。下級者は報復が怖くて不正を告発できず、あるいは「長いものには巻かれる」慣習に慣れ過ぎてしまった結果、悪習が長きにわたって続いてしまったのです。その傾向は卒業後もなくなりません


現役幹部による情報漏洩事件

――昨年発覚した、現職の幹部自衛官による海上自衛隊OBへの機密漏洩事件も同じ構図ですね。海上自衛隊の情報業務群司令である1佐が、かつての上司であるY元海将の要望に応じて、機密情報を提供してしまった。

Y元海将は、海上自衛隊幹部学校校長や自衛艦隊司令官を務めた大物OBです。この現役の1佐は懲戒免職となりましたが、現役ではないY元海将は何らの処罰も受けていないと聞いています。これも、奇妙なことです。

いかに高位にあったとはいえOBに現役幹部が機密情報を提供したことは深刻な公私混同です。さらには、情報提供が横須賀の海上自衛隊庁舎内で行われていた点から、この種の行為が常態化していたことがうかがえます。

この1佐は50代初めで、自衛官歴が30年近いれっきとした高級幹部です。そのような高級幹部が元上司からの要望というだけで、機密情報を提供してしまうとは、社会人としてまともな判断能力が働いていないとしか思えません。

上級者・先輩というだけで、何でも言うことに従うという幹部自衛官の思考停止は、誤ったリーダーシップ・フォロワーシップ教育の産物です。個人の倫理観が十分に確立されていない中で、上級者への服従と団体精神を過度に強調する教育を受けることは、このような非常識な幹部自衛官を作ることになるのです


等松教授による論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』全文はこちらから

#1はこちらから
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●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ

2023年07月25日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]


/// (2023年07月09日[日])

デモクラシータイムス【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】(https://www.youtube.com/watch?v=KA8KHgCGD-0
《<気になるニュース>
 ・混乱続き 珍案「マイナカード」改称暗証番号なしの 「マイナ保険証」 ??
 ・武器輸出緩和 自公実務者が大筋合意
 ・放出「処理水 IAEAの「安全基準に合致」のお墨付き
 ・26年夏の大阪万博、日本館入札不成立海外パビリオン建築申請ゼロ
 ・円安145円、株価90年来高値 路線価上昇 日銀短観7四半期ぶり改善
 ・税収最高71兆1374億円、剰余金2.6兆、全部兵器に回すのか
 ・「防衛大の教育は危機的状況現役教授が内部告発
 ・法廷で「事件を捏造」と公安警部補証言 大川原化工機冤罪事件
 ・いま何をしに? イエレン長官が中国訪問
 ・米最高裁判決、人種的優遇措置違憲、奨学金ローン救済は権限逸脱
                     2023年7月5日 生配信》

 青木理さん「戦後最悪の国会」、年々酷くなるばかりの国会…#自民党に投票するからこうなる#自公お維コミに投票するからこうなる。(リテラ)《いずれも日本維新の会と国民民主党が賛成に回って与党をアシスト。…こうした第2自民党の連中がマイナ一本化などの悪法成立に加担》。
 (リテラ)《国民生活を無視した防衛費増額財源確保のための法案、軍需産業を支援し武器輸出を推進する“死の商人”国家に突き進むための法案、危険を顧みない原発推進の法案、外国人や性的マイノリティの人権を踏みにじって差別を助長するための法案──。トラブル続出のなかで強行された保険証をマイナカードに一本化する法案も酷いが、それ以外にも今国会ではこれだけの悪法が通ってしまったのである。まさに「戦後最悪の国会」と呼ぶべきものだろう》。
 《青木理さん「甘い見積もりの防衛費倍増上手くいっている保険証をなくすマイナ保険証、財源先送りの少子化対策差別増進法という批判があるLGBT法原発回帰の法案、難民を追い返す入管法…そして解散権を振りかざして首相がニヤニヤこの国会は戦後最悪だと思います」》。

   『●ニッポンの国会の惨状、キシダメ政権のデタラメ乱発…そんな悲惨な
     さ中、かすかなかすかな希望は ⇨《世界的なミュニシパリズムの潮流…》
   『●細田衆院議長《…したり、統一教会とズブズブだったりと品位やモラル
     の欠片もないわけで、それはもうプラカードの比ではないほど破廉恥》
   『●あぁ、ニッポン…《国の在り方を変えかねない重要な法律が、まともな
     審議もなく次々と成立した。国会の形骸化が一層浮き彫りになっている》
   『●青木理さん「#戦後最悪の国会」、年々酷くなるばかりの国会…#自民党
       に投票するからこうなる #自公お維コミに投票するからこうなる
   『●山本太郎さん「これ以上の政治による暴力で、人々のささやかな暮らしを
     奪うのはやめろ…政治による暴力で、人々から夢や希望を奪うのはやめろ」
   『●長周新聞書評『増税地獄』…《収入の48%を上納させられる日本》《医療
         費負担増える一方》《「死ぬまで働け」政策 低所得者ほど厳しく》

 あまりに酷いことだらけで、毎日、嫌になってしまう。(青木理さん)「戦後最悪の国会」以外にも、碌なことが起こっていないニッポン。
 防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)、マイナンバーマイナンバーカード問題(両者は別物)、大川原化工機でっち上げ冤罪事件…。まあ、デモクラシータイムスの【山田厚史の週ナカ生ニュース】を、是非、見てみて下さい。デタラメばかりなニッポンに唖然とします。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》


   『●《政府が現行の健康保険証を2024年秋にも原則廃止しマイナンバー
      カードと一体化する》…何処で決まったのか? 国会で審議したのか?
   『●岸田文雄首相も河野太郎大臣も、錯乱していないか? 《マイナンバー
       カードに一本化》したりせず、《現行の健康保険証》のままで良い
   『●「監視社会ならん!市民ネット沖縄」《…国民に不安と不信をもたらす
     マイナンバーの制度そのものを根本的に見直し廃止することを求めます》
   『●自公お維コミの皆さん、《まずは政治家の政治資金の出入りを、政治家が
      大好きなマイナンバーカードにひもづけて透明性を高めたらいかがか》


   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない

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●極悪・キシダメ政権と壺々な自公お維コミ…《粛々と可決される異次元の売国棄民法案 兵器爆買いから原発回帰まで 翼賛化した国会の実態》

2023年06月29日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(20230614[])
アベ様越えのキシダメ独裁政権…あまりの酷さに言葉を失う。ヅボヅボ壺壺な #自民党に投票するからこうなる。最悪・最低・悪夢なアベ様政権およびガースーオジサン政権…キシダメ独裁政権をどのように言い表せばいいのか? 極悪なキシダメ独裁政権? 
 自慢の《聞く力》は? ニッポンでは「賃金上げ、生活と公共サービスを守れ!」という市民の声、軍事費倍増なんてとんでもないという市民の声は、キシダメ首相には届かない。一体誰の《声》を《聞く力》なのか? <ぎろんの森>《安保や原発を巡る政策転換に限らず、岸田首相にも、国民の声を聞かず、国会での議論も経ない独断が目に余るようになりました。「静かなる独裁」…》。行き着くところまで行ってしまった感なニッポン。もうとっくにルビコンを渡り、後戻りできないところまで。内閣支持率が4割を超えるなんて、理解に苦しむ。

 《いずれの法案も日本社会のさらなる衰退と混乱を決定づける悪法であり、翼賛化した国会の茶番とスピン報道の陰に隠されたこれらの内容》…野党第一党がアノ体たらくで、マスコミも政権監視機能を失い、暢気な市民も自公お維コミを直接あるいは間接的に支持する始末。
 長周新聞の記事【粛々と可決される異次元の売国棄民法案 兵器爆買いから原発回帰まで 翼賛化した国会の実態を暴露】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/26757)によると、《体張って抗う勢力の台頭が必須》、《今国会の会期末(6月21日)まで1カ月を切るなかで、岸田政府は成立を急ぐ重要法案を「すし詰め」にして次々に衆議院を通過させ、参院での審議に入っている。これらの法案は、「防衛強化」という名の戦争国家づくり原発回帰のエネルギー政策、さらなる負担増を強いる社会保障削減など、国民生活の基盤を規定し、将来を左右する重要な内容を含んでいるが、統一地方選の真っただ中にあった4月上旬に審議入りさせ、まともな審議もないままG7広島サミットや著名人や公邸スキャンダル騒動の陰に隠れるようにして粛々と衆院で可決された。まるで野党など存在しないかのような予定調和で悪法が通過していく国会の現状に、れいわ新選組が懲罰覚悟の不規則発言で「売国棄民予算」「与党も野党も茶番!」と表現し、その異常さを世間に訴えた。夏か秋の解散総選挙もとり沙汰されるなか、岸田政府がうち出した法案の中身を改めて整理してみたい》。

   『●(狙撃兵)《スキャンダルによる目くらましには要注意である》…「バカ
      息子」トップ1の岸田翔太郎氏問題の陰でデタラメな法案が次々と…
   『●《入管ではいまだに被収容者を人間とも思わない体質が温存されている
     ことを示す問題》…斎藤健法相は隠蔽して「常勤医を確保した」アピール
   『●差別禁止法どころか…《それでなくても酷かった与党案よりも法案内容が
        さらに後退。…“理解増進法案”ではなく“差別増進法案”》(リテラ)

=====================================================
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/26757

粛々と可決される異次元の売国棄民法案 兵器爆買いから原発回帰まで 翼賛化した国会の実態を暴露
政治経済 2023年6月3日

     (防衛財源確保法案を起立採決で可決した
      衆院本会議(5月23日))


 今国会の会期末(6月21日)まで1カ月を切るなかで、岸田政府は成立を急ぐ重要法案を「すし詰め」にして次々に衆議院を通過させ、参院での審議に入っている。これらの法案は、「防衛強化」という名の戦争国家づくり原発回帰のエネルギー政策、さらなる負担増を強いる社会保障削減など、国民生活の基盤を規定し、将来を左右する重要な内容を含んでいるが、統一地方選の真っただ中にあった4月上旬に審議入りさせ、まともな審議もないままG7広島サミットや著名人や公邸スキャンダル騒動の陰に隠れるようにして粛々と衆院で可決された。まるで野党など存在しないかのような予定調和で悪法が通過していく国会の現状に、れいわ新選組が懲罰覚悟の不規則発言で「売国棄民予算」「与党も野党も茶番!」と表現し、その異常さを世間に訴えた。夏か秋の解散総選挙もとり沙汰されるなか、岸田政府がうち出した法案の中身を改めて整理してみたい。


体張って抗う勢力の台頭が必須

 まず岸田政府が今国会で真っ先に通過させたのは、単年度では初の6兆円超えとなる防衛予算を盛り込んだ2023年度予算だ。

 内訳では、米国から攻撃兵器を大量に買い込むため、過去最大規模となる6兆8219億円(前年度比1兆4214億円増)を計上し、補正予算と一体化したパッケージ予算では、初の7兆円超えとなる7・27兆円(前年度比1・1兆円増)にまで膨張させた。昨年末に閣議決定した安保3文書に「反撃能力敵基地攻撃能力)の保有」を明記したことを受け、さっそくトマホークや無人攻撃機の調達に乗り出している。

 2023年度防衛予算は、「防衛力抜本的“元年”予算」と明記し、中国、北朝鮮、ロシアの危険性を特記。「相手の能力と新しい戦い方に着目して、5年後の2027年度までに……我が国が主たる責任をもって対処し、同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止排除できるように防衛力を強化する」と強調している。重点分野として「スタンド・オフ防衛能力」「統合防空ミサイル防衛能力」の増強をあげ、攻撃型ミサイルの大量配備に乗り出す方針を明示した。米国の要求に応え、台湾有事などを想定した対中国の軍拡路線を鮮明にしている。

 具体的には、弾薬費として8283億円、「敵基地攻撃」の主力兵器となるスタンド・オフ・ミサイル関連では、米国製巡航ミサイルトマホーク400発の一括購入費に2113億円を計上。さらに陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」の射程を百数十㌔から1000㌔以上へ延伸する「改良型」を開発・量産する費用として1277億円をあて、島嶼(とうしょ)防衛用として開発中の高速滑空弾関連では、研究費(158億円)、量産費(347億円)、射程距離を延ばす「改良型」の開発費(2003億円)に計2508億円をつぎこんでいる。

 防衛予算はこれだけにとどまらず、「弾薬整備費」(前年比=3・3倍)、「装備品の維持整備費」(2倍)、「自衛隊施設整備費」(3・3倍)、「国土強靱化関係予算(飛行場や港湾等のインフラ整備費」(2・5倍)、「ミサイルや軍事ドローン研究費」(3・1倍)、「自衛隊の生活・勤務環境費(備品、日用品、被服、宿舎等)」(2・5倍)、「自衛隊施設の空調費」(6・8倍)と軍事関連予算は軒並み大幅増額となった。

 米タイム誌が「数十年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」と岸田首相を紹介したが、まさにアメリカの下請としての戦時国家へ舵を切ることに躊躇のない予算措置となっている。

     (岸田政府が今国会で成立を狙う主な法案


復興財源まで軍事費へ 防衛財源確保法

 岸田政府は単年度予算だけでなく、2023年度から5年間で防衛費を総額43兆円(前期比約1・6倍)に増やす方針で、これにより防衛予算はGDP比2%にまで引き上げられ、日本は世界第3位の軍事大国となる。

 防衛財源確保法案はその具体化であり、国有財産売却など税金外収入をせっせとため込む「防衛力強化資金」をつくるのが中心的な内容だ。同時に、東日本大震災の復興財源や国立病院機構の積立金まで軍事費に流用する増税まで俎(そ)上に載せている。

     (岸田文雄首相)

 岸田首相は昨年12月、防衛費増額について「今を生きる国民がみずからの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と主張し、2023年度から2027年度まで5年間の防衛費を総額43兆円程度(従来水準から約17兆円増)と表明した。

 その4分の1を増税や建設国債で捻出し、残りの4分の3は歳出改革(約3兆円強)、決算剰余金(約3兆5000億円)、税外収入(約5兆円)で捻出する方針を閣議決定しており、このうち「税外収入の確保」のみを先行して具体化したのが財源確保法案だ。

 それは「防衛力強化税外収入」として、「外国為替資金特別会計と財政投融資特別会計からの繰入金=約3兆7000億円」「大手町プレイス(東京・大手町の国有ビル)売却益=約4000億円」「新型コロナウイルス関連予算の返納金=約746億円」など、国有財産売却や本来民生用に使われるべき予算の流用によって合計4兆5919億円もの軍事費を捻出する内容となっている。

 「繰入金」は、為替介入に備える剰余金を前倒しで繰り入れる「前借り」であり、次世代にツケを回す行為でしかない。「大手町プレイス」の売却益も、国民の財産を売って得た収益であり、その使途は国会の承認が不可欠だが、それらを省略してすべて「防衛力強化資金」へ放り込む仕組みづくりとなっている。

 加えて、新型コロナウイルス関連予算の返納金は、国立病院機構の積立金(422億円)と社会保険病院等を運営する地域医療機能推進機構の積立金(324億円)であり、本来は医師や看護師の増員や病院施設の拡充に使われるべき予算である。残額は「年金特別会計」に戻し、別の用途には流用できない資金であった。それを「防衛力強化資金」へ流用することを可能にすれば、否応なく福祉予算をも実質的な「軍事予算」とみなす力が加わることになる。

 岸田政府はすでに「増税」「建設国債」「歳出削減」で防衛財源を確保する方針も明らかにしている。「増税」を巡っては、5年間で約1・2兆円捻出する方針で、その内訳は法人税=約8000億円、所得税=約2000億円、たばこ税=約2000億円となっている。

 所得税増税は、「被災地の復興なくして日本の復興なし」といって東日本大震災の復興財源として全国民から徴収している「復興特別所得税」の一部を防衛財源に回すというもので、驚愕の措置となっている。

 たばこ税増税は、加熱式たばこの税額を5年かけて段階的に引き上げ、1本当たりの税額を3円引き上げる。

 さらに「建設国債」(歴代政府は戦前に戦時国債を発行して軍事費を拡大した反省から、建設国債を防衛費にあてることは封印してきた)では、5年間で約1・6兆円規模の確保を想定している。社会保障や少子化対策では、常に「次世代へのツケになる」として問題視される国債発行だが、防衛費に限っては大量発行にも躊躇がない

 国民生活にかかわる予算を徹底的に削る「歳出改革」で、約3兆円確保する方針も示している。成立後は「改定」の連続で新たな内容を追加し、めぼしい予算をみな軍事費に注ぎこむための法案である。


軍需企業の国有化と武器輸出拡大 防衛産業強化法

 いくら膨大な公金を軍需産業に垂れ流したところで、軍需産業は、国民生活に不可欠な消費財を生産するわけでも、企業活動に必要な生産財を生産するわけでもない。戦争がない平時においては生産性もなく、経済循環ももたらさず、浪費するだけのお荷物となる

 そのため「防衛産業強化法案」では、「国防産業維持のため」と称して軍需産業の経営を国が公費で支え、「殺傷力のある兵器」も含めた武器輸出も全面支援する内容となっている。平和産業を圧迫し、日本経済そのものを「軍事立国=死の商人」とする自民党政治の大方針が表れている。

 ここで示した具体的な支援策は、「生産基盤の強化」「武器輸出支援」「金融支援」「製造施設国有化」の4種類だ。

 「生産基盤の強化」は、「自衛隊の任務に不可欠な装備品をつくる企業」と認定されれば、生産工程の効率化やサイバー攻撃対策、撤退企業の事業を継承するときの設備投資にかかる経費を国が負担する制度だ。すでに当初予算に363億円を計上している。

 「武器輸出支援」は、武器輸出の支援を目的にした基金をつくり、海外向けに装備品の仕様や性能を変更する企業に助成金を出す制度だ。これも2023年度当初予算に400億円を計上している。与党は「買い手が自衛隊だけでは販路が少ない」「海外市場への進出を促すべき」と主張し、「防衛装備移転三原則」の運用指針改定論議にも着手。これまで輸出を禁じてきた「殺傷力のある兵器」の輸出解禁を目指している。

 「金融支援」は、政府系金融の日本政策金融公庫による融資で軍需産業を優遇するものだ。

 「国有化」は、「経営難で事業を続けられない」状態となった軍需企業から国が土地も製造施設も公費で買いとり、別の企業に運営を委託し、固定資産税や設備維持費の負担を軽減し、兵器生産を全面的に支援する法律だ。農家や中小企業、社会保障、被災地の復興支援等では「競争原理」「自助努力」「税の公平性」「私有財産の補償はしない」といって淘汰を放置する一方、軍需産業に限っては支援対象の基準も曖昧なまま国費での大盤振る舞いを担保するものとなっている。

 さらに同法のもう一つの特徴は、武器製造企業従業員への監視強化だ。

 現在、国の「秘密」の漏洩で民間人が刑事罰の対象になるのは、特定秘密保護法に基づく「特定秘密」(10年以下の懲役等)と米国から提供された「特別防衛秘密」(10年以下の懲役等)に限っている。そのため防衛省から装備品開発・製造を請け負った企業が外部に関連情報を漏らしても、契約解除や違約金の支払いといった民事上のペナルティーのみで、だれが情報をどのように漏らしたかを特定し刑事罰を科すことはできなかった。

 だが防衛産業強化法案では、防衛省と企業が契約を結ぶさい、同省が提供する情報を「装備品等秘密」として指定し、従業員が漏らした場合は刑事罰(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)を科すことを盛りこんでいる。

 さらに同法第二十七条では、「契約事業者は、装備品等契約に従い、当該契約事業者の従業者(代表者、代理人、使用人その他の従業者)のうちから、装備品等秘密を取り扱う業務を行わせる従業者を定め、当該従業者の氏名、役職その他の防衛大臣が定める事項を防衛大臣に報告しなければならない」「契約事業者は……装備品等秘密の取扱いの業務を行わせるものとした従業者以外の者に装備品等秘密を取り扱わせてはならない」とも規定している。これは兵器製造にかかわる企業内部で少しでも不穏な動きがあれば、すぐに関与個人を特定して逮捕・投獄したり、「契約解除」で下請企業ごと潰すことを可能にするものだ。

 防衛産業強化法案は、民主党野田政権以来の「武器輸出三原則」の骨抜きの結末でもあり、野党第一党である立憲民主党が法案賛成に回ったことは国会の大政翼賛化を深く印象づけた


原発推進に巨費を投入 GX推進法

 有事を想定したこれらの防衛関連法案とともに、エネルギー分野では、岸田政府が2月に閣議決定した「GX基本方針」の具体化として、「GX(グリーントランスフォーメーション)推進法案」と「GX脱炭素電源法案」を打ち出した。両法案とも、経団連や連合など既得権益団体の代表者で構成された「GX実行会議」の議論をもとに作成されており、既得権益団体の声にのみ「聞く耳」を持つ岸田政権の姿勢が明白にあらわれている。

 GX基本方針では、気候変動問題やウクライナ戦争による燃料危機への対応として、2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素)を実現するという政府目標に向けて、「産業革命以来の化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する」と大仰に謳っているが、その中心的な中身は、福島原発事故で崩壊したはずの原発依存への回帰原子力ムラの復活である。

 GX推進法では、「脱炭素の実現のため」と称して、政府が20兆円の「GX経済移行債」(発行形態不明の環境債)を発行することを可能とし、民間の「GX推進機構」による金融支援や債務保証などにより、今後10年間で150兆円超の投資を生み出すとしている。その巨額の資金の投資先は、経産省に白紙委任するというものだ。

 GX基本方針には、原発の着実な再稼働やそのための住民理解の醸成に国が前面に立つこと、「次世代革新炉」の開発・開発建設、人材育成、事業環境整備、すでに破綻した核燃料サイクルの促進などが含まれており、すでに斜陽化した原子力産業を国が支援し続けることを正当化するものだ。原発新増設については、ほとんどが実験的な実証炉だが、2040年代に向けて唯一商用炉とする「革新軽水炉」の運転開始を目指している。

 投資をおこなう「GX推進機構」は経済産業省の認可法人であり、そこに流れ込んでくる資金の出所やその使途については、国会(国民)によるコントロールや監視、検証ができないもので、原子力ムラの再来である。

 返済財源には、化石燃料の輸入業者などに負担を求める炭素賦課金と、二酸化炭素の排出枠を電力会社に買い取らせる「排出量取引」で賄うとしているが、いずれも電気代に上乗せして消費者に転嫁する。再エネが「FIT賦課金」という形で電気料金に明記されているのに対して、原発維持費は発電原価に含まれるため消費者には見えない形で徴収される。


原発の60年稼動を許容 GX脱炭素電源法

 「GX脱炭素電源法」は、原子力基本法原子炉等規制法電気事業法、再処理法、再エネ特措法の改定案五つを束ねたものだ。安全保障上、それぞれ慎重な審議が必要なものを強引に束ねて法制化を目指している。

 原子力基本法の改定では、原発を最大限活用するための理解促進や事業環境整備を「国の責務」とすると堂々と謳い、2011年の福島原発事故以来、国是となってきたはずの「原発依存からの脱却」を覆し、原発推進に大転換を図る内容となっている。

 首都直下地震や南海トラフ地震の発生を想定する一方、国策によって福島をはじめ広範囲に長期の避難と健康被害、財産放棄を強いた事故の反省をも葬り、活性期に入った地震列島にさらなる原発を林立させるという常軌を逸した法改正だ。

 従来の原子炉等規制法には、老朽原発の安全確保のために「原発の稼働期間は原則40年まで」「稼働30年を超えた原発は10年ごとに審査をおこなう」の二つのルールがもうけられていた。

 今回の改正案では「稼働40年ルール」を原子炉等規制法から削除し、経済産業省が所管する「電気事業法」に移す。これにより原子力を規制する立場にある原子力規制委員会ではなく、原子力を推進する経産省が原発の稼働期間に関する決定権をもつことになる

 福島事故後、それまでの原子力規制庁(経産省)から分離して発足した原子力規制委員会も御用機関と化し、世界的にも例のない60年超の稼働延長を認める政府の指針を追認した経緯がある。それを是正するのではなく、独立した規制・監視制度そのものをとっ払い推進する側(経産省)が認可権を握るという「無規制システム」への回帰となる。

 さらに安全審査や不具合などで停止した期間を、稼働期間の計算から除外できるようにすることも盛り込んでおり、60年を超えた70年稼働をも認める法改正となる。

 「我が国の安全保障環境が厳しさを増している」「敵基地攻撃能力を」といって戦争を想定しながら、剥き出しの核弾頭ともいえる原発建設を推進することは、世界的な教訓となっている福島原発事故からも、ウクライナ戦争からも何一つ学ばぬ異次元の亡国棄民政策といえる。


健康保険証の廃止強行 改正マイナンバー法

 そして昨今、7000件以上の誤情報登録やシステム管理の脆弱性が露呈したマイナンバーの普及拡大を目指す改定マイナンバー法案である。

 遅々として進まなかったマイナンバーを拡大させるため、従来の健康保険証を廃止し、マイナ保険証を持たない人が医療を受けられないように追い込むとともに、年金生活者を手始めに「公金口座との紐付け」を強制していく内容だ。さらにマイナカードとの個人情報紐付け範囲を法改定もなく省令のみで拡大可能にすることも盛り込んだ。

 改定マイナ法案の主な内容は次の3点だ。

 ①マイナカードと健康保険証の一体化――「紙の健康保険証」を廃止(2024年秋を想定)。マイナカードを持っていない人は期間限定で「資格確認書」(有効期限一年)を配る。マイナカード

 ②公金受取口座の登録促進――既存の給付受給者等(年金受給者を想定)に書留郵便等で一定事項を通知したうえで同意を得た場合や一定期間内に回答がない場合は、内閣総理大臣がその口座を公金受取口座(公金受取口座は給付のみに利用)として登録可能にする。

 ③マイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し――法律で認めた事務に「準ずる事務」もマイナンバー利用を可能にする。法律で認めた事務との情報連携を「主務省令」で拡大可能にする。

 これまで自民党政府は、全国民に12ケタの番号を付与し、マイナカードを取得したうえで健康保険証や公金受取口座と紐付けした人だけ2万円分のポイントを配る「マイナポイント事業」やマイナカード普及の遅い自治体の交付金をゼロにする“アメとムチ”で普及を進めてきた。

 だが、登録率が一向に上がらないため、健康保険証廃止という劇薬を投じ、その強引さに批判が噴出すると「期間限定で無償の資格確認書を提供」するとした。1年ごとに更新手続きが必要で、いずれ手数料をとることも検討している。

 「公金受取口座の登録促進」については、行政側の働きかけに一定期間返答がなければ、本人の同意なく口座を公金受取口座として勝手にマイナカードと紐付けるというものだ。いったん個人口座を紐付ければ、個人資産額や預貯金の動向を政府が把握することが可能になるからだ。

 これは年金給付者の口座登録で前例をつくり、いずれ生活保護、子ども手当、就学援助、母子手当などでもマイナンバーと公金受取口座との紐付けを拡大していく方向へ通じている。電子決済(キャッシュレス決済)による給与払いの解禁(今年4月から)、インボイス制度導入とも密接に絡んでいる。

 さらに問題なのは「マイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し」で、本来は法改定が必要だったマイナンバーと連携させる個人情報の範囲拡大を、国会審議もなく省令(各省大臣の命令)だけで決定できるように規定を緩和させることだ。

 マイナンバーなど個人情報の管理をめぐっては、海外でトラブルや犯罪があいつぐなか、欧州連合(EU)は2017年、すべての加盟国に個人情報保護を義務付ける「一般データ保護規制(GDPR)」を制定。同規則には個人データに基づく自動処理には明確な同意を必要とする「プロファイリング(住民サービスに係る選別や分類、判定。犯罪捜査の手法)されない権利」を規定。人種的・民族的出自、政治的意見、宗教・思想信条、労働組合加入、遺伝子や生体情報等の個人データ自動処理を厳重に禁じている

 だが日本政府は、個人データの自動処理や紐付けを禁じる体制もないまま強引にマイナンバーシステムを見切り発車し、すでに他人情報の紐付けなどのトラブルが頻発している。個人情報漏洩や悪用に加え、患者に対する薬の誤投与や犯罪にも直結する極めて危険な制度であることが露呈している。

 これまで黙っていたメディアが、衆院通過後一斉に「システム不備」「進め方が乱暴」と騒ぎ出し、国会でもあいつぐトラブルに対する野党の追及が始まっているが、すでに採決に応じた後であり、マイナンバーの活用範囲を定めた規制まで実質撤廃し、本人同意なく国家権力が個人情報を把握して自由に使えるようにする法整備が進行している。

 いずれの法案も日本社会のさらなる衰退と混乱を決定づける悪法であり、翼賛化した国会の茶番とスピン報道の陰に隠されたこれらの内容について国民的な論議と世論の喚起が求められている。
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●《「日本復帰」51年…米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞化」が進んでいるのが実情だ》

2023年06月02日 00時00分11秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20230517[])
(琉球新報社説)《沖縄の施政権が日本に返還された「日本復帰」から51年を迎えた。米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞(ようさい)化」が進んでいるのが実情だ》。

 《安心してください本土は 無事ですよ》でいいんですか? ダグラス・ラミスさんは《「沖縄が軍事化され、日本が受けるダメージは沖縄限定にとどめることに無意識に納得していないかそれこそ構造的差別そのものだ」とし、「日本は沖縄を再び捨て石にするのか戦争が帰ってくる…そうさせないために、国からはき出される言葉に注意してほしい。沈黙は差別への加担なのだから」と訴える》。
 沖縄タイムスの【[社説]復帰51年 進む要塞化 平和こそ島んちゅぬ宝】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1151827)によると、《本紙13日付5面の「ゼロチャンネル」に、こんな投稿があった。

 「『台湾有事は沖縄有事』 安心してください。本土は 無事ですよ
   -とにかく明るい斎藤法務大臣 
 日本国民各位
  (うるま・ごーぐち)」

批評の鋭さと、笑いを誘うユーモアに感心した》。

   『●ニッポン〝復帰〟50年…《沖縄の自然が破壊され、民意が踏みにじら
     られて軍事基地ができていく現実》、辺野古は単なる破壊「損」な現実
   『●番犬様のものじゃない…《基地負担の軽減は遠く、米軍は今も島全体を
      自由使用する。よもや「返したけれど俺のもの」と思ってはいまいか》
   『●《元山仁士郎さん…「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わって
      いない」…言葉には、沖縄にずっとのしかかる負担の重さがにじむ》
   『●(沖縄タイムス)《軍事的な必要性が全てにおいて優先…沖縄は憲法が
        適用されない「軍事植民地」だった》…50年経っても変わらない
   『●《迷惑施設が自分の家の近くに来るのは嫌だという日本本土のNIMBY
       (Not In My Back Yard = ニンビー) …沖縄には基地を押し付け》
   『●《田島征彦さん…「平和憲法を持っている日本は、どんな理由が
     あっても戦争だけはやってはいけない。そのためにも平和憲法が必要」》
   『●目取真俊さん《中台危機を煽って東アジアに軍事的緊張を生み出し、日本
      や韓国に米国製の軍事兵器を大量に売り込もうという意図》がミエミエ
   『●半田滋さん《南西諸島の戦場化…住民が巻き込まれるリスクは避けられ
       ません…これを避けるには「戦争をしない」という選択しか》ない

 半田滋さん《南西諸島の戦場化…住民が巻き込まれるリスクは避けられません…これを避けるには「戦争をしない」という選択しか》ない。「基地のない島どころか、小さな小さな妥協がどんどんと大きくなり、大穴となり決壊し、いまや自衛隊駐屯地がどんどんと展開され…番犬様の基地と相まって「軍事要塞(ようさい)化」。
 琉球新報の【<社説>「日本復帰」51年 原点は「基地のない島」】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1710164.html)によると、《「一九七二年五月一五日 沖縄の祖国復帰は実現した しかし県民の平和への願いは叶(かな)えられず 日米国家権力の恣意(しい)のまま 軍事強化に逆用された」 沖縄本島最北端の国頭村辺戸岬に建つ「祖国復帰闘争碑」に刻まれた碑文の一部だ。沖縄の施政権が日本に返還された「日本復帰」から51年を迎えた。米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞(ようさい)化」が進んでいるのが実情だ》。

 沖縄の《日本復帰…米軍支配の人権抑圧から解放され、平和憲法下で共に生きる社会の実現だった》……【[大弦小弦]復帰闘争碑に刻まれた願い】によると、《「祖国復帰闘争碑」…▼碑文には「全国の、そして全世界の友人へ贈る」と題し、沖縄が日本から切り離されて米軍統治下に置かれた屈辱平和への願いが刻まれている ▼沖縄が本土と27度線の国境で分断されていた時代、多くの県民の願いは、米軍支配の人権抑圧から解放され平和憲法下で共に生きる社会の実現だった》。

 一方、木原育子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「日本は沖縄を再び捨て石にするのか」 元海兵隊員が抱く「南西諸島」という呼び方への違和感】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/249634?rct=tokuhou)によると、《日本政府が防衛強化を進める南西諸島。鹿児島以南の島々を指すが、沖縄ではこの言葉がクローズアップされることに違和感を抱く人もいる。元海兵隊員の政治学者、ダグラス・ラミスさん(86)=那覇市在住=はその1人だ。沖縄の日本復帰51年になる15日を前に、募る懸念を聞いた。(木原育子)》

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
      武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
    「「戦後70年、日本は国家として他国民を誰一人殺さず、
     また殺されもしなかった。非戦を貫けたのは、戦争の放棄を定めた
     憲法9条があったからにほかならない」。一方、壊憲はどんどんと進み、
     沖縄の高江辺野古では沖縄差別、沖縄イジメ、沖縄破壊が進む。
     番組中でダグラス・ラミスさんは述べています、
     「(沖縄)…米軍基地はアメリカという帝国の単なる手段ではなく 
     米軍基地は植民地です アメリカの占領する縄張りなのです」。
      アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること…
     「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」。アベ様、
     自公議員や翼賛野党議員が好き放題に壊憲させていていいのか?
     そんな議員に投票する人たちは、そんなに「人殺し」に行きたい
     のだろうか?、そんなに「大量殺人」に行きたいのだろうか?」

   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
     《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》
    「所詮、番犬様も、(ダグラス・ラミスさん)《米軍基地は植民地です
     アメリカの占領する縄張り》としか思っていない。デンデン王国
     「裸の王様」にとって沖縄は、米政権への「供物」程度
     としか思っていないでしょう。」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1710164.html

<社説>「日本復帰」51年 原点は「基地のない島」
2023年5月15日 05:00

 「一九七二年五月一五日 沖縄の祖国復帰は実現した しかし県民の平和への願いは叶(かな)えられず 日米国家権力の恣意(しい)のまま 軍事強化に逆用された

 沖縄本島最北端の国頭村辺戸岬に建つ「祖国復帰闘争碑」に刻まれた碑文の一部だ。

 沖縄の施政権が日本に返還された「日本復帰」から51年を迎えた。米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞(ようさい)化」が進んでいるのが実情だ。

 復帰後、県内の在日米軍専用施設面積は、1972年5月の2万7892.5ヘクタールから、2021年には1万8483.3ヘクタールと、3割以上減少した。しかし、主要な基地の返還は実現していない。一方、自衛隊施設は166.1ヘクタールから、2021年には779.8ヘクタールと4.6倍に拡大した。

 南西諸島への自衛隊配備強化が顕著だ。政府は、反撃能力敵基地攻撃能力)の保有などを明記する新たな安保関連3文書を閣議決定した。戦後堅持してきた専守防衛から逸脱戦争ができる国へと変貌した。与那国島宮古島石垣島に陸自駐屯地が開設されるなど自衛隊増強は加速度を増している。


 この動きに合わせるように政府は米軍、自衛隊施設周辺などの土地利用状況を調査し、取引を規制する「土地利用規制法」の対象区域の候補地に、石垣、宮古、与那国など県内の39カ所を選定した。住民の権利を脅かし、重大な人権侵害を招く恐れがある

 復帰を前にした71年、屋良朝苗主席は「復帰措置に関する建議書」で、1)地方自治権の確立(2)反戦平和の理念をつらぬく(3)基本的人権の確立(4)県民本位の経済開発―を骨組みとする新生沖縄像を描いた。県民は米軍の圧政から逃れ、日本国憲法の下に復帰し、基地のない平和な島の実現を望んだ。しかし、復帰闘争碑の碑文のように「国家権力の恣意のまま 軍事強化に逆用されたのが実態ではないか。

 先の大戦で、沖縄は日本防衛の「捨て石」とされ、敗戦で日本国から切り離された。復帰から51年、依然として軍事の「要石」であり続けている沖縄を、再び「有事」の「捨て石」にしてはならない。沖縄の地理的特性を軍事面ではなく、人間の安全保障に生かし、平和の要石とするよう政府に求めたい。同時に、沖縄に基地の重圧を強いることで成り立つ安全保障体制をいつまで続けるのか国民全体にも問わなければならない

 屋良氏は復帰式典のあいさつで「復帰とは、沖縄県民にとってみずからの運命を開拓し、歴史を創造する世紀の大事業」と強調した。沖縄が抱える課題の解決に向けた自主主体性の発揮を県民に求めたのである。

 復帰51年を迎えるにあたり、復帰の意義を振り返り、原点である「基地のない平和の島の実現に取り組まなければならない。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/249634?rct=tokuhou

こちら特報部
「日本は沖縄を再び捨て石にするのか」 元海兵隊員が抱く「南西諸島」という呼び方への違和感
2023年5月13日 12時00分

     (危機感を募らせるダグラス・ラミスさん=那覇市内で)

 日本政府が防衛強化を進める南西諸島。鹿児島以南の島々を指すが、沖縄ではこの言葉がクローズアップされることに違和感を抱く人もいる。元海兵隊員の政治学者、ダグラス・ラミスさん(86)=那覇市在住=はその1人だ。沖縄の日本復帰51年になる15日を前に、募る懸念を聞いた。(木原育子

 5月上旬、那覇市の首里城周辺。木のつえを突き、大地を踏みしめるような堂々とした足取りで、ダグラスさんが現れた。


◆沖縄の危険性が見えなくされている

 「つまり琉球ってことでしょう。なぜ沖縄と言わず、南西諸島とぼかしているのか」。防衛関係を伝えるニュースで、「南西諸島で防衛強化」「南西シフト」と連発して報じられることへの違和感を口にした。「南西諸島」との言葉を多用することで、沖縄の危険性が見えなくされているように感じるからだ。


 「沖縄は本土の捨て石にされたという強烈な記憶が残る。沖縄がまた戦場になる可能性をわかりやすく示すと、抵抗感が再び大きくなる。そうさせないために南西諸島という言葉で、国にとっての不都合をごまかし、曖昧にしていないか

 ダグラスさんは米サンフランシスコ生まれ。1958年に海兵隊に入隊し、60年4月から1年間、返還前の沖縄でキャンプ瑞慶覧(ずけらん)(宜野湾市など)に駐留した。その後除隊し、平和運動を続けながら政治学者として発信を続けてきた。

 ダグラスさんは、「言葉の分析は大事だ戦争と言わず、有事と言い換えることもだ」と語る。


◆進む自衛隊の「南西シフト」

 南西諸島を巡っては、民主党政権が2010年、中国の軍事力強化を背景に防衛大綱で「自衛隊配備の空白地域」と位置づけ、自衛隊配備を明記。自民党政権の大綱でも「南西シフト」の方針は続いた。16年には沖縄県の与那国島に駐屯地が開設され、同県の宮古島、鹿児島県の奄美大島も続いた。

 今年でいえば、鹿児島県の馬毛島で自衛隊基地の本体工事が始まり、敵の艦艇の接近を阻止するために「12式地対艦誘導弾」が沖縄県の石垣島に設置された。宮古島、奄美大島にもミサイル部隊は配備され、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の設置も進む。


◆沖縄の軍事化は「構造的差別そのもの」

 確かに「南西シフト」は進むものの、基地負担という点で考えれば、米軍基地を含めた沖縄への比重はやはり大きい。そんな沖縄にダグラスさんはなぜ、傾倒してきたのか。

 それは沖縄に駐留した経験が大きい。大卒後に入隊すれば学費が免除になる米国の制度があり、家計を助けるために海兵隊員に。

 ある時、訓練で泥だらけになった服を毎日洗濯してくれた沖縄女性のため、「感謝の思いでもっと多くの給与を払いたい」と願い出たことがあった。結局認められなかったが「沖縄のためにと思っても、こちら側にいる限り対等にはなれず、どこかで沖縄を差別している差別に参加する構造からどうやっても抜け出せない」。植民者側という事実に愕然(がくぜん)としたという。

 共同通信の世論調査では、防衛力強化の増税方針を「支持する」は19%で、「支持しない80%を占めた。一方で、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有は「賛成」が61%で、「反対」の36%を大きく上回る。

 ダグラスさんは「沖縄が軍事化され、日本が受けるダメージは沖縄限定にとどめることに無意識に納得していないかそれこそ構造的差別そのものだ」とし、「日本は沖縄を再び捨て石にするのか戦争が帰ってくる…そうさせないために、国からはき出される言葉に注意してほしい。沈黙は差別への加担なのだから」と訴える。

【関連記事】南西諸島を戦地にしたくない 映画監督・三上智恵さんが公開前の映画素材をDVDで無料貸し出し【インタビュー詳報あり】
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●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》

2023年04月25日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(20230409[])
自衛隊の《組織の隠蔽、閉鎖体質》…防衛大学校の暴行事件にも共通する体質。《教育》、《指導》という名のいじめ暴行

   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」 
                      …アベ様のニッポン、病んでいないか?
    「子どもや若者に赤紙が送り届けられるような、
     アベ様による経済的徴兵制悪徳企業型徴兵制の世、
     そんな悍ましい世にしていて本当に良いのですか?」

   『●《軍備は軽武装にとどめ、あらゆる資源を国民経済向上のために振り
     向けることを「国家の哲学」とした。「戦争は金輪際行わない」…》

 まず、ニッポンの《有事》は少子化(浜田敬子さん)。軍隊への入隊者も少なく、(実質的には導入済みに近いのですが)徴兵制でも導入したくてしょうがないのでは? 「赤紙」が来る時代へ軍事費倍増によって少子化に対して無能、一方で、他国に侵略してでも戦争したい、って正気でしょうかね。オマケに、哀しくなるほど低い食料自給率。

   『●食料と農業を守らないニッポン『乳牛をしぼればしぼるほど赤字になる。
     まったく希望が持てない』…《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね?

 無駄に軍事費倍増しても、どう人材確保? 《ハラスメントとの因果関係ははっきりしないが、隊員の離職で自衛隊の人材確保が危機に直面しているのは事実だ》…、三宅勝久さん「人材確保もままならないのに新たな装備の訓練や運用で職務時間が激増する恐れもある。今でも限界に近い過労状態の部隊もあるのにさらに劣悪な職場環境になれば、ハラスメントの横行、拡大につながりかねない」。
 稲熊均記者による。東京新聞の記事【こちら特報部/自衛隊が隠してきたハラスメントの実態の一端…「絶望の自衛隊」著者が語る 離職続出で人材確保の危機】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/234829?rct=tokuhou)によると、《自衛隊在職中に性暴力を受けた五ノ井里奈さんの告発をきっかけに、防衛省はハラスメントの実態解明を進めている。これまでもパワハラなどによる自殺や訴訟は後を絶たず中途退職も新規採用の3割を超える。防衛費の増額を急いでも、運用する人材を確保できるのか。自衛隊を取材し続けるジャーナリスト三宅勝久さんに聞いた》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/234829?rct=tokuhou

こちら特報部
自衛隊が隠してきたハラスメントの実態の一端…「絶望の自衛隊」著者が語る 離職続出で人材確保の危機
2023年3月6日 12時00分

 自衛隊在職中に性暴力を受けた五ノ井里奈さんの告発をきっかけに、防衛省はハラスメントの実態解明を進めている。これまでもパワハラなどによる自殺や訴訟は後を絶たず中途退職も新規採用の3割を超える。防衛費の増額を急いでも、運用する人材を確保できるのか。自衛隊を取材し続けるジャーナリスト三宅勝久さんに聞いた。(稲熊均)


◆防衛省がセクハラ横行を知らなかったはずはない

     (防衛省)

 五ノ井さんは告発後、インターネットを使い自衛隊内におけるセクハラの被害についてアンケートし、現職や元隊員から140件以上の回答を得ている。内容の一部を挙げると—。

 ▽(女性隊員の胸などを撮影した)エックス線写真を皆でまわして眺める▽飲み会で体を触ったり、男性隊員の局部に服の上からのキスを強要▽宴会で野球拳に参加させられ、服を脱ぐことを強要される…。

 三宅さんは、こうした多くの回答からも「五ノ井さんへの性暴力は一端にすぎないし、防衛省が深刻なセクハラが横行している実態を知らなかったはずはない。それでも公になることはなかった。これまでも暴力やいじめは、自殺した遺族や退職した隊員が訴訟を起こさなければほとんど明らかにならなかった」と話す。


◆閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない

 2月21日には、陸上自衛隊松山駐屯地で勤務していた男性がうつ病で自殺したのは過重勤務やパワハラが原因と、両親が訴えていた裁判で、地裁は国の賠償責任を認めた。ただ、認定したのは過重勤務で、パワハラの訴えは退けた

 三宅さんは自衛隊内での暴力、ハラスメントをめぐる過去の多くの裁判で取材を重ね、近著「絶望の自衛隊」(花伝社)など数冊の著作で告発者の声を伝えてきた。裁判では勝訴できた場合でも、原告が大きな労力と負担を強いられる

 「損害賠償請求は原則として原告側に立証責任がある。情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードルがある。五ノ井さんのケースのように非を認めるのはまれ。組織の隠蔽(いんぺい)、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない


◆好感度と大量離職とのギャップ

     (自衛隊の閉鎖的な体質について話す三宅勝久さん)

 ハラスメントとの因果関係ははっきりしないが、隊員の離職で自衛隊の人材確保が危機に直面しているのは事実だ。2020年10月に開かれた財務省財政制度等審議会の部会で提出された資料によると、自衛官の中途退職者はそれまでの10年間で約4割増加し、年間約4700人新規採用者の3分の1に相当する

 一方で近年、国民が自衛隊に抱く好感度は高い。内閣府の世論調査で、自衛隊に良い印象を持つとの回答は最近10年、9割前後を維持する。東日本大震災などでの救援活動がイメージを高めたとみられる。宮城県出身の五ノ井さんも「避難生活を支えてくれた自衛官にあこがれた」ことを入隊動機の一つに挙げている。

 三宅さんは、自衛隊の広報PRもあり高めてきた外からの印象と、実態のギャップが隊員個々の「失望」や「絶望」にもつながっていると強調する。「訓練や雑務で休む間もわずかなのにもかかわらず、命令の名の下に上司の私用や慰みのような労務も課せられる。それでも気に入られないといじめや暴力を受ける。失望して早々に辞める者もいれば、心を体を蝕むしばまれ、人生に絶望する者もいる

 政府は今後、5年間で防衛費を大幅に増額する。最新鋭の装備導入も急ぐ方針だ。だが三宅さんはこう懸念する。「人材確保もままならないのに新たな装備の訓練や運用で職務時間が激増する恐れもある。今でも限界に近い過労状態の部隊もあるのにさらに劣悪な職場環境になれば、ハラスメントの横行、拡大につながりかねない

【関連記事】セクハラ、パワハラへの感覚がまひ…防衛省はもっと声を上げやすい仕組みを 元陸上自衛官の五ノ井里奈さん訴え
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●妖怪のひ孫氏《「家族の意志をしっかり受け継ぐ」…安倍の遺志を継ぐ意向》!? ニッポンの政をどこまで私物化すれば気が済むのか?

2023年04月20日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


/ (2023年04月06日[木])
どこまで私物化すれば気が済むのか? (適菜収さん)《岸家・安倍家は反日カルト統一教会(現・世界平和統一家庭連合)とずぶずぶの関係にある》…カルトとヅボヅボのその本流・源流。《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は? 世襲4代目も、楽々と当選させるつもり? ご本人は、《なにがあっても落選しないという自信がある》…と高を括っているようですが? (適菜収さん)《まさに「日本の社会問題が顕在化した日本の縮図」として山口2区は注目を集めているのだ》
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/岸信千世がぶち込んだ「社会問題が顕在化した日本の縮図」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/320528)によると、《要するに批判は一切受け付けないという宣言だ。当選後、手のひらを返したように世間の声を無視する政治家は多いが、選挙前にこういうことを言う人はあまり見たことがない。なにがあっても落選しないという自信があるのだろう》。

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
       の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?
   『●「妖怪の孫」アベ様は息吐く様にウソをつき、カルトとヅボヅボだった
         ……さらには、「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン
    《衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を
     見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのか
     と思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、
     妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー
     映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される》

   『●古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に
       解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっている…》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《「安倍的なもの」は、依然としてわが国を深く蝕み続けている…岸田
     政権は「安倍的なもの」に則り、国家の破滅に向けて暴走を続けている》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/320528

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中

適菜収「それでもバカとは戦え」
岸信千世がぶち込んだ「社会問題が顕在化した日本の縮図」
公開日:2023/03/25 06:00 更新日:2023/03/31 11:55

     (岸信夫・前防衛相の辞職に伴う補欠選挙で立候補した
      長男・信千世氏(C)日刊ゲンダイ)

 前防衛大臣・岸信夫の議員辞職に伴う衆議院山口2区の補欠選挙に長男の信千世が出馬表明。

 最初に注目を集めたのが公式サイトだ。曽祖父の岸信介や伯父の安倍晋三などの名前を記した「家系図」をアピールし、SNSで世襲だと反発を浴びた。さらに急に家系図が削除されたあげく、後援会への入会を募る仕様に変わり、最後は閲覧できなくなった。

 2月20日、その理由について、信千世は家系図への批判とは「直接的な関係はない」と釈明。今月5日の会合では「世間にはいろいろな声が聞こえますが、こうした声のひとつひとつに惑わされず、右往左往せず、できることをやる」と発言。要するに批判は一切受け付けないという宣言だ。当選後、手のひらを返したように世間の声を無視する政治家は多いが、選挙前にこういうことを言う人はあまり見たことがない。なにがあっても落選しないという自信があるのだろう

 信夫・信千世親子のフルチンぶりはすさまじい。昨年12月11日、信夫は後援会幹部の会合で健康状態を理由に「このあたりで信千世に譲りたい」と発言。家業かよ

 信千世は5日の会合で「伯父、そして父が政界からいなくなり、たいへん不安」と述べる一方、後援会や事務所関係者らが残ってくれたとして「(この形で)戦えることをありがたく思います」と発言。2月7日の記者会見では「家族の意志をしっかり受け継ぐ」と言い放った。

 昨年8月、「文芸春秋」のインタビューでは安倍の遺志を継ぐ意向を示している。


■岸家・安倍家は統一教会とずぶずぶ

 地盤・看板・鞄の3バンを引き継ぐのがけしからんというより、「血統」を掲げ「家族の意志」のために出馬するというのが筋違いなのだ。岸家・安倍家は反日カルト統一教会(現・世界平和統一家庭連合)とずぶずぶの関係にある

 「血筋の良さ」「サラブレッド」などと書き立てるメディアも問題だ血統で価値が決まるなら、ペットショップの犬と同じ

 信千世は2月7日の記者会見で、人口減少が進み、中山間地域が過疎化する山口2区は「日本の社会問題が顕在化した日本の縮図」だと指摘。

 なかなかぶち込んでくるね。まさに「日本の社会問題が顕在化した日本の縮図」として山口2区は注目を集めているのだ。
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