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●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》

2023年09月15日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年08月16日[水])
まずは、昔のブログ(2014年08月08日 00時00分18秒)『●いろんな意味で疲れます…住民基本台帳活用とアイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!』にコピペさせていただいていた、半田滋さんによる東京新聞のコラム【【私説・論説室から】自衛官募集で「赤紙来た」】を再引用します。

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【私説・論説室から】
自衛官募集で「赤紙来た」
2014年8月6日

 「平和を、仕事にする」。自衛隊の募集案内が七月上旬、全国の十八歳の若者宛てに一斉に送付された。安倍晋三首相は七月一日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。このタイミングで自衛官募集のダイレクトメールが届けられたのだ。

 インターネットを利用したツイッター上では「赤紙が来た」「召集令状だ」といったつぶやきがあふれた。防衛省は地方自治体が持つ住民基本台帳から適齢者の住所、名前などの個人情報を入手している。政府が自衛隊に入隊してほしいと考えた適齢者(十八~二十六歳)へ、いつでも募集案内を送りつけることができると証明された。

 八月一日から十日までは、AKB48の「ぱるる」こと島崎遥香さんによる自衛官募集のテレビCMがオンエアされている。「自衛官という仕事、そこには大地や海や空のように果てしない夢がひろがっています

 AKB48採用の理由を防衛省人材育成課は「親しみやすいうえ、東北復興にボランティアとして活躍している。『人の役に立ちたいという若者に訴えかける力がある」という。だが、自衛官になって「人助け」をしようとする若者の夢は「戦争参加の可能性」により、打ち砕かれたのではないか。「果てしない夢」はしぼんでしまったのに「夢のある自衛官になろう」と呼びかけるのだからブラックジョークというほかない。 (半田滋
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 さて、山田祐一郎安藤恭子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「赤紙」があなたにも? 自衛隊の入隊勧誘ダイレクトメール 知らないうちに自治体が個人情報を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/268883?rct=tokuhou)。《自治体から自衛隊へ、若者の個人情報の提供が拡大している。進路を選ぶ年齢の住民に突然ダイレクトメール(DM)が届き、あたかも戦時中の「赤紙」を連想させるという声も。背景にあるのは、深刻な自衛官のなり手不足だ。政府はさまざまな対策を打ち出しているが、根本的な原因はどこにあるのか。戦後78年の終戦記念日を前に、教訓を考えた。(山田祐一郎安藤恭子)》。

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
     武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
   『●沖縄では自衛隊入隊の説明会依頼は無し、
       なので、住民基本台帳を閲覧して個人情報を入手
   『●いろんな意味で疲れます…住民基本台帳活用と
      アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!

 防衛大学校もあの惨状。《学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています》、《怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです》《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです》。
 また、《防衛ジャーナリスト半田滋の丹念な取材レポート。防大現役教授の内部告発文書が話題になっています。武器は爆買いし配備していますが、それを使い動かす自衛隊員は慢性的な人手不足リーダーを育てるはずの防衛大学校では、目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演で、能力と意欲のある学生ほど進路を転換する。等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生はどんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね、と思わず納得する結果でした》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な
        論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー
   『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
      離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》
   『●等松春夫教授《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から
      招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校にまで見られるのです》

 「まずは、「戦争絶滅受合法」を可決し、自公議員や支持者をはじめとしたオトナがお手本を示して、「非戦闘地域」の現状を確認してもらってから…」。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/268883?rct=tokuhou

こちら特報部
「赤紙」があなたにも?自衛隊の入隊勧誘ダイレクトメール 知らないうちに自治体が個人情報を
2023年8月9日 12時00分

 自治体から自衛隊へ、若者の個人情報の提供が拡大している。進路を選ぶ年齢の住民に突然ダイレクトメール(DM)が届き、あたかも戦時中の「赤紙」を連想させるという声も。背景にあるのは、深刻な自衛官のなり手不足だ。政府はさまざまな対策を打ち出しているが、根本的な原因はどこにあるのか。戦後78年の終戦記念日を前に、教訓を考えた。(山田祐一郎安藤恭子


◆高校3年生の長男に

     (東京都内に届いた自衛隊の勧誘チラシ=一部画像処理)

 「平和な日本で在り続ける為に」「自衛隊という選択肢」

 7月上旬、東京都内の会社員女性宅に届いた高校3年生の長男(17)宛てのDM。防衛省と書かれた封筒を開けると、そんな言葉が書かれたチラシが入っていた。「進学先としての防衛大であればそういう選択肢もあるかとも思えるが、『自衛隊』と書かれると、抵抗を感じた」と女性は話す。

 DMは全国の自衛隊地方協力本部が、高校を卒業する18歳や、大学を卒業する22歳に向けて送ったものだ。自衛隊法では、都道府県知事や市町村長が自衛官の募集事務の一部を行うと規定しており、DMを送るための「氏名」「生年月日」「性別」「住所」の個人情報を、全国の多くの市区町村が自衛隊側に紙や電子媒体で名簿提供している。

 従来は、多くの自治体が住民基本台帳の閲覧や書き写しを認める形にとどめていた。大きく転換したきっかけは、2019年2月、安倍晋三首相(当時)が自民党大会で「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している」と述べたこと。政府は20年12月、「市区町村長が住民基本台帳の一部の写しの提供が可能であることを明確化する」ことを閣議決定し、翌年2月に防衛省と総務省が各自治体に提出が問題ないことを通知した。

 防衛省によると、18年度は紙と電子媒体による名簿提供が全1741自治体中683自治体だったのに対し、22年度は1068自治体に増加。これに対し閲覧は、894自治体から534自治体に減少した。名簿提供が39%から61%に増え、逆転したことになる。


◆安倍元首相の発言で「名簿提供が拡大」

 「安倍元首相が自治体をやり玉に挙げたことで一気に名簿提供が拡大した」と話すのは、市民団体「改憲・戦争阻止!大行進川崎」事務局の上田豊さん。7月に川崎市に対し、名簿提供の中止を申し入れた。「まさに自治体による戦争協力」と市の対応を批判する上田さん。「戦時中に自治体職員が住民に赤紙を持って行ったのと同じ構図だ」と指摘する。

 「こちら特報部」は8日午後、東京都練馬区と埼玉県朝霞、和光、新座市にまたがる陸上自衛隊自衛隊朝霞駐屯地の周辺を訪ねた。陸自広報センターがある朝霞門近くには「自衛官募集」の大きな看板と、「全国統一夏季採用広報キャンペーン実施中」の横断幕が掲げられていた。

     (陸上自衛隊朝霞駐屯地のフェンスにある
      自衛官の募集案内=埼玉県和光市で)

 30代と40代の息子がいる朝霞市内の女性(60)は「子どもが学生の時は募集のチラシが送られてきていたし、電話でも勧誘があった」と振り返る。学生はDMが届いたら、自衛隊への就職を考えるのか。和光市駅から出てきた大学1年の男性(18)は「考えたこともなかった。国を守ることも大事だと思うけど、命を危険にさらすのは嫌だ」と話した。

 前出の、DMを受け取った女性は「人を殺傷することを前提とした訓練をさせるために息子を育ててきたわけではない。一方で経済的な事情で選ばざるを得ない若者もいるので複雑だ」と心境を明かした。

 知らないうちに個人情報を提供され、年齢を見定めてDMが届く状況は問題ではないのか。甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は「住民基本台帳法は台帳の閲覧を認めているだけ。提供の規定はなく同法を逸脱している。自衛隊法からみても自治体管理の個人情報まで得ようというのは、拡大解釈の恐れがある。自衛隊だけ特別扱いというのもおかしい」と述べる。

 情報提供を望まない人を名簿から除外する「除外申請」制度もあるが、市民に周知されているとはとても言えない。DMが届いた保護者や子どもが困惑するのは「当たり前」と園田氏。「個人情報を提供されたくないという『自己情報コントロール権』を守りたいと思うなら、居住する自治体に対し、何を根拠に提供したのか問い合わせ、異議申し立てもできる。なし崩し的に自治体の名簿提供が広がるのは筋が違う」


◆少子化やハラスメントで応募者減少

 背景には自衛官応募の減少傾向もある。先月公表された2023年版防衛白書によると、22年度の自衛官などへの応募者数は7万4947人。前年度の8万4682人から1万人近く減った自衛官の定数割れも慢性的で、22年度末は定数約24万7000人に対し、現員数は約22万8000人だった。

 こうした状況を受け、政府の人的基盤強化策に関する有識者検討会は7月、報告書を提出。任期がある自衛官候補生制度の見直しや、幹部自衛官となる前提で理工系学生に奨学金を貸与する「貸費学生制度」の対象者拡大を推奨。給与増額、ハラスメント根絶なども求めた。

 だが、福島県の陸自郡山駐屯地に所属していた五ノ井里奈さんが自衛官を辞めた後の22年、前年に男性隊員3人に押し倒されるなどの性被害を受けていたと公表。愛知県の航空自衛隊小牧基地は今年5月、後輩の男性隊員の顔にマグカップを投げつけ歯が折れるなどのけがをさせたとして、40代男性空曹長を停職6カ月の懲戒処分とした。

 「応募減は少子化だけが原因ではない。相次ぐパワハラ、セクハラ報道をみれば、入隊は不安だろう。五ノ井さんに土下座までした隊員たちが裁判で居直ったことも今後の採用に響く」とみるのは、元自衛官で軍事ジャーナリストの小西誠氏だ。「いじめやハラスメントが相次ぐのは軍隊の構造。24時間営内勤務の生活環境がいまの日本にそぐわない。有事となれば、さらに人はいなくなる

 令和を生きる若者に届くDM。明治大の山田朗教授(日本近現代史)によると、徴兵制があった戦前の「赤紙」は旧日本軍の臨時召集令状を表し、その紙の色をとって呼ばれた。日中戦争が始まったころから、戦地に赴いて退いた予備役や、徴兵検査を経て体格が良くないなどの理由で入営しなかった補充兵役らを対象に届いた。

     (自衛隊への名簿提供中止を訴え
      署名活動する人たち=7月、川崎市で)


◆欧州で進む陸軍削減「日本は軍縮怠る」

 「自分はもう呼ばれないと安心したところに赤紙は届くから、ショックは大きかった。自衛隊勧誘のDMに『数日以内に来い』というような強制力はないが、突然送られてくるという点で、赤紙と重なる」と山田氏は指摘する。日本の戦況が悪化し、敗戦に至るまで赤紙は送られ続けた。

 戦後78年を迎える日本の状況を「際限なき軍拡。自衛官が定数割れというが、そもそも今の日本に見合った兵力なのか」と疑問視する。冷戦後、西ドイツやフランス、英国の各陸軍は兵力を大幅に減らしてきたが、「日本は軍縮の努力を怠ってきた陸自を地域に張り付かせるやり方を変えず、いまは南西諸島にシフトしている」という。

 「ミサイル配備などみてくれの軍事力を拡充しても、相手国も引けず、最前線の緊張を高めるだけだ平和を実現するには文民統制下での情報収集・分析、それに対話と軍縮の努力を重ねることが必要だ


◆デスクメモ

 大戦末期、日本は平時よりはるかに多い軍人を動員。予算の大半を戦費に充て、国民生活はどん底にたたき落とされた。民間を含む国力の圧倒的な劣勢を無視し、軍事力で出し抜けば勝てると妄信。その結果、軍人・軍属230万人、民間人80万人が死んだ歴史に学ぶ点は多い。(本)

【関連記事】PAC3が沖縄で民間港湾地区に展開 自衛隊が市民の日常にじわりと「浸食」
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●等松春夫教授《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校にまで見られるのです》

2023年09月13日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年08月15日[火])
等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』》。
 吉井理記記者による、毎日新聞の記事【大量退校、玉砕美談…防衛大で今何が起きているか 教授が実名告発】(https://mainichi.jp/articles/20230802/k00/00m/040/138000c)。《新入生の大量退校、多発する不祥事やハラスメント、極右論者の浸透……。どこの話かと思えば、これが日本の安全保障の要、幹部自衛官を育てる防衛大学校(神奈川県横須賀市)で起きていることだというから衝撃である。防大の等松春夫教授が実名で告発した。防大で何が起きているのか?【構成・吉井理記】》。

 防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行も衝撃的でしたが、等松春夫教授への【防衛大現役教授が実名告発】インタビュー(前編・後編)もかなり強烈です。
 特に気になるのが…《学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています》、《怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです》《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な

          論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー
    『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
      離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》

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https://mainichi.jp/articles/20230802/k00/00m/040/138000c

大量退校、玉砕美談…防衛大で今何が起きているか 教授が実名告発
吉井理記
毎日新聞 2023/8/3 06:00(最終更新 8/3 06:00) 有料記事 4369文字

     (防衛大学校の観閲式で観閲行進する学生隊=神奈川県
      横須賀市で2023年4月5日午後0時33分(代表撮影))

 新入生の大量退校、多発する不祥事やハラスメント、極右論者の浸透……。どこの話かと思えば、これが日本の安全保障の要、幹部自衛官を育てる防衛大学校(神奈川県横須賀市)で起きていることだというから衝撃である。防大の等松春夫教授が実名で告発した。防大で何が起きているのか?【構成・吉井理記】


新1年生の約20%が退学

 ――毎日新聞のインタビューに先立ち、集英社オンライン上で論考「危機に瀕する防衛大学校の教育」を公表しました。学校運営の硬直化や教官・教育の質の低下が多くの退学者や不祥事を生んでいる、日本の安全保障にとって危機的だ、と警鐘を鳴らすものです。なぜ実名で告発を?

 ◆いくつか理由はありますが、ここ3年ほど、アジア・太平洋戦争中の最悪の戦いの一つ「インパール作戦」の戦史の英訳の仕事をしていたことがあります。


 ――1944年に旧日本陸軍が北ビルマとインド東部で展開した作戦ですね。苛酷な戦場の実情を無視した軍司令官の作戦指導が、膨大な犠牲者を生みました。

 ◆英訳の過程で資料を大量に読み直したのですが、きちんとしたリーダーがいないことがどれほど悲惨な結果を招くか、改めて痛感したのです。防大は将来の自衛隊のリーダーを育てる学校ですが、防大の現状を思うと、自衛隊もいずれ同じことをやりかねない、と思いました。これまでも内部で問題提起をしてきましたが、改善の兆しはない。まともな組織になってほしい、という願いで世論に訴えました。


 ――最大の問題は少なからぬ学生が防大や自衛隊に背を向けてしまっていることだ、と。どういうことですか?

 ◆少し説明しましょう。防大を卒業した学生は、自衛官に任官し、さらに陸海空の各幹部候補生学校で学んで部隊に配属されます。毎年、メディアは自衛官にならなかった卒業生を「任……」………
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●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》

2023年08月18日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年07月30日[日])

【どれだけやめる⁉防大・自衛隊 危機に立つ自衛隊【半田滋の眼 NO.83】20230720】
 (https://www.youtube.com/watch?v=iMhmpXzOsYs
《モクラシータイムス》
《防衛ジャーナリスト半田滋の丹念な取材レポート。防大現役教授の内部告発文書が話題になっています。武器は爆買いし配備していますが、それを使い動かす自衛隊員は慢性的な人手不足リーダーを育てるはずの防衛大学校では、目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演で、能力と意欲のある学生ほど進路を転換する。等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生はどんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね、と思わず納得する結果でした。2023年7月20日 収録》


 衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》。

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的
        な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー

 その顛末について、半田滋さんの《丹念な取材レポート》。《目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演》…映像資料を、是非ご覧ください。『危機に瀕する防衛大学校の教育』も是非読んでみて下さい。
 防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行も衝撃的でしたが、【防衛大現役教授が実名告発】インタビュー(前編・後編)もかなり強烈です。《幹部自衛官育成の内情に危機感》《長年にわたる組織の歪み》《改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育》…。等松氏の言葉にも「個人倫理よりも集団の論理が優先される環境で、悪質な上級生が指導」をすると、下級生は悪に染まり、学生舎は、いじめ、賭博、保険金詐取など、諸悪の温床となります。このような環境下では、上級生からの理不尽な指導」を受けた下級生は…」とあります。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

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●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー

2023年07月26日 00時00分47秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年07月09日[日])
防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行も衝撃的でしたが、【防衛大現役教授が実名告発】インタビュー(前編・後編)もかなり強烈です。《幹部自衛官育成の内情に危機感》《長年にわたる組織の歪み》《改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育》…。等松氏の言葉にも「個人倫理よりも集団の論理が優先される環境で、悪質な上級生が指導」をすると、下級生は悪に染まり、学生舎は、いじめ、賭博、保険金詐取など、諸悪の温床となります。このような環境下では、上級生からの理不尽な指導」を受けた下級生は…」とあります。
 集英社オンラインの記事(前編)【【防衛大現役教授が実名告発】自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件…改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育】(https://shueisha.online/culture/142994)によると、《防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について、インタビューをおこなった。なぜ、等松氏は職を賭してまで“告発”に踏み切ったのか。》
 その後編【准教授主導で200名以上もの学生が関与した詐取事件、8人1部屋の共同生活…防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育がもたらす大きな弊害〈防衛大現役教授が実名告発〉】(https://shueisha.online/culture/143010)によると、《そして14年にわたって防衛大学校と自衛隊の諸学校で教鞭をとってきた教育者でもある。幹部自衛官育成の内情に危機感を持つ教授は「内側からの声だけで改革への道を開くには限界がある」と、長年にわたる組織の歪みを指摘した論考を執筆したと語る》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

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https://shueisha.online/culture/142994

2023.06.30
【防衛大現役教授が実名告発】自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件…改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育
等松春夫 集英社オンライン編集部
危機に瀕する防衛大学校の教育#1

防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について、インタビューをおこなった。なぜ、等松氏は職を賭してまで“告発”に踏み切ったのか。(前後編の前編)


コロナ禍で防衛大学校に起きたこと

等松教授は日本の内外で活躍する政治外交史・戦争史の研究者であり、軍事史研究の泰斗、H・P・ウィルモットの著作の翻訳者としても知られる。そして14年にわたって防衛大学校と自衛隊の諸学校で教鞭をとってきた教育者でもある。
幹部自衛官育成の内情に危機感を持つ教授は「内側からの声だけで改革への道を拓くには限界がある」と痛感し、長年にわたる組織の歪みを指摘した論考を執筆したと語る。

編集部(以下、――) 論考を拝読しました。教授の論点は多岐にわたりますが、昨年3月に卒業した479人の学生のうち任官辞退者(部隊への着任を拒んで、自衛隊を退職した者)が、72人にも上ったという数字は、衝撃的でした。【1】

等松(以下、略):衝撃的なのは、任官辞退者の数だけではありません。卒業した者だけではなく、昨年4月に入学した488人の学生(1年)のうち、2割にあたる100人近い学生が、入学から1年以内に退校しているのです【2】。また、2・3年生の間に自主的に退校した学生も相当な数に上っています【3】。

――任官辞退者や中途退校者が急増した理由を、いまの若者の「精神的な打たれ弱さ」や「ウクライナ戦争の勃発」に見出すマスコミや識者の論調を、教授は強く否定しています。

現役の教官として申し上げますが、学生たちの多くは「打たれ弱い」から辞めるのではありません。むしろ、優秀で使命感の強い学生ほど防衛大学校(以下、防大)の教育の現状に失望して辞めていく傾向が強いと感じています。

――学生たちと同じように、教授も防大に失望して“告発”を決意なさった?

学生を教育する立場の私が「失望した」と言っては、元も子もありません。防大には今なお、使命感と情熱にあふれた学生と教官がいます。失望したから見捨てる、逃げるのではなく、どうにか真っ当な教育環境を整えたいのです。

――そう決意せしめたのは、コロナ禍に対する防大執行部の対応だったとか。

コロナ禍以前から、自衛官教官として「病人・けが人・咎人」【4】を送り込んでくる、防衛省・自衛隊のやり方に対して、私は内外で批判の声を挙げてきました。そのことで、自衛隊・防衛省、防大に出向してくる防衛官僚の一部から恨みを買っていた自覚はあります。

――自衛官教官とは、防大で「防衛学」の講義を受け持つ現役自衛官のことですね。

はい。正確には「防衛学教育学群」といいます。他の大学にはない、安全保障に特化した科目を教える、防大の看板ともいえる学群です。ここには約40人の教官がいますが、そのうち30名が防衛省内のローテーション人事で補職されている人々です。【5】

「病人・けが人・咎人」は海上自衛隊の一部で使われている隠語で、教育部署に回される自衛官の類型を揶揄して使われているフレーズです。おそらく陸自・空自でも、実態は大同小異でしょう。病人とけが人は、本人だけの責任ではありませんが、咎人は論外です。


「商業右翼」【6】を講師として学外から招く悪習

――「咎人」とはどういう意味を指しているのでしょう?

部隊や自衛隊内のさまざまな機関でパワハラや服務違反を起こしたり、職務上のミスを多く犯した者をさします要するに部隊や諸機関で持て余された人々が、「手軽な左遷先」として防大の防衛学教育学群に送られてきているのです。【7】

――それは知りませんでした。教授や准教授といった肩書になっているので、てっきり大学院を出た自衛官が担当しているもの、と。

ごく稀に修士号や博士号を持ち、なおかつ学生教育への情熱を持つかたもいらっしゃいますが、30名のうちのわずか数名に留まります。

――なぜですか。

文官教官(自衛隊ではなく、民間の研究者から選抜された教官)と違って、自衛官教官には厳格な資格審査がありません。文官教官「講師/准教授/教授」の採用はこれまでの研究実績(と、ポストの空きがあるかどうか)によって決まりますが、自衛官教官の場合は、自衛隊で1佐以上の階級なら、防大補職で自動的に「教授」。2佐、3佐なら「准教授」の地位が与えられてしまうのです。けれど、大多数の自衛官教官は、とてもその任には堪えられない人々です。修士号や博士号を取得していない人も少なくありません。【8】

教授や准教授といった立場で防大に補職されても、いっこうに勉強も研究もせず、代々引き継がれているマニュアル本で紋切り型の教え方しかせず、さらには安直な陰謀論に染まることもある。自分が担当する授業の枠内で、学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています。

怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです。

困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです。【9】

私はこれまでもさまざまな機会で警鐘を鳴らしてきましたが、無視されてきました。


コロナ禍での大学内の混乱

――コロナ禍中の202011月には、学校長であった國分良成氏(当時)や、陸上自衛隊・最高幹部の陸将から副校長に補職された原田智総氏などの不作為を指摘した申立書を、岸信夫・防衛大臣に送付したとうかがいました。【10

学生たちを守るためです。2020年の春、防大の執行部はコロナ流行の拡大状況を見誤り、春期休暇で帰省していた約1500人の在校生を3月28日までに召集。4月1日から約500人の新入生を加えて、1部屋に8人を基本とする集団生活を強行しました。

この“軟禁” ともいえる状況によって、首吊りや飛び降りを含む5件の自殺未遂多数の脱柵(脱走)ストレスによる放火を疑われる不審火、そして新入生をカモにして数十万円もの金銭が動いた大規模な賭博事件まで起きました。この間まともな授業もできず防大は2か月近く麻痺状態でした。【11】

にもかかわらず、防大の執行部は誰も、何の責任も取らなかったのです。一般大学では、早いところでは2月末から密を避けるためのリモート授業の検討が始まっていましたが、4月初めになっても防大では何ら方針が立っていませんでした。その後もまったくの泥縄で、防大の執行部には危機管理の意識がまるでありませんでした。

そこで、私は2020年10月、防大に対しておこなわれた特別防衛監察において執行部の責任を問い、教育機関としての正常化を求める申立書を提出しました。ところが、約5時間後、監察団の次席代表である陸自1佐(大佐)が私の研究室を訪れ、「受け取れません」と、申立書を返却してきたのです。封が開いていたので、中身に目は通したのでしょう。翌11月、私は岸大臣に申立書を送付しました。しかし、こちらも黙殺されました。

無責任な官僚や幹部自衛官たちは、日本の安全保障を担う重要な人材の育成をいったい何だと思っているのか。こうした経緯が積み重なったころから、最後の手段として論考の公表を決意しました。


等松教授による論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』全文はこちらから

#2へつづく


等松春夫
とうまつ はるお
1962年、米国カリフォルニア州生まれ。
筑波大学卒業後、早稲田大学で修士課程を修了し、オックスフォード大学で博士号を取得。

玉川大学教授を経て、2009年より防衛大学校・国際関係学科で教授を務める。
著書『日本帝国と委任統治―南洋群島をめぐる国際政治』(名古屋大学出版会)、訳書『大いなる聖戦 第二次世界大戦全史』(H・P・ウィルモット/国書刊行会)など。
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https://shueisha.online/culture/143010

2023.06.30
准教授主導で200名以上もの学生が関与した詐取事件、81部屋の共同生活…防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育がもたらす大きな弊害〈防衛大現役教授が実名告発〉
等松春夫 集英社オンライン編集部

危機に瀕する防衛大学校の教育#2

#1からのつづき


防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授が公開した衝撃的な論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について、インタビューをおこなった。なぜ、等松氏は職を賭してまで“告発”に踏み切ったのか。(前後編の後編)


時代遅れの8人1部屋の共同生活

等松教授は日本の内外で活躍する政治外交史・戦争史の研究者であり、軍事史研究の泰斗、H・P・ウィルモットの著作の翻訳者としても知られる。そして14年にわたって防衛大学校と自衛隊の諸学校で教鞭をとってきた教育者でもある。
幹部自衛官育成の内情に危機感を持つ教授は「内側からの声だけで改革への道を開くには限界がある」と、長年にわたる組織の歪みを指摘した論考を執筆したと語る。


編集部(以下、――) 自衛官教官の問題やコロナ禍中のスキャンダルだけではなく、全寮制の防大において、学生たちのライフスタイルの改革が急務だと論考ではおっしゃっています。

等松(以下、略)
:防大の教育では、リーダーシップ・フォロワーシップということが強調されています。上級者は、的確な判断を下して下級者を導く(リーダーシップ)。下級者は、すぐれた上級者に従う(フォロワーシップ)という観念です。軍事組織には命令系統があり、指揮官の統率のもとで行動するため、上級生による下級生の指導(学生間指導と称される)が制度として取り入れられています。

この考え方に基づき、防大生は1年生から4年生までの8人一組が学習室と寝室を共有して、学生舎で生活しています。したがって、授業と校友会活動(クラブ活動)以外の時間は、この8人が同じ場所で時間を過ごします。このような生活の中で、上級生が下級生を指導するわけです。

しかし、この指導は学問よりも日常の振る舞いのほうに重点が置かれており、現代においては、メリットよりも弊害のほうが大きいように思われてなりません

――そうは言っても、防衛大は“士官学校”のような場所でもありますよね?

たとえ士官学校であったとしても、連帯感とリーダーシップ・フォロワーシップの涵養に、上級生から下級生までを8人で常時共同生活をさせる必要はないでしょう。実際、米国の陸軍士官学校(ウェストポイント)では4名1部屋ですし、海軍(アナポリス)と空軍の士官学校は2名1部屋です。


200名以上もの学生が関与した詐取事件

――そうなんですね。

韓国の士官学校も2名1部屋で、居室内はパーティションで1名ずつのスペースに区切られています。また、中国の士官学校は学年別の教育を行い、上級生に下級生の指導はさせていません。集団生活の上下関係による躾と、軍事組織における指揮系統と団結心の確立の間に、科学的に立証された因果関係はないのです。

個人倫理よりも集団の論理が優先される環境で、悪質な上級生が指導」をすると、下級生は悪に染まり、学生舎は、いじめ、賭博、保険金詐取など、諸悪の温床となります。このような環境下では、上級生からの理不尽な指導」を受けた下級生は防大・自衛隊という組織に幻滅して退校するか、面従腹背するか、あるいは報復が恐ろしいので上級生の指導に無条件で服従するようになります。

そして、根拠なきリーダーシップとフォロワーシップによって集団の団結が強調される中で思考停止に陥り、上級者の命令に疑問を持つこともなく従うというメンタリティが形成されていきます。こうして、上級者に引きずられた下級者が、結果として悪事に加担してしまうということが起きるのです。

――2013年の保険金詐欺事件(5人以上の任官していた卒業生が懲戒免職/13人以上の学生が退校処分)や、2019年に発覚した補助金詐取事件(防大の准教授だった海自のX3佐が、妻の経営するペンションに学生たちが校友会活動で宿泊したように見せかけて、防衛省の共済組合から支払われる補助金を詐取していた)などは、悪しき上下関係の産物でしょうか。

補助金詐取事件のX3佐は結局、懲戒免職になりましたが、その処分が下るまでに不自然な異動が2度も行われ【1】、防大当局が不祥事をうやむやにしようとしていた形跡があります。

また、この件では200名以上もの学生が詐取事件に関与していましたが、X3佐にだまされていた可能性が高いということで処罰されませんでした。しかし、うすうす不正が行われていることを察知していながらも、報酬や圧力に負けて黙っていた学生たちが多かったことは間違いありません。彼らの倫理観も疑われます。

これらの事件が長らく発覚しなかったのは、防衛学教育学群の准教授や、上級生という上位者の主導で行われていたためでした。下級者は報復が怖くて不正を告発できず、あるいは「長いものには巻かれる」慣習に慣れ過ぎてしまった結果、悪習が長きにわたって続いてしまったのです。その傾向は卒業後もなくなりません


現役幹部による情報漏洩事件

――昨年発覚した、現職の幹部自衛官による海上自衛隊OBへの機密漏洩事件も同じ構図ですね。海上自衛隊の情報業務群司令である1佐が、かつての上司であるY元海将の要望に応じて、機密情報を提供してしまった。

Y元海将は、海上自衛隊幹部学校校長や自衛艦隊司令官を務めた大物OBです。この現役の1佐は懲戒免職となりましたが、現役ではないY元海将は何らの処罰も受けていないと聞いています。これも、奇妙なことです。

いかに高位にあったとはいえOBに現役幹部が機密情報を提供したことは深刻な公私混同です。さらには、情報提供が横須賀の海上自衛隊庁舎内で行われていた点から、この種の行為が常態化していたことがうかがえます。

この1佐は50代初めで、自衛官歴が30年近いれっきとした高級幹部です。そのような高級幹部が元上司からの要望というだけで、機密情報を提供してしまうとは、社会人としてまともな判断能力が働いていないとしか思えません。

上級者・先輩というだけで、何でも言うことに従うという幹部自衛官の思考停止は、誤ったリーダーシップ・フォロワーシップ教育の産物です。個人の倫理観が十分に確立されていない中で、上級者への服従と団体精神を過度に強調する教育を受けることは、このような非常識な幹部自衛官を作ることになるのです


等松教授による論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』全文はこちらから

#1はこちらから
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●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ

2023年07月25日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]


/// (2023年07月09日[日])

デモクラシータイムス【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】(https://www.youtube.com/watch?v=KA8KHgCGD-0
《<気になるニュース>
 ・混乱続き 珍案「マイナカード」改称暗証番号なしの 「マイナ保険証」 ??
 ・武器輸出緩和 自公実務者が大筋合意
 ・放出「処理水 IAEAの「安全基準に合致」のお墨付き
 ・26年夏の大阪万博、日本館入札不成立海外パビリオン建築申請ゼロ
 ・円安145円、株価90年来高値 路線価上昇 日銀短観7四半期ぶり改善
 ・税収最高71兆1374億円、剰余金2.6兆、全部兵器に回すのか
 ・「防衛大の教育は危機的状況現役教授が内部告発
 ・法廷で「事件を捏造」と公安警部補証言 大川原化工機冤罪事件
 ・いま何をしに? イエレン長官が中国訪問
 ・米最高裁判決、人種的優遇措置違憲、奨学金ローン救済は権限逸脱
                     2023年7月5日 生配信》

 青木理さん「戦後最悪の国会」、年々酷くなるばかりの国会…#自民党に投票するからこうなる#自公お維コミに投票するからこうなる。(リテラ)《いずれも日本維新の会と国民民主党が賛成に回って与党をアシスト。…こうした第2自民党の連中がマイナ一本化などの悪法成立に加担》。
 (リテラ)《国民生活を無視した防衛費増額財源確保のための法案、軍需産業を支援し武器輸出を推進する“死の商人”国家に突き進むための法案、危険を顧みない原発推進の法案、外国人や性的マイノリティの人権を踏みにじって差別を助長するための法案──。トラブル続出のなかで強行された保険証をマイナカードに一本化する法案も酷いが、それ以外にも今国会ではこれだけの悪法が通ってしまったのである。まさに「戦後最悪の国会」と呼ぶべきものだろう》。
 《青木理さん「甘い見積もりの防衛費倍増上手くいっている保険証をなくすマイナ保険証、財源先送りの少子化対策差別増進法という批判があるLGBT法原発回帰の法案、難民を追い返す入管法…そして解散権を振りかざして首相がニヤニヤこの国会は戦後最悪だと思います」》。

   『●ニッポンの国会の惨状、キシダメ政権のデタラメ乱発…そんな悲惨な
     さ中、かすかなかすかな希望は ⇨《世界的なミュニシパリズムの潮流…》
   『●細田衆院議長《…したり、統一教会とズブズブだったりと品位やモラル
     の欠片もないわけで、それはもうプラカードの比ではないほど破廉恥》
   『●あぁ、ニッポン…《国の在り方を変えかねない重要な法律が、まともな
     審議もなく次々と成立した。国会の形骸化が一層浮き彫りになっている》
   『●青木理さん「#戦後最悪の国会」、年々酷くなるばかりの国会…#自民党
       に投票するからこうなる #自公お維コミに投票するからこうなる
   『●山本太郎さん「これ以上の政治による暴力で、人々のささやかな暮らしを
     奪うのはやめろ…政治による暴力で、人々から夢や希望を奪うのはやめろ」
   『●長周新聞書評『増税地獄』…《収入の48%を上納させられる日本》《医療
         費負担増える一方》《「死ぬまで働け」政策 低所得者ほど厳しく》

 あまりに酷いことだらけで、毎日、嫌になってしまう。(青木理さん)「戦後最悪の国会」以外にも、碌なことが起こっていないニッポン。
 防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)、マイナンバーマイナンバーカード問題(両者は別物)、大川原化工機でっち上げ冤罪事件…。まあ、デモクラシータイムスの【山田厚史の週ナカ生ニュース】を、是非、見てみて下さい。デタラメばかりなニッポンに唖然とします。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》


   『●《政府が現行の健康保険証を2024年秋にも原則廃止しマイナンバー
      カードと一体化する》…何処で決まったのか? 国会で審議したのか?
   『●岸田文雄首相も河野太郎大臣も、錯乱していないか? 《マイナンバー
       カードに一本化》したりせず、《現行の健康保険証》のままで良い
   『●「監視社会ならん!市民ネット沖縄」《…国民に不安と不信をもたらす
     マイナンバーの制度そのものを根本的に見直し廃止することを求めます》
   『●自公お維コミの皆さん、《まずは政治家の政治資金の出入りを、政治家が
      大好きなマイナンバーカードにひもづけて透明性を高めたらいかがか》


   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない

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●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》

2023年04月25日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(20230409[])
自衛隊の《組織の隠蔽、閉鎖体質》…防衛大学校の暴行事件にも共通する体質。《教育》、《指導》という名のいじめ暴行

   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」 
                      …アベ様のニッポン、病んでいないか?
    「子どもや若者に赤紙が送り届けられるような、
     アベ様による経済的徴兵制悪徳企業型徴兵制の世、
     そんな悍ましい世にしていて本当に良いのですか?」

   『●《軍備は軽武装にとどめ、あらゆる資源を国民経済向上のために振り
     向けることを「国家の哲学」とした。「戦争は金輪際行わない」…》

 まず、ニッポンの《有事》は少子化(浜田敬子さん)。軍隊への入隊者も少なく、(実質的には導入済みに近いのですが)徴兵制でも導入したくてしょうがないのでは? 「赤紙」が来る時代へ軍事費倍増によって少子化に対して無能、一方で、他国に侵略してでも戦争したい、って正気でしょうかね。オマケに、哀しくなるほど低い食料自給率。

   『●食料と農業を守らないニッポン『乳牛をしぼればしぼるほど赤字になる。
     まったく希望が持てない』…《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね?

 無駄に軍事費倍増しても、どう人材確保? 《ハラスメントとの因果関係ははっきりしないが、隊員の離職で自衛隊の人材確保が危機に直面しているのは事実だ》…、三宅勝久さん「人材確保もままならないのに新たな装備の訓練や運用で職務時間が激増する恐れもある。今でも限界に近い過労状態の部隊もあるのにさらに劣悪な職場環境になれば、ハラスメントの横行、拡大につながりかねない」。
 稲熊均記者による。東京新聞の記事【こちら特報部/自衛隊が隠してきたハラスメントの実態の一端…「絶望の自衛隊」著者が語る 離職続出で人材確保の危機】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/234829?rct=tokuhou)によると、《自衛隊在職中に性暴力を受けた五ノ井里奈さんの告発をきっかけに、防衛省はハラスメントの実態解明を進めている。これまでもパワハラなどによる自殺や訴訟は後を絶たず中途退職も新規採用の3割を超える。防衛費の増額を急いでも、運用する人材を確保できるのか。自衛隊を取材し続けるジャーナリスト三宅勝久さんに聞いた》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/234829?rct=tokuhou

こちら特報部
自衛隊が隠してきたハラスメントの実態の一端…「絶望の自衛隊」著者が語る 離職続出で人材確保の危機
2023年3月6日 12時00分

 自衛隊在職中に性暴力を受けた五ノ井里奈さんの告発をきっかけに、防衛省はハラスメントの実態解明を進めている。これまでもパワハラなどによる自殺や訴訟は後を絶たず中途退職も新規採用の3割を超える。防衛費の増額を急いでも、運用する人材を確保できるのか。自衛隊を取材し続けるジャーナリスト三宅勝久さんに聞いた。(稲熊均)


◆防衛省がセクハラ横行を知らなかったはずはない

     (防衛省)

 五ノ井さんは告発後、インターネットを使い自衛隊内におけるセクハラの被害についてアンケートし、現職や元隊員から140件以上の回答を得ている。内容の一部を挙げると—。

 ▽(女性隊員の胸などを撮影した)エックス線写真を皆でまわして眺める▽飲み会で体を触ったり、男性隊員の局部に服の上からのキスを強要▽宴会で野球拳に参加させられ、服を脱ぐことを強要される…。

 三宅さんは、こうした多くの回答からも「五ノ井さんへの性暴力は一端にすぎないし、防衛省が深刻なセクハラが横行している実態を知らなかったはずはない。それでも公になることはなかった。これまでも暴力やいじめは、自殺した遺族や退職した隊員が訴訟を起こさなければほとんど明らかにならなかった」と話す。


◆閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない

 2月21日には、陸上自衛隊松山駐屯地で勤務していた男性がうつ病で自殺したのは過重勤務やパワハラが原因と、両親が訴えていた裁判で、地裁は国の賠償責任を認めた。ただ、認定したのは過重勤務で、パワハラの訴えは退けた

 三宅さんは自衛隊内での暴力、ハラスメントをめぐる過去の多くの裁判で取材を重ね、近著「絶望の自衛隊」(花伝社)など数冊の著作で告発者の声を伝えてきた。裁判では勝訴できた場合でも、原告が大きな労力と負担を強いられる

 「損害賠償請求は原則として原告側に立証責任がある。情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードルがある。五ノ井さんのケースのように非を認めるのはまれ。組織の隠蔽(いんぺい)、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない


◆好感度と大量離職とのギャップ

     (自衛隊の閉鎖的な体質について話す三宅勝久さん)

 ハラスメントとの因果関係ははっきりしないが、隊員の離職で自衛隊の人材確保が危機に直面しているのは事実だ。2020年10月に開かれた財務省財政制度等審議会の部会で提出された資料によると、自衛官の中途退職者はそれまでの10年間で約4割増加し、年間約4700人新規採用者の3分の1に相当する

 一方で近年、国民が自衛隊に抱く好感度は高い。内閣府の世論調査で、自衛隊に良い印象を持つとの回答は最近10年、9割前後を維持する。東日本大震災などでの救援活動がイメージを高めたとみられる。宮城県出身の五ノ井さんも「避難生活を支えてくれた自衛官にあこがれた」ことを入隊動機の一つに挙げている。

 三宅さんは、自衛隊の広報PRもあり高めてきた外からの印象と、実態のギャップが隊員個々の「失望」や「絶望」にもつながっていると強調する。「訓練や雑務で休む間もわずかなのにもかかわらず、命令の名の下に上司の私用や慰みのような労務も課せられる。それでも気に入られないといじめや暴力を受ける。失望して早々に辞める者もいれば、心を体を蝕むしばまれ、人生に絶望する者もいる

 政府は今後、5年間で防衛費を大幅に増額する。最新鋭の装備導入も急ぐ方針だ。だが三宅さんはこう懸念する。「人材確保もままならないのに新たな装備の訓練や運用で職務時間が激増する恐れもある。今でも限界に近い過労状態の部隊もあるのにさらに劣悪な職場環境になれば、ハラスメントの横行、拡大につながりかねない

【関連記事】セクハラ、パワハラへの感覚がまひ…防衛省はもっと声を上げやすい仕組みを 元陸上自衛官の五ノ井里奈さん訴え
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●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ――― 国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決

2021年01月01日 00時00分48秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2020年12月11日[金])
三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者のたたかいが社会に与えた勇気と感動】(http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/4495)。

 《…などの虐待を長期間受け、精神不安定になるなど多大な苦痛を受けた元学生の若者Aさんが、加害学生多数と国を相手どって起こした民事訴訟の控訴審が9日、福岡高裁であり、増田稔裁判長は、被控訴人(原審被告)国に対して、慰謝料と退学しなかった場合の学生手当相当分など計268万円の賠償を命じる逆転判決を言い渡した。…筆者はこの事件を取材して5年近くになる。記者会見でおちついた様子で気持を語るAさんの姿をみながら、真の勇者とはこういうことなんだな、と小さからぬ感動を覚えた。一時は自死を考えるほどの絶望的な苦境に置かれながらも、希望を捨てずあきらめずにたたかったさわやかさがあった。…あきらめてはいけない、どんなに苦しいときでもかならず変わるときが来る――あらためてそう思う》。



「確認された下級生へのイジメ一覧」 (東京新聞2019年3月18日
 【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/images/PK2019031802100072_size0.jpg】]

 防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ――― 国にも責任あり。あたりまえだ。2019年10月3日、《男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》福岡地裁・足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!?、と思っていましたが…、福岡高裁増田稔裁判長は《国の責任》も認めました。《今回の判決でAさんは全面勝訴したことになる》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

 東京新聞の記事【防大いじめ、国に賠償命令 「教官の指導不適切」逆転勝訴】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73390)によると、《防衛大学校(神奈川県横須賀市)で上級生らに暴行やいじめを受けたのは大学側が監督を怠ったためだとして、福岡県に住む元学生の20代男性が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は9日、教官の指導が不適切だったとして大学側の責任を認め、請求を棄却した一審福岡地裁判決を変更、約268万円の支払いを命じた。防衛大では全員学生寮に住み、同室の上級生が下級生を指導する。増田稔裁判長は、学生間指導として、暴力や精神的苦痛を与える行為が一般的に存在していたと指摘。男性が体毛に火を付けられたり、顔を殴られたりした行為に関し教官の安全配慮義務違反を認めた》。
 アサヒコムの記事【防大いじめ訴訟、国の責任認める 「被害の予見可能」 福岡高裁】(https://www.asahi.com/articles/DA3S14725927.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《防衛大学校(防大、神奈川県)在籍中に上級生や同級生から暴行や嫌がらせを受けたとして、福岡県の20代の男性が国に約2300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、福岡高裁であった。増田稔裁判長は、男性の訴えを退けた一審・福岡地裁判決を変更し、国の安全配慮義務違反を認め、約270万円の賠償を国に…》。
 毎日新聞の記事【防大いじめ訴訟 指導名目の暴力断罪 「再発防止へ国は謝罪を」】(https://mainichi.jp/articles/20201210/ddp/041/040/009000c)によると、《「提訴は間違いじゃなかった」。防衛大学校(神奈川県横須賀市)でのいじめを巡って国の責任を認めた9日の福岡高裁判決。元学生の20代の原告男性は、提訴から4年9カ月を振り返り、喜びをかみしめた。夢を抱いて飛び込んだ学校で受けたいじめの記憶に今も苦しむ時がある。判決後、あきらめずに闘い続けた男性は、二度と同じ被害者が出ないようにと強く願った。「原判決を変更する」。逆転勝訴の判決に、男性は何度もうなずきながら弁護団と握手を交わした》。
 毎日新聞の記事【防大いじめ、国に責任 福岡高裁 予見可能性、逆転認定】(https://mainichi.jp/articles/20201210/ddp/001/040/001000c)によると、《防衛大学校(神奈川県横須賀市)で上級生らに暴行や嫌がらせを受けたとして、福岡県内に住む元学生の20代男性が、防衛大を設置する国に約2300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、福岡高裁であった。増田稔裁判長は、元学生の請求を棄却した1審・福岡地裁判決(2019年10月)を変更し、国に約268万円の支払いを命じた。原告側弁護士によると、防衛大でのいじめで国の安全配慮義務違反を認めた判決は全国初とみられる》。

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[*]: 【https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5a64c50bab6de3a4a19e5e6a973f51b0#comment-list
NNNドキュメント14 年間賞 決定!/優秀賞 (A.S.)
2015-05-06 01:00:08

■「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5a64c50bab6de3a4a19e5e6a973f51b0) 

『NNNドキュメント14 年間賞 決定!/優秀賞 自衛隊の闇 不正を暴いた現役自衛官』(http://www.ntv.co.jp/document/news60.html)/「所属する組織の不正を知ってしまった男が、正義の遂行のため立ち上がった。いじめによる隊員の自殺で自衛隊の責任が問われている裁判。かつて訴訟担当者だった現役自衛官が「重要文書を隠蔽している」と、自らの組織の[不正]を暴いた。「自衛隊が、不利な事実を隠したまま『不正な勝利』を得てしまう」今の生活を失ってしまうかもしれない恐怖と闘いながらの苦渋の決断だった。自衛隊は「文書は破棄した」と説明してきたが、一転。その後、200点もの大量の文書が開示された。今、裁判の流れは大きく変わろうとしている。「私は、組織に対してではなく、法の正義と国民に忠誠を尽くしたい」 今なお、組織に留まり一人、正義のために闘い続ける自衛官の姿を取材した。
ナレーター:二又一成
制作/日本テレビ
2014/2/23放送」
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http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/4495

スギナミジャーナル
東京都杉並区限定(ときどき限定解除)の硬派ジャーナリズム 「からい、しつこい、おもしろい」 主宰・三宅勝久 土日休刊

元防大生の若者のたたかいが社会に与えた勇気と感動
2020年12月11日

 防衛大学校の中で「学生間指導」の名のもとに、肉体的な暴力や、陰毛に可燃性アルコールを吹きかけて点火してやけどを負わせる、遺影をかたどった「オブジェ」をつくって集団で嘲笑する、無視するなどの陰湿な精神的いやがらせをくり返す――などの虐待を長期間受け、精神不安定になるなど多大な苦痛を受けた元学生の若者Aさんが、加害学生多数と国を相手どって起こした民事訴訟の控訴審が9日、福岡高裁であり、増田稔裁判長は、被控訴人(原審被告)国に対して、慰謝料と退学しなかった場合の学生手当相当分など計268万円の賠償を命じる逆転判決を言い渡した

 加害を行った複数の個人を被告とする裁判も行われていたが、こちらは計95万円の賠償を命じる判決が、国と分離する形ですでにだされ、確定している。今回の判決でAさんは全面勝訴したことになる。

 むろん国が上告を断念するまで確定はしないが、仮に上告(上告受理申し立て)をしても覆る可能性はまずないというのが原告弁護団の分析だ。

 筆者はこの事件を取材して5年近くになる。記者会見でおちついた様子で気持を語るAさんの姿をみながら、真の勇者とはこういうことなんだな、と小さからぬ感動を覚えた。一時は自死を考えるほどの絶望的な苦境に置かれながらも、希望を捨てずあきらめずにたたかったさわやかさがあった。

 筆者が自衛隊の虐待について取材するようになったのは2003年ごろである。海上自衛隊護衛艦さわぎりの艦内で、先輩隊員から執拗ないじめを受けた男性が自死した事件(1999年)を追いかけ、頻繁に九州を訪ねた。当時は自衛官や隊員の自死に社会はきわめて無関心だった。遺族がおこした国賠訴訟は、一審福岡地裁佐世保支部では敗訴した。遺族はあきらめず、控訴した。そして逆転判決を勝ち取った。福岡高裁が赤坂のお堀のなかにあったころ、2008年8月のことだった。

 防大裁判の報告集会で、さわぎり事件の弁護団メンバーだった宮崎県弁護士会の西田隆二弁護士が「2008年当時の逆転判決のときと同じような(感慨深い)気持だ」と語った。あのときは、筆者は筆者で武富士から訴えられたばかりで不安をかかえていた。遺族や原告弁護団を取材しながら、逆に励ましてももらっていたようなところがあった。

 あきらめてはいけない、どんなに苦しいときでもかならず変わるときが来る――あらためてそう思う。

投稿者: miyakatu
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●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし? 嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…

2019年10月08日 00時00分21秒 | Weblog

防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行東京新聞2019年3月18日)↑]



角詠之記者の、アサヒコムの記事【防衛大いじめ訴訟、国の責任認めず 元学生の請求棄却】(https://www.asahi.com/articles/ASMB346TQMB3TIPE00S.html?iref=pc_ss_date)。

 《防衛大学校(神奈川県)の上級生や同級生から暴行や嫌がらせを受けたとして、福岡県内の男性が防大を設置するに約2300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、福岡地裁であった。足立正佳裁判長は「防衛大の安全配慮義務違反があったとは言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった



「確認された下級生へのイジメ一覧」東京新聞2019年3月18日
 【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/images/PK2019031802100072_size0.jpg】]

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行

 日刊ゲンダイの記事【防衛大学校が受験者2250人も激減…蔓延する“いじめ”の実態】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254274)によると、《裸の下半身を掃除機で吸う。体毛に火をつける。全裸にさせ際限なく腕立て伏せをさせる。「風俗嬢と写真を撮ってこい」と強要する――。受験者数の激減は「いじめ問題」と無関係ではないだろう。2013~14年にかけ、いじめを受けたとして防衛大学校を退学した男性(24)が、当時の上級生や同級生8人を相手に損害賠償を求めた裁判で、今年2月、福岡地裁は7人に計95万円の支払いを命じた》。

 そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
 足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要なリーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか? 
 《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなどへの道です、きっと。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》

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https://www.asahi.com/articles/ASMB346TQMB3TIPE00S.html?iref=pc_ss_date

防衛大いじめ訴訟、国の責任認めず 元学生の請求棄却
角詠之 2019年10月3日14時31分

     (請求を棄却する判決を受け、原告側代理人の弁護士らは
      「不当判決」の旗を掲げた=2019年10月3日、
      福岡市中央区の福岡地裁前、角詠之撮影)

 防衛大学校(神奈川県)の上級生や同級生から暴行や嫌がらせを受けたとして、福岡県内の男性が防大を設置するに約2300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、福岡地裁であった。足立正佳裁判長は「防衛大の安全配慮義務違反があったとは言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった

 この問題をめぐっては、男性が2016年3月、在学時に学生だった8人と国に損害賠償を求めて同地裁に提訴。地裁は今年2月、8人のうち7人に計95万円の支払いを命じ、判決が確定した。この判決によると、男性は13年4月の入学以降、上級生らに顔を殴られたり、アルコールを吹きかけられ体毛に火をつけられたりする暴行を受けた。国については訴訟が分離されていた。(角詠之)
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●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行

2019年05月19日 00時00分29秒 | Weblog

[防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]



NTVの【NNNドキュメント’19/防衛大学校の闇 連鎖した暴力...なぜ】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-131.html)。
東京新聞の記事【防衛大、下級生いじめがまん延 宿舎生活、地裁が認定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019031802000115.html)。

 《幹部自衛官を養成する防衛大学校で殴る」「蹴る」「下半身に火を付けるなどの暴力が起きていた》。
 《元海将で金沢工業大虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は「最も重要なリーダーシップ教育の一つである後輩指導がうまく機能していない。幹部に求められる豊かな人間性を育てられるよう、教育内容を改善すべきだ」と指摘している》。

 NNNドキュメントを見ての感想…腐臭を放っている。《学内にまん延する陰湿ないじめの実態》《蔓延する暴力の実態》。防衛大を含む民事訴訟では、強烈ないじめ・暴行していた被告8人の内の《7人は防衛大を卒業→幹部自衛官に》…。
 《最も重要なリーダーシップ教育の一つである後輩指導》!? 聞いて呆れるね。狂気を感じる。番組の中で、Y教官も《指導》と言っていて、吐き気をもよおす。Nさんへの複数回の暴行が《教育》? 《指導》? Nさんの母親は言います、《根底は私が犯したミスだと思う。一番は、やはり、(息子が)「教官に言ってくれるな」と言っていたのに、私が教官に助けを求めた…あんな人たちに助けを求めた…》。

 《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなどへの道です、きっと。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-131.html

2019年4月21日(日) 24:55【拡大枠】
防衛大学校の闇
連鎖した暴力...なぜ

幹部自衛官を養成する防衛大学校で殴る」「蹴る」「下半身に火を付けるなどの暴力が起きていた。被害者の元学生(24歳)が起こした裁判で、加害者は「指導だった」などと主張し、元教官は「予測不可能だった」と証言。取材を進める中で我々は、防衛大OB等の貴重な証言と重要な内部資料を得た。見えてきたのは蔓延する暴力の実態。そこには"学生間指導"という独自の教育システムが介在していた。

ナレーター/二又一成  制作/日本テレビ  放送枠/55分

再放送     
4月28日(日)11:00~ BS日テレ
4月28日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019031802000115.html

防衛大、下級生いじめがまん延 宿舎生活、地裁が認定
2019年3月18日 朝刊

     (訴訟を起こした男性が防衛大在学中に荒らされた机=本人提供)

 反省文を百枚書かされ、体毛に火を付けられる。防衛大学校(神奈川県横須賀市)を退学した男性(24)が、当時の上級生ら八人に損害賠償を求めた訴訟で、学内にまん延する陰湿ないじめの実態が明らかになった。専門家は「リーダーシップを学ぶという後輩指導の本来の目的から外れている」と批判する。

 「この判決を機に、大学の体質が変わってほしい」。二月、違法な暴行があったと認め、七人に計九十五万円の支払いを命じた福岡地裁判決(確定)後、男性は訴えた。

 防衛大では全員が学生舎に住み、同じ部屋の上級生が下級生を指導する。男性は二〇一三年四月に入学。指導の名目で上級生に暴行やいじめを受けて体調を崩し、一五年三月に退学した。被告八人のうち七人は現在、自衛隊の幹部になっている。

 男性の弁護団によると、防衛大の内部調査などで食べきれない量の食べ物や、固いままのカップ麺を食べさせる風俗店に行き、女性と写真を撮るよう強要する原稿用紙百枚に反省文を書かせ、ノート一冊を「ごめんなさい」で埋め尽くさせる机を荒らすといった下級生へのいじめが確認された。

 また弁護団は、防衛大が一四年八月、全学生千八百七十四人に実施した下級生への指導を巡るアンケート結果も入手。四年生の57%に当たる二百七十四人が、下級生のミスや不手際ごとに点数を加算し、一定値で罰を与える「粗相ポイント制」をしたことがあると答えた。こうした実態について、防衛大は取材に「再発防止に努める」と答えている。

 元海将で金沢工業大虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は「最も重要なリーダーシップ教育の一つである後輩指導がうまく機能していない。幹部に求められる豊かな人間性を育てられるよう、教育内容を改善すべきだ」と指摘している。


確認された下級生へのいじめ一覧
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/images/PK2019031802100072_size0.jpg

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●壊憲への暴走: シビリアンが暴走し、アベ様の「我が軍」も既に暴走を始めているようだ…戦慄を覚える

2018年05月06日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の社説【憲法を考える 「文民統制」が揺らぐ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018050102000140.html)。

 《文民統制軍事組織が主権者代表の統制に従うのは民主主義国家の基本原理ですが、それを危うくしかねない動きも目立ちます。日本国憲法の危機です》。

   『●なぜに日報を隠蔽? 「非戦闘地域」とは名ばかり…
          「そういう場所は、戦地あるいは戦場と普通は呼ぶ」
    《当時、イラクでは各地で戦闘が続き、宿営地や周辺には10数回に
     わたり迫撃砲などによる攻撃があり、自衛隊にとって初の
     戦地派遣の活動記録となる。日報公表により、当時の小泉政権の
     判断が適切だったのかを問う声が強まりそうだ》。
    《▼陸自のイラクでの活動は法律によって「非戦闘地域」に限定されていたが、
     日報の記述を素直に読めば、部隊は「戦闘」があった地域にいたことに
     なるだろう▼「英軍に武装勢力が射撃し、戦闘が拡大」。そういう場所は、
     戦地あるいは戦場と普通は呼ぶ》。
    「当時、小泉純一郎氏が言い放った
     「自衛隊の活動しているところは非戦闘地域」…実際には、惨状。
     PTSDによると思われる数十人の自殺者がそれを物語る」

   『●【筆洗】「意に沿わぬ政治家への脅し、圧力…
       国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声」
    《作家の永井荷風が軍国主義に染まっていく世の中の変化について
     書いている。「際立って世の中の変わりだしたのはいつか。…
     ▼意に沿わぬ政治家への脅し圧力と言わざるを得ない。
     イラク日報問題などでの自衛隊批判への不満だろうか。しかし、
     国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声である》。

 自民党の政治家の劣化・腐敗ぶりが激し過ぎる。その悪臭・腐臭は、アベ様信者、自公支持者には届かぬものか…。そして、civili-UNcontrol状態。「この国はunder controlでもないし、out of controlなアベ様に目茶目茶にされている」。
 (東京新聞コラム【筆洗】、2018年4月19日)《意に沿わぬ政治家への脅し、圧力国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声》。アベ様や稲田朋美氏からして「ネトウヨ思想」、歴史修正主義者ですものね…《シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない》。
 どうやら、アベ様の「我が軍」は既に暴走を始めているようだ。五・一五事件二・二六事件への《文民統制を揺るがす危険な芽》であり、戦慄を覚える。《背筋がゾッとする異様》さであり、(何度吹き飛ぶはずだったのか…)政権が吹き飛ぶほどの大変な問題だというのに、もう御仕舞なのか? これまた、ゾッとする政権・与党である。
 内政・害交でボロボロなニッポン、粉飾国家として世界に恥を拡散し続けている。唯一世界に誇れる《戦争放棄戦力不保持の憲法》さへも、破壊しようとしている。愚かだ。

   『●「積極的平和主義」なアベ様という
        civili-UNcontrolな大暴走(out of control)
    「東京新聞のコラム【私説・論説室から】シビリアンの戦争』…。
     《安倍晋三首相は政府の憲法解釈を変えて海外での武力の行使に
     道を開き、国会もそれを止められない。軍部は暴走する、は
     歴史の教訓だ。シビリアンコントロール(文民統制)こそが誤った戦争を
     阻むと信じられてきた。しかし、シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない》…
       「積極的平和主義」なアベ様というciviliUNcontrolCivilian uncontrol
     主権在民どころか、俺様なアベ様は違憲な閣議決定で壊憲する始末、
     それを許す国会、自公投票者。この国はunder controlでもないし、
     out of controlなアベ様に目茶目茶にされている」

   『●「これは相当に見つけにくかろう」…というか、
      真に《不存在》な無い物(国民の信用)は見つけようがない
    「いま、正にコレ ⇒ 《しかし、シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない
     私たち有権者が声を上げなければ、シビリアンは時として有権者を
     だましてでも、暴走し始める。「こんなはずじゃなかった」と
     後悔してからでは遅い。(豊田洋一)》。
       日刊ゲンダイの記事【文民が“影の主犯”だろう 破廉恥政権が
     “被害者ヅラ”の驚愕】…では、《それは、われわれ国民の側のセリフだ
     と言いたくなる。「非常に驚きと同時に怒りを禁じ得ない」――。5日、
     稲田元防衛相はイラク日報問題について、こう言って防衛省を批判してみせた》」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018050102000140.html

【社説】
憲法を考える 「文民統制」が揺らぐ
2018年5月1日

 文民統制軍事組織が主権者代表の統制に従うのは民主主義国家の基本原理ですが、それを危うくしかねない動きも目立ちます。日本国憲法の危機です。

 その出来事は四月十六日午後九時前に起きました。国会近くの参院議員会館を出た小西洋之参院議員に、男が現職の自衛官だと名乗った上で、罵倒したのです。

 「国のために働け」「あなたがやっていることは国益を損なうことじゃないか」「ばかなのか」

 男は最終的には発言を撤回しましたが、小西氏によると罵声は約二十分間続き、男は小西氏に「国民の敵」とも述べたといいます。


◆幹部自衛官が議員罵倒

 小西氏は国会で、南スーダンイラクに派遣された陸上自衛隊部隊の日報をめぐる組織的隠蔽(いんぺい)を厳しく追及していました。それに対する抗議だったのでしょう。

 問題は、男が自衛隊の統合幕僚監部に勤める中堅幹部だったことです。統合幕僚監部といえば、陸海空三自衛隊で構成する自衛隊運用の要。男は三十代の三佐で、いわゆるエリート自衛官でした。

 将来、自衛隊の大組織を率いる立場に就くかもしれない者が、国会近くの公道で、国民の代表である国会議員を罵倒する姿は、背筋がゾッとする異様な光景です。

 自衛隊員も国民の一人です。内心の自由はもちろん憲法で保障されてはいますが、その政治的活動は法律などで厳しく制限されています。自衛隊法六一条は、選挙権の行使以外の政治的行為を禁じています

 自衛官が公道で議員活動を糾弾するのは政治的中立を逸脱し、明らかに自衛隊法違反です。品位の保持を求めた同法五八条にも反します。法律にのっとって、厳しく処分するのは当然です。

 この問題を軽視できないのは、自衛官の行為が文民統制を揺るがす危険な芽を宿すからです。


◆旧軍に政治介入の歴史

 自衛隊は憲法上、「軍」ではありませんが世界でも有数の「武力」を有する実力組織です。その行使は慎重の上にも慎重でなければなりません。それを担保する仕組みが、主権者の代表が実力組織を統制する文民統制、いわゆるシビリアンコントロールです。

 日本の場合、国民を代表する国会が自衛官組織の在り方を法律や予算の形で議決し、防衛出動など活動の是非を決めます。国の防衛に関する事務は内閣の行政権に属し、自衛隊に対する指揮監督権を有する首相隊務を統括する防衛相らの閣僚は、文民でなければならないと、憲法は定めています。

 つまり、野党といえども国会議員は、すべての自衛隊員が従うべき、文民統制の要なのです。

 なぜこのような仕組みが、戦後日本の民主主義体制で採用されたのでしょう。それは先の大戦の反省からにほかなりません。

 戦前の日本でも軍人の政治関与は戒められていました。明治憲法下でも「軍の編制や予算に関しては内閣統制および議会統制が一応機能していた」(纐纈厚著「暴走する自衛隊」)といいます。

 しかし、一九三〇年、ロンドン海軍軍縮条約調印は天皇の統帥権を侵すものだとして、野党や右翼が浜口雄幸内閣を激しく攻撃した「統帥権干犯問題」を契機に、軍部は政治介入を強めます。

 三二年には海軍の青年将校らが首相官邸に乱入し、犬養毅首相を殺害する五・一五事件、三六年には、陸軍の青年将校らが官邸などを襲撃し、高橋是清蔵相らを殺害する二・二六事件が起きました。

 その後、政治は軍部に抵抗する力を失い、軍部独裁の下、日本人だけで約三百十万人の犠牲者を出した太平洋戦争に突入します。

 武力を有する実力組織に身を置く者が、自分の意に反する政治家を面罵する姿は、政治に介入していった旧日本軍に重なります。

 戦争放棄戦力不保持の憲法施行から七十一年。米国と軍事同盟の安全保障条約を結び、自衛隊を保持するに至りましたが、専守防衛に徹することで、他国に脅威を与える軍事大国にならず、地域の平和と安定を維持してきました。


◆いつか来た道歩む前に

 一方、自民党内では安倍晋三首相の意を受けて憲法に自衛隊を明記する改憲論議が進みます。自衛隊が明記されるだけで何も変わらないのか、抑制的に振る舞ってきた自衛隊のタガがはずれないか、国民の心配は尽きません。

 しかし、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長はこの案を「ありがたい」と述べました。従来なら指弾された政治への言及を容認する空気が幹部自衛官の暴言の背景にあるとしたら、事態は深刻です。

 文民統制は堅持すべき憲法の精神です。それを揺るがすいかなる言動も絶対に見過ごしてはならない。「いつか来た道を歩みだしてからでは遅いのです。
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●【筆洗】「意に沿わぬ政治家への脅し、圧力…国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声」

2018年04月29日 00時00分29秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018041902000136.html)。

 《作家の永井荷風が軍国主義に染まっていく世の中の変化について書いている。「際立って世の中の変わりだしたのはいつか。…▼意に沿わぬ政治家への脅し圧力と言わざるを得ない。イラク日報問題などでの自衛隊批判への不満だろうか。しかし、国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声である》。

   『●「積極的平和主義」なアベ様という
        civili-UNcontrolな大暴走(out of control)
    「東京新聞のコラム【私説・論説室から】シビリアンの戦争』…。
     《安倍晋三首相は政府の憲法解釈を変えて海外での武力の行使に
     道を開き、国会もそれを止められない。軍部は暴走する、は
     歴史の教訓だ。シビリアンコントロール(文民統制)こそが誤った戦争を
     阻むと信じられてきた。しかし、シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない》…
       「積極的平和主義」なアベ様というciviliUNcontrol。Civilian uncontrol。
     主権在民どころか、俺様なアベ様は違憲な閣議決定で壊憲する始末、
     それを許す国会、自公投票者。この国はunder controlでもないし、
     out of controlなアベ様に目茶目茶にされている」

   『●「これは相当に見つけにくかろう」…というか、
      真に《不存在》な無い物(国民の信用)は見つけようがない
    「いま、正にコレ ⇒ 《しかし、シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない
     私たち有権者が声を上げなければ、シビリアンは時として有権者を
     だましてでも、暴走し始める。「こんなはずじゃなかった」と
     後悔してからでは遅い。(豊田洋一)》。
       日刊ゲンダイの記事【文民が“影の主犯”だろう 破廉恥政権が
     被害者ヅラの驚愕】…では、《それは、われわれ国民の側のセリフだ
     と言いたくなる。「非常に驚きと同時に怒りを禁じ得ない」――。5日、
     稲田元防衛相はイラク日報問題について、こう言って防衛省を批判してみせた》」

 自民党の政治家の劣化が激し過ぎる。そして、civili-UNcontrol状態。「この国はunder controlでもないし、out of controlなアベ様に目茶目茶にされている」。
 《意に沿わぬ政治家への脅し、圧力国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声》…だって、アベ様や稲田朋美氏からして「ネトウヨ思想」、歴史修正主義者ですもの。《シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない》。

 リテラの記事【幹部自衛官「国民の敵」暴言を生んだのは、国民を分断する安倍政治だ!自衛隊、警察に蔓延するネトウヨ思想】(http://lite-ra.com/2018/04/post-3959.html)によると、《統合幕僚監部に所属する幹部自衛官が、民進党の小西洋之参院議員に対し、「お前は国民の敵だ」「お前の国会での活動は気持ち悪い」などと暴言を放った問題。これは、戦後日本政治と自衛隊との関係を根本から揺るがす大事件だ》。
 東京新聞の社説【幹部自衛官暴言 旧軍の横暴想起させる】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018041902000174.html)によると、《背筋がゾッとする異様な行為である。現職の幹部自衛官が国会議員に国民の敵などと罵声を浴びせた旧軍の横暴を想起させ、断じて許されない。再発防止の徹底と責任の明確化を求めたい》。

 東京新聞の記事【3佐暴言 統幕長も謝罪 懲戒処分を視野に調査】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018042002000141.html)によると、《小野寺氏は、十七日に三佐の言動を思うことはあるだろうと発言したが、この日の外防委では「擁護するつもりはない」と釈明。「不適切な発言は認められない」と述べ、厳しく対応する考えを述べた。河野統幕長はこれを受けた会見で「いかなる理由があろうとも国会議員に暴言を吐くことは許されない」と言明…暴言が、戦前に青年将校が暴走した二・二六事件五・一五事件を想起させるとの批判には「厳粛に受け止めなくてはいけない。戦前と違い、こういう事態は自衛隊、組織として絶対に許さない」と釈明した》。
 ニッカンスポーツのコラム【政界地獄耳/「3佐暴言」防衛相辞任が適当】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804210000254.html)によると、《だが、この自衛官の発言は統幕議長が否定したところでシビリアンコントロールの危機に他ならない。本来なら当該3佐の懲戒免職、統幕議長更迭、そして防衛相の辞任が適当だろう。その処分をしない限り国会は譲るべきではない。少し防衛省はこの問題を軽く見すぎている》。
 行政府の長殿も、さっさと、大見得・啖呵「議員辞職」をいい加減に有言実行してほしい。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018041902000136.html

【コラム】
筆洗
2018年4月19日

 作家の永井荷風が軍国主義に染まっていく世の中の変化について書いている。「際立って世の中の変わりだしたのはいつか。それは「霞が関三年坂のお屋敷で白昼に人が殺された」あたりからだろうという▼三年坂の殺人とは一九三二(昭和七)年、犬養毅首相が首相官邸で青年将校に暗殺された五・一五事件である。そこからの大きな変化を誰一人予想できなかった」。時代の変わり目はその時点では気がつかぬものか▼この話に五・一五を大げさに持ち出すのをためらう。なれど、いつか振り返ったとき、その罵声が時代の変わり目だったということにならぬかを心配する。幹部自衛官が十六日夜、国会近くの路上で民進党国会議員に向かい「おまえは国民の敵だなどと罵声を浴びせかけた問題である▼意に沿わぬ政治家への脅し圧力と言わざるを得ない。イラク日報問題などでの自衛隊批判への不満だろうか。しかし、国民が選んだ国会議員への罵声はそのまま国民への罵声である。その行為によって、どちらが、「国民の敵」になってしまうかにどうして気がつかなかったか▼厳正な処分と対策が必要である。今回は一人だった。これが二人、三人にならぬとは限らぬ。今回は声だった。これが拳やナイフに変わらぬとは限らぬ▼「四・一六事件」。後になってあれが時代の変わり目だったと考え込んでみても遅い
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