――――――― 矢崎泰久さん【発言2013】、《腰を抜かすほど驚いて、「君の一票の棄権は、バカの一票が倍になることだ…」…民主主義の大敵は投票に行かないことだ…。…とにかく投票に行く。このことによってしか、悪政は拒否できない…棄権は危険だ!》
――――――― (狙撃兵)《歴然としているのは、選挙に行かないこの5割の有権者こそが今日の政治状況を変えうる最大勢力であるという点だ。そのうち2~3割が動いて投票率が70~80%の選挙が展開されるだけでも局面はガラリと変わることになる》。#投票倍増委員会 会員として、いつも通り、当然に、#わたしも投票します。
――――――― (金口木舌)《▼県民の諦めやため息を都合よく解釈し「これが民意だ」と断じるのは早合点ではないか。政治に失望し、それでも一票に未来を託した民に政治の方が近づくべき時である。民意を論ずるのは、その後でいい》
――――――― (神保哲生さん)《ほとんど政治に変革が期待できない日本でも、選挙の投票率が先進国の平均レベルに達した瞬間に、大きな変革が起きているのです。つまり、どうせ政治に変革なんて期待できないから投票に行っても意味がない、のではなく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです。そして、この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではないことを…》
――――――― 故・石川真澄さん《『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った》新聞記者
――――――― 中島岳志さん「今回の選挙の総括をまちがえてはいけない。野党共闘が否定されたのではない。野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ」
――――――― 金子勝さん《自公+維新で経済的難局を乗り切れるとはとても思えず、手痛いしっぺ返しを覚悟しなければならない。翻って立憲は世代交代でイメージを一新し、国民的利益を守るために全力を振るう必要がある。野党共闘の是非でモメている場合ではない。単独で選挙を勝ち抜く地力がない現実を直視しなければダメだ》 (2024年07月03日[水])
東京新聞の【<論壇時評>中選挙区連記制、議論を 小選挙区の弊害を乗り越える 中島岳志】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/335853)。《小選挙区制には課題が大きい。一選挙区から1人しか当選しないため、立候補者は多くの得票が期待できるマジョリティー(多数派)に主張を寄せていく。その結果、立候補者の主張が近似していき、マイノリティー(少数派)の主張が争点化されにくくなる。死票も多く、極端な結果が出やすい。政党間で無理な候補者調整が必要になり、野党共闘は困難を抱える》。
『●故・石川真澄さん《『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に
反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った》新聞記者』
『●《30年前の平成の政治改革…「腐敗防止法どころか腐敗温存法」「政治は
いつも談合」》、一方、利権裏金脱税党の泥棒達による裏金維持法成立』
3年ほど前の (2021年10月23日) 東京新聞のコラム【ぎろんの森/今の選挙制度でいいのか】によると、《そうした中、読者から貴重なご意見をいただきました。「衆院の小選挙区制が、政治の権力を集中させる元凶だと思います。選挙後に選挙制度の改革も議論してほしい」というものです》。何も変わらないニッポン。
2021年10月25日[月] に書いたブログ …… 元朝日新聞記者の故・石川真澄さんを《守旧派》と呼んだ方々は、いま何を思う? 平気で違憲に壊憲するような自公お維に、この選挙制度によってつくられた独裁政権下で、合法に如何に選挙制度を改善するのか? 投票率を上げ、政権交代する以外になかったのでは…? いつまでもこの不公平で、民意を反映しない選挙制度下では…。
それにしても、石川真澄さんは偉かった。あの当時から、「『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った」新聞記者なんて稀有だった。しかも、正鵠を得ていた訳だ。
いま思うと、中選挙区制では「政治に金がかかる」(選挙にカネがかかる)というのは本当だったのでしょうか? 小選挙区制になって、酷くカネがかかるようになったのでは?
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(1/3)』
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(2/3)』
「石川さんは九工大機械工学科出身で、選挙結果や世論調査の
分析のち密さや、”守旧派”といわれながらも小選挙区制の危険さや
欠陥の指摘に孤軍奮闘した姿、そこに理系新聞記者の血が
見て取れる。「政治を科学した」。「絶対得票率」の提案も。
「…小選挙区制。結果は死票累々、投票率急降下。そして
「絶対投票率」三〇%足らずの政党が、わが物顔で
イラク派兵から憲法改定へ踏み込もうとしている」。
「日本国憲法が民衆にとってどんなに素晴らしいものだったか…
書いてある」。『JANJAN』の選挙データベースの構築の際に、
竹内さんから石川さんは相談を受けていたそう。朝日新聞の
死亡記事にも、「政治報道に数量的分析を導入。九〇年代の
政治改革論議では『死票を大量に生む小選挙区制では
民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の
論陣を張った」 。
「渡邉恒雄氏は理想的な政治記者像か」という対談で、
「「政界記者よりも真の政治記者に」の志を貫いた石川さんには、
だから呵責なし批判を期待したのだが、そう単純ではなかった。
…「ただの政界工作者でなく、理屈にも強いところが、しゃくなんだね」
という。逆に渡邉氏からは「お前みたいな、数字をいじくれるやつが
俺のところにもほしいんだよ」と言われたこともあった。…さすが
「ただもの」でない者同士か…」」
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(3/3)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)』
『●『自民党の終焉』読了(2/4)』
『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率』
『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」』
videonews.comの記事
(http://www.videonews.com/on-demand/601610/002622.php)。
…「死票が7割も出る制度」なんてお話にならんでしょ。当初、
二大政党制になり、死票が最高5割と言っていたはずなのに、
大いなる幻想だった訳。いまや、一大政党制の体たらく。
怖い世の中だ。これも選挙民が選んだものとはいえ、
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
の愚痴の一つも言いたくなる。
小選挙区制が導入される直前、石川真澄記者は「守旧派」として
批判されたが、小選挙区制を支持した当時の政治家やマスコミ記者連の
目は節穴か、確信犯だったようだ」
《マル激トーク・オン・ディマンド 第610回(2012年12月22日)
われわれが選んだもの、選ばなかったもの
ゲスト:小林良彰氏(慶応大学法学部客員教授)》
『●自民党の長期「党勢の低迷」…それでも絶対得票率1/4で
3/4の議席を占める小選挙区制という欠陥制度』
「videonews.comの記事【与党大勝の総選挙で明らかになった本当の
民意とは】…《結果的に選挙で大勝したにもかかわらず、安倍首相を
始めとする自民党の重鎮たちの選挙後の表情が一様に重々しかった
のは、選挙結果には反映されない自党の党勢の低迷に対する危機感が
あったからだった》」
「日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/日本には小選挙区制度は合わない】
…《小林良彰のビデオニュースドットコムでの指摘が興味深い。
「自民党の絶対得票率が長期低迷傾向だ。民主党政権ができた09年の
総選挙で、自民党は2730万票を得ているが、その後の選挙では
自民党は議席数こそ毎回過半数を大きく超えるものの、得票数は
大敗した09年選挙を超えたことがない ★つまり野党の
地盤沈下により、より少ない得票でも自民党が勝っているだけ、
というわけだ…「絶対得票率」は約25%》」
『●「選挙の真の争点」は争われたか?
〔与党自公+癒党お維キト〕の狙いは成功したのか?』
「相変わらずの低投票率…53・68%、前回に続き、戦後2番目の低さ。
「眠り猫」は目覚めることがなかった。小選挙区制と云う欠陥選挙制度の
下では、諦めなのか何かは知らないが、権力にとっては好都合、
反権力側には致命傷のように思う。3割程度の投票で、2/3の議員を
占める。恐ろしく民意を反映しない、ニッポン人には不向きな欠陥選挙制度。
中選挙区制に戻しましょうよ…その方が、よっぽどマシ。もういい加減に
学んだでしょうに、小選挙区制の欠点」
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/335853】
<論壇時評>中選挙区連記制、議論を 小選挙区の弊害を乗り越える 中島岳志
2024年7月1日 07時00分
小選挙区制には課題が大きい。一選挙区から1人しか当選しないため、立候補者は多くの得票が期待できるマジョリティー(多数派)に主張を寄せていく。その結果、立候補者の主張が近似していき、マイノリティー(少数派)の主張が争点化されにくくなる。死票も多く、極端な結果が出やすい。政党間で無理な候補者調整が必要になり、野党共闘は困難を抱える。
このような中、「中選挙区連記制」の導入を主張する政治家が増えている。「中選挙区制」はかつて日本の衆議院選挙で運用されていた制度で、一つの選挙区につき、おおむね3名から5名を選出していた。有権者は候補者1人に投票していたが、「連記制」になると、複数名の候補者に投票することになる。
例えば、2票与えられた場合、有権者は1票を与党議員、1票を野党議員というように分けて投票することが可能になる。同じ人に2票投じることはできない。しかし、同じ政党から複数名が立候補していれば、自分の2票を同じ政党の候補者に1票ずつ投票することができる。この仕組みによって、かつての中選挙区制の弊害を乗り越えつつ、新たな政治の活性化を生み出そうというのが「中選挙区連記制」の主張である。
自民党の石破茂は「いま私が考えているのは中選挙区連記制だ」(『月刊日本』6月号)の中で、「全国に定数3の中選挙区を150作って、有権者は各選挙区で3人まで候補者を選ぶ」制度を提唱している。有権者は、候補者を選ぶだけでなく、連立の組み合わせを選ぶことになる。この制度では、極端な政権交代ではなく、穏健な連立の組み替えが起こる。これによって選挙結果に多様な民意を反映することができ、政治への信頼を回復できる。
かつて自民党総裁を務めた河野洋平も昨年のインタビュー「連記制含む『新中選挙区制』提唱」(時事ドットコム、2023年8月12日)で、「全国を全部3人(の中選挙)区」にする「中選挙区連記制」を主張している。
第1次橋本内閣で経済企画庁長官を務めた田中秀征は、近著『小選挙区制の弊害-中選挙区連記制の提唱』(旬報社)の中で、「五人区二名連記を標準区として三人区、四人区など例外を認める」制度を提唱している。
田中が強調するのは、かつての中選挙区制との違いである。以前は、同じ選挙区で自民党議員同士が熾烈(しれつ)な争いを行い、裏金などが飛び交った。これが派閥政治を生み出し、金権腐敗などを加速させた。これに対して、連記制を導入すると、同じ政党の立候補者が、互いに協力して当選を目指す可能性が高い。
また、党の力を借りない有力な無所属候補者の当選可能性が高くなる。これによって、原発専門、温暖化専門など、より専門性の高い国会議員が誕生することになる。
中選挙区連記制のメリットについては論者の間で共通項が多いが、有権者が投票できる候補者数には、相違がある。連記制には、「完全連記制」と「制限連記制」の違いがある。「完全連記制」は、一人の投票できる候補者数が定数と同じ場合で、例えば3人区では、有権者は3人に投票することになる。一方、「制限連記制」は、一人の投票できる候補者数が定数より少ない場合で、3人区であれば2人に投票することになる。
石破が主張するのは、3人区で3人に投票する「完全連記制」である。この制度だと、自民党候補者同士の争いは起きにくく、支持者に対して立候補した3人全員への投票を呼び掛けることができる。一方、これが「制限連記制」になると、支持者は2人だけにしか投票できないため、党内で争いが起きる。同士討ちを避けるためには、候補者数を2人に減らす必要があるが、今度は野党などに1議席を与えることが前提となる。
「制限連記制」を採用しても、選挙区の当選人数と有権者の投票数によって、幾通りも組み合わせができ、各政党の思惑によって見解が異なるだろう。
いずれにしても、小選挙区の弊害を乗り越える具体的提案が出てきたことは重要である。本格的な議論に発展することを期待したい。(なかじま・たけし=東京工業大教授)
=====================================================
[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)] (2023年08月02日[水])
「信なくば立たず。信頼こそが、政治の一番大切な基盤であると考えてきた」―――「信」「信頼」などあった試しがあったか、キシダメ首相? 「不信」しかない。
『●図星だったのに、《「軍事大国」が不満らしい。…タイム電子版が
「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない》<金口木舌>』
『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)』
東京新聞のコラム【<ぎろんの森>支持率低下が示す政治不信】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/266356?rct=discussion)によると、《首相の独善的な政権運営はマイナ保険証に限りません。安全保障政策を巡っては、国会や国民の間での幅広い議論を経ず、歴代内閣が認めなかった「敵基地攻撃能力の保有」を容認し、防衛予算の倍増と、長射程ミサイルの整備など防衛力の抜本的強化にかじを切りました。首相は、厳しく制限してきた殺傷能力を持つ武器輸出の解禁に向けた協議も与党に急がせています。いずれも長年、国会や国民が積み上げてきた議論を一方的に反故(ほご)にするものです。支持率がすべてではありませんが、政権への信頼度を示す指標として、誠実に受け止めなければなりません。「信なくば立たず。信頼こそが、政治の一番大切な基盤であると考えてきた」。国会でこう演説したのは、首相自身ですから。》
デモクラシータイムスでの半田滋さんのお話によると、防衛大学校(退学や任官拒否者)《退職者数の3つの山》…《イラク派兵、安保法制、敵基地攻撃》だそうだ。どこに「信」や「信頼」が?
『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》』
《等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、
そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生は
どんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を
解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。
そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね、
と思わず納得する結果でした》
トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》。歯止めを失った戦争法強行採決…早く廃止しなければ、最早「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。《歴代内閣が認めなかった「敵基地攻撃能力の保有」を容認し、防衛予算の倍増と、長射程ミサイルの整備など防衛力の抜本的強化にかじを切りました。首相は、厳しく制限してきた殺傷能力を持つ武器輸出の解禁に向けた協議も…》、今、キシダメ首相が熱中しているのは《殺傷能力のある武器の輸出解禁》。
同紙の【<社説>殺傷力ある武器 輸出解禁を急ぐ危うさ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/266345?rct=editorial)によると、《岸田文雄首相が殺傷能力のある武器の輸出解禁に向けて検討を急ぐよう与党に指示した。厳しく制限してきた武器輸出を解禁すれば平和国家としての歩みを逸脱し、地域の緊張を高めかねない。武器輸出のルールを定めた政府の防衛装備移転三原則と運用指針を巡り、与党の実務者は四月、見直しに向けた協議に着手し、今月五日に論点を整理した。殺傷武器の輸出を一部認める方向性を示しつつも、政府への具体的な提言は見送り、秋の臨時国会召集後に協議を再開する方針だった。しかし、首相は二十五日、与党協議のメンバーを官邸に呼び、協議の早期再開を求めるとともに、政府内でも検討を加速させる考えを示した》。
『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増』
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/266345?rct=editorial】
<社説>殺傷力ある武器 輸出解禁を急ぐ危うさ
2023年7月29日 07時18分
岸田文雄首相が殺傷能力のある武器の輸出解禁に向けて検討を急ぐよう与党に指示した。厳しく制限してきた武器輸出を解禁すれば平和国家としての歩みを逸脱し、地域の緊張を高めかねない。
武器輸出のルールを定めた政府の防衛装備移転三原則と運用指針を巡り、与党の実務者は四月、見直しに向けた協議に着手し、今月五日に論点を整理した。殺傷武器の輸出を一部認める方向性を示しつつも、政府への具体的な提言は見送り、秋の臨時国会召集後に協議を再開する方針だった。
しかし、首相は二十五日、与党協議のメンバーを官邸に呼び、協議の早期再開を求めるとともに、政府内でも検討を加速させる考えを示した。
これを受け、与党は八月に協議を再開し、日英伊が共同開発する次期戦闘機を念頭に、国際共同開発する装備の第三国への輸出解禁などを目指す、という。
首相が殺傷武器の輸出解禁を急ぐ背景には、米国が日本による火薬や砲弾の供給に期待を高めていることが挙げられる。米国はロシアとの戦闘を続けるウクライナに弾薬を提供しているが、生産が追い付かないためだ。
火薬の輸出は現在も可能だが、砲弾の提供には防衛装備移転三原則と運用指針など輸出ルールの見直しが必要だ。
日本が米国に火薬や砲弾を提供すれば、実質的に紛争当事国であるウクライナに武器輸出することになり戦闘を助長しかねない。それでも平和国家と言えるのか。
首相は八月中旬に訪米し、日米韓三カ国首脳会談に臨むほかバイデン米大統領と個別に会談する見通しだ。武器輸出解禁に向けた協議加速を唐突に指示したことは訪米に備えた動きと指摘されても仕方あるまい。国会閉会中に協議を加速させるのも狡猾(こうかつ)な手法だ。
戦後日本は武器輸出を厳しく自制し、民生中心の協力で国際的信用を得てきた。そうした国の在り方を首相の一存で、目先の思惑で蔑(ないがし)ろにしてはならない。
安全保障政策は国民の幅広い合意を得ることが前提だ。政府与党が独断で転換してはならない。
=====================================================
(2021年10月25日[月])
東京新聞のコラム【ぎろんの森/今の選挙制度でいいのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/138446?rct=discussion)。
《そうした中、読者から貴重なご意見をいただきました。「衆院の小選挙区制が、政治の権力を集中させる元凶だと思います。選挙後に選挙制度の改革も議論してほしい」というものです》。
元朝日新聞記者の故・石川真澄さんを《守旧派》と呼んだ方々は、いま何を思う? 平気で違憲に壊憲するような自公お維に、この選挙制度によってつくられた独裁政権下で、合法に如何に選挙制度を改善するのか? 投票率を上げ、政権交代する以外になかったのでは…? いつまでもこの不公平で、民意を反映しない選挙制度下では…。
それにしても、石川真澄さんは偉かった。あの当時から、「『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った」新聞記者なんて稀有だった。しかも、正鵠を得ていた訳だ。
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(1/3)』
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(2/3)』
「石川さんは九工大機械工学科出身で、選挙結果や世論調査の
分析のち密さや、”守旧派”といわれながらも小選挙区制の危険さや
欠陥の指摘に孤軍奮闘した姿、そこに理系新聞記者の血が
見て取れる。「政治を科学した」。「絶対得票率」の提案も。
「…小選挙区制。結果は死票累々、投票率急降下。そして
「絶対投票率」三〇%足らずの政党が、わが物顔で
イラク派兵から憲法改定へ踏み込もうとしている」。
「日本国憲法が民衆にとってどんなに素晴らしいものだったか…
書いてある」。『JANJAN』の選挙データベースの構築の際に、
竹内さんから石川さんは相談を受けていたそう。朝日新聞の
死亡記事にも、「政治報道に数量的分析を導入。九〇年代の
政治改革論議では『死票を大量に生む小選挙区制では
民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の
論陣を張った」 。
「渡邉恒雄氏は理想的な政治記者像か」という対談で、
「「政界記者よりも真の政治記者に」の志を貫いた石川さんには、
だから呵責なし批判を期待したのだが、そう単純ではなかった。
…「ただの政界工作者でなく、理屈にも強いところが、しゃくなんだね」
という。逆に渡邉氏からは「お前みたいな、数字をいじくれるやつが
俺のところにもほしいんだよ」と言われたこともあった。…さすが
「ただもの」でない者同士か…」」
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(3/3)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)』
『●『自民党の終焉』読了(2/4)』
『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率』
『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」』
「神保哲生さんのvideonews.comの記事
(http://www.videonews.com/on-demand/601610/002622.php)。
…「死票が7割も出る制度」なんてお話にならんでしょ。当初、
二大政党制になり、死票が最高5割と言っていたはずなのに、
大いなる幻想だった訳。いまや、一大政党制の体たらく。
怖い世の中だ。これも選挙民が選んだものとはいえ、
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
の愚痴の一つも言いたくなる。
小選挙区制が導入される直前、石川真澄記者は「守旧派」として
批判されたが、小選挙区制を支持した当時の政治家やマスコミ記者連の
目は節穴か、確信犯だったようだ」
《マル激トーク・オン・ディマンド 第610回(2012年12月22日)
われわれが選んだもの、選ばなかったもの
ゲスト:小林良彰氏(慶応大学法学部客員教授)》
『●自民党の長期「党勢の低迷」…それでも絶対得票率1/4で
3/4の議席を占める小選挙区制という欠陥制度』
「videonews.comの記事【与党大勝の総選挙で明らかになった本当の
民意とは】…《結果的に選挙で大勝したにもかかわらず、安倍首相を
始めとする自民党の重鎮たちの選挙後の表情が一様に重々しかった
のは、選挙結果には反映されない自党の党勢の低迷に対する危機感が
あったからだった》」
「日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/日本には小選挙区制度は合わない】
…《小林良彰のビデオニュースドットコムでの指摘が興味深い。
「自民党の絶対得票率が長期低迷傾向だ。民主党政権ができた09年の
総選挙で、自民党は2730万票を得ているが、その後の選挙では
自民党は議席数こそ毎回過半数を大きく超えるものの、得票数は
大敗した09年選挙を超えたことがない ★つまり野党の
地盤沈下により、より少ない得票でも自民党が勝っているだけ、
というわけだ…「絶対得票率」は約25%》」
『●「選挙の真の争点」は争われたか?
〔与党自公+癒党お維キト〕の狙いは成功したのか?』
「相変わらずの低投票率…53・68%、前回に続き、戦後2番目の低さ。
「眠り猫」は目覚めることがなかった。小選挙区制と云う欠陥選挙制度の
下では、諦めなのか何かは知らないが、権力にとっては好都合、
反権力側には致命傷のように思う。3割程度の投票で、2/3の議員を
占める。恐ろしく民意を反映しない、ニッポン人には不向きな欠陥選挙制度。
中選挙区制に戻しましょうよ…その方が、よっぽどマシ。もういい加減に
学んだでしょうに、小選挙区制の欠点」
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/138446?rct=discussion】
ぎろんの森
今の選挙制度でいいのか
2021年10月23日 08時00分
衆院選が公示され、三十一日の投開票日に向けて選挙戦の真っただ中です=写真。投票先をすでに決めたという方も、決めかねているという方もいらっしゃると思います。
私たちの論説室でも、何を判断材料に投票したらいいのか、論説委員が日々、活発に議論を交わしています。
その議論を反映したものが公示日から毎日掲載している「’21衆院選」の社説です。大事な争点を各回一つ取り上げ、各党の政策、主張の違いやその狙い、考えるポイントなどを書き込んでいます。
これまでに「分配と格差是正」「選択的夫婦別姓」などを掲載し、これから外交や防衛政策などを取り上げる予定です。読者の皆さんが投票先を決める際、一助にしていただけたら幸いです。
そうした中、読者から貴重なご意見をいただきました。
「衆院の小選挙区制が、政治の権力を集中させる元凶だと思います。選挙後に選挙制度の改革も議論してほしい」というものです。
二〇一二年衆院選で自民党が政権復帰を果たして以降、「安倍一強」「官邸一強」と呼ばれる独善的で強権的な政治体制が続きました。それが森友・加計学園や桜を見る会などの問題をはじめとする政権スキャンダルの原因になったのはご存じの通りです。
その背景にあるのが、官邸などの政権中枢に権力や権限を集める「平成の政治改革」であり、その柱が衆院小選挙区制と政党助成制度です。
制度を抜本的に見直さない限り、権力の過度の集中は止められないと、社説でもたびたび指摘してきました。
しかし、各党の公約を読み比べても、選挙制度の抜本的な見直しを掲げているのは、共産党や国民民主党だけで、各党の選挙制度に対する問題意識は希薄と言わざるを得ません。
平成の政治改革から三十年近くがたち、弊害も明らかになりました。小選挙区制中心の選挙制度や政党助成制度を続けていいのか、選挙後には読者の皆さんとも議論を深めたいと考えます。 (と)
=====================================================
[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)] (2021年06月20日[日])
マガジン9のコラム【第103回:軍隊に監視される社会でいいのか?~重要土地規制法成立と宮城秋乃さんの家宅捜索~(三上智恵)】(https://maga9.jp/210616-3/)。
《私たちは急速に監視社会に向かっている。①国が国民を監視する、だけでなく②軍隊が国民を監視する、③国民が国民を監視する、この②と③が当たり前になる社会、戦前のような恐ろしい国に私たちをいざなう法律が、ついに参議院本会議で可決、成立してしまった。「重要土地等調査規制法」。大事な国防施設を守るため、という名目で無制限に市民の監視を可能にする、こんな稀代の悪法を止められない私たちの市民力のなさに改めて暗たんたる気持ちになる》。
『●《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、
陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させる…極秘合意》』
《同訓練場返還地の米軍廃棄物問題などを調査しているチョウ類研究者の
宮城秋乃さんは「仮にヘリパッドとして使うのであれば、
高江の負担はより重くなる」と訴えた》
『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》』
「琉球新報の【<社説>基地にドローン規制 沖縄を狙った報道弾圧だ】…
によると、《政府方針が盛り込まれれば、自衛隊基地や米軍基地への
取材が大きく制限される。国民の知る権利を著しく侵害する方針に、
新聞協会が反対を示したことは当然といえる》…そうです。
どこまでも《卑(ミーン)》なアベ様ら」
『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)』
《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
残っていることを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》
土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ…《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至。《杉田水脈議員が「辺野古の基地反対運動の人たちの弁当のごみが米軍基地に入ったらどうするか」という事例を出したように、こんなレベルの屁理屈でも調査監視の対象になってしまうというお粗末さを露呈》…あぁぁ…。
《監視社会…当たり前になる社会、戦前のような恐ろしい国に私たちをいざなう法律が、ついに参議院本会議で可決、成立してしまった。「重要土地等調査規制法」。大事な国防施設を守るため、という名目で無制限に市民の監視を可能にする、こんな稀代の悪法を止められない私たちの市民力のなさに改めて暗たんたる気持ちになる》。最低の官房長官を含めた第二次アベ様政権により、《メディアコントロール》は完成し、《私たちの市民力》はズタズタに。三上智恵さんの結びの言葉、《法は成立しても、せめて悪用された時に瞬時に声を上げて世論で監視し、実行させない市民力を、私たちは今からでも磨いておかねばならない》。
『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…』
《……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、
《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している」
と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や
沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や
特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、
米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。
《憲法で保障された表現の自由や思想・良心の自由を
侵害するような活動は許されない》のに…。》
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【https://maga9.jp/210616-3/】
三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第103回:軍隊に監視される社会でいいのか?~重要土地規制法成立と宮城秋乃さんの家宅捜索~(三上智恵)
By 三上智恵 2021年6月16日
(https://youtu.be/goM4NtaGqTk)
私たちは急速に監視社会に向かっている。①国が国民を監視する、だけでなく②軍隊が国民を監視する、③国民が国民を監視する、この②と③が当たり前になる社会、戦前のような恐ろしい国に私たちをいざなう法律が、ついに参議院本会議で可決、成立してしまった。「重要土地等調査規制法」。大事な国防施設を守るため、という名目で無制限に市民の監視を可能にする、こんな稀代の悪法を止められない私たちの市民力のなさに改めて暗たんたる気持ちになる。
「中国に基地周辺の土地を買われたら怖いですよ。原発や弾薬などがある場所の近くに過激派が出入りしたらどうします? 取り締まらなきゃ! ですよね。そんな動きを未然に察知し、民衆の不安にお応えする法律を作ります。どうぞみなさん安心なさってください」
今回の土地規制法はそんな優しい仮面をかぶって登場した。内容の恐ろしさにピンと来て連日報道しているのは、沖縄のメディアくらいだった。いまだに多くの人がこの法の黒い素顔に気づいていない。国会議員でさえ、ボーっとしているようにしか思えない。
これは、外国人や危ない人たちが国防上大事な土地を取得しないためにあるというが、この法律自体、彼らの土地売買を直接規制する力もない。できるのは、重要施設の「機能を阻害」する人物が、施設の周りの土地にいないか? を調べること。所有者だけでなく、出入りしてないか? そんな目的に使ってないか? または使おうとしてないか? を市町村や地元警察や地域住民から強制的に情報を提供させながら調べ上げることを合法にする。虚偽の申告をしたら罰せられるのだから、隣人の家族構成を聞かれたって嘘はつけない。これはかつてない密告社会を招聘する法律でもある。
「機能を阻害する」目的に使ってないか? というところの、「機能を阻害する行為」とは何か。その具体的な範囲も法成立後に決めるという、いくらでも恣意的に運用されかねない点も恐怖だ。自民党の杉田水脈議員が「辺野古の基地反対運動の人たちの弁当のごみが米軍基地に入ったらどうするか」という事例を出したように、こんなレベルの屁理屈でも調査監視の対象になってしまうというお粗末さを露呈しているというのに、この法に対する野党の危機意識も驚くほどに低かった。
さらに第9条に「機能を阻害する行為の用に供し、又は供する明らかなおそれがあると認めるときは」とあるように、機能を阻害する行為が行われていなくても、その恐れがあると判断されれば勧告⇒命令⇒罰則と進むことができるため、例えば、米軍機の落下事故や騒音に悩むごく普通の沖縄県民が定期的にベランダから基地を観察してSNSで情報を共有した――そんなことも「軍の機密を公にし機能を阻害した」と懲罰対象になりかねないのだ。これでは「基地の周りでめったなことはできない」と市民のチェック機能もぐっと萎縮させられてしまう。
そもそも、沖縄県民が誘致したわけでもない米軍基地や自衛隊基地。仕方なく基地周辺に住むことを余儀なくされ、騒音、汚染、事故、事件の恐怖にずっと耐えてきたというのに、彼らが救済の対象になることこそあれ、潜在的に「機能を阻害する恐れがあるかもしれない」と疑いの目でみられるとは何事か。これまでは簡単に調べることができなかった個人情報を含む、思想信条まで詮索される調査対象にされるなんて、全く納得がいかない。これは、沖縄戦の時、住民にさんざん軍の労務作業に協力をさせながら、米軍上陸が迫ると「軍機を漏らしかねない」として敵に情報を与えるスパイ予備軍とみて監視し、スパイリストに挙げて見せしめの虐殺まで進んでしまった悲劇と、全く同じ構図の再来だと私は危惧している。軍隊が民間人を見張るというのはそういうことだ。スパイだと疑われた人間が、そうではないと証明するのは非常に難しいことは、歴史が証明する恐怖である。
そして、日本軍が集落の人を使って地域の情報を集めた闇の情報収集組織を持っていたことについては『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)に詳しく書いているが、今回の法律でも、実際に情報を集める中心的な役割は自衛隊の情報保全隊が担うとみられている。情報保全隊と言えば、2004年には自衛隊ヘリの騒音に電話で抗議しただけの人の勤務先まで調べ上げていたことが印象に残る。自衛隊のイラク派兵に反対する個人や団体を大量にリストアップしていた中にメディアや記者も入っていたことに驚愕したこともある。要は、自衛隊の機能を阻害する可能性のある存在に目を光らせ、こっそり監視するのが保全隊の仕事なのだが、この法が成立すれば、ある部分は大手を振って調査することが可能になり、そのぶん萎縮効果も増大するだろう。
基地の周りに住んで身辺調査の対象になるよりは、と移住する力のある人は出て行くだろう。でもそれができない市民は肩をすぼめながら目を付けられないように暮らすしかない。そんな時にピンポーン、と玄関に情報保全隊が立ち、こう言うかもしれない。
「この家からと思われる角度で基地内を撮影した映像がネットに頻繁に上がっている。お前の息子だろう? 罰則を知らないのか? 身分証明書を出せ」
「ご、誤解です。うちの息子はそんなことしません! それをやってるとしたら……」
「やってるとしたら? 虚偽申告は100万以下の罰金だと知ってるな?」
「……。はい、確か隣の息子さんがよくカメラを回しています……」
こういう相互監視・密告社会が現実になる危険性を土地規制法は大いに孕んでいる。そんな指摘をすると、ネット上では「活動家は逮捕されてください」とか「やましいことのない人にとっては良い法律ですが」などのバッシングが来る。でも普通に考えてみて欲しい。生活圏にある基地に、いったい何が飛んでくるのか? どう使われるのか? ある程度把握しないと不安ではないか。協定に反して夜中に飛ぶ軍用機には、証拠の映像を撮って訴え、我が子が静かに眠る夜を確保しようとするのは当然ではないのか? 先祖の土地が汚染され、子どもが飲む水がおかしくなっているのではないかと監視する市民がいなかったら、いくらでもやりたい放題をする米軍を私たちは見てきたのだ。「軍事に口を出すな」と言われて、「はい、そうですか」とは言えない。そんないのちと暮らしを守るための活動すべてが「機能を阻害する」というワードで絡めとられる恐れがあるこの法律に、戦慄しないはずがない。
「だけどそれって沖縄とか横田基地とか、その周辺の人たちの話でしょ? 私には関係ない」と無関心でいる多くの国民に知ってほしいのは、これは軍事施設や原発だけを対象にしていないこと。政府が「重要な生活関連施設」と認定したら、その周辺も含まれてしまう。政令で指定されたら、あなたの近所の浄水場とか港湾がその対象になり、あなたの家族が監視対象にされる危険性はゼロではない。どうにでも運用できる形でこの法を通してしまえば、最初は国境地帯で軍事基地が多い沖縄県あたりがその影響下に置かれるかもしれないが、またそこでも「沖縄は大変ね」とタカをくくっていると、世論は騒がないとみて全国各地に拡大していくだろう。
軍が民を監視するという、戦後の日本ではありえないと思えた構図は、もちろん占領下の沖縄では日常茶飯事だったのだが、復帰してからも無くなったのかと言えば、そうでもない。今月初め、東村高江のヘリパッド問題など基地に関連し、自然保護の観点から多くの発言をしてきたチョウ類の研究者・宮城秋乃さんが、いきなり家宅捜索を受けた。彼女はその前にもずっと防衛局や米軍から監視されていたのだ。これこそ、軍事基地の周りでチョロチョロ余計なことをするな、という土地規制法案と同じベクトルの恫喝だと私は直感し、状況を聞きに行ったのが今回の動画だ。
6月4日の朝、いきなり名護署と県警の警備課がドヤドヤと玄関に押し寄せ、仕事に欠かせない携帯とパソコンやカメラ、莫大なデータを含む機材などをごっそり押収していった。宮城さんは森の生き物の研究をする傍ら、森の奥深くに遺棄されたままの米軍の廃棄物・弾薬・有害物質などの状況を調べ、回収し、原状回復を訴える活動を続けてきた。その功績で去年「第32回多田謡子反権力人権賞」を受賞している。社会的にも信頼のある研究者の仕事場にいきなり踏み込むほどの容疑とは、一体何だというのか。
彼女は米軍の訓練場の返還地に夥しい米軍のゴミ、時には弾薬などの危険物や、PCBやコバルトなど放射性物質も含む有害物質が山中に放置されていることに胸を痛め、自主的に回収していた。北部訓練場は2016年末におよそ半分が返還されたが、米軍に原状回復義務はなく、防衛省が実に3億円もかけて「支障除去」、つまり有害物質や廃棄物の後始末をしたはずだった。しかし現状はこのありさまである。希少生物に影響を与えているので、米軍のゴミを集めて袋に入れた。当初は沖縄県警が持って行ってくれたものの、誰も回収してくれなくなった。
(宮城さんが北部訓練場跡地で確認した金属部品からは、
放射性物質コバルト60が検出された
(写真:ブログ「アキノ隊員の鱗翅体験」より)
返還された北部訓練場を含むやんばるの森は今年、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(奄美・沖縄)」の一部として世界遺産登録の合格判定がIUCN(国際自然保護連合)によって出された。登録は既定路線になった。
宮城さんには、この森が世界遺産になるのは嬉しいが、登録される前のこの機会に国の責任でちゃんと廃棄物を取り除いて、訪れた観光客がどこを歩いても怪我をしたり被ばくしたりすることなく、地元の子どもたちが安心して走り回れる本当の自然遺産にして欲しいという思いがあった。だからこそ、危険なごみの存在を隠蔽せずに知ってもらい、防衛省のみならず、ごみを捨てた米軍にもきちんと対応してほしいとアピールする目的で、4月7日、廃棄物を米軍基地のゲート前に並べて抗議した。その時に通行妨害をしたということが、今回の威力業務妨害容疑での家宅捜索の理由だと説明を受けたという。
「動物たちが実際に被害を受けているのに、誰も気にも留めてくれないということが悲しくなります。誰も見てくれない。森の奥だから。私は森ならどこまででも入って行けるから、私がそれを知らせないと」
宮城さんはそんな思いで活動を続けてきたのだが、ある時自分の動向が他人に記録されていることに気づいたという。2019年の10月、高江のヘリパッドに近いN4ゲートに立っている警備員が、自分が通るたびに車のナンバーを見て連絡を取る様子を見て「監視されている」と恐ろしくなった。防衛省が雇った民間の警備員が報告する先は防衛省だろうし、動向の報告を指示したのも防衛省だろう。ドライブレコーダーやビデオカメラでその様子を記録して訴えたところ、沖縄県選出の赤嶺政賢議員が人権侵害だと防衛省を追及、防衛省側も「通行人を報告・記録することはある」と事実を認めた。
ところがこの防衛省が警備会社に民間人の監視を依頼するという異常事態を、赤旗、琉球新報、沖縄タイムスの3紙しか扱わなかった。普段、宮城さんから写真の提供などを受けてお付き合いのある本土紙の記者たちも、ペンをとってはくれなかったという。もしここで、「基地の問題に声を上げた人のプライバシーまで防衛省が監視していいのか?」と世論が問題視していれば、今回の家宅捜索も世論が怖くてできなかっただろうし、土地規制法も簡単に成立させないブレーキが生まれていたはずだ。彼女のSOSをスルーした結果、基地の周りで異議を唱えるような人は国防の敵だという乱暴な考え方が力を伸ばし、人権侵害を止める社会の力は弱まったのだ。そして土地規制法という名の市民監視のシステムも、どうやら今の世なら難なく通せそうだぞ、と権力側に隙を見せた格好になってしまった。
防衛省に続いて宮城さんは、米軍にも監視されるようになったという。ある日、生物調査で山に入って戻ると、自分の車が沖縄県警と海兵隊のパトカーに囲まれ、事件現場のようになっていた。駐車違反してないですよね? と聞くと、ずっと止まっている車があるから遭難したのではと駆け付けたと、言い逃れのような理由を言った。要は、返還地ではなく、立ち入り禁止の米軍基地の方に入っているのではないか、さらにまた不都合な廃棄物を引っ張り出してくるのではないか、と厄介な行動をする宮城さんを監視し、萎縮させたかったのだろう。
ところが宮城秋乃さんは変わった趣味を持っているために、この種の脅しが全く効かない人であることが、今回本拠地をお訪ねしてよく分かった。宮城さんは幼いころから「働く乗り物」が大好きで、特にパトカーが好きすぎて、それを運転することに憧れた結果、警察官の制服や持ち物、ポスターなど警察関連のグッズを集めるまでになってしまったという。私は、昭和の警察帽や沖縄県警グッズが所狭しと並ぶ彼女の部屋を見て絶句してしまった。
実は私、かなり虫が苦手なので、宮城さんの部屋に虫の標本がたくさんあったり、ホルマリンの匂いがしたりすることを少し恐れて伺ったのだが、それはない代わりにウルトラマンや警察グッズが、それはきれいに展示されていた。もちろん、軍隊の暴力も警察権力も嫌いですよ、と彼女は念を押す。ただ、それとこれとは別で、パトカーは細部にわたって大好きだそうで、彼女にとっては日米のパトカーに囲まれたことは恐怖でも何でもなく喜びですらあったという事実に、私は吹き出してしまった。軍事ヘリも軍用車両も働く車、であり彼女の興味の対象らしく、えらく詳しい。私が感じる米軍や警察の威圧感を、彼女は興味が上回って感じないというのだから、彼らはほかの人を萎縮させることができても、宮城秋乃さんには通用しないというのが、なんだか痛快だった。
とはいえ、廃棄物を並べて何とかしてくれとアピールしただけで家宅捜索はどう考えても行き過ぎである。当分戻らない携帯やパソコン、カメラを買い揃えねば仕事にならない彼女に対して、今カンパも呼びかけられ、ようやく全国から支援の声が強くなってきている。そして、軍事施設周辺で余計なことをするとこういう目にあうぞ、という重要土地規制法を先取りしたような事例として、宮城秋乃さんのケースが注目されるのは、遅まきながら、大切な変化である。
軍事組織が、又は軍事優先の論理が市民を監視し人権を制限する。そんな行為が大手を振ってできるような悪法を成立させてしまった日本。国防上の危機がいいように煽られ、国境の島々や基地周辺に住む一部の人たちの人権は後回しでいいから国防優先でお願いします、という意見が多数を占めるなら、この国はすでに戦前だ。法は成立しても、せめて悪用された時に瞬時に声を上げて世論で監視し、実行させない市民力を、私たちは今からでも磨いておかねばならない。
***
【宮城秋乃さんへのカンパ】
振込先:……
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[※ 報道特集(2017年7月8日)↑]
videonews.comの記事【与党大勝の総選挙で明らかになった本当の民意とは】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/864/)。
《結果的に選挙で大勝したにもかかわらず、安倍首相を始めとする自民党の重鎮たちの選挙後の表情が一様に重々しかったのは、選挙結果には反映されない自党の党勢の低迷に対する危機感があったからだった》。
『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」』
「神保哲生さんのvideonews.comの記事
(http://www.videonews.com/on-demand/601610/002622.php)。
…「死票が7割も出る制度」なんてお話にならんでしょ。当初、
二大政党制になり、死票が最高5割と言っていたはずなのに、
大いなる幻想だった訳。いまや、一大政党制の体たらく。
怖い世の中だ。これも選挙民が選んだものとはいえ、
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
の愚痴の一つも言いたくなる。
小選挙区制が導入される直前、石川真澄記者は「守旧派」として
批判されたが、小選挙区制を支持した当時の政治家やマスコミ記者連の
目は節穴か、確信犯だったようだ」
《マル激トーク・オン・ディマンド 第610回(2012年12月22日)
われわれが選んだもの、選ばなかったもの
ゲスト:小林良彰氏(慶応大学法学部客員教授)》
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/日本には小選挙区制度は合わない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201710300000154.html)によると、《小林良彰のビデオニュースドットコムでの指摘が興味深い。「自民党の絶対得票率が長期低迷傾向だ。民主党政権ができた09年の総選挙で、自民党は2730万票を得ているが、その後の選挙では自民党は議席数こそ毎回過半数を大きく超えるものの、得票数は大敗した09年選挙を超えたことがない ★つまり野党の地盤沈下により、より少ない得票でも自民党が勝っているだけ、というわけだ…「絶対得票率」は約25%」
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(1/3)』
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(2/3)』
「石川さんは九工大機械工学科出身で、選挙結果や世論調査の
分析のち密さや、”守旧派”といわれながらも小選挙区制の危険さや
欠陥の指摘に孤軍奮闘した姿、そこに理系新聞記者の血が
見て取れる。「政治を科学した」。「絶対得票率」の提案も。
「…小選挙区制。結果は死票累々、投票率急降下。そして
「絶対投票率」三〇%足らずの政党が、わが物顔で
イラク派兵から憲法改定へ踏み込もうとしている」。
「日本国憲法が民衆にとってどんなに素晴らしいものだったか…
書いてある」。『JANJAN』の選挙データベースの構築の際に、
竹内さんから石川さんは相談を受けていたそう。朝日新聞の
死亡記事にも、「政治報道に数量的分析を導入。九〇年代の
政治改革論議では『死票を大量に生む小選挙区制では
民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の
論陣を張った」 。
「渡邉恒雄氏は理想的な政治記者像か」という対談で、
「「政界記者よりも真の政治記者に」の志を貫いた石川さんには、
だから呵責なし批判を期待したのだが、そう単純ではなかった。
…「ただの政界工作者でなく、理屈にも強いところが、しゃくなんだね」
という。逆に渡邉氏からは「お前みたいな、数字をいじくれるやつが
俺のところにもほしいんだよ」と言われたこともあった。…さすが
「ただもの」でない者同士か…」」
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(3/3)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)』
『●『自民党の終焉』読了(2/4)』
『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率』
長期的な「自党の党勢の低迷」…にもかかわらず、それでも絶対得票率2.5割=1/4で3/4の議席を占める小選挙区制という欠陥制度。2/4は、選挙にも行かない無関心派「眠り猫」。
それにしても、石川真澄さんは偉かった。あの当時から、「『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った」新聞記者なんて稀有だった。しかも、正鵠を得ていた訳だ。
『●「選挙の真の争点」は争われたか?
〔与党自公+癒党お維キト〕の狙いは成功したのか?』
「相変わらずの低投票率…53・68%、前回に続き、戦後2番目の低さ。
「眠り猫」は目覚めることがなかった。小選挙区制と云う欠陥選挙制度の
下では、諦めなのか何かは知らないが、権力にとっては好都合、
反権力側には致命傷のように思う。3割程度の投票で、2/3の議員を
占める。恐ろしく民意を反映しない、ニッポン人には不向きな欠陥選挙制度。
中選挙区制に戻しましょうよ…その方が、よっぽどマシ。もういい加減に
学んだでしょうに、小選挙区制の欠点」
==================================================================================
【http://www.videonews.com/marugeki-talk/864/】
2017年10月28日
与党大勝の総選挙で明らかになった本当の民意とは
小林良彰氏(慶應義塾大学法学部教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第864回(2017年10月28日)
安倍首相が「国難突破」選挙と位置付けた総選挙が10月22日に行われ、自民・公明の連立与党がほぼ現有議席を維持して勝利した。
今回の選挙は最大野党の民進党が事実上解党し、選挙の直前になってバタバタと新党が立ち上がる異例の選挙となった。戦後初の政権交代となった1993年の「政治改革」選挙でも選挙直前に相次いで新党が立ち上がる政局があったが、その時は自民党が分裂した結果の新党ブームだったのに対し、今回は野党の分裂が原因だった。
現行の小選挙区を主体とする選挙制度の下では、政党が細かく分かれれば分かれるほど死票が多くなり不利になる。この選挙でも、比例区の野党の総得票数は自民党を大きく上回っていたが、議席は自民党が全体の74%を獲得している。
参考までに各小選挙区の与野党の陣営別の総得票数を集計してみると、野党候補の総得票数が与党候補を上回りながら、与党候補が勝利した選挙区が全267選挙区中少なくとも68あった。日本維新の会や希望の党が共産党との共闘を受け入れることは考えにくいので、与野党の総得票数の単純な比較にどれだけの意味があるかについては議論のあるところだが、比例区の野党の獲得議席数が与党を上回っていたことも考え合わせると、もし全選挙区で野党共闘が実現していれば、政権交代が実現した可能性が十分にあった計算になる。
結果的に選挙で大勝したにもかかわらず、安倍首相を始めとする自民党の重鎮たちの選挙後の表情が一様に重々しかったのは、選挙結果には反映されない自党の党勢の低迷に対する危機感があったからだった。
投票行動の分析で定評のある政治学者の小林良彰・慶應義塾大学法学部教授は、比例区での野党の総得票数が与党のそれを上回っていたことも重要だが、より注目すべきは自民党の絶対得票率が長期低迷傾向だと指摘する。自民党が大敗し民主党に政権を明け渡した09年の総選挙で、自民党2730万票を得ているが、その後の選挙では自民党は議席数こそ毎回過半数を大きく超えるものの、得票数は一度も大敗した09年選挙を超えることができていない。
別の見方をすると、野党が低迷し投票率が下がったために、より少ない得票で自民党の獲得議席が増えているというのが実情なのだ。ちなみに民主党が政権を奪取した09年の総選挙の投票率は69%を超えていた。今回は53.6%。前回は史上最低の52.6%だ。
実際、自民党の得票率は毎回5割を割っている。つまり、得票数では野党が自民党を上回っているのだ。自民党の今回の得票率の48%に、全体の投票率の53.60%を掛け合わせた「絶対得票率」は約25%にとどまる。これが日本の全有権者のうち、実際に自民党に投票した人の割合だ。
これは、自民党が過去5年にわたり政権を維持できているのは、国民の過半から支持を受けているからではないし、また自民党への支持が野党に対する支持を上回っているからでもないことを示している。野党がお家騒動や分裂を繰り返したことで、自民党が選挙制度上の漁夫の利を得た結果であることを、このデータは示している。
これまで何度も指摘されてきたように、現行の選挙制度の下で民意をより正確に反映させるためには、野党陣営が一つにまとまるしかない。しかし、今回の希望の党のような政策や理念を無視した離合集散に対しては、国民の間に強い拒否反応があることもまた、この選挙で明らかになっている。
今後は野党第一党となった立憲民主党が、野党を一つにまとめられる大きな翼を広げることができるかに注目が集まるが、自民党よりも保守色の強い議員が多い希望の党や維新の会から共産党までがひとつにまとまるのは容易ではなさそうだ。しかし、それが実現しない限り、自民党が有権者の4分の1の支持で国会の4分の3を支配する状態が続くだろう。
選挙直前の有権者に対する調査データをもとに詳しく分析した小林氏とともに、この選挙が明らかにした民意の中身と現行選挙制度の問題点などを、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
小林良彰(こばやし よしあき)
慶應義塾大学法学部教授
1954年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同大学院法学研究科修士・博士課程単位取得退学。法学博士。ミシガン大学政治学部客員助教授、プリンストン大学国際問題研究所客員研究員、慶應義塾大学専任講師、助教授を経て91年より現職。著書に『政権交代 民主党政権とは何であったのか』、『選挙・投票行動-社会科学の理論とモデル』、編著に『子どもの幸福度』など。
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gendai.netの2つの記事(http://gendai.net/news/view/108960。http://gendai.net/articles/view/syakai/143492)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013071990070335.html)。
参院選はとても残念な結果になりました。原発推進派・壊憲派に好き勝手にされないように、監視が必要。
とても嬉しかった。宮崎駿監督が「憲法を変えるなどもってのほか」と語ったそうだ。
自公議員に投票した人や、選挙に行かなかった人にその声が届かなかったのが残念だ。でも、諦めず、今からなんとか巻き返さないと。「戦争できる国」「放射能でよその国に迷惑をかける国」にしてはいけない。
『●戦争、環境破壊の最たるもの』
「題して「戦争絶滅受合(うけあい)法案」▼戦争の開始から
十時間以内に、敵の砲火が飛ぶ最前線に一兵卒を送り込む。
順序はまず国家元首、次にその親族の男性、三番目は総理、
国務大臣、各省の次官、そして国会議員(戦争に反対した議員を除く)、
戦争に反対しなかった宗教界の指導者…▼妻や娘は従軍看護師として
招集し、最前線の野戦病院で働く。権力を持つ者から犠牲になるなら、」
自らは安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう」
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【http://gendai.net/news/view/108960】
ジブリ宮崎駿監督がミニコミ誌で「改憲反対」のなぜ
2013年07月17日 16:48 更新
スタジオジブリが無料で発行する冊子「熱風」(7月号)が話題となり、都内の書店では在庫切れが続出している。
宮崎駿監督が、「憲法を変えるなどもってのほか」というタイトルで、戦争の愚かさと憲法改正反対の意思をつづっているのだ。
〈憲法を変えることについては、反対に決まっています。
選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、
思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです〉
〈もちろん、憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。
おかしいけれど、そのほうがいい。国防軍にしないほうがいい。
職業軍人なんて役人の大軍で本当にくだらなくなるんだから〉
さらに、徴兵制についても、
〈……「徴兵制をやればいいんだ」というようなことを言う馬鹿が
出てくるんです。(中略)そういう人たちには、50歳でも60歳でも
「自分がまず行け」と言いたいです。行きたくないなら、
自分の息子を、息子がいなかったら孫を送れ。そうすれば、
徴兵制というものが何だかわかるから〉
と歯に衣着せぬ物言いで持論を展開している。
なぜ、監督は「憲法改正」について寄稿したのか。スタジオジブリに改めて取材を申し込んだが、「書かれていることがすべてです」という回答だった。
ジブリ作品について、映画批評家・前田有一氏はこう言う。
「最新作の『風立ちぬ』は、航空技術者の堀越二郎をモデルとした
ゼロ戦の開発秘話を描いていますが、アメリカの飛行機を撃ち落とす
などの場面は全くない。実在した人物を主人公に、エンジンの各部品の
震え方まで正確に描いていた。アクションシーンを入れていたら、
軍国主義を肯定しかねない。描かないことが思想の発露になっているのでしょう」
「宮崎駿全書」の著書がある映像研究家の叶精二氏はこう言う。
「宮崎監督の作品は現在の状況から先を読んで、何を残していくべきか、
どう向き合っていくかを描いている。憲法についてモノを言うのも
同じなのでしょう。これまでの作品も、大津波のシーンがある
『崖の上のポニョ』(08年)の後、東日本大震災が起こっているし、
過去には放射能に汚染された世界を描いた『オンユアマーク』(95年)など、
まるで原発事故を予想したかのような作品も残している。
時代の先を読んでいますよね」
選挙前に読んでおきたい。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143492】
米国人監督が見た改憲ニッポン
2013年7月18日
「映画 日本国憲法」が話題
「我々は9条を改正し、その(自衛隊の)存在と役割を明記していく」――。
安倍首相は歴史的大勝を確信したのか、ここにきて憲法9条の見直しを明言し始めた。
自民党の改憲草案は、9条を変更し、自衛隊を「国防軍」にすることを掲げている。
BS番組で「国防軍」について問われた石破幹事長は、出動命令に従わない場合、死刑や無期懲役といった重罰を科す軍事法廷の設置まで踏み込んでいた。
もはや平和憲法は風前のともしびだ。
多くの国民が危機感を抱いているからだろう。日本在住の米国人、ジャン・ユンカーマン監督が撮影し、05年に公開された「映画 日本国憲法」(製作・シグロ)に注目が集まっている。首都圏を中心に全国で再上映されているのだ。
「アメリカの押し付け」「1週間で作られた」と批判される現憲法は、民主主義の「世界の理想」を反映したものだ。映画では、草案に関わった故ベアテ・シロタ・ゴードン氏らのそんな証言も盛り込まれている。
ユンカーマン氏が言う。
「自分が生きている間、米国はずっと戦争をしている。
それがひとつもいいことにはつながっていない。でも、日本の平和憲法は
軍国主義と違う。軍隊を持たずに強い国となる“模範”になると思っていた。
残念ながら、今の日本は米国の軍隊に守られ、核の傘下に置かれている。
いつか人類は、戦争のない未来を実現させると思っています。
それなのに憲法9条を変えて強い軍隊を持とうとするのは、
時代を逆戻りさせることです」
<押し付けなどではなく「世界の理想」の反映>
憲法を変えれば、新たな緊張も生まれる。
「世界で最も危険なのは中東ではなく、東アジアです。人口も、
軍事的にも密度が高い。北朝鮮、韓国、中国、台湾に加えロシア、
それと日本に基地を構える米国もいる。そんな中で9条を変えれば、
どこかで必ず紛争が起きる。他国もますます軍事力を増やしかねないのです」
自民党は50年前から進歩がない。
「今回だって、誰が憲法改正をしたい? 自民党の一部、
そのような考えを持つ人だけでしょう。それで改憲するのは、
根本的に民主主義じゃない。必要なら国民が『変えて』と大きく声をあげ、
政府に圧力をかけている。でも、今の日本は逆。世論調査を見ても、
改憲を望む人は少数です」
08年4月、名古屋高裁で「自衛隊イラク派兵は憲法違反」という控訴審判決が言い渡され、確定した。
「あれから5年、また政権を取った自民党が、中国をはじめ東アジアとの
緊迫感が高まる中で憲法改正を言い出すのはおかしい。
多くの人が危険と感じています」
疑問を持つのは米国人だけではないはずだ。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013071990070335.html】
「改憲 もってのほか」 宮崎駿監督 いま声を大に
2013年7月19日 07時03分
「憲法を変えるなどもってのほか」。スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(二十一日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。 (樋口薫)
熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。過去には「デモ」「グローバル企業とタックスヘイブン(租税回避地)」など、社会的なテーマも扱ってきた。
編集長の額田久徳さん(50)によると、今回の特集を発案したのはプロデューサーの鈴木敏夫さん(64)。意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。
執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督(77)が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。本紙に五月、掲載された鈴木さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。いずれも憲法九条や改憲手続きを定めた九六条の改憲に反対する内容だ。
宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。
十日から全国の書店で配布した約五千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。興味を持ってもらえたのがうれしい」と額田さん。
二十日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。
<スタジオジブリ> 宮崎駿、高畑勲両監督のアニメスタジオとして1985年設立。「天空の城ラピュタ」以降、「となりのトトロ」「もののけ姫」など、宮崎監督の全アニメ作品を製作。2001年公開の「千と千尋の神隠し」が米国でアカデミー長編アニメ賞を受賞するなど、作品は国内外で高い評価を受けている。
(東京新聞)
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石川さんは九工大機械工学科出身で、選挙結果や世論調査の分析のち密さや、”守旧派”といわれながらも小選挙区制の危険さや欠陥の指摘に孤軍奮闘した姿、そこに理系新聞記者の血が見て取れる。「政治を科学した」(p.36)。「絶対得票率」の提案も。「・・・小選挙区制。結果は死票累々、投票率急降下。そして「絶対投票率」三〇%足らずの政党が、わが物顔でイラク派兵から憲法改定へ踏み込もうとしている」(p.44)。「日本国憲法が民衆にとってどんなに素晴らしいものだったか・・・書いてある」(p.61)。『JANJAN』の選挙データベースの構築の際に、竹内さんから石川さんは相談を受けていたそう (p.46)。朝日新聞の死亡記事にも、「政治報道に数量的分析を導入。九〇年代の政治改革論議では『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った」 (p.65、131)。
「渡邉恒雄氏 (※2) は理想的な政治記者像か」という対談で、「「政界記者よりも真の政治記者に」の志を貫いた石川さんには、だから呵責なし批判を期待したのだが、そう単純ではなかった。・・・「ただの政界工作者でなく、理屈にも強いところが、しゃくなんだね」という。逆に渡邉氏からは「お前みたいな、数字をいじくれるやつが俺のところにもほしいんだよ」と言われたこともあった。・・・さすが「ただもの」でない者同士か・・・」(p.72)。
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